JPH0136014B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 近年、冷暖房を行なつている部屋を換気する手
段として、室内の汚れた空気を室外へ排出し、室
外の新鮮な空気を取り入れ、室内の空気と室外の
空気との間で熱交換を行ない、排出する室内空気
の熱エネルギーを室外空気に移して室内へ回収す
る空調換気扇が使用されるようになつてきた。そ
して、住宅の密閉化にともないその普及には目ざ
ましいものがある。本発明はこのような住宅等の
換気によつて室外へ排出する室内の熱エネルギー
を回収する空調換気扇に関するものである。

従来例の構成とその問題点 従来の空調換気扇について第１図および第２図
にもとづいて説明する。

図において、１０３は背面中央に室外側吐出口
１０４と室外側吸込口１０５とを有し、右側面に
室内側吸込口１０１とを有する本体で、前面にル
ーバ１００を着脱自在に嵌合させている。前記ル
ーバ１００は前面左側に室内側吐出口１０２を有
している。上記室内側吸込口１０１と上記室外側
吐出口１０４とは排気通路１０６で連通されてお
り、また上記室内側吐出口１０２と上記室外側吸
込口１０５とは給気通路１０７で連通され、上記
排気通路１０６と上記給気通路１０７の交差部に
は熱交換素子１０８を設けている。そして上記排
気通路１０６に送風するための排気用羽根１０９
と、上記給気通路１０７に送風するための給気用
羽根１１０が備えられ、これら排気用羽根１０９
と給気用羽根１１０はモータ１１１で回転させら
れるようになつている。

上記構成において、モータ１１１により排気用
羽根１０９と給気用羽根１１０を回転させると、
本体１０３の室内側吸込口１０１より吸込まれた
室内空気は矢印Ａ→A′のように熱交換素子１０
８を通り、排気通路１０６を通つて本体１０３の
室外側吐出口１０４より室外へ排出される。そし
て、本体１０３の室外側吸込口１０５より吸込ま
れた外気は矢印Ｂ→B′のように給気通路１０７
を通り、熱交換素子１０８を通つてルーバ１００
の室内側吐出口１０２より室内へ吐出される。こ
のとき、熱交換素子１０８の内部で外気と室内空
気とが持つている熱エネルギーが互いに交換さ
れ、室内空気の持つている熱エネルギーが室内へ
回収される。

しかしながら、上記のような構成では、熱交換
素子１０８が１個のみであるため熱の伝達面積が
小さく、また、排気用羽根１０９および給気用羽
根１１０からの距離が熱交換素子１０８の中央と
両端面ではかなりの差があり、通過風量が均一で
ないために熱交換素子全体が有効に働いておら
ず、熱エネルギーの回収量、つまり熱交換率も低
かつた。また熱交換素子の大きさも製品外観上か
ら限られていて大きくすることが困難なため、熱
交換素子内部での排気通路、および給気通路の断
面積が小さくなり、通気抵抗損失が大きくなつて
換気風量も少なかつた。また、通気抵抗損失が大
きいために排気用羽根１０９および給気用羽根１
１０に静圧がかかり、回転数が高く、騒音も大き
かつた。

これらの欠点を従来の空調換気扇で解消するに
は熱交換素子を大きくして伝熱面積を大きくする
とともに通気抵抗損失を小さくすればよい訳であ
るが、そうすれば本体そのものの大きさが大きく
なり、取付工事が非常に困難になるとともに、外
観が悪くなる等の問題があつた。また、換気扇の
運転停止時には室外側の吸込口および吐出口が開
ききつているので、上記両口から外気が入り、暖
房中等の室内温度を下げ、また室外から騒音が入
る等の問題もあつた。

発明の目的 本発明はこのような従来の欠点を解消するもの
で、本体の大きさを従来のものとの比率で同じ位
または小さくしても熱交換率を向上させ、かつ騒
音の低下と運転停止時の外気侵入を防止する空調
換気扇を提供するものである。

発明の構成 本発明は本体内中央部に設けた排気用羽根およ
び給気用羽根の外周部に複数個の熱交換素子を設
けることにより排気通路と給気通路を形成して熱
交換換気を行ない、また、排気用羽根および給気
用羽根の外周部に複数個の熱交換素子を設けるこ
とにより熱交換素子の容積を大きくして伝熱面積
を大きくし、熱交換率を向上させるとともに熱交
換素子の通気抵抗損失を減少させて騒音を低下さ
せ、かつシヤツターにて室外側の吸込口および吐
出口を開閉し、運転停止時における上記両口から
室内への外気侵入を防止するものである。

