JPH0133951B2 - - Google Patents

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JPH0133951B2
JPH0133951B2 JP60203447A JP20344785A JPH0133951B2 JP H0133951 B2 JPH0133951 B2 JP H0133951B2 JP 60203447 A JP60203447 A JP 60203447A JP 20344785 A JP20344785 A JP 20344785A JP H0133951 B2 JPH0133951 B2 JP H0133951B2
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semiconductor region
region
semiconductor
junction
depletion layer
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JP60203447A
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JPS6265382A (ja
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Yutaka Hayashi
Masaaki Sato
Hiroaki Yoshihara
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National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
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Agency of Industrial Science and Technology
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Publication date
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Publication of JPS6265382A publication Critical patent/JPS6265382A/ja
Publication of JPH0133951B2 publication Critical patent/JPH0133951B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、雷やスイツチング・サージ等、各種
サージ要因に基く異常電圧から電気回路系を保護
するためのサージ吸収素子に関し、特にパンチス
ルー現象を利用したサージ吸収素子に関する。
<従来技術> サージ吸収素子とは、“降伏電圧”と呼ばれる
規定電圧値以上の高電圧が印加されたとき、以降
の過程において自身の内に等価的な低インピーダ
ンス電流線路を形成することにより、その高電圧
に伴う大電流を吸収し、素子両端電圧を一定電圧
値以下にクランプして、保護すべき電気回路系に
そうした異常電圧の影響が及ばないようするもの
を言うが、従来において市場に供されているもの
のほとんどは、その動作メカニズムが雪崩(なだ
れ)降伏原理によるものであつた。
すなわち、pn接合によるダイオード構造また
はトランジスタのダイオード接続構造に逆バイア
スを印加したときの雪崩降伏電圧をしてサージ吸
収素子としての降伏電圧を規定していた。
<発明が解決しようとする問題点> 従来の雪崩降伏原理によるサージ吸収素子にお
いては、上記のように、その雪崩降伏電圧そのも
のが、サージ吸収素子としての特性を云々する場
合に使われる“降伏電圧”を直接に規定するもの
となる。
しかし一方、こうした従来素子における雪崩降
伏電圧は、pn接合を形成する両領域中、高比抵
抗側を形成する一方の半導体領域、したがつて一
般に半導体基板の不純物濃度の如何により、略ゞ
一義的に定まつてしまう。
そのため、こうした従来の雪崩降伏型サージ吸
収素子では、同一の不純物濃度の半導体基板を用
いる限り、その降伏電圧を任意に変えることはで
きないか、極めて難しく、異なる降伏電圧の製品
を得ようとするなら、それに応じて不純物濃度の
異なつた半導体基板を用いねばならない。
こうしたことは、それ自体、極めて不合理であ
るばかりでなく、降伏電圧を変えると接合容量や
直列抵抗等、降伏電圧以外のその他の電気的特性
も変わつてしまうことになる。換言すれば、接合
容量や直列抵抗等を降伏電圧と独立には設計でき
ないのである。
また逆に考えれば、こうした従来素子では、意
図的な場合に限らず、例え各ロツト毎には許容公
差の範囲内にあるとは言え、異なるロツト間では
始めから不純物濃度にバラ付きのある半導体基板
が供給されてきたような場合には、しかもそれが
予め分かつていたにしても、簡単にはこれを修正
する術がなく、したがつてその結果は、製品とし
て完成された後のサージ吸収素子の降伏電圧に関
するロツト間変動ないしバラ付きとして、そのま
ま正直に反映されてしまう。
さらにはまた、この種従来の雪崩降伏型サージ
吸収素子では、実際の物理的な構造上においても
制約を生むことが多い。
というのも、この種サージ吸収素子において第
一半導体領域内への不純物拡散等により第二半導
