JP3468571B2 - 半導体装置 - Google Patents

半導体装置

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JP3468571B2
JP3468571B2 JP4749494A JP4749494A JP3468571B2 JP 3468571 B2 JP3468571 B2 JP 3468571B2 JP 4749494 A JP4749494 A JP 4749494A JP 4749494 A JP4749494 A JP 4749494A JP 3468571 B2 JP3468571 B2 JP 3468571B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体装置に関し、特に
低損失で高速応答なダイオードに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体集積回路の微細化に伴い、
動作電圧の小さな低電圧電源が要求されている。また、
携帯電話等の携帯型電子機器の普及に伴い、小型で低損
失な直流電源の需要が増大している。そのような電源回
路には、低損失で高速応答可能な整流ダイオードが必要
とされる。この要求を満足する整流ダイオードとして
は、ショットキーダイオードが知られている。ショット
キーダイオードは金属と半導体との接触により得られる
ダイオードであり、多数キャリアが整流特性を支配す
る。したがって整流時間が短く、高周波の整流器として
すぐれている。
【0003】図7に一般的なショットキーダイオードの
断面図を示す。このようなショットキーダイオードにお
いては、例えば低抵抗(高不純物濃度)n型半導体基板
4上に耐圧を考慮して適当な不純物濃度(中不純物濃
度)のn型層3をエピタキシャル成長により堆積した
後、高不純物濃度p型拡散層1、絶縁層9の形成を経
て、適当なバリアハイトをもつバリアメタル6を接触さ
せて作られていた。なお、8はオーミック金属電極であ
る。このようなショットキーダイオードは、pn接合ダ
イオードと比較して順方向立上り電圧が低い多数キャリ
アデバイスであるから、少数キャリアに起因するキャリ
アの蓄積効果がなく高速応答である等の利点があった。
しかし一方で順方向損失及び逆方向電流が大きく、耐圧
が低く、さらには温度特性が悪い等の欠点もあるため、
比較的低電圧領域でしか使用することができなかった。
【0004】一般に、ショットキーダイオードの順方向
損失を軽減するためには、バリアハイトの低いバリアメ
タルを使用すればよい。しかし、バリアハイトの低いバ
リアメタルを使用すると逆方向電流が大きくなり、逆方
向損失が増大してしまう。このように、ショットキーダ
イオードの順方向特性と逆方向特性の間にはトレードオ
フの関係があるため、バリアハイトを制御して特性を改
善する方法には限界があった。また、順方向立上り電圧
を低減する他の方法として、n型エピタキシャル層の不
純物濃度を高くする方法もあるが、不純物濃度を高くす
ることは、ショットキー界面の電界強度が増加しショッ
トキー効果によりショットキーバリアハイトが低下し、
結果的に逆方向電流の増加を引き起こしてしまうという
欠点があった。したがって、ショットキーダイオードの
特性を向上させるためには、バリアハイトの小さいバリ
アメタルを使用し、また、n型エピタキシャル層の高濃
度化を行なっても逆方向電流が増加しないようにショッ
トキー接合界面の電界強度を緩和させる必要があった。
近年、上記従来の技術の欠点を改善するための方法とし
て、ショットキーダイオードの周囲にpn接合を配置
し、ダイオードに逆バイアスを印加したときにショット
キー接合直下に前記pn接合から空乏層を伸ばし、ショ
ットキー接合界面の電界強度を緩和させ、逆方向電流を
低減させる方法が多く提案されている。
【0005】図8に、特開平5−136015号で提案
されたショットキーダイオードの断面図を示し、その構
造および動作を説明する。低抵抗n型半導体基板4上に
耐圧を考慮した適当な不純物濃度のn型層3をエピタキ
シャル成長により成長したのち、互いに適当な間隔Ws
