JPH0134215Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、商品を包装したフイルムの表面に貼
着さたタツクラベルの貼替え防止構造に関する。

単品または複数の商品を包装したフイルム
（紙、プラスチツクフイルムなど）の表面には、
値段票などのラベルが貼着されることが多い、近
時は、バーコードと称される縞模様のマークを表
示したラベルを商品の包装体表面に貼着し、店頭
においてこれを光学的に読取り、売上高、販売数
量、在庫数量等を電算機にて集中管理する所謂販
売時点情報管理（POS）システムが推進されつ
つある。

これらのラベルは、裏面の粘着剤にて包装体の
フイルム表面に貼着されるもので、貼着操作が簡
単である反面、フイルム表面から剥取つて貼替る
こともできるため、流通過程において故意に他の
ラベルと貼替えられても、その外観だけでは貼替
えの事実を探知・識別することは不可能である。

これを回避するには、ラベル貼着方式をやめ、
バーコードなどの表示を直接商品またはその容器
表面に印刷するか、あるいは包装フイルムに印刷
すればよいが、商品や容器に印刷したのでは、そ
れを包むフイルムのシワなどにより正確な光学的
読取りが妨げられることがあり、一方包装フイル
ムに印刷した場合には、包装時のフイルムのゆが
みやシワの発生（とくに、熱収縮性プラスチツク
フイルムの場合に著しい）、あるいはフイルムの
シール部分のシワ、縮み、ないしはフイルム同士
の重なりを生じるために、この場合にも正確な光
学的読取りが妨げられることになる。また、包装
フイルムに印刷表示するとすれば、包装される商
品の種類や包装単位の数量に応じて表示内容が印
刷された多種類の包装フイルムを準備せねばなら
ず、極めて不経済となる。

本考案は、上記にかんがみ、タツクラベルの貼
替えを防止するためになされたものである。

本考案のタツクラベル貼替え防止構造は、商品
包装フイルムのタツクラベル貼着部分にスリツト
などの破切線を刻設しておき、ラベルを剥離する
と、破切線を起点にしてフイルムの一部が破切さ
れ、ラベルとともに引きちぎられるようにしたこ
とを特徴とする。

本考案によれば、ラベルを貼替えようとする
と、引剥がされるラベルの裏面粘着剤層に付着し
てフイルムの一部が破断されるので、貼替えの事
実はその外観から一目判然し、従つて事実上ラベ
ルを他のものと貼替ることはできない。

本考案について図面により説明すると、第１図
において、１は商品包装フイルム、Ｌはフイルム
に刻設された破切線、２はタツクラベルである。
タツクラベル２は基材フイルム２１のおもて面も
しくは裏面にはバーコードなどの所要の表示内容
ａが印刷されており、裏側に塗布された粘着剤層
２２にて破切線Ｌをおゝうようにフイルム表面に
貼着される。

フイルム１の表面に一旦貼着されたラベル２を
剥離しようとすると、第２図、第３図に示すよう
に、ラベル裏面の粘着剤層２２の粘着力により、
破切線部分のフイルム１１が破切線を起点として
ラベルとともに破切され、フイルムによる商品包
装形態が破壊される。

破切線Ｌは上記のコ字型に限らず、第４図のよ
うなエ字型、あるいは第５図のような単なる直線
状のものでもよい。また、ラベルがどの方向に剥
離されてもフイルムが容易に破切されるように、
複数個の破切線を互いに異なる方向に刻設した
り、あるいは、第６図のようなＸ字型、第７図の
ような井字型などに形成することもできる。要す
るに、ラベルの剥離に伴つてフイルムの破切を生
じさせ得るならば、どのような形態であつてもよ
い。

破切線はフイルムの肉厚を貫通するスリツトの
ほか、ハーフカツト線、ミシン線などであつてよ
い。いづれの場合も、常法により刃物刃先で切込
み、あるいは加熱された刃先を用いて焼切ること
により形成することができる。フイルム表面への
破切線の刻設およびラベルの貼着は、商品包装前
もしくは包装後の適宜の時点で行えばよい。商品
包装後に破切線を刻設する際に刃物の刃先で商品
が傷付けられるおそれがあるときは、その部分の
フイルムを真空吸引により商品表面からわずかに
離間させた状態に保持して、これに加熱された刃
物刃先を軽く押当て焼切ることにより所要の破切
線を形成すればよい。商品包装前に行う場合に
は、破切線を刻設したのち、ラベルを貼着する
か、その逆にラベルを貼着したのち、該ラベルを
当て材として裏側面から破切線を刻設するかのい
づれの順序で行うこともできる。

タツクラベル２の基材フイルムは、例えば紙、
プラスチツクフイルム、合成紙などであり、その
形状は矩形、三角形、円形、長円形など任意であ
る。

包装フイルム１は紙、プラスチツクフイルムな
どであり、包装される商品の種類、形状、包装形
態は任意である。破切線の刻設・ラベル貼着位置
は包装体の形態に応じて適当に選らべばよい。第
１０図は、円筒状容器Ｖをフイルム（例えば熱収
縮性プラスチツクフイルム）１で被包した包装体
の天面部のフイルムに破切線を刻設してラベル２
を貼着した例である。

ところで、フイルムで包装された商品は、使用
に際して包装フイルムを破除するのに困難を伴な
うことも少くない。ことに、第１０図のように、
包装フイルム１が商品またはその容器に密着し、
かつフイルム表面が包装時の溶断線Ｓがわずかに
残つている程度の平滑で凹凸、シワなどの少い包
装体では、フイルムをつまむことも難しい。本考
案では、上記のようにラベルの下面フイルムに破
切線が刻設されているので、包装体から商品を取
出す際にラベル２を前記のようにフイルムの一端
側から剥ぎ起し、破切線を起点に破切し第９図の
ように帯条１２に破切すれば、容易に商品を取出
すことができ、フイルムの破封に困難を監じるこ
とはない。つまり、破切線Ｌは流通過程ではラベ
ル貼替防止手段として機能し、一方、商品使用に
際してはラベルと破切線を破封手段として利用す
ることができる。そのためには、破封の際のつま
み片として、例えば第９図のようにタツクラベル
の裏面の一端側に粘着剤層のない空白部２３を残
しておくとよい。また、そのラベルの基材フイル
ムには第８図のように、バーコードａとともに、
引剥し方向を指示する矢印ｂなどを、バーコード
の光学的読取りが妨げられないように（例えば、
互いに色分けして）表示しておけばよい。

更に、包装された商品が容器入りの即席食品の
ように熱湯をそそぎ、一旦蓋をして内容物を煮熟
させるようなものである場合には、内容物が煮熟
するまでの間、前記の剥離されたタツクラベルを
蓋の縁部と容器縁とにかけわたして貼着すれば、
蓋の反転を防ぎ、容器口部を安定に閉じることが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第３図、第８図、第９図は本考案にお
けるタツクラベルのフイルムへの貼着、剥離状態
を例示する斜視図、第４図〜第７図は破切線の例
を示す平面図、第１０図はタツクラベルが貼着さ
れた包装体の例を示す外観斜視図である。 １：包装フイルム、２：タツクラベル、２２：
粘着剤層、Ｌ：破切線。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 商品包装フイルムの表面にタツクラベルが貼着
   された包装体において、該フイルムのタツクラベ
   ル貼着部分に破切線を刻設しておき、ラベル剥離
   の際に、フイルムの一部がラベルに付着して破切
   線を起点として破切されるようにしたことを特徴
   とする包装体のタツクラベル貼替え防止構造。