体領域を埋設的に形成した場合、雪崩降伏は一般
にその接合両端の電界集中部分から起き易く、仮
にそのようになると、降伏後の入力電圧クランプ
時において接合の全面積部分に亘り均一に電流を
流すことが極めて難しくなるからである。
これら欠点に加うるに、上記従来素子では、降
伏後の入力電圧クランプ時において、素子両端電
圧(クランプ電圧)がそれほどに低くはならない
という欠点もある。雪崩降伏型の場合、むしろ、
クランプ電圧の方が雪崩降伏を生起し始めた降伏
電圧よりも高くなる。
そのため、降伏後、素子内にて消費される電力
は、絶対値において相当に高いこのクランプ電圧
と吸収電流との積になり、結果として素子に多大
な発熱をもたらす。これは言い換えれば、熱容量
の観点からして、素子に許容できる吸収電流にか
なりな制限を生むことを意味する。
本発明は以上のような従来の実情にかんがみて
成されたもので、用いる半導体基板の不純物濃度
ないし抵抗率や厚味の如何に拘らず、相当程度以
上の幅で設計性良く任意の降伏電圧が得られ、し
たがつてまた、降伏電圧の如何によらず、接合容
量や直列抵抗等、その他の電気的特性を独立に設
計することもでき、しかもサージ吸収時には、ク
ランプ電圧を降伏電圧に比し、十分に低電圧化さ
せ、もつて大きな吸収電流をも流し得るサージ吸
収素子を提供せんとするものである。
<問題点を解決するための手段> 本発明においては上記目的を達成するため、従
来の雪崩降伏型に代え、新たな動作原理としてパ
ンチスルー現象を導入したサージ吸収素子を提供
する。すなわち、 半導体基板自体として形成されるか、または該
半導体基板に対して分離的に形成された第一導電
型の第一半導体領域と; 該第一半導体領域の一表面側に形成され、上記
第一導電型とは逆導電型であつて、該第一半導体
領域との間でpn接合ダイオードを形成する第二
の半導体領域と; 上記第一半導体領域とは反対側から上記第二半
導体領域に接触することにより、該第一半導体領
域との間の離間距離をして上記第二半導体領域の
実効厚味を規定すると共に、表面領域においては
該第二半導体領域に対して電気的に短絡された第
三領域と; 上記第一半導体領域の上記一表面側において上
記第二の半導体領域に対し横方向に離間して形成
され、上記第一半導体領域と注入接合を形成する
第四領域と; から基本的な素子構造部分を構成した上で、さら
に、 上記第二半導体領域は、該第二半導体領域と上
記第一半導体領域とで構成される上記pn接合ダ
イオードに逆バイアスが印加されたとき、該pn
接合面から上記第一半導体領域の内部に向けて空
乏層を伸ばすと同時に該第二半導体領域を介して
上記第三領域にまで空乏層を伸ばし、該第一半導
体領域と該第三領域との間をパンチスルーする空
乏層形成用領域とし; もつて上記の第一半導体領域と上記第三領域との
間に生ずるパンチスルーでサージ電流を吸収する
サージ吸収素子を提供する。
また、このような本願の第一発明に対し、上記
構成要件中の第四領域をも半導体領域として特定
した上で、 上記第一半導体領域とは反対側からこの第四半
導体領域に接触することにより、該第一半導体領
域との間の離間距離をして当該第四半導体領域の
実効厚味を規定すると共に、表面領域においては
該第四半導体領域に対して電気的に短絡された第
五領域; をも設け、先の第二半導体領域と上記第一半導体
領域とで構成されるpn接合ダイオードを第一の
pn接合とするならば、この第四半導体領域と第
一半導体領域とで構成されるpn接合を該第一の
pn接合とは逆極性の第二のpn接合ダイオードと
し、かつ、この第四半導体領域を、 上記した第二のpn接合の方に逆バイアスが印
加されたとき、当該第二のpn接合ダイオードの
pn接合面から上記第一半導体領域の内部に向け
て空乏層を伸ばすと同時に該第四半導体領域を介
して上記第五領域にまで空乏層を伸ばし、該第一
半導体領域と該第五領域との間をパンチスルーす
る空乏層形成用領域; とすると、上記第一半導体領域と上記第三領域の
間、または上記第一半導体領域と上記第五領域と
の間のどちらかに生ずるパンチスルーにより、サ
ージ電流が正負いずれの極性であつても、これら
を共に吸収し得るサージ吸収素子として、第二の
発明の開示することができる。
<作用> 上記した本願第一発明のサージ吸収素子におい
ては、第一の半導体領域と第二の半導体領域とに
より構成されるpn接合に逆バイアスが印加され
ると、当該pn接合面にて生成され始めた空乏層
は、第一半導体領域の内部に向けて伸びると同時
に第三の領域に向けても伸びて行く。
そしてこの空乏層が印加電圧の大きさに応じて
伸び続け、やがて第三領域にまで達すると、第一
半導体領域と当該第三領域との間でパンチスルー
が起こり、この電流経路を介してサージ電流が吸
収され始める。このパンチスルー動作開始電圧
が、第2図中において降伏電圧として示されたも
のである。
しかるに、この吸収電流は、第四領域から第一
半導体領域に至る経路で流れるため、要旨構成中
に記したように、当該第四領域が第一半導体領域
に対して少数キヤリアを注入し得る注入接合を形
成する材料(例えば第一半導体領域とは逆導電型
の半導体とかシリサイド、さらにはまた第一半導
体領域がp型である場合には電子注入の可能な金
属等)から構成されている限り、当該第四領域か
ら第一半導体領域内へ少数キヤリアの注入が起こ
り、したがつて例え本願要旨構成中に述べられて
いるように、第二半導体領域と第三領域とがそれ
