JPH0135210Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はカートリツジ・フイルター用ハウジン
グに関するものである。

（従来の技術とその問題点） 過作業の能率化のため最近材をカートリツ
ジ化したいわゆるカートリツジ・フイルターがよ
く使用されている。これは例えばエツジ型、ワイ
ンド型、モールド型或はプリーツ型等に成形組立
てられたフイルター要素を第１図に示したような
ハウジングに装填するだけで過準備が終り、直
ちに過操作に移れるので、従来のフイルタープ
レスやその他の各種シート状過機に比べて操作
が極めて簡単であり、又設備面積も小さく設備費
も安価であるという利点がある。

第１図はかかる従来のカートリツジ・フイルタ
ー用ハウジングの断面図を示す。このカートリツ
ジ・フイルター用ハウジングは上部蓋部１と、之
は緊密に結合された下部ケーシング２とからな
り、筒状カートリツジ・フイルター要素１０がそ
の中に装填されている。蓋部１には直径的に相対
向して流入路３と流出路４が設けられ、流入路３
には導入管５が、また流出路４には導出管６が装
着されている。流入路３には之に連通する下向き
の開口７が設けられ、この開口７は、下部ケーシ
ング２の壁体２ａとフイルター要素１０との間に
形成された環状間隙９に連通している。又、流出
路４には、フイルター要素１０の内腔流路１１と
連通する開口部８が設けられている。

このカートリツジ・フイルターで過を行う際
は、流体は導入管５から流入路３に入り、開口７
を通つて下部ケーシング２の流通路９に入り、フ
イルター要素１０を通過し、その際固形物が除か
れて内腔流通路１１内に過され、開口部８及び
流出路４を通つて、導出管６を経て外部に排出さ
れるようになつている。

しかし実際には流体が流入路３から入つても下
部ケーシング２には一つの開口７から真直ぐに降
下するだけであり、しかも本体内部は殆んどフイ
ルター要素１０で占められているため、その周囲
の環状間隙９の間隔はたかだか１cm位のことが多
く、これに比べて本体内部の長さは標準フイルタ
ー要素（径７cm、長さ25cm）１本装填の場合でも
27〜28cmあるので、本体内部における流体の流れ
が不充分で、フイルター要素１０の過面全体に
亘つて均一に過が行われず、フイルター要素表
面へのケークの堆積も不均一になりやすい。特に
過の始めは本体２の下部は上部にくらべて流体
の動きがにぶく、殆んど上部だけで過が行われ
易く、そのため、途中で原液のロツトが変つた時
等は、これが完全に置換されるのにかなりの時間
がかかり、その改良がのぞまれていた。

（考案の目的） 本考案の目的はこれらの欠点を改良したカート
リツジ・フイルター用ハウジングを提供するにあ
る。

（考案の構成・作用） 本考案の要旨とするところは、フイルター要素
３０を内装した下部ケーシング２２と、該下部ケ
ーシングの上方開口に着脱自在に装着される蓋２
１とからなり、該蓋は直径的に相対向しかつ直径
方向に延びる流入路２３及び流出路２４を備え、
該流入路２３に連通して斜め下向きに転向されか
つ下部ケーシング２２の内壁とフイルター要素３
０の外周面との間に形成された環状間隙２９の上
端に開口端を有する流通路２７を形成し、かくし
て流通路２７の開口端から斜め下向きに流出する
流体が環状間隙２９内でフイルター要素３０の外
周面の回りに螺旋状または渦巻状の流れを形成す
る如くし、流出路２４にはフイルター要素３０の
内腔部３１と連通する開口部２８を設けてなるカ
ートリツジ・フイルター用ハウジングにある。

以下、本考案を第２図および第３図に示す実施
例にもとづいて説明する。

第２図は本考案のカートリツジ・フイルター用
ハウジングの実施例の断面図、第３図は同じく一
部切欠斜視図である。

図において２１は上部蓋部、２２は下部ケーシ
ングである。上部蓋部２１と下部ケーシング２２
とは例えば螺合手段により緊密に嵌着される。上
部蓋部２１には、直径的に相対向しかつ直径方向
に延びる流入路２３及び流出路２４を有し、流入
路２３には導入管２５が、また流出路２４には導
出管２６が装着されている。

下部ケーシング２２内には円筒状フイルター要
素３０が内装されており、該フイルター要素はそ
の下方で支持台３２にパツキング３３を介して緊
密に支持されており、上方では流出路２４に連通
するスリーブ状開口部２８がフイルター要素３０
の内腔部３１に内挿されていると共に、蓋部２１
の下面にパツキング３４を介して緊密に当接する
ように構成されている。

