JPS63246859A - サ−ジ吸収素子 - Google Patents

サ−ジ吸収素子

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JPS63246859A
JPS63246859A JP7970587A JP7970587A JPS63246859A JP S63246859 A JPS63246859 A JP S63246859A JP 7970587 A JP7970587 A JP 7970587A JP 7970587 A JP7970587 A JP 7970587A JP S63246859 A JPS63246859 A JP S63246859A
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region
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Yutaka Hayashi
豊 林
Masaaki Sato
正明 佐藤
Hiroaki Yoshihara
雄二 松村
Yuji Muramatsu
吉原 弘章
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MITAKA DENSHI KAGAKU KENKYUSHO KK
SANKOOSHIYA KK
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Sankosha Co Ltd
Original Assignee
MITAKA DENSHI KAGAKU KENKYUSHO KK
SANKOOSHIYA KK
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Sankosha Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野) 本発明は雷やスイッチング・サージ等、各種サージ要因
に基〈異常電圧から被保護器を保護するためのサージ吸
収素子に関し、特にパンチスルー現象を利用したサージ
吸収素子に関する。
〈従来の技術〉 サージ吸収素子とは、“降伏電圧”と呼ばれる規定電圧
値以上の高電圧が印加されたとき、以降の過程において
自身の内に等価的な低インピーダンス電流線路を形成す
ることにより、その高電圧に伴う大電流を吸収し、素子
両端電圧を一定電圧値以下にクランプして、保護すべき
被保護器に異常電圧の影響が及ばないようするものを言
うが、従来において市場に供されているもののほとんど
は、その動作メカニズムが雪崩(なだれ)降伏原理によ
るものであった。
すなわち、pn接合によるダイオード構造またはトラン
ジスタのダイオード接続構造に逆バイアスを印加したと
きの雪崩降伏電圧をしてサージ吸収素子としての降伏電
圧を規定していた。
〈発明が解決しようとする問題点〉 従来の雪崩降伏原理によるサージ吸収素子においては、
上記のように、その雪崩降伏電圧そのものがサージ吸収
素子としての特性を云々する場合に使われる“降伏電圧
”を直接に規定するものとなる。
しかし一方、こうした従来素子における雪崩降伏電圧は
、pn接合を形成する両領域の中、高比抵抗側を形成す
る一方の半導体領域、したがフて一般に半導体基板の不
純物濃度のいかんにより、はぼ一義的に定まってしまう
そのため、こうした従来の雪崩降伏型サージ吸収素子で
は、同一の不純物濃度の半導体基板を用いる限り、その
降伏電圧を任意に変えることはできないか、極めて難し
く、異なる降伏電圧の製品を得ようとするなら、それに
応じて不純物濃度の異なった半導体基板を用いねばなら
ない。
こうしたことはそれ自体、極めて不合理であるばかりで
なく、降伏電圧を変えると接合容量や直列抵抗等、降伏
電圧以外のその他の電気的特性も変わってしまうことに
なる。換言すれば、接合容量や直列抵抗等を降伏電圧と
独立には設計できないのである。
、゛また逆に考えれば、こうした従来素子では、意図的
な場合に限らず、例え各ロフト毎には許容公差の範囲内
にあるとは言え、異なるロット間では始めから不純物濃
度にバラツキのある半導体基板が供給されてきたような
場合には、しかもそれが予め分かっていたにしても、簡
単にはこれを修正するすべがなく、したがってその結果
は、製品として完成された後のサージ吸収素子の降伏電
圧に関するロット間変動ないしバラツキとして、そのま
ま正直に反映されてしまう。
さらにはまた、この種従来の雪崩降伏型サージ吸収素子
では、実際の物理的な構造上においても制約を生むこと
が多い。
というのも、この種のサージ吸収素子において第一半導
体領域内への不純物拡散等により第二半導体領域を埋設
的に形成した場合、雪崩降伏は一般にその接合両端の電
界集中部分から起き易く、仮にそのようになると、降伏
後の入力電圧クランプ時において接合の全面積部分に亘
り均一に電流を流すことが極めて難しくなるからである
そこでこうした従来素子においては、接合端部を表面に
垂直な、または角度を持った斜面でエツチングまたはカ
ッティングし、上記のような電界の集中を緩和するべく
図っている。
しかし、こうして得られる素子はディスクリートなもの
にならざるを得す、したがって例えば数回線分の保護の
ため、これらを複数個集積する等は不可能ないし困難で
、一般的な伝送回線とか制御回線等において大地間電圧