らの表面領域においては電気的に短絡されていて
も、当該少数キヤリアが第二半導体領域に流れ込
んだ結果として第二半導体領域には電圧降下が生
じ、第三領域から第二半導体領域に対してキヤリ
アの注入が起こる。
こうしたキヤリア注入過程が繰返されていきな
がら、やがてのことに第2図中にブレーク・オー
バ電流として示された値以上の大きさの電流が流
れると、正帰還現象を介し、素子の両端電圧、す
なわちクランプ電圧は極端に低電圧となる。その
ため、本発明のサージ吸収素子では、素子の発熱
を抑えながらの大電流の吸収が可能となる。
なお、ブレーク・オーバ電流を呈する電圧をブ
レーク・オーバ電圧と呼ぶことができ、一般にこ
のブレーク・オーバ電圧は、第2図に示されるよ
うに降伏電圧よりは高くなる。
したがつて、本発明素子の初期動作から電圧ク
ランプまでの素子両端の電圧履歴を追うと、サー
ジ印加に伴い、それが降伏電圧以上であればパン
チスルー動作を開始し、吸収電流がブレーク・オ
ーバ電流に至るまでは素子両端電圧はいく分か上
昇するが、一旦でもブレーク・オーバ電流を越え
ると、当該ブレーク・オーバ電圧から極端に値の
低いクランプ電圧に移る。
上記ブレーク・オーバ電流の値は、第二半導体
領域の抵抗や第三領域と第一半導体領域に対する
形状の如何により決められ、また第四領域の第一
半導体領域に対する形状、さらには後述するよう
に第一半導体領域が直接に外部端子に接続されて
いる場合には当該第一半導体領域の抵抗と第四領
域近傍の形状の如何によつても決めることができ
る。
一方、パンチスルー動作を開始せしめる降伏電
圧について考えると、本発明サージ吸収素子で
は、第一半導体領域に対し、その反対側で第二半
導体領域に接する第三半導体領域の高さ位置をど
の程度に設定するか、換言すれば中間の第二半導
体領域の実効厚味をどの程度に設定するかによ
り、第一、第三領域間のパンチスルー電圧、つま
りは当該降伏電圧を任意に変更、制御できるもの
となる。
例えば中間の第二半導体領域の実効厚味を厚く
設定した場合には、他の条件が同一であれば生成
した空乏層が第三領域にまで伸びるにはより大き
な逆方向バイアスが必要となり、これは結局、素
子が降伏する降伏電圧を高めたことになるし、逆
に中間の第二半導体領域の実効厚味を薄く設定す
れば、生成した空乏層は比較的低い印加電圧でも
容易に第三領域に到達することになるから、降伏
電圧を低目に設定したことになる。
もちろん、こうした降伏電圧は、中間の第二半
導体領域の不純物濃度によつても制御し得るが、
いづれにしても上記のことからすれば、本発明に
よつて場合、第一半導体領域として適当な市販の
半導体基板ウエハをそのまま用いても、そしてま
た同一種類の半導体基板を出発部材としても、任
意所望の降伏電圧のサージ吸収素子を得られるこ
とが分かる。
また、第二半導体領域の実効厚味の制御とその
不純物濃度の制御とを適当に操作すれば、降伏電
圧の如何に対して接合容量や直列抵抗を独立にも
設計できるようになる。
さらに、半導体基板そのもの、ないし半導体基
板に分離的に形成された第一半導体領域に対し、
順次に第二半導体領域、第三領域を形成していく
手法自体は、既存のエピタキシヤル成長技術によ
つても良いし、イオン打込み、選択拡散等々によ
つても良いが、いづれによるにしても、第二半導
体領域の実効厚味とか不純物濃度の制御は、現在
の技術でも極めて高いものが得られるから、結局
は本発明により作成されるサージ吸収素子は、要
すればその精度を極めて高いものとすることがで
きる。
一方、構造的な観点からしても、第二半導体領
域の実効厚味は第一領域の厚味とは無関係に薄く
設定できるから、第一半導体領域としては市販の
半導体基板ウエハに何等特殊な前加工を施さず、
厚いままにそのまま用いることもでき(その方が
一般的でもある)、したがつて工程の増加を招か
ず、物理的な強度低下も招かないで済むし、一つ
の半導体基板内に本発明素子を複数個、形成する
こともでき、集積化が容易な効果もある。
そして、この第一発明の原理的動作に係る基本
構成に関する限り、第二、第三、第四領域の各々
は、第一半導体領域の一面側にのみ形成すれば良
いから、第一半導体領域の両面を使用するような
場合に比して製造上、相当に有利となる。
また、第二半導体領域と第三領域とはそれらの
表面領域において電気的に短絡されるので、本サ
ージ吸収素子としては、これら第二半導体領域と
第三領域に共通の電極と、第四半導体領域に専用
の電極と計二つの電極を持つ、いわゆる二端子型
の素子として構成することもでき、使い勝手も良
くし得る。
なお、上記した所から顕かなように、降伏電圧
の変更にともなつてブレーク・オーバ電圧も当然
に変化する。
上記第一発明に対して、第二発明は、両極性の
サージ電流をも吸収可能としたものである。
すなわち、第四領域を半導体に限定したものと
してこれを第一発明における第二半導体領域相当
の領域と考え、同様に第五領域を第一発明中の第
二領域相当の領域と考えれば、既述のように第一
半導体領域と第二半導体領域とにより構成された
第一発明中におけるpn接合ダイオードに相当す
る第二発明中の第一のpn接合ダイオードにおい
て生じ得るパンチスルー現象は、逆極性のサージ
電流に関して第一半導体領域と第四半導体領域と
で構成される第二のpn接合ダイオードの逆バイ
アスの結果としても同様に生ずることになる。
換言すれば、均一半導体領域と第四半導体領域