実施例の説明 以下本発明の一実施例を第３図〜第７図にもと
づいて説明する。図において４は内部の中央部に
排気用羽根７と給気用羽根８とそれらを回転する
ための細腕２１に支持されたモータ９を有する長
四角形の本体で、前面にルーバ１を着脱自在に嵌
合させている。前記ルーバ１は前面中央部に室内
側吸込口２を有し、これの左右に室内側吐出口３
を有している。本体４の内部で上記排気用羽根７
および給気用羽根８の外周部には熱交換ユニツト
１０を着脱自在に設けている。この熱交換ユニツ
ト１０は、伝熱板１１を所定間隔に保持して積層
し、かつ互いに独立した通路が交互に形成され、
伝熱板１１の積層方向に対して所定の角度で切断
し、２つの角のみが90゜である台形状の端面２４，
２５を有する４個の熱交換素子１２を、鉄板製の
長四角形の枠体１３の四隅角に配設して第６図の
ように一体化している。そして、この熱交換ユニ
ツト１０はルーバ１をはずした本体４の前面開口
より着脱自在に挿入して排気および給気の羽根
７，８と本体４の四隅角に生じる台形状の空間に
各熱交換素子１２が位置するようにセツトするよ
うになつている。また枠体１３はルーバ１の室内
側吸込口２に通じる上記排気用羽根７の吸込口１
４と、ルーバ１の室内側吐出口３と連通する４個
の吐出口１５を有する。上記本体４の四隅角に配
設した上記４個の熱交換素子１２は、斜面２３に
２つの吸込口を有しており、排気用羽根７に対向
する第１の吸込口２３ａは一方の端面２４に連通
して排気通路１６の一部分を形成するとともに、
給気用羽根８に対向する第２の吸込口２３ｂは他
方の端面２５に連通して給気通路１７の一部分を
形成し、互いに伝熱板１１を介して交差させてい
る。そして上記ルーバ１の室内側吸込口２と後述
のダクト接続口１９の有する室外側吐出口５とを
それぞれ排気通路１６の入口と出口に接続し、ま
た上記ルーバ１の室内側吐出口３とダクト接続口
１９の室外側吸込口６とをそれぞれ給気通路１７
の入口と出口に接続している。そして本体４の背
面側にチヤンバー部１８を設け、背面には中央の
縦隔壁２０にて二層に分離した円筒のダクト接続
口１９を設けて室外側吐出口５と室外側吸込口６
を有し、その室外側吸込口６側の通風路には半円
状の第１のシヤツター２２ａを設け、また室外側
吐出口５側の通風路にも半円状の第２のシヤツタ
ー２２を設けている。これらのシヤツター２２，
２２ａは開放したとき、チヤンバー部１８側に突
出するように構成されている。この第１のシヤツ
ター２２ａと第２のシヤツター２２は、モータ９
の運転用スイツチ（図示せず）に連動して、上下
方向へ回動させる軸２３にて軸支してある。

上記実施例において、モータ９により排気用羽
根７および給気用羽根８を回転させるとともにシ
ヤツター２２，２２ａが開き、ルーバ１の室内側
吸込口２より吸込まれた室内空気は矢印Ｃ→C′の
ように排気通路１６を通り４個の熱交換素子１２
を通つて、本体背面部のチヤンバー部１８に集ま
り、本体４の室外側吐出口５より室外へ排出され
る。そして、本体４の室外側吸込口６より吸込ま
れた外気は矢印Ｄ→D′のごとく給気通路１７を
通り、４個の熱交換素子１２を通つて、ルーバ１
の室内側吐出口３より室内へ吐出させる。このと
き、熱交換素子１２の内部で外気と室内空気とが
持つている熱エネルギーが互いに交換され、室内
空気の持つている熱エネルギーが室内へ回収され
る。この場合、熱交換を行なう熱交換素子１個当
りの通過風量（処理風量）が少なくてよいので単
位風量当りの伝熱面積は大きくなり、また４個の
熱交換素子１２は伝熱板１１の積層方向に対して
所定の角度で切断し、２つの角のみ90゜である台
形の柱状としたものを、排気用羽根７、および給
気用羽根８の外周部に設けているため、排気用羽
根７および給気用羽根８からの距離がそれぞれの
熱交換素子１２で同一となり、４個の熱交換素子
１２のすべてが有効に働くので熱交換率を高くす
ることが可能となる。また、それぞれの熱交換素
子１２が伝熱板１１の積層方向に対して所定の角
度をもつて切断してあるため、排気用羽根７、お
よび給気用羽根８からの空気の流入口面積が大き
く、しかもそれが４個あるために通気抵抗損失が
小さくなり、多くの換気風量が得られ、排気用羽
根７、および給気用羽根８にかかる静圧も低く、
それによつて回転数が低くなるために騒音が極め
て低くなる。