(コモンモード)と線間電圧(ノーマルモード)のいず
れか、または双方から侵入してくる雷サージ等、異常電
圧に対し、この従来素子を用いて十分な保護を図らんと
すれば、少なくとも二個以上の素子を外部で接続しなが
ら用いなければならなかった。
もっともこのような雪崩降伏型のサージ吸収素子におい
ても、それが微小電力吸収用としてならば集積化が検討
されていた。
しかしその動作機構から明らかなように、原理的な所か
らして少数キャリアの注入がないため、設計条件に大き
な制約が出るのをやむなしとしなければならなかった。
また、集積化にとって不可欠な要素であるラテラル構造
では、キャリアの走行距離の差が動作抵抗の差となるた
め、当該走行距離差の不平衡に伴って動作特性が著しく
悪化し、特に雪崩降伏型においてキャリアの走行力・向
が横方向でもあり、かつまたウェハの厚み方向でもある
という構成は現実的でなく、高い降伏電圧を有しながら
大きなサージ電流を吸収可能な高耐量素子は実現不能で
あった。
これら欠点に加つるに、上記従来素子では、降伏後の入
力電圧クランプ時において素子両端電圧(クランプ電圧
)がそれほどには低くならないという欠点もある。雪崩
降伏型の場合、むしろ、クランプ電圧の方が雪崩降伏を
生起し始めた降伏電圧よりも高くなる。
そのため、降伏後、素子内にて消費される電力は、絶対
値において相当に高いこのクランプ電圧と吸収電流との
禎になり、結果として素子に多大な発熱をもたらす。 
  “ これは言い換えれば、熱容量の観点からしても素子に許
容できる吸収電流にかなりな制限を生むことを意味する
もっともこの欠点は、サージ吸収時のクランプ電圧を降
伏電圧に対し十分低電圧化することで解決できるが、こ
の種のサージ吸収素子は保護すべき回路系の電源部と負
荷との間にあフて負荷に対して並列に挿入されるため、
用いた素子のクランプ電圧が十分に低く、当該電源部の
電源電圧よりも低いとなると、サージにより一度ターン
・オンした以上、例えその後にサージ要因がなくなって
もこの素子はターン・オン状態を維持してしまい、電源
エネルギを無駄に消費し続けることになる。こうした現
象は特に“続流効果”と呼ばれている。
したがってこの種のサージ吸収素子がターン・オン状態
を維持するための保持電流(後述するIh)を、電源等
の装置から供給される電流値以下に設定できれば、サー
ジ要因が消失した後、当該素子は上記のような続流現象
を起こすことなく、自動リセットするので望ましい。
なおまた実際上、既述のような伝送回線、制御回線の保
護を考えた場合、従来の雪崩降伏型のサージ吸収素子で
は上記のように吸収できる電流量が僅かなため、必要に
応じ他のサージ吸収素子との併用も考えなければならな
い等の欠点もあった。
本発明は以上のような従来の諸事情及び各種の欠点に鑑
みて成されたもので、用いる半導体基板の不純物濃度な
いし抵抗率や厚味のいかんにかかわらず、相当程度以上
の幅で設計性良く任意の降伏電圧が得られ、したがって
また降伏電圧のいかんによらず、接合容量や直列抵抗等
、その他の電気的特性を独立に設計することもでき、さ
らには複数の素子構成要素(サージ吸収単位素子)を同
一基板上にウェハプロセスだけで集積化することも容易
であり、単方向、双方向のみならず、要すれば三極双方
向素子としても構成し得、コモンモード、ノーマルモー
ドのいずれにおいても雪崩降伏素子に比し大きなサージ
を吸収することのできるサージ吸収素子を提供せんとす
るものである。
(問題点を解決するための手段) 上記目的を達成するため、本発明においては従来の雪崩
降伏型に代え、新たな動作原理としてパンチスルー現象
を導入すると共に、一つの半導体領域の表裏領域を有効
利用した下記構成によるバンチスルー型サージ吸収素子
を提供する。
半導体基板自体として形成されるか、または該半導体基
板に対して分離的に形成された第一導電型の第一半導体
領域と: 該第一半導体領域の一表面側に形成され、上記第一導電
型とは逆導電型であって上記第一半導体領域との間で第
一のpn接合ダイオードを形成する第二半導体領域と: 上記第一半導体領域とは反対側から上記第二半導体領域
に接触することにより、該第一半導体領域との間の離間
距離をして上記第二半導体領域の実効厚味を規定する第
三領域と; 上記第一半導体領域の上記一表面側において上記第二半
導体領域に対し横方向に離間して形成され、上記第一導
電型とは逆導電型であって上記第一半導体領域との間で
上記第一のpn接合ダイオードとは逆方向になる第二の
pn接合ダイオードを形成する第四半導体領域と: 上記第一半導体領域とは反対側から上記第四半導体領域
に接触することにより、該第一半導体領域との間の離間
距離をして上記第四半導体領域の実効厚味を規定する第
五領域と; 上記第一半導体領域の上記一表面とは対向する裏面側に
あって上記第二半導体領域下から上記第四半導体領域下
にかけての領域部分の少なくとも一部分に設けられ、上
記第一半導体領域との間で第三のpn接合ダイオードを
形成する第六半導体領域と: 上記第一半導体領域とは反対側から上記第六半導体領域
に接触することにより、該第一半導体領域との間の離間
距離をして上記第六半導体領域の実効厚味を規定する第
七領域と; から成り、上記第一、第二、第三の三つのpn接合ダイ
オードの少なくともどれか一つにでもサージに伴う逆バ
イアスが与えられた場合、上記第二、第四、第六半導体
領域の中の当該サージ印加に係る半導体領域内で上記第