を有するように高不純物濃度p型半導体領域1が形成さ
れている。半導体表面にはショットキーバリアメタル6
を全面に付着させ、n型層3とバリアメタル6との接合
によりショットキー接合を為している。また、高濃度p
型半導体領域1と前記ショットキー接合部は電気的に接
続されている。前記間隔Wsはショットキー電極に逆バ
イアスが印加されたときに高濃度p型半導体領域1から
の空乏層5が充分ピンチオフするように設計されてい
る。
【0006】このような構造のショットキーダイオード
に逆バイアスを印加した場合、高濃度p型領域1とn型
層3とが為すpn接合から広がった空乏層5はショット
キー接合直下のキャリアを排除することになり、結果的
にショットキー接合界面の電界強度を緩和する働きがあ
る。また、ショットキー界面での電界が緩和されたこと
により逆方向電流が低減されることになる。このような
ショットキーダイオードでは、順方向電流を制限するこ
とにより、pn接合を流れる電流を少なくし、少数キャ
リアの蓄積効果を抑え、高速で動作することができる。
また、高濃度p型領域1はガードリングとしての効果も
ある。さらに、このショットキーダイオードでは高濃度
p型領域間隔Wsを短くする、あるいは深くすること
で、より一層の電界緩和効果が期待できる。
【0007】しかしながら、上述した従来の技術のダイ
オードにおいては、高濃度p型領域間隔Wsを短くす
る、あるいは深くすることによって、デバイスの実効シ
ョットキー面積を小さくすることになる。すなわち、順
方向電流密度を低下させ、さらには直列抵抗の増加を引
き起こし、結果的に順方向立上り電圧を増加させてしま
うという問題点があった。つまり、順方向立上り電圧を
小さくするためにn型エピタキシャル層3の不純物濃度
を増加しようとすれば、同様の電界緩和効果を得るため
には高濃度p型領域間隔Wsを狭くする必要があるが、
前記理由で立上り電圧の増加を引き起こすという欠点が
あった。また、出力電圧の小さい電源回路に使用するダ
イオードにおいては、低い逆方向電圧しかpn接合に印
加されないので、ショットキー接合直下に充分に空乏層
が広がらなくなり電界緩和効果が期待できない。さら
に、高濃度p型領域間隔Wsを狭くして電界緩和効果を
得ようとすれば、やはり順方向立上り電圧の増加を引き
起こしてしまうという不具合があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
の技術のダイオードにおいては特性改善を行なうにも電
流密度の減少および直列抵抗の増加の問題があり、限界
があった。さらに、低出力電源対応の整流ダイオードに
対しては充分な電界緩和効果は期待できず、低損失なダ
イオードを得ることは困難であった。
【0009】本発明は上記従来の技術の欠点に鑑みてな
されたものであり、順方向立上り電圧の増加を抑えて、
逆方向電流を低減し、電力損失の少ない高速応答な整流
ダイオードを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の最も重要な解決
手段は、従来の技術に比較して低電圧で敏感にショット
キー接合界面の電界を緩和するために、ショットキー接
合直下に低不純物濃度半導体からなる電界緩和層を配設
したことにある。すなわち、本発明は、高不純物濃度の
一導電型半導体領域上に中不純物濃度の一導電型半導体
領域を形成した半導体基板と、この中不純物濃度の一導
電型半導体領域表面に形成された少なくとも2つの他導
電型の半導体領域と、この他導電型の半導体領域を含む
半導体基板表面上に形成されたメタルとを有する半導体
装置において、互いに近接する他導電型の半導体領域間
に一導電型の低不純物濃度半導体領域を配設し、低不純
物濃度半導体領域は他導電型の半導体領域とは離間させ
ことを主な特徴とする。
【0011】
【作用】この発明によれば、高不純物濃度p型半導体領
域に囲まれたショットキー接合直下に電界緩和層として
必要に応じて不純物濃度、厚さ、および幅を適切に設定
した低不純物濃度半導体層を形成することにより、低電
圧においても十分な電界緩和効果を為し、低損失な整流
ダイオードを得ることができる。さらに、低不純物濃度