との間の第二のpn接合ダイオードにてパンチス
ルーが生起しているときには、第二半導体領域が
先の第一発明の説明中において半導体で構成した
場合の第四領域がなす機能を営むことになる。
こうしたことから、第四半導体領域については
第二半導体領域に関しての、そして第五領域につ
いては第三領域に関しての各説明がそのまま単な
る読み代えで適用できるし、その他の配慮事項に
ついてもまた然りとなる。
したがつて、クランプ電圧が十分に低いとか、
降伏電圧の任意設計性が良い等々、第一発明のサ
ージ吸収素子が有していた利点は、全く同様に、
この第二発明のサージ吸収素子においても発揮す
ることができる。
<実施例> 以下、図示する本発明実施例のいくつかにつき
詳記する。もちろん、第一発明と第二発明の個々
に対してそれぞれの実施例があるが、すでに述べ
てきたように、両者は極めて密接な関連にあるの
で、互いに参考することができる。
第1図に示すサージ吸収素子10は、第一発明
による基本的な実施例の一つであつて、半導体基
板を第一導電型の第一半導体領域1としてそのま
ま用い、その上下両表面の中、一方の表面に順
次、第二半導体領域2、第三領域3を二重拡散技
術で形成する一方で、第二半導体領域2に対し横
方向に離間させて第四領域4を形成したものであ
る。
このような関係において、この実施例では第一
半導体領域1がn型半導体であるため、ホウ素等
の適当な不純物の拡散技術により、第二半導体領
域2をp型とすると共に、第四領域4もp型半導
体領域としている。
なお、半導体基板ないし第一半導体領域1の裏
面側には後述する高濃度不純物層1bが設けられ
ていると良いが、これ自体は本発明の基本構成な
いし原理動作には直接には関与しないので、以下
の説明中においても初めの中はこれがないものと
して考えていて良い。
第三領域3は、パンチスルーを起こした際の主
電流線路の一端部を形成するので、望ましくは高
導電率であることが良く、この実施例では高不純
物濃度n型、すなわちn+型領域として第二半導
体領域2内への不純物の二重拡散により形成され
ている。実際にはこれは高濃度燐拡散等により得
ることができる。
各領域2,3,4には、それぞれオーミツクな
引き出し端子を付して素子として完成させるが、
第二半導体領域2の引き出し端子2tと第三領域
3の引き出し端子3tとは、図中で線路LSにて模
式的に示されているように、実際には製作の段階
で短絡され、共通の電極とされる。この共通電極
は、第二半導体領域2の露出表面と第三領域3の
露出表面の上に一連に蒸着される等した結果、両
者に共にオーミツク接触する金属層等で構成する
ことができる。
このようなサージ吸収素子10においては、す
でに作用の項で説明したように、第一半導体領域
1と第二半導体領域2との間のpn接合に逆バイ
アスが印加されると、それにより生ずる空乏層は
第一半導体領域1の側へのみならず、第三領域3
の側に向けても伸びて行く。
したがつて、端子2t,3tと端子4t間にサ
ージ電圧が印加され、それが上記pn接合に逆バ
イアスを印加する位相で相当程度に大きいもので
あると、当該空乏層の上方端部が第三領域3に達
することが起こり得る。
この状態が、第一半導体領域1と第三領域3と
の間でのパンチスルー状態の開始であり、大電流
を流し得る低インピーダンス状態、ないし本サー
ジ吸収素子としての降伏状態の始まりとなる。こ
の開始点は第2図中にあつて電圧軸上に降伏電圧
として示してある。
こうした降伏開始状態が具現すると、端子2
t,3tと端子4t間にサージ電流が流れ出し、
第四半導体領域4から正抗が第一半導体領域1に
注入され、それが第二半導体領域2で収集されて
外部端子2tを介し、外部電流(素子電流)とな
る。
したがつて、第三領域3と第一半導体領域1と
に挟まれた第二半導体領域2の抵抗と、上記電流
の積が、領域2,3で構成されるpn接合ダイオ
ードの順方向電圧に等しくなつたときに、今度は
第三領域3から電子が第二半導体領域2に注入さ
れ、これが電流の増大を招き、再びまた第四半導
体領域4から正孔の注入が行なわれるという正帰
還現象が生ずる。
このような正帰還現象が起こり始める電流値が
これまで述べてきたブレーク・オーバ電流であ
り、このときの素子両端電圧(外部端子4t,3
t間電圧)がブレーク・オーバ電圧となる。
すでに記したように、このブレーク・オーバ電
圧は、降伏電圧よりはいく分か大きな値となる
が、一旦、正帰還が起こり始めると、素子両端電
圧は著しく低い値に遷移する。この値は第2図中
にあつてクランプ電圧として示されているが、具
体的には吸収電流と各部の直列抵抗との積に、
pn接合の順方向電圧一つ分を加えた値に略ゞ等
しい。
このようなメカニズムから理解されるように、
本発明のサージ吸収素子10は、サージが印加さ
れていないときには高い降伏電圧を維持して素子
内に流れる電流を最少限度に抑え、本素子により
無駄に電力が消費されるのを妨げる一方で、一
旦、降伏電圧以上にサージが印加されると、間も
なく極めて低いクランプ電圧を呈し、もつて大電
流を吸収して後続の回路系を確実に保護するよう
になる。
このような動作をなす本サージ吸収素子10に
おける降伏電圧は、第一半導体領域1の抵抗率乃
至不純物濃度のみならず、第一半導体領域1と第
三領域3との間の離間距離で規定される第二半導
体領域2の実効厚味Dtの如何、及びあるいは不
純物濃度の如何によつてパンチスルー電圧が制御
できることにより、かなりに広い設計幅内で任意