一半導体領域との間に発生した空乏層が、当該サージ印
加に係る半導体領域にそれぞれ対応的に設けられている
上記第三、第五、第七領域に到達したときに生ずる上記
第一半導体領域と上記第三領域、または上記第一半導体
領域と上記第五領域、または上記第一半導体領域と上記
第七領域との間のバンチスルーにより、該サージ電流を
吸収すること; を特徴とするサージ吸収素子。
〈作用および効果〉 例えば通常の伝送回線の一回線当たりを考えると、これ
は全ての回路についてもあてはまることではあるが、伝
送線路はり、 、 L2の二本と接地Gとから構成され
る。
しかるに本発明の構成を採用した素子においては、こう
した伝送回線を外来サージ等の異常電圧から保護する場
合、二本の伝送線路り、 、 L2と接地Gの間に侵入
してきたコモンモードサージに対しても、また線路り、
 、 L2間に現れるノーマルモードサージに対しても
、共に有効に当該サージを吸収し得る三極双方向素子を
容易に得ることができる。
ここで理解を簡単にするため、本発明素子に用いられて
いるいくつかの領域の組合せの中から、上記要旨構成中
における第一半導体領域と第二半導体領域とにより構成
されたpn接合ダイオードを取り上げ、これに逆バイア
スを印加する方向の異常電圧が侵入してきたものとして
本発明サージ吸収素子の作用を述べる所から始める。
このpn接合ダイオードに逆バイアスが印加されると、
当該接合に生成される空乏層は第一半導体領域に向けて
伸びると同時に第三領域に向けても伸びていく。
そしてこの空乏層が印加電圧の大きさに応じて伸び続け
、やがて第三領域にまで達すると、第一半導体領域と当
該第三領域との間でバンチスルーが起こり、この電流経
路を介してサージ電流が吸収され始める。このバンチス
ルー動作開始電圧が、第2図中において降伏電圧として
示されたものである。
しかるにこの吸収電流は、第四半導体領域あるいは第六
半導体領域から第一半導体領域に至る経路で流れるため
、当該第四半導体領域あるいは第六半導体領域が第一半
導体領域に対して少数キャリアを注入し得る注入接合を
形成する材料で構成されている限り、当該第四半導体領
域あるいは第六半導体領域から第一半導体領域内へ少数
キャリアの注入が起こり、したがって例え外部端子を介
し第二半導体領域と第三領域とが電気的に短絡されてい
ても、当該少数キャリアが第二半導体領域に流れ込んだ
結果として第二半導体領域には電圧降下が生じ、第三領
域から第二半導体領域に対してキャリアの注入が起こる
こうしたキャリア注入過程が繰返されていきながら、や
がてのことに第2図中にブレーク・オーバ電流として示
された値以上の大きさの電流が流れると、正帰還現象を
介し、素子の両端電圧、すなわちクランプ電圧は極端に
低電圧となる。そのため、本発明のサージ吸収素子では
、素子の発熱を抑えながらの大電流の吸収が可能となる
なお、ブレーク・オーバ電流を呈する電圧をブレーク・
オーバ電圧と呼ぶことができ、一般にこのブレーク・オ
ーバ電圧は、第2図に示されるように降伏電圧よりは高
くなる。
したがって、本発明素子の初期動作から電圧クランプま
での素子両端の電圧履歴を追うと、サージ印加に伴い、
それが降伏電圧以上であればバンチスルー動作を開始し
、吸収電流がブレーク・オーバ電流に至るまでは素子両
端電圧はいく分か上昇するが、一旦でもブレーク・オー
バ電流を越えると、当該ブレーク・オーバ電圧から極端
に値の低いクランプ電圧に移る。
上記ブレーク・オーバ電流の値は、第二半導体領域の抵
抗や第三領域と第一半導体領域に対する形状のいかんに
より決められ、また第四半導体領域の第一半導体領域に
対する形状、さらには後述するように第一半導体領域が
直接に外部端子に接続されている場合には当該第一半導
体領域の抵抗と第四半導体領域近傍の形状のいかんによ
フても決めることができる。
一方、バンチスルー動作を開始せしめる降伏電圧につい
て考えると、本発明サージ吸収素子では、第一半導体領
域に対し、その反対側で第二半導体領域に接する第三半
導体領域の高さ位置をどの程度に設定するか、換言すれ
ば中間の第二半導体領域の実効厚味をどの程度に設定す
るかにより、第一、第三領域間のパンチスルー電圧、つ
まりは当該降伏電圧を任意に変更、制御できるものとな
る。
例えば中間の第二半導体領域の実効厚味を厚く設定した
場合には、他の条件が同一であれば生成した空乏層が第
三領域にまで伸びるにはより大きな逆方向バイアスが必
要となり、これは結局、素子が降伏する降伏電圧を高め
たことになるし、逆に中間の第二半導体領域の実効厚味
を薄く設定すれば、生成した空乏層は比較的低い印加電
圧でも容易に第三領域に到達することになるから、降伏
電圧を低目に設定したことになる。
もちろん、こうした降伏電圧は、中間の第二半導体領域
の不純物濃度によっても制御し得るが、いずれにしても
上記のことからすれば、本発明によった場合、第一半導
体領域として適当な市販の半導体基板ウェハをそのまま
用いても、そしてまた同一種類の半導体基板を出発部材
としても、任意所望の降伏電圧のサージ吸収素子を得ら
れることが分かる。
また、第二半導体領域の実効厚味の制御とその不純物濃
度の制御とを適当に操作すれば、降伏電圧の高低に対し
て接合容量や直列抵抗を独立にも設訂できるようになる
さらに半導体基板そのもの、ないし半導体基板に分離的
に形成された第一半導体領域に対し、順次に第二半導体