半導体領域は他導電型の半導体領域とは離間させたこと
により、電界緩和層としての低不純物濃度半導体領域に
伸びる空乏層を制御できる。
【0012】
【実施例】以下参考例を図面を参照して説明する。図1
参考例における半導体装置の断面図を示す。1は高不
純物濃度p型半導体領域(以下p+領域という。ただ
し、p+はpの右上に+が付いたものを表す)、2は低
不純物濃度n型半導体領域(以下n−領域という。ただ
し、n−はnの右上に−が付いたものを表す)、3は中
不純物濃度n型半導体領域(以下n領域という)、4は
高不純物濃度n型半導体領域(以下n+領域という。た
だし、n+はnの右上に+が付いたものを表す)であ
る。参考例のダイオードにおいては従来の技術における
ダイオードと同様に、n領域3とこれら半導体上に形成
される図示しないバリアメタルによって形成されるショ
ットキー接合に隣接してp+領域1を配置した構造にな
っているが、n型半導体基板がn+領域4上にn領域
3、さらにその上に薄いn−領域2を積層した3層構造
になっている点が特徴的である。薄いn−領域2は電界
緩和層として働き、n+領域4はカソード電極をとるた
めに用いている。参考例の基本的な原理は、空乏層の広
がりが空乏層が広がる領域の不純物濃度が低いほど大き
く広がる点に着目してなされたものである。すなわち、
ショットキー接合直下に電界緩和層として働く薄いn−
領域2を配置することにより、参考例におけるダイオー
ドに逆バイアスが印加された場合、p+領域1からn領
域3に幅W2の空乏層が広がると同時に速やかにp+領
域1からショットキー接合直下のn−領域2へもW1
空乏層が広がることになり、電界を効率よく緩和するこ
とが可能になる。なお、図1に示したWpはp+領域の
横方向の幅、Wsは隣接するp+領域1の隣接する端部
の間隔(ショットキー接合幅)、Ln1はn−領域2の
接合深さ、Ln2はn領域3の接合深さ、X−X’はシ
ョットキー接合部分をとおり半導体基板表面と垂直な直
線であり、このあとの説明で必要となるため定義してお
く。また、図面において同一の番号で示されるものは、
同一のものである。
【0013】次に上記技術思想に基づいた参考例を詳細
に説明する。図2に参考例の半導体装置を用いて作製し
たショットキーダイオードを示す。本参考例における半
導体基板は、比抵抗0.002Ω−cm、厚さ280μ
mのn+Si基板4上にエピタキシャル成長により比抵
抗0.3Ω−cm、不純物濃度2×1016/cm3のエ
ピタキシャル層であるn領域3を厚さ6.0μmに成長
させたものである。このSiエピタキシャル基板表面に
さらに電界緩和層として比抵抗1Ω−cm、不純物濃度
5×1015/cm3のn−領域2を0.5μmの厚さに
エピタキシャル成長させた。次に前記エピタキシャル層
表面にp+領域1を表面の不純物濃度が1×1020/c
3になるようにストライプ状に選択拡散により形成し
た。p+領域1の幅Wpは約2μm、接合深さLpは約
2μm、ショットキー接合幅Wsは約2μmに形成し
た。基板裏面にはオーミック電極8としてAlを約1μ
m蒸着し、シンタリング処理している。p+領域1およ
びn−領域2の上面全面にはバリアメタル6としてバリ
アハイトφ(B0)=0.49eVのTi膜を電子ビー
ム蒸着により約2000Å堆積した。蒸着したTi膜は
真空中で350℃、15分間熱処理を行なった。最後
に、バリアメタル保護のため保護メタル7としてのAl
膜を約1μm蒸着した。
【0014】以上のようにして形成したショットキーダ
イオードの電気特性を評価した結果順方向電流密度60
A/cm2で順方向立上り電圧は0.25V、逆バイア
ス10Vでの逆方向電流は0.11A/cm2であっ
た。その結果、室温でダイオードの単位面積あたりの電
力損失は16.1W/cm2となった。
【0015】上述した参考例を改良した構造として、低
不純物濃度領域を中不純物濃度領域で囲んで孤立化し、
零バイアスでの空乏層の広がりを制限した構造とするこ
とにより、順方向の電流密度を高くすることができる。
例えば図1に示したようにp+領域1と電界緩和層とし
てのn−領域2が接触している場合、零バイアス時にお