さらに、給気通路１７の室外側吸込口６は、排
気通路１６であるチヤンバー部１８を貫通してい
るために、境界面６ａにおいて熱交換され、熱交
換率を高くしている。さらにまた、排気通路１６
にチヤンバー部１８を設け、室外側吐出口５と室
外側吸込口６を、中央の縦隔壁２０にて二層に分
離したダクト接続口１９内に設けてあるために、
一本のダクト穴を設置壁にあけるだけで取付ける
ことができる。

また、チヤンバー部１８内に第２のシヤツター
２２の一部を突出させることで整流板の役割をし
室外側吐出口５から排出される空気の乱流を防止
し、なめらかに排気することになるとともにダク
ト接続口１９を短く形成することができ、施工時
の取扱いも容易になる。

また、軸２３にて第１のシヤツター２２ａと第
２のシヤツター２２を軸支することで、給気通路
１７の流れがダンパーとして作用し、第２のシヤ
ツター２２の開放時のバタツキ等をなくすことと
なる。

さらに、スイツチによりモータ９の運転を停止
すると、これに連動して、本体４背面に取付けた
ダクト接続口内に設けられた第２のシヤツター２
２，第１のシヤツター２２ａも軸２３を中心に回
転して室外側吐出口５および吸込口６を閉じ、外
気、騒音の室内への侵入を防止し、また外気に混
じる湿気、塵埃が本体４内に入つて付着するのを
防止する。

さらに４個の熱交換素子１２は枠体１３によつ
て一体に形成されているので、本体４の前面から
の着脱が容易で清掃等の保守点検が容易で、特に
枠体１３で覆われているので清掃時に傷がつきに
くく、熱交換素子の寿命が延びる。

発明の効果 このように本発明によれば、本体内中央部に設
けた排気用羽根および給気用羽根の外周部に複数
個の熱交換素子を設けることにより排気通路と給
気通路を形成して熱交換換気を行なう構成である
から、従来に比べ熱交換素子の伝熱面積が大きく
なり、それによつて熱交換率が向上し、また通気
抵抗損失も小さくなるため、多くの換気風量が得
られ、排気用羽根、および給気用羽根にかかる静
圧が低くなり回転数も低くなるので、騒音が極め
て低くできる。

また、第２のシヤツターをダクト接続口からチ
ヤンバー部に一部を突出させて開放させることに
より、本体内の四隅の熱交換素子から集められた
排気を乱流させることなくダクト接続口内へ導く
ことが可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の空調換気扇の横断面図、第２図
は従来の空調換気扇の要部欠截の正面図、第３図
は本発明の一実施例の空調換気扇の横断面図、第
４図は同要部欠截の正面図、第５図は同熱交換素
子の斜視図、第６図は同熱交換ユニツトの斜視
図、第７図は同給・排気通路の説明斜視図であ
る。 ２……室内側吸込口、３……室内側吐出口、４
……本体、５……室外側吐出口、６……室外側吸
込口、７……排気用羽根、８……給気用羽根、９
……モータ、１１……伝熱板、１２……熱交換素
子、１６……排気通路、１７……給気通路、２２
……第２のシヤツター、２２ａ……第１のシヤツ
ター。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 中央部内に排気用羽根７、給気用羽根８およ
   びこれらを回転させるモータ９と、前面中央部に
   室内側吸込口２と、この室内側吸込口２の両側に
   室内側吐出口３と、背面側にチヤンバー部１８
   と、背面中央部に外部に突出し中央の隔壁２０で
   二分して室外側吐出口５および室外側吸込口６を
   有するダクト接続口１９と、前記チヤンバー部１
   ８内および排気用羽根７を通つて前記室外側吐出
   口５と前記室内側吸込口２とを結んで形成した排
   気通路１６と、前記チヤンバー部１８を貫通して
   前記給気用羽根８を通り前記室外側吸込口６と前
   記室内側吐出口３とを結んで形成した給気通路１
   ７とを設けた箱体形状の本体４内の前記排気用羽
   根７および給気用羽根８の外周で前記排気通路１
   ６と給気通路１７の交差部を形成する四隅角に台
   形柱状の熱交換素子１２を配設し、さらに前記ダ
   クト接続口１９の室外側吐出口５側と室外側吸込
   口６側のそれぞれに開閉自在なシヤツター２２，
   ２２ａを設け、かつ室外側吐出口５側のシヤツタ
   ー２２を開放時、一部が前記チヤンバー部１８内
   に突出するように形成してなる空調換気扇。