領域、第三領域を形成していく手法自体は、既存のエピ
タキシャル成長技術によっても良いし、イオン打込み、
選択拡散等々によっても良いが、いずれによるにしても
第二半導体領域の実効厚味とか不純物濃度の制御は現在
の技術でも極めて高いものが得られるから、結局は本発
明により作成されるサージ吸収素子は、要すわばその精
度を極めて高いものとすることができる。
一方、構造的な観点からしても、第二半導体領域の実効
厚味は第一半導体領域の厚味とは無関係に薄く設定でき
るから、第一半導体領域としては市販の半導体基板ウェ
ハに何等特殊な前加工を施さず、厚いままにそのまま用
いることもでき(その方が一般的でもある)、シたがっ
て工程の増加を招かず、物理的な強度低下も招かないで
済むし、一つの半導体基板内に本発明素子を複数個、形
成することもでき、集積化が容易な効果もある。
また上記原理から明らかなように、第二半導体領域と第
三領域とは外部端子において同一の電位に置いて良く、
したがって外部端子への引き出しも同一の引き出し端子
から行なって差支えない。
しかし逆に、各専用の端子から独立に引き出せるように
し、これら両端子間に適当なバイアスを掛けるようにし
ても良く、このようにすれば素子完成後、または素子実
働下にあってもこのバイアス電圧の変更調整により、バ
ンチスルー電圧、すなわちサージ吸収素子としての降伏
電圧を可変にすることができる。
なお、上記した所から顕かなように、降伏電圧の変更に
ともなってブレーク・オーバ電圧も当然に変化する。
もちろん、上記してきた所に対して逆極性のサージ電流
に関しては、第一半導体領域と第四半導体領域、第五領
域で構成される第二のpn接合ダイオードの逆バイアス
の結果として上記同様なバンチスルー現象が生ずる。
換言すれば、第一半導体領域と第四半導体領域との間の
第二のpn接合ダイオードにてバンチスルーが生起して
いるときには、第二半導体領域が先の説明中において第
四半導体領域のなした機能を営むことになる。
こうしたことから、第四半導体領域については第二半導
体領域に関しての、そして第五領域については第三領域
に関しての各説明がそのまま単なる読み代えで適用でき
、全く同様に、第六半導体領域と第七領域とに関しても
そうした読み換えが可能なこと、言うまでもない。
また、本発明サージ吸収素子の有する三つのダイオード
、つまり第一半導体領域と第二半導体領域、第一半導体
領域と第四半導体領域、第一半導体領域と第六半導体領
域によって構成された各ダイオードを、例えば線路り、
 、 L2間と接地Gとの間に配すれば、いわゆる“Δ
(デルタ)”接続となり、極性および侵入経路のいかん
にかかわらず、サージ等の異常電圧を速やかに吸収する
ことができる。換言すれば本発明の素子は、単方向、双
方向のみならず、要すれば三極ないし三端子双方向素子
を構成するのも容易である。
一般に多回線用素子として本発明素子を利用する場合に
も、表面の素子パターンを変えるだけでその要求に簡単
に応することができ、その場合にも雪崩降伏型の従来素
子に比し、異常電圧吸収時に素子間電圧を低電圧とする
動作原理により飛躍的に大きなサージ電流を吸収し得る
ことに変わりはない。
さらに本発明のサージ吸収素子は、素子の有効面積に比
例的に電流容量を増し得る構造であるから、そのことだ
けをしてもサージ電流耐量の大きな素子を構成し易い利
点がある。
また先の解決すべき問題点の項において“続流効果”な
いし“続流現象”につき述べたが、本発明の素子におい
ては、サージ吸収素子がターン・オン状態を維持するた
めの保持電流Ihの値を第二、第四半導体領域と該六半
導体領域との幾何的な位置関係によっても調整、制御可
能な利点がある。
すなわち第六半導体領域は、上記要旨構成中においては “第二半導体領域下から上記第四半導体領域下にかけて
の領域部分の少なくとも一部分に設けられ” なる表現で定義されているが、この関係を見たしながら
なお、特に平面投影的に見て第六半導体領域と第二、第
四半導体領域とが互いに横方向に重なり合う部分がない
ようにすると、当該第六半導体領域の縁と第四半導体領
域の縁との間の離間路!1L4B、および同じく第六半
導体領域の縁と第二半導体領域の縁との離間距離L26
を幾何的な寸法として調整することにより、キャリアの
再結合量を調整できるので、結局は保持電流の値を制御
することができる。
一般的に言い直せば、これら離間距離を長く採る程、保
持電流Ihは大きくなり、短くする程、小さくなる。も
ちろん、平面投影的に見て第六半導体領域が第二半導体
領域、第四半導体領域に対して重なり合うようになれば
、その重なり度合い応じてより一層、小さくなる。
いずれにしても、本発明の素子のこの特徴によれば、特
に続流現象防止のため等に保持電流1hを調整する際の
重要なパラメータの一つとしてこの幾何的寸法’46 
+’26を利用することもでき、設計上、有利である。
本型の最後として、本発明サージ吸収素子により得られ
る各種様々な効果を整理し、以下に列記して置く。
■半導体基板ないし半導体ウェハはこの種素子の各部の
部品価額としては最も高価で、かつ最も融通の効かない
部材であるが、本発明によれば同一の材料定数の出発ク
エへからも異なる降伏電圧のサージ吸収素子を得ること
ができる。
■第二半導体領域および第三領域の組、また第四半導体
領域と第五領域の組を第一半導体領域に対して共に同一
の面側から形成するに際し、これら二組と対向する面側