いてn型半導体領域に伸びる空乏層5の幅は図中点線で
示すようにn−領域2でW1と広く、n領域3でW2と短
い。したがって順方向バイアス下で流れる電流経路の幅
は(Ws−2×W1)と狭くなっている。このように実
効ショットキー面積が減少すれば、順方向立上り電圧の
増加を引き起こす結果となる。そこで、より順方向立上
り電圧を低減するために、零バイアス時における電界緩
和層側に広がる空乏層を制限するために、電界緩和層を
n領域で囲み、p+領域から孤立化させることが有効と
なる。この場合、近接するp+領域の端部と電界緩和層
との間隔を、p+領域と電界緩和層としてのn−領域が
接触している場合の零バイアス時におけるn領域に広が
る空乏層幅であるW2程度、あるいはそれ以上とするこ
とで、順方向での電流経路の幅は(Ws−2×W2)あ
るいはそれ以上に増加する。ただし、p+領域の端部と
電界緩和層との間隔をW2以上にする場合には本発明の
趣旨を逸脱しないようその間隔を適宜調整することが必
要である。この結果、順方向電流が大きくなり、順方向
立上り電圧を低くすることができる。
【0016】上記技術思想に基づいた本発明の実施例
説明する。図3に本発明の実施例であるショットキーダ
イオードを示す。本実施例における半導体基板は、比抵
抗0.002Ω−cm、厚さ280μmのn+Si基板
4上にエピタキシャル成長により比抵抗0.3Ω−c
m、不純物濃度2×1016/cm3のエピタキシャル層
であるn領域3を厚さ6.5μmに成長させたものであ
る。このエピタキシャル基板表面にp+領域1を表面濃
度1×1020/cm3になるようにストライプ状に選択
拡散により形成した。p+領域1の幅Wpは2μm、接
合深さLpは2μm、ショットキー接合幅Wsを2μm
とした。その後、図示しないSiO2膜をプラズマCV
D法とホトリソグラフィ技術によりp+領域1の上部に
横方向に0.25μm張り出してパターニングして形成
し、これをマスクとして露出したn領域表面にリンをイ
オン注入することにより、n−領域2を形成した。つま
り、図3においてW2=0.25μmとなる。なおn−
領域2の不純物濃度は5×1015/cm3、接合深さは
0.5μm、幅(図3におけるn−領域2の左右の幅)
は1.5μmである。裏面にはオーミック電極8として
Alを1μm蒸着し、シンタリング処理した。その後、
SiO2膜を除去し表面全面にバリアメタル6としてバ
リアハイトφ(B0)=0.49eVのTi膜を電子ビ
ーム蒸着により2000Å堆積した。蒸着したTi膜は
真空中で350℃、15分間熱処理を行なった。最後
に、バリアメタル保護のため保護メタル7としてのAl
膜を1μm蒸着した。本実施例のダイオードでは、電界
緩和のためのn−領域2がp+領域1と接触せずに孤立
しており、かつその間隔をp+領域1の不純物濃度とn
領域3の不純物濃度とで決まる零バイアスでの空乏層厚
分としているので、電界緩和層に伸びる空乏層を制御で
きる。
【0017】本実施例のショットキーダイオードの電気
特性を評価した結果、順方向電流密度は60A/cm2
で順方向立上り電圧は0.22V、逆バイアス10Vで
の逆方向電流は0.18A/cm2であった。その結
果、室温でのダイオードの単位面積あたりの電力損失は
15.0W/cm2が得られた。先に説明した実施例よ
り逆方向電流密度が大きいのは、電界緩和層に伸びる空
乏層を制御したことにより実効ショットキー接合面積を
大きくなったためである。
【0018】なお、上述した参考例と実施例のいずれの
場合においても、p+領域1およびn−領域2を各々複
数形成し交互に配設すれば、空乏層はp+領域1の左右
両側のn−領域2方向へ広がることから考えて、集積化
する際のスペース効率において有効である。また、n−
領域2の厚さをp+領域1の厚さよりも薄くすること、
n−領域2の幅を零バイアス時にn−領域2に近接した
p+領域1から広がる空乏幅の2倍以上にすることは、
順方向での電流経路を大きくし、順方向立上り電圧を低
くする上で有効である。
【0019】次に、本発明におけるダイオードの特性を
より明確に説明するために、従来の技術におけるダイオ
ードと本発明のダイオードの特性をシミュレーションし