に設定することができる。実際にも本出願人の実
験によれば、この設計幅は、数ボルトから数百ボ
ルトまでの極めて広範な範囲に及ぶものであるこ
とが確かめられている。
第1図示の実施例の場合は、既述のように、半
導体基板1に対して第二半導体領域2及び第三領
域3を二重拡散技術で作成する場合を示している
が、このような場合には、当該第二半導体領域2
の実効厚味Dtは、第二半導体領域2の形成後、
その表面からの第三領域形成用不純物の拡散深さ
Ddを制御することにより、直接に制御されるも
のとなる。すなわ、二重拡散技術による場合に
は、第一半導体領域に対する第三領域3の高さ位
置の変動乃至変更設定は、直接に第二半導体領域
2の実効厚味Dtを変更するものとなる。
一方、第二半導体領域2、及び第三領域3をエ
ピタキシヤル成長技術により形成した場合には、
当該第二半導体領域2の実効厚味Dtは当該エピ
タキシイにおける諸条件に基いて決定される成長
膜厚自体により規定されるのが一般的であるが、
その場合にも実際上、第三領域3の存在がパンチ
スルーに関する実効厚味Dtを規定していること
に変わりはない。
そして、拡散技術による場合もエピタキシイに
よる場合も、第二半導体領域2の実効厚味Dtの
制御は、既存の技術をしても極めて高い精度で制
御できるから、結局、本発明によるサージ吸収素
子は、その降伏電圧を極めて高い精度で設定でき
るものとなる。
また同様に、パンチスルー電圧、ひいては本素
子の降伏電圧を規定する他の一要因となる第二半
導体領域2の不純物濃度も、既存の技術をして極
めて高い精度で調整、制御することができる。
上記はまた、本発明の素子の場合、降伏電圧を
設計するのに、第二半導体領域2の実効厚味Dt
と不純物濃度という、それぞれ設計性の良い、し
かも互いには独立の二つの変数を有していること
を意味している。したがつて、これら変数を一方
のみ使つたり、双方使つてそれぞれ適当に按配す
ることにより、単に極めて広範な範囲に亘つて降
伏電圧を設定できるだけでなく、接合容量や直列
抵抗等、その他の電気的特性を降伏電圧と独立に
設計することもできることが分かる。
もちろん、第四半導体領域4についても、不純
物拡散、エピタキシイ等の従来技術を援用して制
御性良く形成することができるし、またそもそ
も、既述したように、この第一発明に限つては、
当該第四領域4が第一半導体領域1に対して少数
キヤリアを注入し得る注入接合を形成する材料で
形成されていれば足り、図示実施例におけるよう
に第一半導体領域1と逆導電型の半導体であるこ
とに限らず、シリサイド製とか、さらにはまた第
一半導体領域1がp型である場合には、それに対
して電子注入の可能な金属製とすること等も考え
られる。
さらに、先に少し述べたが、半導体基板ないし
第一半導体領域1の裏面側に、当該領域1の導電
型によらず、n+またはp+型の高濃度不純物領域
層1bを形成して置くと、キヤリアを効率良く搬
送することができて望ましい。
すなわち、図示のように第一半導体領域1にn
型半導体を選択した場合、高濃度不純物領域層1
bの導電型をn+型に選ぶと、当該高濃度不純物
領域層1bと第一半導体領域1とによつて一種の
組込み電界が生じ、第1図中に矢印f1で示した
ように、第四半導体領域4から注入されたホール
は当該高濃度不純物領域層1bの近傍において追
い返され、第一半導体領域の裏面側に抜けること
がなくなる。
また、同じn型の第一半導体領域1に対してそ
の裏面側にp+型の高濃度不純物領域層1bを形
成した場合には、第一図中に模式的に矢印f2
a,f2bで示すように、当該p+型高濃度不純
物領域層1b中にホールが充満することによりそ
の電位が上がり、結局は当該高濃度不純物領域層
1bからホールの放出が起こるようになつたり、
あるいはまた矢印f2cで示されるように、跳ね
返されたりするようになつて、やはり第一半導体
領域の裏面側への透過を阻止することができる。
以上、第一の実施例を通じて説明したことから
顕かなように、本発明のサージ吸収素子において
は、その原理上、第一、第三領域間でパンチスル
ーが起きた後のサージ電流の電流分布は比較的均
一なものとなる。しかし、なお一層の均一性を確
保しようとするなら、第3図に示すような構成を
採ることもできる。
すなわち、この第3図示の第二実施例では、半
導体基板ないし第一半導体領域1の表面に形成さ
れた逆導電型の第二半導体領域2に対して形成さ
れる第三領域3を、複数に分割された第三領域要
素31,32,33,…,3n(図示の場合n=
5)の集合から構成しており、各領域要素31〜
3nは、模式的に短絡線路LSで示されているよう
に、第二半導体領域の端子2tとも共通の引き出
し端子3tから外部に導通を採られるようにして
いる。
こうした構造では、従来の雪崩降伏型素子に見
られたような電界の集中効果はこれを避けること
ができ、均一な電流分布を得ることができる。そ
のためまた、電流容量も略ゞ素子面積に比例して
増大させることができる。
この第3図示の実施例でも、第一実施例につい
て述べた他の配慮は同様に採用することができ
る。先に述べた第一半導体領域裏面側の高濃度不
純物領域層1bについても、要すれば同様にこれ
を採用して良く、したがつて第3図中、左手に一
部、仮想線でこれを示してある。この点は以下の
第二発明に関する他の実施例においても同様とす
る。なお、二つの端子2t,3tは、既述したよ
うに短絡されているが、このことはまた、過渡現