においてではあるが、第六半導体領域と第七領域の組も
表裏同時拡散プロセスにより同時に形成することができ
るため、降伏電圧の変更および定められた降伏電圧にす
るための制御が極めて簡単かつ高精度で行なえ、各組の
降伏電圧のバラツキも最小限度に抑えることができる。
■降伏電圧に対して他の電気的特性、例えば接合容量と
か直列抵抗等は独立に設計することができ、したがって
例えば異なる降伏電圧でも他の電気的特性はほぼ同様と
することもできる。
■大電流領域では降伏電圧よりもさらに端子電圧(クラ
ンプ電圧)が大きく低減化する設計原理を有するので、
極めて大きなサージ電流をも吸収することができ、被保
護器の保護に関して極めて高い能力を有する。
■上記■のようにクランプ電圧を大きく低減できるにも
かかわらず、例えば第六半導体領域と第四、第二半導体
領域との平面投影的に見た幾何的な離間距離寸法の調整
等により、いわばキャリア再結合調整領域を内蔵させる
ことができるので、要すれば保持電流の値は大きく保ち
、サージが消失した後の素子の低電圧動作を自動リセッ
トすることも可能である。これは続流現象をあらかじめ
防止し得ることを意味する。
■単方向、双方向のみならず、要すれば三極ないし三端
子双方向素子を容易に構成し得るので、異常電圧等、サ
ージの極性都よび侵入モードを問わず、確実にサージを
吸収することができる。
■上記■にも関連するが、さらに有効面積に比して電流
容量が増える動作原理を有しているので、当該原理的な
観点からしてもサージ電流耐量の大きな素子を構成し易
い利点がある。
(実 施 例〉 以下、図示する本発明実施例のいくつかにつき詳記する
第1図に示すサージ吸収素子12は、本発明による基本
的な実施例の一つであって、半導体基板を第一導電型の
第一半導体領域1としてそのまま用い、その上下両表面
の中、一方の表面に順次、第二半導体領域2、第四半導
体領域4と、第三領域3、第五領域5を各組ごとに同時
に二重拡散技術で形成する一方で、当該第一半導体領域
1の他方の表面において上記第二半導体領域2とこの第
二半導体領域2に対し横方向に離間した第四半導体領域
4とにかけてそれらの下の少なくとも一部分にも、上記
と同一、同時の形成工程において第六半導体領域6と第
七領域7の組を形成したものである。
以下便宜的に、これらの領域2,3,4.5がある方を
半導体基板1の表面、その対向面で領域6.7がある方
を裏面と呼ぶ。
上記のような各領域関係において、この実施例では第一
半導体領域1がn型半導体であるため、ホウ素等の適当
な不純物の拡散技術により、第二半導体領域2をp型と
すると共に、第四半導体領域4、第六半導体領域6もp
型半導体領域とじている。
これに対し、第三領域3、第五領域5、第七領域7はパ
ンチスルーを起こした際の主電流路の一端部を形成する
ので、望ましくは高導電率であることが良く、この実施
例ではそれぞれ高不純物濃度n型、すなわちn十型領域
として、第二、第四、第六半導体領域2,4.6内への
不純物の二重拡散により形成されている。実際にはこれ
は高濃度燐拡散等により得ることができる。
以上の各領域紙2.3;4,5;6,7には図示実施例
の場合、それぞれオーミックな引き出し端子2t、3t
、4t、5t、6t、7Lを付して素子として完成させ
るが、図中の仮想線線路LSで示されているように、こ
れら対応する端子対の相互2t、3t;4t、 5t;
 6t、 7tは製作の段階で全てまたはいくつかを短
絡して置いても良いし、全部別途に引き出して置いて使
用者側で選択的に短絡したり、あるいは後述のように適
当なバイアス源を介挿させても良い。
短絡させる場合、実際にはそうした線路Lsは各組の端
子引き出し領域の露出表面上に一連に蒸着される等して
それら表面にオーミックに接触した金属層等で形成する
ことができる。
こうした構成において、ここでまず第一半導体領域1に
対する第二半導体領域2と第三領域3の組合せによるp
ロダイオードに着目し、これら領域に関連した両端子2
t、3tおよび第四半導体領域4と第五領域5の各引き
出し端子4t、5tがそれぞれ図示仮想線の線路t、s
で短絡されている状態で、これら端子間にサージ電圧が
印加された場合につき考えてみる。
このようなサージ吸収素子12においては、すでに作用
の項で説明したように、第一半導体領域1と第二半導体
領域2との間のpn接合に逆バイアスが印加されると、
それにより生ずる空乏層は第一半導体領域1の側へのみ
ならず、第三領域3の側に向けても伸びて行く。
したがって、端子2 t (3t)と端子4t(5t)
間にサージ電圧が印加され、それが上記pn接合に逆バ
イアスを印加する極性で絶対値的にも相当程度に太きな
ものであると、当該空乏層の上方端部が第三領域3に達
することが起こり得る。
この状態が第一半導体領域1と第三領域3との間でのパ
ンチスルー状態の開始であり、大電流を流し得る低イン
ピーダンス状態、ないし本サージ吸収素子としての降伏
状態の始まりとなる。この開始点は第2図中にあって電
圧軸上に降伏電圧として示しである。
降伏開始状態が具現すると、端子2 t (3t)と端
子4 t (5t、)間にサージ電流が流れ出し、第四
半導体領域4から正孔が第一半導体領域1に注入され、
それが第二半導体領域2で収集されて外部端子2tを介
し、外部電流(素子電流)となる。
したがって、第三領域3と第一半導体領域1とに挟まれ
た第二半導体領域2の抵抗と上記電流の積が、領域2.