た結果を述べる。従来の技術との比較の条件としては、
3.3V出力の低電圧電源用のダイオードを作製して用
いた。電源回路において出力電圧を3.3Vとすると、
逆バイアス時にダイオードに印加される電圧は出力電圧
の3倍程度と考えられるため、逆バイアス電圧Vrは1
0Vとする。また、ダイオードの耐圧としては安全を考
えてVrの3倍の30Vとした。また、出力電流(順方
向電流)はpn接合から電流が流れないように、電流密
度Jr=60A/cm 2 とした。中濃度層の不純物濃度
は耐圧が30Vであることから2×1016 /cm 3 とし
た。また、ショットキーバリアハイトは0.5eVとし
た。さらにp+領域の接合深さLpは2μm、接合幅W
pは2μmとした。本発明のダイオードでの低濃度層の
不純物濃度は5×1015 /cm 3 、厚さは0.5μmと
し、ショットキー接合幅Wsをパラメータとしてシミュ
レーションを行なった。なお、これらすべての計算は室
温で行なった。
【0020】図4は、図8に示した従来の技術のダイオ
ードと図1に示した参考例のダイオードのWs=2μm
の場合のショットキー接合部中央におけるアノード/カ
ソード間の電界強度をシミュレーションした結果であ
り、横軸に低濃度層が形成された部分における半導体装
置上面からの距離(図1のX−X’方向の上面からの距
離)、縦軸に電界強度をとってある。図7に示したよう
なショットキーダイオードの同一条件下でのショットキ
ー界面の電界強度は2.4V/cmと求まるが、図中に
は示していない。図4からわかるとおり、従来の技術で
は界面の電界強度を上記2.4V/cmから1.9V/
cmまでしか緩和できないのに対して、参考例では1.
1V/cmまで激減し得ることがわかった。
【0021】さらに、図5に低濃度層を配置したことに
よる直列抵抗の増加を考慮したシミュレーションにおい
て順方向立上り電圧Vfおよび逆方向電流Jrを求め、
各々を横軸、縦軸にとり、従来の技術のダイオードと
考例のダイオードとを比較した結果を示す。図中は図
8の従来の技術のダイオードをショットキー接合幅Ws
をパラメータとしてシミュレーションした結果、は
考例のダイオードを同様にWsをパラメータとしてシミ
ュレーションした結果である。従来のダイオードと比較
して本発明のダイオードの方がより低い逆方向電流を得
ていることが理解できる。
【0022】図5に示した結果から求めたショットキー
接合幅Wsを横軸に、ダイオードの電力損失P1を縦軸
にプロットしたものを図6に示す。なお、図中には同一
条件での一般的なショットキーダイオードの最低電力損
失を一点鎖線で示している。その結果図8に示した従来
の技術のダイオードではショットキー接合幅Wsが1μ
m程度で最低電力損失を与えるのに対して、参考例のダ
イオードでは約2μmで最低損失を与え、その電力損失
量は従来の技術よりも小さいことが明らかとなった。さ
らに図6から、従来の技術ではダイオード損失P1の最
低値を与えるWsの寸法範囲が狭いのに対して、本発明
のダイオードのそれは広いことがわかる。このことは、
参考例のダイオードではプロセスマージンが非常に高い
ことを示している。
【0023】上記の結果から、参考例のダイオードにお
いては、その特性にばらつきが少なく、また、従来の技
術よりも緩いデザインルールで製造できることがわか
る。
【0024】なお、上述したものはp+半導体領域とn
−電界緩和層とが接触しているダイオードについての説
明であるが、電界緩和層が孤立している場合でも同様の
作用がなされることは明白である。
【0025】また、本実施例においては基板がn型半導
体であるものについて説明したが、本実施例と同様に条
件を適宜設定することにより基板がp型半導体であるも
のについても適用できることはいうまでもない。
【0026】
【発明の効果】以上のように本発明のダイオードにおい
ては、ショットキー接合とpn接合とを配設したダイオ
ードにおいて、ショットキー接合直下に電界緩和層とし
て薄い低濃度層を形成したことにより、低い逆バイアス
においてもpn接合およびショットキー接合からの空乏
層の広がりが助長され、結果的にショットキー接合界面
