JPH0134124B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は大きな石塊を切断するガングソー特に
垂直フレームソーに関する。

大理石、コンクリート、花こう岩等のブロツク
（塊）を切断するために、のこ刃を水平または垂
直に動かすガングソーを用いるのが普通である。
これらの装置は元来、のこ刃を前後いずれかの方
向に動かす時だけ切断を行い、他の方向では遊び
行程が生ずるように用いるものであり、これに対
し、経済上の理由から、前後両方向においてのこ
引きをなすような切断方法が考えられてきた。例
えば、フランス特許第986183号に開示されている
水平ガングソーでは、のこ刃を設けたソーフレー
ム（のこ枠）の往復運動に上下運動を重ね合わせ
ることにより、ソーフレームが複長円または水平
８の字に似た動きをなす。この選定された形状
は、各のこ刃が中央から両端に向かつて往復運動
をなすにつれて石を切断し得るようになつてお
り、これは、冷却水と、石の裂片と、すりはがれ
た研摩材とからなる、切断中形成されるのこくず
が、石塊の中央からその側部に向かうにつれて除
去され、従つて、摩耗に好影響を与えるので有利
である。

しかし、水平フレームソーの基本的な欠点は、
石塊の全方向の寸法に制限があることと、比較的
長いのこ刃が必要であることであり、これはのこ
刃の断面が比較的大きくなければならないことを
意味する。また、のこ刃をソーフレームにはめ込
むのに大きな張力が必要であり、このため、極め
て安定した、従つて、重い構造のソーフレームが
必要になる。

これらの欠点は垂直ガング機械の使用によつて
克服される。しかし、公知の少数の実施例、例え
ば、ベルギー特許第530257号に開示されている例
は、のこ刃の上下運動中、のこ刃が一方向におい
てのみ、通常下方運動中だけ切断し、その結果、
遊び行程が生じて機械の性能を損ねる。

石等を処するガングソーの能力を高め、それに
よつて生ずる摩耗を減らし、かつ好ましい切断を
なすために、本発明の目的は従来の様々なガング
ソー実施例の利点を組合わせるとともにそれらの
欠点を排除することである。

この目的は、特許請求の範囲第１項に記載のガ
ングソーによつて達成される。のこ刃を組込んだ
ソーフレームの垂直配置により、ブロツクの切断
は比較的短いのこ刃を利用することによつて実質
的に無制限の長さにわたつて可能となる。これは
設備費の点と、切断の横方向の曲がりが少なくな
る点で有利である。これは特に、比較的小さいの
こ刃断面を選定でき、必要な張力が比較的少なく
なるのでフレーム重量を減らし得るからである。
追加的に設けた直線案内（案内手段）によつて中
央枢着ソーフレームの案内がなされ、比較的効率
の良い直線案内が上下運動のかなりの部分にわた
つて達成される。また、これらの直線案内は、比
較的多くのそしてほとんど不均等な摩耗傾向をも
つ滑り棒が不必要になるので有利である。その結
果、ガング行程はより静かでより均等になり、従
つて、より高速の、すなわち、より効率的な行程
とより高い切断能力よる運転が可能になる。最後
に、一方の案内の枢着点が行程に対して垂直かつ
行程に従つて変位可能であることにより、両方向
における切断が可能になり、これによつて、同一
方向のみに作用する切断力が、作用中ののこ刃セ
グメントの各々に生ずる。上死点と下死点の区域
における一コースの運転中のソーフレームの揺動
により、のこ刃の長さの約半分だけが切断に役立
ち、すなわち、常にのこ刃の片方が一方向におい
てそして他の半分が他の方向において働き、従つ
て、ブロツクはほぼ半分ずつのこ刃の各半分によ
つて切断される。その結果、切断用セグメントの
比較的高い特定荷重に対して、のこ刃は切断作用
中比較的少ない荷重を受ける。各のこ刃がフレー
ムに固定される区域におけるのこ刃への前記の有
利な力作用により、のこ刃が横方向に曲がる危険
は実質的に無くなり、そしてより良好な切断がな
される。行程の上死点と下死点の区域におけるソ
ーフレームの旋回が次のように、すなわち、のこ
刃の各半分がそれに割当てられたブロツク半分を
外方から内方に切断するように生ずる時の効果も
同様である。なぜなら、ブロツクが切断される
時、ブロツクに対するソーフレームの傾斜が少な
いので切断はまず端縁域のみでなされ、次いで漸
次ブロツク半分の全体に及ぶからである。従つ
て、のこ刃は最初に最小の荷重を受ける。これは
切断の正確かつ計画通りの経路をもたらすので有
利である。

