JPH0135648Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、排ワラ束挾持搬送装置と、それの終
端部の下方に位置して、排ワラ束結束装置の結束
空間へ排ワラ束を掻込み供給するパツカーとの間
に、先に供給された排ワラ束を前記パツカーの掻
込み作用範囲から外れた位置で受止め保持する受
け杆を、次の排ワラ束が前記挾持搬送装置の終端
部に移動するに伴い下降動させるべく、自動的に
上下動操作されるように設けた脱穀機の排ワラ結
束処理装置に関する。

上記の排ワラ結束処理装置は、排ワラ束が挾持
搬送装置によつて搬送方向に押拡げられた状態で
搬送されることがあつても、排ワラ束をその全て
が挾持搬送装置から排出された状態でパツカーに
供給させるようにして、排ワラ束の一部が挾持さ
れている状態でパツカーが掻込み作用するトラブ
ルを回避させるようにしたものである。

ところで、従来では、押拡げられた状態の排ワ
ラ束を受け杆の下降動に判つて単にパツカー側に
供給させるようにしていたが、この場合、例えば
押拡げられた排ワラ束の一部分のみをパツカーが
掻込み作用する虞れがある点に起因して、排ワラ
束の姿勢乱れを起したり、排ワラ束の全体を結束
空間に適確に掻込み供給できないものとなるため
に、結束不良や結束ミスを招く不都合があつた。

本考案は、上記実状に鑑みて為されたものであ
つて、その目的は、簡単な改造によつて、排ワラ
束を丸軸状あるいはそれに近い状態に復帰させた
状態でパツカーに供給できるようにする点にあ
る。

本考案による脱穀機の排ワラ結束処理装置の特
徴構成は、前記受け杆の搬送下手側端部を上方に
屈曲形成すると共に、前記受け杆上の排ワラ束を
前記パツカーの掻込み作用範囲内に流下案内する
固定傾斜ガイド杆を、前記受け杆の下降動に伴つ
て保持排ワラ束を前記受け杆の上方へ取出すべ
く、下降動した前記受け杆よりも上方側に位置さ
せる状態で設けた点にあり、その作用効果は次の
通りである。

すなわち、搬送下手側端部が上方に屈曲形成さ
れた受け杆にて排ワラ束を受止め保持する際に、
挾持搬送装置が排ワラ束を押出す作用と受け杆の
上方屈曲部が上記押出作用に抗して排ワラ束を受
止める作用との共働によつて、挾持搬送装置から
押拡げられた状態で排出される排ワラ束を丸軸状
あるいはそれに近い状態に復帰させることがで
き、しかも、そのために受け杆に備えさせた上方
屈曲部が、受け杆下降時において、排ワラ束がパ
ツカー側に移動することに抵抗を与えることにな
るものの、受け杆の下降動を有効利用しながら固
定傾斜ガイド杆によつて排ワラ束を受け杆の上方
へ取出したのち、その取出した排ワラ束を傾斜ガ
イド杆に沿つて円滑にパツカーに供給できるよう
にしてある。

従つて、排ワラ束を丸軸状あるいはそれに近い
状態でパツカーに供給できるものとなつて、パツ
カーにて排ワラ束の全体を掻込ませることができ
る、あるいは、パツカーが排ワラ束の一部にのみ
掻込み作用することがあつても、押拡げられた排
ワラ束に比して姿勢乱れを抑制できるものとな
り、もつて、全体として、挾持搬送装置からの排
ワラ束を姿勢乱れの無い状態で適確に結束装置に
供給して良好な作業を行なわせることができるよ
うになつた。

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

脱穀機の一例であるハーベスタを構成するに、
左右一対のクローラ走行装置１，１を有する機体
フレーム２上に、それの脱穀挾持搬送装置（排ワ
ラ挾持搬送装置の一例）３が左右横方向に沿う状
態で脱穀装置４を搭載するとともに、前記脱穀装
置４の穀稈供給口側には、ほぼ水平の穀稈供給姿
勢と格納姿勢とに変更可能な穀稈供給台５を取付
け、前記脱穀装置４の排ワラ出口側には、前記挾
持搬送装置３から横向き姿勢で送り出されてくる
排ワラ束の複数個を収集して結束したのち放出す
る結束装置６を配設している。

前記結束装置６を構成するに、結束空間７の下
部に、この結束空間７内に排ワラ束を掻込むパツ
カー８及び結束紐供給用ニードル９を配設すると
ともに、前記結束空間７の上部には、紐ホルダー
１０、紐結節用ビル１１、結束処理された排ワラ
の大束を放出する放出アーム１２を配設してい
る。