象を避け得る効果をも持つ。
本発明のような構成のサージ吸収素子では、本
来、パンチスルー現象によつて規定されるべき降
伏電圧が、第一半導体領域1と第二半導体領域2
の雪崩降伏電圧に近くなつてくると、制御性が悪
くなることも考えられる。
そのような危惧のある時には、第二半導体領域
2の端子の接合で生じ始める雪崩降伏を初期の段
階で防ぐか抑えるため、後述する第二発明の実施
例としての第4図に示されるように、第二半導体
領域2の周囲を囲むように第二半導体領域と同一
の導電型のガード・リング領域2Gを形成する
か、同様に第二発明の第二実施例としての第5図
に示されるように、第二半導体領域2と第三半導
体領域3との表面に一連に形成されたオーミツク
電極6の端縁部6aを、絶縁膜8を介して第二半
導体領域の端部における第一半導体領域との接合
を越えるようにさらに張り出されると良い。
このようにすれば、第二半導体領域端部におけ
る電界示の集中を緩和し、実効的に雪崩降伏電圧
を増加させることにより、本発明の思想に即し、
パンチスルーによつてのみの降伏電圧の設計性を
拡大、改善することができる。
次いで、当該第4,5図に示される第二発明の
実施例につき説明する。
この第4,5図に示される実施例においても、
第一半導体領域1、第二半導体領域2、第三領域
3、第三領域要素31,32,33,…,3nに
ついては第1図及び第3図に示された第一発明に
即する実施例におけると同様の構成、形状、配置
関係が適用できる。というよりも、この第二発明
の実施例においては、第3図に示されたサージ吸
収素子の構成に加えて、第四半導体領域4内に、
第三領域要素31,32,33,…,3nと実質
的に同様な第五領域要素51,52,53,…,
5nが追加されていると考えて良い。
したがつて、この第4,5図示のサージ吸収素
子においては、端子3tと5tとの間に印加され
るサージ電圧の極性に応じて、パンチスルーを起
こすダイオードが第一半導体領域1と第二半導体
領域2により構成される第一のダイオードであつ
たり、第一半導体領域1と第四半導体領域4とで
構成される第二のダイオードであつたりするが、
そのいづれのダイオードにてパンチスルー現象が
生起するにしろ、その動作メカニズムは、すでに
第一発明の第一半導体領域1と第二半導体領域2
とにより構成されるダイオードに関して説明した
のと全く同じことになる。
換言すれば、この第二発明に即する実施例とし
てのサージ吸収素子は、両極性のサージ電圧ない
しサージ電流に対し、吸収機能を呈することがで
きる。もちろん、サージ電圧に対して設計性良く
降伏電圧を定め得ること、クランプ電圧を降伏電
圧に比して十分に小さくすることができること
等々は、第一発明に関して説明されたサージ吸収
素子におけると全く同様である。
第4図に示される実施例と第5図に示される実
施例との相違は、あれば望ましい配慮として、第
二半導体領域及び第四半導体領域の端部の接合で
生じ始める雪崩降伏を初期の段階で防ぐか抑える
ための手段が異なるだけである。
つまり、第4図示の実施例にあつては、先にも
少し述べたが、第二半導体領域2と第四半導体領
域4の周囲を囲むように第二、第四半導体領域と
同一の導電型のガード・リング領域2G,4Gが
形成されており、第5図示の実施例では、第二半
導体領域2と第三半導体領域3との表面、及び第
四半導体領域4と第五領域5との表面に各一連に
形成されたオーミツク電極6,7のそれぞれの端
縁部6a,7aを、絶縁膜8を介して第一半導体
領域1との接合端部を越えるようにさらに張り出
させている。
なおもちろん、第4,5図示の実施例において
は、第三、第五領域3,5はそれぞれ複数の当該
領域用の領域要素群31〜3n,51〜5nの集
合から構成されているが、第一発明の第1図に示
されている第三領域3に代表されるように、最も
基本的にはこれら第三領域3、第五領域5は、そ
れぞれ単一の非分割領域として形成されていても
良い。
これまで述べてきた各実施例に示されるような
本発明のサージ吸収素子の場合、素子完成後、従
来の雪崩降伏型において必要とされていた端面研
磨等の付帯処理は原則としては必要ない。したが
つて、これら既述の各実施例構成は、一つの半導
体基板1内に複数個、同時に作ることができる。
もつとも、逆に多数個を集積する必要のないと
きには、先に述べた雪崩降伏電圧を増加させるた
めの他の手段として、第6図に示すように、第
一、第二半導体領域1,2間の接合端部に相当す
る部分を、表面に垂直または角度を持つた斜面で
エツチングまたはカツテイング処理しても良い。
第四領域4の側面までもが同様の処理をされてい
るのは、単に上記処理の結果とも見れるが、逆
に、同一のp型層を利用して上記エツチング処理
により、自動的に第二、第四領域を分離的に形成
できることをも示している。
また、第6図に示される場合は、本発明の第一
発明に相当するサージ吸収素子に関してである
が、第二発明のものについても同様の考えを適用
することができる。ただし、このような簡便な手
法によつた場合には、切り落とし面に適当な保護
膜(図示せず)を要するのが普通である。
最後に、一例として、本発明の効果を実際の素
子における比較で確認する。
まず、以下に述べる工程により、第二発明の構
成に即したサージ吸収素子を作成した。
抵抗率5Ω−cm、導電型n型、(111)面、
300μm厚のシリコン・ウエハを第一半導体領域
1の出発部材とし、まずその表裏面に6000Åの