3で構成されるpn接合ダイオードの順方向電圧に等し
くなったときに、今度は第三領域3から電子が第二半導
体領域2に注入され、これが電流の増大を招き、再びま
た第四半導体領域4から正孔の注入が行なわれるという
正帰還現象が生ずる。
このような正帰還現象が起こり始める電流値がこれまで
述べてきたブレーク・オーバ電流であり、このときの素
子両端電圧(外部端子5t、3を間室圧)がブレーク・
オーバ電圧となる。
すでに記したように、このブレーク・オーバ電圧は降伏
電圧よりはいく分か大きな値となるが、一旦正帰還が起
こり始めると素子両端電圧は著しく低い値に遷移する。
この値は第2図中にあってクランプ電圧として示されて
いるが、具体的には吸収電流と各部の直列抵抗との積に
、pn接合の順方向電圧一つ分を加えた値にほぼ等しい
このようなメカニズムから理解されるように、本発明の
サージ吸収素子12は、サージが印加されていないとき
には高い降伏電圧を維持して素子内に流れる電流を最少
限度に抑え、本素子により無駄に電力が消費されるのを
妨げる一方で、一旦、降伏電圧以上にサージが印加され
ると、間もなく極めて低いクランプ電圧を呈し、もって
大電流を吸収して後続の被保護器を確実に保護するよう
になる。
そして本サージ吸収素子12における降伏電圧は、第一
半導体領域1の抵抗率ないし不純物濃度のみならず、第
一半導体領域1と第三領域3との間の離間距離で規定さ
れる第二半導体領域2の実効厚味Dtのいかん、および
あるいは不純物濃度のいかんによってパンチスルー電圧
が制御できることにより、かなり広い設計幅内で任意に
設定することができる。
実際にも本出願人の実験によれば、この設計幅は、数ボ
ルトから数百ポルトまでの極めて広範囲に及ぶものであ
ることが確かめられている。
第1図示の実施例の場合は、既述のように半導体基板1
に対して第二半導体領域2および第三領域3を二重拡散
技術で作成する場合を示しているが、このような場合に
は、当該第二半導体領域2の実効厚味Dtは第二半導体
領域2の形成後、その表面からの第三領域形成用不純物
の拡散深さOdを制御することにより、直接に制御され
るものどなる。
すなわち、こうした二重拡散技術による場合には、第一
半導体領域に対する第三領域3の高さ位置の変動ないし
変更設定は、直接に第二半導体領域2の実効厚味Dtを
変更するものとなる。
一方、第二半導体領域2および第三領域3をエピタキシ
ャル成長技術により形成した場合には、当該第二半導体
領域2の実効厚味Dtは当該エピタキシィにおける諸条
件に基いて決定される成長膜厚自体により規定されるの
が一般的であるが、その場合にも実際上、第三領域3の
存在がバンチスルーに関する実効厚味Dtを規定してい
ることに変わりはない。
拡散技術による場合もエピタキシィによる場合も、第二
半導体領域2の実効厚味Dtの制御は既存の技術をして
も極めて高い精度で制御できるから、結局、本発明によ
るサージ吸収素子は、その降伏電圧を、極めて高い精度
で設定できるものとなる。
また同様に、パンチスルー電圧、ひいては本素子の降伏
電圧を規定する他の一要因となる第二半導体領域2の不
純物濃度も、既存の技術をして極めて高い精度で調整、
制御することができる。
こうしたことを換言すれば、本発明の素子の場合、降伏
電圧を設計するのに、第二半導体領域2の実効厚味Dt
と不純物濃度という、それぞれ設計性の良い、しかも互
いには独立の二つの変数を有していることを意味する。
したがって、これら変数を一方のみ使ったり、双方使っ
てそれぞれ適当に按配することにより、単に極めて広い
範囲に亘って降伏電圧を設定できるだけでなく、接合容
量や直列抵抗等、その他の電気的特性を降伏電圧と独立
に設計することもできることが分かる。
上記においては説明の流れからして第二半導体領域と第
三半導体領域についてのみ記したが、もちろん第四半導
体領域4と第五領域5、第六半導体領域6と第七領域7
とにより形成される各ダイオード形成組についても全く
同様のことが言える。
特に第二半導体領域2と第四半導体領域4および第一半
導体領域6は、これらを同一の不純物拡散条件とし、一
度のプロセスで同時に形成することもできるが、これに
際して二重拡散技術に頼る場合、第二半導体領域2に関
する第三領域3の高さ位置を設定すると、好ましいこと
に自動的に第五、第七領域5.7の高さ位置を設定した
ことになり、結局、第三領域3の高さ位置による第二半
導体領域2の実効厚味01の規定が第四、第六半導体領
域4.6のそれをも規定することになる。
このことは、現在の二重拡散技術をしても同一プロセス
で両面拡散を精度良く行なえることと併せ、本発明素子
に含まれる各単位ダイオード要素ないし単位のサージ吸
収部の降伏電圧を全てバラツキなく揃え得ることを意味
する。
すでに述べてきたように、本発明のサージ吸収素子にお
いては、その原理構成上、第一、第二、第三;第一、第
四、第五;第一、第六、第七の各領域によって三つのサ
ージ吸収部が形成されているが、第一半導体領域1と各
対応領域3,5.7間でパンチスルーが起きた後のサー
ジ電流の電流分布は比較的均一なものとなる。
しかし、なお一層の均一性を確保しようとするなら、第
3図に示すような構成を採ることもできる。
すなわちこの第3図示の実施例では、半導体基板ないし
第一半導体領域1の表面に形成された逆導電型の第二、
第四、第六半導体領域2,4゜6に対して形成される第
三、第五、第七領域3゜5.7を、それぞれ複数に分割
された領域要素31 、32 、33 、、、、、、.
