JPH0134561Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は二輪車用ソリツドホイールの構造に関
し、特に、リブ部、ハブ部およびスポーク部を軽
合金で一体鋳造して形成する二輪車用ソリツドホ
イールの構造に関する。

〔従来の技術〕

従来、二輪車（特に自動二輪車）のこの種のソ
リツドホイールにあつては、スポーク部は、補強
リブ付きの円板あるいは断面がＨ型などの形状を
した複数本の放射状連結部材で形成され、いずれ
も中実体で形成されていた。このため、鋳型製作
は容易であるが、回転面の凹凸が激しいため高速
走行時にホイールまわりの空気流が乱れて走行抵
抗が大きくなるという問題、さらにはデザイン上
の自由度が少なく斬新なデザインを施すことがで
きないという問題があつた。

また、上記ホイールを中空状にすることも考え
られるが、その場合は中子の位置を浮かして正確
に保持することが困難であり、さらに、砂の抜き
取り作業に手間がかかる等の製作上の問題があつ
た。

〔考案の目的〕

本考案はこのような従来の問題に鑑みなされた
もので、スポーク部を滑らかな表面の中空殻構造
とし、デザイン上の自由度を増大させることがで
き、しかも、中子を必要とせずに型のみで製作で
き、砂の抜き取りなどの作業が不要であり、製作
が容易となる二輪車用ソリツドホイールの提供を
目的とするものである。

本考案の特徴は、スポーク部を外面が滑らかな
皿状の殻構造で形成するとともに、その開口側に
これとほぼ対称に膨らんだ外面が滑らかなサイド
プレートを取付けることにより、密閉中空構造と
なし、もつて、上記目的を達成することである。

〔考案の構成〕

すなわち、本考案によれば、リブ部、ハブ部お
よびこれらを接続するスポーク部を軽合金で一体
鋳造する二輪車用ソリツドホイールにおいて、前
記スポーク部をリム部内周およびハブ部外周にそ
いかつ側方へ膨らんだ外面が滑らかな皿状体で形
成し、該皿状体の開口側にこれとほぼ対称に膨ら
んだ外面が滑らかなサイドプレートを取付けて内
部に密閉空間を形成することを特徴とするソリツ
ドホイールが提供される。

〔実施例〕

以上図面を参照して本考案の実施例を説明す
る。第１図において、二輪車用ソリツドホイール
は、タイヤが嵌合装着されるリム部１と、ハブ部
２と、これらリム部およびハブ部を接続するスポ
ーク部３とを一体鋳造して形成されている。鋳造
材質としてはアルミニユムまたはマグネシユウム
などの軽合金が使用され、鋳造法としては低圧金
型鋳造法、ダイカスト法あるいは重力鋳造法など
各種の方法を採用することができる。

ハブ部２には左右２ケ所に軸受ハウジング４が
形成され、内部に嵌合した軸受５，５によりホイ
ール全体が車軸６に対し回転自在に支持されてい
る。また、ハブ部２の側面のはデイスクブレーキ
のデイスク取付面７，７が形成されている。

前記スポーク部３は、リブ部１の内周およびハ
ブ部２の外周にそいかつ側方に膨らんだ外面が滑
らかな皿状体８で形成され、その内側の円周方向
所定間隔位置（例えば６等分の位置）には放射状
に補強リブ９が一体に形成されている。こうし
て、スポーク部３は、皿状体８および補強リブ９
から成る殻構造体で構成されている。

前記皿状体８の開口側には、該皿状体とほぼ対
称に膨らんだ形状を有する外面が滑らかな皿状の
サイドプレート１０が取付けられており、前記皿
状体８と該サイドプレート１０との間に密閉され
た内部空間が形成されている。このサイドプレー
ト１０は、ホイールとは別体の部品として製作さ
れ、その外周縁部複数個所（例えば10〜12ケ所）
をリベツト１１でリム部１の内周近傍に固定し、
その内周縁部複数個所（例えば６〜８ケ所）をボ
ルト１２でスポーク部３の内周近傍に固定するこ
とのより、ソリツドホイール側面に組付けられて
いる。また、サイドプレート１０の内側には、複
数本の放射状補強リブ１３が一体に形成されてい
る。なお、サイドプレート１０の内径および外径
は、図示のごとく、ハブ部外周およびリム部内周
に接近する寸法を有し、スポーク部３の外観はほ
ぼ左右対称に仕上げされている。

以上説明した実施例によれば、スポーク部３を
側方に膨出した皿状体８から成る殻構造で形成
し、該皿状体８の開口側にほぼ対称に膨らんだ別
部品のサイドプレート１０を取付けて密閉中空構
造にするので、製作に際し中子が不要となり、砂
の抜き取りなどの作業も不要となり、型のみで容
易に製作することができる中空構造のソリツドホ
イールが得られた。

また、皿状体８およびサイドプレート１０に外
面を滑らかな面にし、必要な補強リブ等は内面に
自由に成形することができるので、軽量化ととも
に、高速走行時における空気抵抗を減少させるこ
とが可能になつた。

さらに、皿状体８およびサイドプレート１０の
表面を利用して各種の模様および表面処理を自由
に施すことができ、デザインの自由度を大巾に増
大させることができ、斬新なデザインを容易に実
施できるという効果も得られた。

なお、以上の実施例では、本考案をデイスクブ
レーキ式の前輪（非駆動輪）に適用する場合につ
いて説明したが、本考案はブレーキ形式あるいは
前後輪に関係なく全ての種類のソリツドホイール
に対して同様に適用することができ、同様の作用
効果を奏することができる。

第２図は本考案をドラムブレーキ式の後輪（駆
動輪）に適用する場合を例示する図であり、同図
中、符号１４がブレーキドラムを、符号１５は駆
動スプロケツトを、符号１６はカツプリングを、
符号１７は変動トルク吸収用の緩衝材をそれぞれ
示し、その他第１図中の各部分に対応する部分は
それぞれ同一符号で表示し、それらの詳細な説明
はこれを省略する。

〔効果〕

以上の説明から明らかなごとく、本考案の二輪
車用ソリツドホイールによれば、スポーク部をリ
ム部内周およびハブ部外周にそいかつ側方へ膨ら
んだ外面が滑らかな皿状体で形成し、該皿状体の
開口側にこれとほぼ対称に膨らんだ外側が滑らか
なサイドプレートを取付けて内部に密閉空間を形
成するので、中子等が不要であり、型のみで裏面
形状を自由に形成することができ、容易に製造し
うる密閉中空構造のソリツドホイールが得られ
る。

また、スポーク部の外表面を滑らかな面で形成
するので、高速走行時の空気流の乱れを少なくし
て走行抵抗を減少させることができ、かつ、デザ
インの自由度を向上させうる二輪車用ソリツドホ
イールが得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による二輪車用ソリツドホイー
ルの一実施例の要部を示す縦断面図、第２図は他
の実施例の要部を示す縦断面図である。 １……リム部、２……ハブ部、３……スポーク
部、８……皿状体、９……補強リブ、１０……サ
イドプレート、１３……補強リブ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. リム部、ハブ部およびこれらを接続するスポー
   ク部を軽合金で一体鋳造する二輪車用ソリツドホ
   イールにおいて、前記スポーク部をリム部内周お
   よびハブ部外周にそいかつ側方へ膨らんだ外面が
   滑らかな皿状体で形成し、該皿状体の開口側にこ
   れとほぼ対称に膨らんだ外面が滑らかなサイドプ
   レートを取付けて内部に密閉空間を形成すること
   を特徴とする二輪車用ソリツドホイール。