SiO2膜を形成した。
その中、裏面のSiO2膜をのみ除去し、高濃度
燐拡散を深さ3μmに亘るよう、行なつた。これ
により、高濃度不純物領域1bが形成された。
次いで第二半導体領域2及び第四半導体領域4
の平面形状を規定するため、表面のシリコン酸化
膜に対し所定のパターンにしたがつてフオト・エ
ツチング工程を適用し、不純物拡散窓を開け、こ
の各拡散窓を介してホウ素を拡散し、その深さが
2.5μmに亘るp型領域2,4を形成した。
このときの上記パターンは、それぞれ200μm
幅の第二、第四領域2,4が交互に70μm間隔で
繰返されるものである。
新たにウエハ表面にシリコン酸化膜を形成した
後、複数個の第三領域要素31〜3n及び第五領
域要素51〜5nの各平面形状を規定するため、
当該シリコン酸化膜に対して所定のパターンに即
したフオト・エツチングを施し、複数個の第三領
域要素及び第五領域要素用の不純物拡散窓を形成
した。
この拡散窓から高濃度に燐を拡散し、その深さ
が1.2μmに亘るn+型第三領域要素31〜3nの集
合から成る第三領域3と同様に第五領域要素51
〜5nの集合から成る第五領域5を形成した。し
たがつて、これと同時に最終的に完成した第二半
導体領域2と第四半導体領域4が形成、規定さ
れ、その実効厚味Dtは1.3μmとされた。
その後、第二、第三領域に共通のオーミツク・
コンタクトと第四、第五領域の共通のオーミツ
ク・コンタクトとを採るため、フオト・エツチン
グ、金属薄膜蒸着、そのエツチング工程を経て電
極6,7ないし端子2t,3t;4t,5tを形
成した。半導体基板側の電極ないし端子1tも、
上記金属薄膜蒸着工程において同時に形成した。
このような構成下にあつては、比較用のサージ
吸収素子として、基板表面側の端子2t,3t
(あるいは4t,5t)と基板裏面端子1tとの
間でサージを吸収するモデルを組んだ所、その降
伏電圧は120Vを示し、サージ吸収電流は最大
300A/cm2まで取れた。
一方、本発明の思想に即するサージ吸収素子と
して、上記構成により上記端子2t,3tと4
t,5tとの間で両極性のサージを吸収するよう
にしたものでは、降伏電圧は121Vと略ゞ同じで
あつたが、ブレーク・オーバ電流が4A/cm2でサ
ージ吸収電流は何と最大5000A/cm2も取ることが
できた。
この特性例を見ても、本発明により設けられた
第二、第三領域の組に対する第四半導体領域の働
き、そして第四、第五領域の組に対する第二半導
体領域の働きは極めて大きいものであることが分
かる。
そしてまた、他は上記と同一条件として、実質
的に第二、第四半導体領域2,4の実効厚味を規
定することになるn+型第三、第五領域3,5を
形成する際の拡散時間を変化させた所、降伏電圧
は30Vから170Vの間で変化させることができた。
もちろん、この変化幅も最大変化幅ではなく、他
の条件も勘案すれば数ボルトから数百ボルトに亘
る極めて広範な変化範囲を得ることができること
も確認されている。
また、本素子における降伏メカニズムも、トン
ネリングや雪崩降伏によらず、確実にパンチスル
ー現象にのみよつて制御可能であることも検証さ
れた。
もちろん、上記第二発明に対して取られた特性
例からすれば、第四半導体領域の中に第五半導体
領域のない第一発明に即するサージ吸収素子にお
いても、サージ吸収極性が一極性になるだけで、
同等の特性となることは殆ど自明の理である。
なお、ブレーク・オーバ電流をさらに大きくし
て、“小さなサージ”、例えば電圧の時間微分値は
大きいものの持続時間が極めて短い単なる一過性
のノイズ等が侵入した場合、直流降伏電圧以下で
はこれに応答させないようにするには、第二半導
体領域及びあるいは第四半導体領域が金属薄膜に
接触する面積を大きくするか、特に第一発明に即
する素子の場合には、第7図に示されるように、
第四半導体領域4を複数の領域要素41,42,
…,4nの集合から構成し、それら燐接する第四
半導体領域要素間に横方向に挟まれる第一半導体
領域部分11,12,…,1n-1が形成されるよ
うにして、当該第一半導体領域部分11,12,
…,1n-1に対し共通にオーミツク接触する電極
を設けて端子1tとし、同様に第四半導体領域要
素群41,42,…,4nにも共通の線路を形成
して端子4tを引き出し、使用すると良い。
いづれにしても、ブレーク・オーバ電流はかな
りな範囲に任意に設計することができる。
<発明の効果> 本発明によれば以下列記するように、既存の雪
崩降伏型素子に比し、各種優れた効果を得ること
ができる。
半導体基板ないし半導体ウエハはこの種素子
の各部の部品価額としては最も高価で、且つ最
も融通の効かない部材であるが、本発明によれ
ば同一の材料定数の出発ウエハからも異なる降
伏電圧のサージ吸収素子を得ることができる。
第二半導体領域及び第三領域の組、また第四
半導体領域と第五領域の組を第一半導体領域に
対して共に同一の両側からのみ形成することが
できるため、降伏電圧の変更及び定められた降
伏電圧にするための制御が極めて簡単で、且つ
高精度で行なえる。
降伏電圧に対して他の電気的特性、例えば接
合容量とか直列抵抗等は独立に設計することが
でき、したがつて例えば、異なる降伏電圧でも
他の電気的特性は略ゞ同様とすることもでき
る。
共通の半導体基板内に複数の素子を集積化す
ることも容易である。
大電流領域では降伏電圧よりもさらに端子電
圧(クランプ電圧)が大きく低減化する設計原