3n ; 51 、52 、53 、、、、、、.5n
 ;71 、72 、73 、、、、、、.7n (図
示の場合n−5)の集合から構成しており、各領域要素
31〜3n;51〜5nニア1〜7nは、共通の引き出
し端子3t、5t、7tから外部に導通を採られるよう
にしている。
こうした構造では、従来の雪崩降伏型素子に見られたよ
うな電界の集中効果はこれを避けることができ、均一な
電流分布を得ることができる。そのためまた、電流容量
もほぼ素子面積に比例して増大させることができる。
この第3図示のサージ吸収素子I2でも、第一実施例に
ついて述べた他の配慮は同様に採用することができる。
なお、各サージ吸収部における二つの端子対2t、3t
;4t、5L;6t、7tは、既述したように動作原理
上、短絡できるだけでなく、短絡して用いると過渡現象
を避は得る効果もある。
本発明のような構成のサージ吸収素子では、本来バンチ
スルー現象によって規定されるべき降伏電圧が第一半導
体領域1と第二、第四、第六の各半導体領域2,4.6
間においてそれぞれ雪崩降伏電圧に近くなってくると、
制御性が悪くなることも考えられる。
そのような危惧のある時には、第二、第四、第六の各半
導体領域2,4.6の各端部の接合で生じ始める雪崩降
伏を初期の段階で防ぐか抑えるため、第4図に示される
ように、それら第二、第四、第六の各半導体領域2,4
.6の各周囲を囲むように、それらの半導体領域2,4
.6と同一の導電型のガード・リング領域2G 、 4
G 、 6Gを形成するか、第5図に示されるように、
第二半導体領域2と第三半導体領域3、第四半導体領域
4と第五領域5、第六半導体領域6と第七領域7の各組
の表面にそれぞれ一連に形成されたオーミック電極8,
9.10の各端縁部8a 、 9a 、10aを、絶縁
膜11を介して第一半導体領域との接合を越えるように
さらに張り出させると良い。
このようにすれば、それぞれ第二、第四、第六半導体領
域端部における電界の集中を緩和し、実効的に雪崩降伏
電圧を増加させることにより、本発明の思想に即し、パ
ンチスルーによってのみの降伏電圧の設計性を拡大、改
善することができる。
したがって、上記第4.5図示のサージ吸収素子12に
おいては、端子3t、5t、7tの中、そのときどきで
サージの印加される二つの端子間に印加される当該サー
ジ電圧の極性に応じて、パンチスルーな起こすダイオー
ドはいずれか一方の端子側の半導体領域により構成され
るダイオードとなる。
しかし、いずれのダイオードにてパンチスルー現象が生
起するにしろ、その動作メカニズムは、すでに第一半導
体領域1と第二半導体領域2とにより構成されるダイオ
ードに関して説明したのと全く同じことになる。
換言すれば、本発明によるサージ吸収素子は、両極性の
サージ電圧ないしサージ電流がいかなるモード(コモン
モードかノーマルモードか)で侵入してきてもこれを良
く吸収することができるし、何度も述べているように、
サージ電圧に対して設計性良く降伏電圧を決めることが
できる。
第4図に示される実施例と第5図に示される実施例は、
あれば望ましい配慮として、先のように第二、第四、第
六半導体領域の各端接合で生じ始める雪崩降伏を初期の
段階で防ぐか抑えるための手段が異なるだけである。
そのため逆に、これらの実施例においては第3図示実施
例の構成に従い、第三、第五、第七領域3.5.7はそ
れぞれ複数の当該領域用の領域要素群31〜3n ; 
51〜5n;71〜7nの集合から構成されているが、
第1図示実施例の第三、第五、第七領域3,5.7のよ
うに、最も基本的にはこれら領域はそれぞれ単一の非分
割領域として形成されていても良い。
以上の各実施例に示されるような本発明サージ吸収素子
の場合、素子完成後、従来の雪崩降伏型において必要と
されていた端面研磨等の付帯処理は原則として必要ない
。したがって、これら既述の各実施例構成は、一つの半
導体基板1内に複数個、同時に作ることができる。
なお、本発明サージ吸収素子12のやや特殊な使い方と
して、各サージ吸収部ないし単位のサージ吸収用ダイオ
ードを構成する各領域組に関する端子対2t、 3t;
 4t、 5t; 6t、 7tを仮想線の短絡線路L
sを排除して個別に引き出すようにした場合、これら端
子対間に適当なバイアス源を挿入すると、それら各サー
ジ吸収部における各バンチスルー電圧を外部から制御す
ることも可能となる。
ここで−例として、本発明の効果を実際の素子における
比較で確認する。
まず、以下に述べる工程により本発明に即したサージ吸
収素子を作成した。
抵抗率5Ω−cm、導電型n型、(111)面、300
p1n厚のシリコン・ウェハを第一半導体領域1の出発
部材とし、まずその表裏面に6000人の5in2膜を
形成した。
次いで第二半導体領域2および第四半導体領域4を表面
に、また第六半導体領域6を裏面に形成するべくその平
面形状を規定するため、表裏面のシリコン酸化膜に対し
所定のパターンにしたがってフォト・エツチング工程を
適用し、不純物拡散窓を開け、この各拡散窓を介してホ
ウ素を両面拡散し、その深さがそれぞれ2.5711n
に亘るp型領域2.4.6を形成した。
このときの上記パターンは、それぞれ200呻幅の第二
、第四領域2,4が交互に70陣間隔で繰返されるもの
であり、また第六半導体領域6は表面の第二、第四半導
体領域の中心部にその中心がくるように所定の各面積で
形成した。
新たにウェハ表面にシリコン酸化膜を形成した後、表面
側にあっては複数個の第三領域要素31〜3nと第五領
域要素51〜5n用の、そして対向する裏面側にあって
は第七領域要素71〜7n用の各平面形状を規定するた
め、当該シリコン酸化膜に対して所定のパターンに即し
たフォト・エツチングを施し、それら複数個の第三、第
五、第七領域要素用の不純物拡散窓を形成した。
この拡散窓から高濃度に燐を拡散し、その深さがそれぞ
れ1.2脚に亘る各n中型の第三領域要素31〜3nの
集合から成る第三領域3、第五領域要素51〜5nの集
合から成る第五領域5、そして第七領域要素71〜7n
の集合から成る第七領域7を形成した。
したがって、これと同時に最終的に第二、第四、第六半
導体領域2,4.6が完成され、それらの実効厚味Dt
は共に1.3p+nと規定された。
その後、第二、第三領域に共通のオーミック・コンタク
ト、第四、第五領域に共通のオーミック・コンタクト、