の電界強度を効果的に緩和することができる。また、低
濃度層を中濃度層で囲み孤立化することで、より実効的
なショットキー接合面積が確保され、高い順方向電流密
度が得られ、順方向立上り電圧の増加を抑えつつ、逆方
向電流を低減することができる。したがって、より低損
失な整流ダイオードを提供することができる。さらに、
低濃度電界緩和層を配設したことにより低い逆バイアス
で動作することが可能となり、ショットキー接合面積を
大きくすることができる。したがってデザインルールが
緩和され、プロセスマージンが高く、低コストで高性能
な低損失ダイオードを提供することができる。さらに、
低不純物濃度半導体領域は他導電型の半導体領域とは離
間させたことにより、電界緩和層としての低不純物濃度
半導体領域に伸びる空乏層を制御できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】参考例の半導体装置の断面図である。
【図2】参考例の半導体装置を用いて作製したショット
キーダイオードである。
【図3】本発明の実施例であるショットキーダイオード
である。
【図4】従来の技術のダイオードと参考例のダイオード
のショットキー接合部中央におけるアノード/カソード
間の電界強度を示した図である。
【図5】従来の技術のダイオードと参考例のダイオード
の順方向立上り電圧Vfと逆方向電流Jrとの関係を示
した図である。
【図6】図5に示した結果から求めたショットキー接合
幅Wsとダイオードの電力損失Pとの関係を示した図で
ある。
【図7】一般的なショットキーダイオードの断面図であ
る。
【図8】従来のショットキーダイオードの断面図であ
る。
【符号の説明】
1 高不純物濃度p型半導体領域 2 低不純物濃度n型半導体領域 3 中不純物濃度n型半導体領域 4 高不純物濃度n型半導体領域 5 空乏層 6 バリアメタル 7 保護メタル 8 オーミック電極

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高不純物濃度の一導電型半導体領域上に
    中不純物濃度の一導電型半導体領域を形成した半導体基
    板と、前記中不純物濃度の一導電型半導体領域表面に形
    成された少なくとも2つの他導電型の半導体領域と、前
    記他導電型の半導体領域を含む前記半導体基板表面上に
    形成されたメタルとを有する半導体装置において、互い
    に近接する前記他導電型の半導体領域間に一導電型の低
    不純物濃度半導体領域を配設し、前記低不純物濃度半導
    体領域は前記他導電型の半導体領域とは離間させたこと
    を特徴とする半導体装置。
  2. 【請求項2】 高不純物濃度の一導電型半導体領域上に
    中不純物濃度の一導電型半導体領域を形成した半導体基
    板と、前記中不純物濃度の一導電型半導体領域表面に形
    成された複数の他導電型の半導体領域と、前記中不純物
    濃度の一導電型半導体領域表面に形成された複数の一導
    電型の低不純物濃度半導体領域と、前記他導電型の半導
    体領域および一導電型の低不純物濃度半導体領域を含む
    前記半導体基板表面上に形成されたメタルとを有し、前
    記複数の他導電型の半導体領域および前記複数の一導電
    型の低不純物濃度半導体領域を交互に配設し、前記低不
    純物濃度半導体領域は前記他導電型の半導体領域とは離
    間させたことを特徴とする半導体装置。
  3. 【請求項3】 前記低不純物濃度半導体領域と前記他導
    電型の半導体領域との間隔を零バイアス時に前記他導電
    型の半導体領域と前記中不純物濃度の一導電型半導体領
    域の接触により前記中不純物濃度の一導電型半導体領域
    に形成される空乏層の厚さ以上としたことを特徴とする
    請求項1または2記載の半導体装置。
  4. 【請求項4】 前記低不純物濃度半導体領域の厚さが前
    記他導電型の半導体領域の厚さよりも薄いことを特徴と
    する請求項1乃至3記載の半導体装置。
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