理を有するので、極めて大きなサージ電流をも
吸収することができ、回路系の保護に関して極
めて高い能力を有する。
第二発明によつて場合には、上記効果に加
え、両極性のサージ電流を吸収することができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第一発明に従う第一実施例の
概略構成図、第2図は第1図示実施例の動作特性
図、第3図は第一発明に従う第二実施例の概略構
成図、第4図及び第5図は本発明の第二発明に従
う各実施例の概略構成図、第6図は本発明サージ
吸収素子における雪崩降伏電圧の影響をなくすた
めの一例の説明図、第7図は第一発明に従うサー
ジ吸収素子の更に他の改変例の概略構成図、であ
る。 図中、1は第一半導体領域ないし半導体基板、
2は第二半導体領域、3は第三領域、31〜3n
は第三領域要素、4は第四半導体領域、41〜4
nは第四半導体領域要素、5は第五領域、51〜
5nは第五領域要素、2G,4Gはガード・リン
グ、10は全体としての本発明サージ吸収素子、
である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 半導体基板自体として形成されるか、または
    該半導体基板に対して分離的に形成された第一導
    電型の第一半導体領域と; 該第一半導体領域の一表面側に形成され、上記
    第一導電型とは逆導電型であつて、該第一半導体
    領域との間でpn接合ダイオードを形成する第二
    の半導体領域と; 上記第一半導体領域とは反対側から上記第二半
    導体領域に接触することにより、該第一半導体領
    域との間の離間距離をして上記第二半導体領域の
    実効厚味を規定すると共に、表面領域においては
    該第二半導体領域に対して電気的に短絡された第
    三領域と; 上記第一半導体領域の上記一表面側において上
    記第二の半導体領域に対し横方向に離間して形成
    され、上記第一半導体領域と注入接合を形成する
    第四領域と; から成り、上記第二半導体領域は、該第二半導体
    領域と上記第一半導体領域とで構成される上記
    pn接合ダイオードに逆バイアスが印加されたと
    き、該pn接合面から上記第一半導体領域の内部
    に向けて空乏層を伸ばすと同時に該第二半導体領
    域を介して上記第三領域にまで空乏層を伸ばし、
    該第一半導体領域と該第三領域との間をパンチス
    ルーする空乏層形成用領域として構成され; 該第一半導体領域と上記第三領域との間の上記
    パンチスルーによりサージ電流を吸収することを
    特徴とするサージ吸収素子。 2 半導体基板自体として形成されるか、または
    該半導体基板に対して分離的に形成された第一導
    電型の第一半導体領域と; 該第一半導体領域の一表面側に形成され、上記
    第一導電型とは逆導電型であつて、該第一半導体
    領域との間で第一のpn接合ダイオードを形成す
    る第二の半導体領域と; 上記第一半導体領域とは反対側から上記第二半
    導体領域に接触することにより、該第一半導体領
    域との間の離間距離をして上記第二半導体領域の
    実効厚味を規定すると共に、表面領域においては
    該第二半導体領域に対して電気的に短絡された第
    三領域と; 上記第一半導体領域の上記一表面側において上
    記第二の半導体領域に対し横方向に離間して形成
    され、上記第一導電型とは逆導電型であつて、該
    第一半導体領域との間で上記第一のpn接合ダイ
    オードとは逆方向になる第二のpn接合ダイオー
    ドを形成する第四の半導体領域と; 上記第一半導体領域とは反対側から上記第四半
    導体領域に接触することにより、該第一半導体領
    域との間の離間距離をして上記第四半導体領域の
    実効厚味を規定すると共に、表面領域においては
    該第四半導体領域に対して電気的に短絡された第
    五領域と; から成り、上記第二半導体領域は、該第二半導体
    領域と上記第一半導体領域とで構成される上記第
    一のpn接合ダイオードに逆バイアスが印加され
    たとき、該第一のpn接合ダイオードのpn接合面
    から上記第一半導体領域の内部に向けて空乏層を
    伸ばすと同時に該第二半導体領域を介して上記第
    三領域にまで空乏層を伸ばし、該第一半導体領域
    と該第三領域との間をパンチスルーする空乏層形
    成用領域として構成される一方; 上記第四半導体領域は、該第四半導体領域と上
    記第一半導体領域とで構成される上記第二のpn
    接合ダイオードの方に逆バイアスが印加されたと
    き、該第二のpn接合ダイオードのpn接合面から
    上記第一半導体領域の内部に向けて空乏層を伸ば
    すと同時に該第四半導体領域を介して上記第五領
    域にまで空乏層を伸ばし、該第一半導体領域と該
    第五領域との間をパンチスルーする空乏層形成用
    領域として構成され; 上記第一半導体領域と上記第三領域の間、また
    は上記第一半導体領域と上記第五領域との間のど
    ちらかに生ずる上記パンチスルーにより、サージ
    電流を吸収することを特徴とするサージ吸収素
    子。
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