本発明の別の有用な実施態様は、ソーフレーム
の回転中心がソーフレームの中心に配置された案
内の枢着点と合致するような形状である。一好適
実施態様において、ソーフレームの端部に配置さ
れた直線案内レバーのうちの一つのレバーの枢着
点が、カムによつて滑動または変位可能であるよ
う設けられ、カムははずみ車または駆動輪によつ
て駆動される。このはずみ車はまた押し棒を駆動
し、この押し棒はソーフレームの往復運動をもた
らす。この構成により、運動学的見地からと、部
品の寸法決めの見地から非常に有利な状態が生ず
る。なぜなら、偏心調整がソーフレームの上下両
半分に同等の影響を与え、そして中央案内の機能
は事実上変わらないからである。

ガングソーの特許請求の範囲に記載した構成と
形状によつて高い切断速度、従つて、多くの行程
数が得られそして大きな質量が急速に動くので、
質量平衡が大いに重要になる。従つて、本発明の
他の実施例では、第１次そして結局は第２次の質
量平衡をもたらすことが可能である。特に、完全
な質量平衡をもたらすこと、すなわち、動かされ
る質量を公知の態様で配置しそして運動系内の慣
性効果が互いに打消し合うように運動質量を釣合
いおもりによつて補完することが可能である。従
つて、そうでなければ各部材の適当な重いそして
安定した構造によつて対処すべきはずの強制力が
生じない。

ソーフレームおよびそれにはめ込んだのこ刃の
往復運動を開始する押し棒がソーフレームの回転
中心点において係合し得ることも他の利点であ
る。また、切断すべきブロツクをその高さの中心
がガング行程の中心とほぼ合致するように高さに
関して配置することが好ましく、その結果、各
部、特にのこ刃の両半分が実質的に均等な荷重を
受ける。

切断すべきブロツクが、切断中ガングの方向に
押されつつある時確実に安全かつ良好な支持を得
るとともに横方向および高さに関してその位置を
変えないようにするために、本発明はブロツクの
底側とその長手方向両側面の下部に充てん材を付
加することによつて、処理中のブロツクに実質的
に平らな支持面と平らな平行側面案内とを設け
る。

次に添付図面によつて本発明の実施例を説明す
る。のこ刃１４を設けたソーフレーム５が第１図
に点線で示され、２本のいわゆるワツト（Watt）
案内棒６，７によつて支持体８にヒンジ止めされ
ている。これらの案内棒はまたレムニスコイド
（Lemniskoid）案内棒という名で知られており、
各棒は３本のレバーａ，ｂ，ｃを有する。モータ
１が駆動手段２とはずみ車または駆動輪３を介し
て押し棒４を駆動し、これらの押し棒はクランク
ピン１５を介してはずみ車３に偏心的に枢着され
ている。押し棒４の他端はソーフレーム５に点１
３において枢着されており、ソーフレーム５はそ
の長手延在方向に往復駆動され、そしてワツト案
内棒６，７によつてほぼ直線状に案内される。案
内棒７はソーフレーム５と支持体８に次のよう
に、すなわち、ソーフレーム５に連結された案内
棒７のレバーｂの回転中心がソーフレーム５の行
程の中心に存するように、すなわち、完全な一行
程で、前記回転中心が切断すべき石塊９の高さの
中央から半行程下方および上方に達するように設
けられる。案内棒６のレバーａはカム１０によつ
て支持体８に枢着され、カム１０は駆動手段２０
を介してはずみ車３と同じ回転速度で駆動され
る。カム１０は、ソーフレーム５の往復運動中支
持体８における案内棒６のレバーａの枢着点を片
側および他の側にそれぞれ「ｅ」だけ変位させる
ようになつている。これによつて、ソーフレーム
５における案内棒６のレバーｂの枢着点は片側お
よび他の側にそれぞれ「ｅ／２」だけ変位する。
その結果、ソーフレーム５はそれぞれ往復運動す
るにつれてその枢着点１３の周りを回動する。従
つて、のこ刃１４はそれらの前進中片半分がそし
て後退中他の半分がそれぞれ（石塊の高さに関し
て）石塊の上半分と下半分に当接し、そして長手
方向に移動するにつれて石塊を切断する。適当な
調整によつてソーフレーム５の旋回、従つて、石
塊９に対する切断の傾度を所望のように調整する
ことができるように偏心量を可変にすることが有
用である。ガングの旋回は全行程にわたるが、直
線案内によつて旋回のほとんどはガング行程の上
死点および下死点位置の区域で生じ、ソーフレー
ム５は上下方向に傾斜したほとんど直線の経路を
えがく。

張力ローラ１６によつて石塊９は装置１８（例
えば空気圧シリンダ）を介してガングソーのテー
ブル１９に押圧される。また移送カー１７が切断
石塊片をさらに移送するために用いられる。