前記脱穀挾持搬送装置３を構成するに、脱穀装
置４の扱口上部に沿つて架設された搬送フレーム
１３の両端に、脱穀フイードチエーン１４を掛張
するスプロケツト１５……を設け、前記扱口下部
に沿つて架設したレール台１６には、互いに枢支
連結された複数個の挾持レール１７……のガイド
ピン１８……を、前記脱穀フイードチエーン１４
の下部挾持搬送面に対する遠近方向に変位自在に
挿嵌支持させるとともに、前記挾持レール１７…
…を脱穀フイードチエーン１４の挾持搬送面側に
付勢するスプリング１９……を設けている。

而して、前記搬送終端側スプロケツト１５の回
転軸２０の株元側に外嵌された部材２１と前記脱
穀フイードチエーン１４の安全カバー２２に固着
されたブラケツト２３との間、及び前記回転軸２
０の穂先側に外嵌された部材２１と脱穀装置４に
固着されたブラケツト２３との間に夫々亘つて、
前記パツカー８の掻込み軌跡よりも上方に位置す
る押え杆２４，２４を、その先端が結束空間７の
入口上部近くに位置する状態で取付けるととも
に、前記挾持搬送装置３とそれの終端部下方に位
置する前記パツカー８との間に、先に供給された
排ワラ束をパツカー８の掻込み作用範囲から外れ
た位置で受止め保持する受け杆２５を、前記押え
杆２４，２４との間で受止め保持するように設け
てある。そして、受け杆２５を、前記挾持レール
１７……のうちの搬送終端部のもの１７に上下揺
動自在に枢着すると共に、前記レール台１６に連
設した取付け部材２６を、ピン２７、長孔２８を
介して前記受け杆基端側に係止連結し、もつて、
前記終端部の挾持レール１７の上下動を利用し
て、受け杆２５を、次の排ワラ束が挾持搬送装置
３の終端部に移動するに伴い下降動させるべく、
自動的に上下動操作するように構成してある。

前記受け杆２５の搬送下手側端部を上方に屈曲
形成すると共に、受け杆２５上の排ワラ束をパツ
カー８の掻込み作用範囲内に流下案内する固定傾
斜ガイド杆２９を、受け杆２５の下降動に伴つて
保持排ワラ束を受け杆２５の上方へ取出すべく、
下降動した受け杆よりも上方側に位置させる状態
で前記取付け部材２６に連設してある。又、前記
結束装置６の紐ガイド板３０には、板バネ製のガ
イド杆３１を取付けている。このガイド杆３１の
取付け基端部側を、前記押え杆２４の遊端との間
に適当な間隙を形成した状態で上方に突出するよ
うに、前記結束空間７側に向かつてほぼ逆Ｕの字
状に屈曲形成する一方、遊端側は、その下端部が
パツカー８の掻込み告用範囲内で、かつ最大掻込
み位置ａよりも少し搬送上手側に位置する状態で
ほぼＶ字状に屈曲形成している。

また、前記押え杆２４，２４は、脱穀挾持搬送
装置３の終端スプロケツト１５への排ワラ巻込み
防止機能をも有する。

【図面の簡単な説明】

第１図はハーベスタ全体の背面図、第２図、第
３図は要部の拡大背面図とその平面図である。 ３……排ワラ束挾持搬送装置、６……結束装
置、７……結束空間、８……パツカー、１７……
挾持レール、２５……受け杆、２９……固定傾斜
ガイド杆。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 排ワラ束挾持搬送装置３と、それの終端部の下
   方に位置して、排ワラ束結束装置６の結束空間Ｂ
   へ排ワラ束を掻込み供給するパツカー８との間
   に、先に供給された排ワラ束を前記パツカー８の
   掻込み作用範囲から外れた位置で受止め保持する
   受け杆２５を、次の排ワラ束が前記挾持搬送装置
   ３の終端部に移動するに伴い下降動させるべく、
   自動的に上下動操作されるように設けた脱穀機の
   排ワラ結束処理装置であつて、前記受け杆２５の
   搬送下手側端部を上方に屈曲形成すると共に、前
   記受け杆２５上の排ワラ束を前記パツカー８の掻
   込み作用範囲内に流下案内する固定傾斜ガイド杆
   ２９を、前記受け杆２５の下降動に伴つて保持排
   ワラ束を前記受け杆２５の上方へ取出すべく、下
   降動した前記受け杆２５よりも上方側に位置させ
   る状態で設けてある脱穀機の排ワラ結束処理装
   置。