流入路２３に連通して、第３図に示す如く、斜
め下向きに転向されかつ下部ケーシング２２の内
壁とフイルター要素３０の外周面との間に形成さ
れた環状間隙２９の上端に開口端を有する流通路
２７を形成し、かくして流通路２７の開口端から
斜め下向きに流出する流体が環状間隙２９内でフ
イルター要素３０の外周面の回りに螺旋状または
渦巻状の流れを形成する如くする。しかして該流
通路２７の先端は下部ケーシング２２の内壁とフ
イルター要素３０の外周面との間に形成された環
状間隙２９に対して開口している。かくして流通
路２７から環状間隙２９内に流入する流体は該環
状間隙２９内に上方から下方へと螺旋状もしくは
渦巻状の流れを形成するようになつている。

すなわち、本考案の特徴の一つは流入路２３に
連通して斜め下向きに転向されかつ下部ケーシン
グ２２の内壁とフイルター要素３０の外周面との
間に形成された環状間隙２９の上端に開口端を有
する流通路２７を形成し、かくして流通路２７の
開口端から斜め下向きに流出する流体が環状間隙
２９内でフイルター要素３０の外周面の回りに螺
旋状または渦巻状の流れを形成する如くした点で
ある。この構成により流入路２３から入つた流体
は流通路２７に沿つて矢印の如く螺旋状もしくは
渦巻状に勢いよくケーシング２２の環状間隙２９
内に流入するため、ケーシング２２の下部まで流
体は完全に撹拌され、その結果フイルター要素３
０の過面全体に亘つて均一な過が行なわれう
る。

本考案によれば、ロツトの異なる流体の置換等
も、従来のものの1/3〜1/5の時間で完了する。
又、この過程で大きな粒子は遠心力によりケーシ
ング２２の壁面方向に運ばれ、壁面に沿つて落下
しあるいはフイルター要素３０の表面を洗う様に
流動するためフイルター要素の目詰りも低減され
過寿命が延びるという利点がある。

又、本考案においては流入路と流出路が、直径
的に対向する向きに配置されているので、配管上
極めて有利である。

なお流入路自体を、流体が下部ケーシング内に
接線方向に流入するような向きに配置しても、ケ
ーシング内での流体の状態を本考案と同様にする
ことができるが、配管に際して、外部接続管を屈
曲させねばならず不便であると共に、接続後のハ
ウジングの安定が悪く、フイルター要素の交換作
業等に際して、操作がむづかしく実用的でない。
これらの点を考慮して、流入通路と流出通路を直
径的に対向させ、流入通路をその途中で転向させ
る構成としたものである。

本考案のハウジングはプラスチツク製あるいは
金属製、あるいはその他の材料からなりうる。又
ケーシング内に流体の流れを案内するための案内
板を設けることもできる。又蓋に必要に応じて１
つ以上のエア抜き穴及び固定用穴を設けうる。

本考案のハウジングの容量は標準寸法のフイル
ター要素（径７cm×長さ25cm）１本掛けが通常で
あるが、その他の容量のものも本考案に従つて構
成することができる。特に本考案は長さが標準寸
法の２〜３倍のロングサイズの場合に効果を発揮
する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のカートリツジ・フイルター用ハ
ウジングの断面図、第２図は本考案のカートリツ
ジ・フイルター用ハウジングの断面図、第３図は
同じく一部切欠斜視図である。 ２１…蓋、２２…ケーシング、２３…流入路、
２４…流出路、２５…導入管、２６…導出管、２
７…流通路、２８…開口部、２９…環状間隙、３
０…フイルター要素、３１…内腔部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. フイルター要素３０を内装した下部ケーシング
   ２２と、該下部ケーシングの上方開口に着脱自在
   に装着される蓋２１とからなり、該蓋は直径的に
   相対向しかつ直径方向に延びる流入路２３及び流
   出路２４を備え、該流入路２３に連通して斜め下
   向きに転向されかつ下部ケーシング２２の内壁と
   フイルター要素３０の外周面との間に形成された
   環状間隙２９の上端に開口端を有する流通路２７
   を形成し、かくして流通路２７の開口端から斜め
   下向きに流出する流体が環状間隙２９内でフイル
   ター要素３０の外周面の回りに螺旋状または渦巻
   状の流れを形成する如くし、流出路２４にはフイ
   ルター要素３０の内腔部３１と連通する開口部２
   ８を設けてなるカートリツジ・フイルター用ハウ
   ジング。