第２図からわかるように、第１次の質量平衡の
ために、釣合いおもり１１ａ，１１ｂ，１１ｃが
設けられてはずみ車３および案内棒６，７と同じ
回転数で回転する。しかし、釣合いおもりの質量
は２分されている。すなわち、中央釣合いおもり
１１ｂの質量は２つの外側釣合いおもり１１ａ，
１１ｃの質量に等しい。中央釣合いおもり１１ｂ
は外側釣合いおもり１１ａ，１１ｃの回転方向と
は逆の方向に回転し、従つて、ガング支持体に傾
斜力として作用する水平方向の自由力は無くな
る。第２次の質量平衡のために質量１２が設けら
れ、そして押し棒４の定常変化加速度によつて生
ずる質量力を釣合わせる。これに関し、質量１２
は対をなして配置されそして逆方向に回転するの
で、自由質量力はこの場合にも発生しない。押し
棒重量の半分とクランクピンの質量を釣合わせる
ために、対応質量がはずみ車３内に設けられるか
あるいはそれらに連結されている。

石塊９を切断のためにテーブル１９に載せる前
に、石塊の底側とその長手方向両側面の下部とに
充てん材を詰めることにより全面的に平らで正確
な底面部と両側案内とが形成される。歯車装置
（図示せず）によつて駆動されるねじ付きスピン
ドル（図示せず）を介して、石塊９はトラバース
（図示せず）によつてガングソー５，１４の方向
に駆動され、そして切断前に石塊は装置１６，１
８によつてテーブル１９に押圧される。ガング
５，１４の背後では、移送カー１７が切断石塊片
をさらに移送するように働く。

図示の実施例とは異なり、ガングソーの駆動手
段を頂部にではなく底部に配置することももちろ
ん可能である。同様に、のこ刃１４付きのソーフ
レーム５もその行程中央位置に関して正確に垂直
の位置に配置し得、こうしてフレーム行程の速度
が零に近づく上死点と下死点の領域で、垂直方向
の片側および他の側へのフレームの変位をそれぞ
れ偏心量の半分だけとする。高い切断速度と切断
能力とに関する利点を有する本発明の原理に従え
ば、のこ刃１４付きソーフレーム５を案内するた
めにさらに別の運動学的装置を設けるとも可能で
あり、あるいは、図示した各部の寸法、係合点等
を多くの点において変えることができる。例え
ば、ソーフレーム５の上部または下部領域に配置
したカムデイスク、サーボモータまたはカム制御
手段の使用によりソーフレーム５の旋回をもたら
すことも可能であろう。従つて、ソーフレームの
揺動を基本的に行程の上死点または下死点におい
て直接、多少急速になし得る。この場合はもちろ
ん適当な構造手段を設けることが必要である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明によるガングソーの側面図、第
２図はその上面図である。 ３…はずみ車、４…押し棒、５…ソーフレー
ム、６，７…ワツト案内棒（直線案内）、ａ，ｂ，
ｃ…案内棒、６，７のレバー、９…石塊、１０…
カム、１１ａ，１１ｂ，１１ｃ…釣合いおもり、
１２…質量、１３…枢着点（中心点）、１４…の
こ刃。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ のこ刃を対称的に設けたソーフレームを有
   し、支持体に取付けられ、駆動手段によつて駆動
   される、石などの塊を切断するための縦型ガング
   ソーであつて、前記フレームがその中心で前記駆
   動手段によつて駆動され前記フレームの中心から
   上方行程および下方行程を生じるようにされ、前
   記フレームが、前記フレームの一端と中心でそれ
   ぞれ前記フレームに接続された直線案内手段によ
   つて前記支持体に取付けられ、前記直線案内手段
   は前記フレームの略直線状の動きを生じるように
   配置され、前記フレームの一端の直線案内手段は
   可動で各行程の終りで前記フレームを往復運動し
   ながら前記フレームの中心の回りに回動させ、こ
   れにより前記のこ刃の第一の部分が各上方行程の
   間前記塊に係合し、前記のこ刃の第二の部分が各
   下方行程の間前記塊に係合し、前記各部分は前記
   塊の異なる部分と接触する、ガングソー。 ２ 前記直線案内手段が、それぞれ３本のレバー
   を有するワツト案内棒であり、ワツト案内棒の中
   間がレバーが前記フレームの中心に取付けられ、
   前記フレームの中心と一致する中心を有する、特
   許請求の範囲第１項記載のガングソー。 ３ 前記駆動手段が前記フレームの中心に接続さ
   れた押し棒に接続されたはずみ車を有し、前記フ
   レーム端に取付けられた前記ワツト案内棒のレバ
   ーの１つもカムに駆動されかつカムによつて可動
   であり、前記カムの動きは前記はずみ車の回転に
   依存するようにした、特許請求の範囲第２項記載
   のガングソー。 ４ 第１次および第２次の質量平衡を生じる回転
   する釣合いおもりを含む、特許請求の範囲第３項
   記載のガングソー。 ５ 切断される前記塊の中心が前記フレームの行
   程中心にほぼ一致するように高さに関して位置づ
   けし、これにより前記のこ刃の約半分が前記塊の
   約上半分のみに係合し、前記のこ刃の残りの部分
   が前記塊の約下半分のみに係合する、特許請求の
   範囲第１項記載のガングソー。