そして第六、第七領域に共通のオーミック・コンタク小
を採るため、フォト・エツチング、金属薄膜蒸着、その
エツチング工程を経てそれぞれの電極8,9.10ない
し端子2t、3t;4t、5t;6t、7tを形成した
このような構成下にあって、比較用サージ吸収素子とし
て、基板表面側の端子2t、3tあるいは4t 、 5
tと基板裏面側に設けた基板端子との間でのサージ吸収
モデルを組んだ所、その降伏電圧は120Vを示し、サ
ージ吸収電流は最大300A/ cm2まで取れた。
一方本発明の思想に即するサージ吸収素子として、上記
構成により端子2t、3t;4t、5t;6t、7を間
において両極性のコモン、ノーマルのサージを吸収する
ようにしたものでは、降伏電圧は121Vとほぼ同じで
あっても、ブレーク・オーバ電流密度は4A/cm2で
、サージ吸収電流密度は何と最大5000A/ cm2
も取ることができた。
この特性例を見ても、本発明により設けられた第二、第
三領域の組に対する第四ないし第六半導体領域の働き、
第四、第五領域の組に対する第二ないし第六半導体領域
の働き、そして第六、第七領域の組に対する第二ないし
第四半導体領域の働きは極めて大きいものであることが
分かる。
そしてまた他は上記と同一条件として、実質的に第二、
第四、第六半導体領域2,4.6の実効厚味を規定する
ことになる鹸型第三、第五、第七領域3,5.7を形成
する際の拡散時間を変化させた所、降伏電圧は30Vか
ら170Vの間で変化させることができた。
もちろん、この変化幅も最大変化幅ではなく、他の条件
も勘案すれば数ボルトから数百ポルトに亘る極めて広範
な変化範囲を得ることができることも確認されている。
なお、本素子における降伏メカニズムは、トンネリング
や雪崩降伏によらず、確実にパンチスルー現象にのみよ
って制御可能となっていることも検証された。
ところで、先に述べたように、本発明のサージ吸収素子
12においては、表裏面を重ね合せるように平面投影的
に見た場合、第六半導体領域6は第二半導体領域2、第
四半導体領域4に対し、基本構成的には重なり合う関係
にあっても重ならない関係にあっても良い。
これまでの実施例においてはいずわも第二、第四半導体
領域2,4に対し、第六半導体領域6は一部重なり合う
部分を有していた。
しかしこれは、第1図示の基本的な実施例の改変に代表
して第6図に示されているように、平面投影的に見て第
二、第四半導体領域2.4に対し、第六半導体領域6が
全く重ならないように形成し、したがって第六半導体領
域6の縁と第四半導体領域との縁との間には横方向離間
比a L 4 aが、同様に第六半導体領域6の縁と第
二半導体領域2の縁との間にも横方向離間距離L26が
残されるようにすることもできる。
このようにすると、これまで述べてきた本発明サージ吸
収素子12に固有の各種効果、機能に加え、当該離間距
離により規定されるあたりの第一半導体領域の領域部分
13.13をキャリアの再結合量を調整する領域13 
、13として機能させることができる。
すなわち、当該離間路1114g 、L26を長く採れ
ば保持電流Ihの値は増加し、短くすれば低下する。
逆にこれまでの他の実施例に示されているように、平面
投影的に第六半導体領域6が第二、第四半導体領域2.
4に対し重なり合いの関係にある場合には、この第6図
示実施例のものに比し、他の寸法や構造が同一ならば、
保持電流Ihの値は低いものとなる。
そのためもし、重なり合いの関係に構成すると既述した
続流現象が起こるような場合には、この第6図に示され
る実施例の考えに従い、第六半導体領域に対し第二、第
四半導体領域の形成位置を、設計的に最適化した離間比
111L4a 、L26を置き得る位置に設定すれば良
い。
この第6図示の実施例に代表されるキャリア再結合調整
領域13.13の組込み構成は、もちろん、これまで述
べたきた第3.4.5図示の各実施例に関しても適用す
ることができ、こと保持電流調整に関して同様の効果を
期待することができる。
最後に本発明素子の実装に関しても望ましい配慮につき
述べて置くと、例えば第六半導体領域6と第七領域7間
の共通端子10または端子6t、7tを放熱板を兼ねた
電極板に導通を取りながら接着する構造とすれば、この
電極板を本サージ吸収素子12を封止する適当なるモー
ルドの外に露出するように配することで大きな放熱効果
を得ることができる。
さらにこの電極板を接地電極とすれば(というよりもそ
うする方が望ましいのであるが)、当該電極板を本素子
を内蔵する各種機器の金属シャーシにネジ止めすること
により、確実な接地とより一層の放熱効果を期待するこ
とができ、発熱に伴う素子特性の劣化を最小限に抑制す
ることが可能となる。
実際にもこの手法によれば、従来のパワートランジスタ
に見られるようにコレクタ電極に電気的絶縁性を有する
放熱シートを挟み込む等の手間を必要とすることなく、
十分な放熱特性を得ることに成功している。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明サージ吸収素子の第一実施例の概略構成
図、第2図は第1図示実施例の動作特性図、第3図は本
発明サージ吸収素子の第二実施例の概略構成図、第4図
および第5図はそれぞれ本発明サージ吸収素子のさらに
他の実施例の概略構成図、第6図はさらにキャリア再結
合調整領域を組込む場合の概略構成図、である。 図中、1は第一半導体領域ないし半導体基板、2は第二
半導体領域、3は第三領域、31〜3nは第三領域要素
、4は第四半導体領域、41〜4nは第四半導体領域要
素、5は第五領域、51〜5nは第五領域要素、6は第
六半導体領域、7は第七領域、71〜7nは第七領域要
素、2G 、 4G 、 6Gはガード・リング、8,
9.10は電極、12は全体としての本発明サージ吸収
素子、13はキャリア再結合調整領域第1図 第2図 第4図 6tバ 第5図

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 半導体基板自体として形成されるか、または該半導体基
    板に対して分離的に形成された第一導電型の第一半導体
    領域と; 該第一半導体領域の一表面側に形成され、上記第一導電
    型とは逆導電型であって上記第一半導体領域との間で第
    一のpn接合ダイオードを形成する第二半導体領域と; 上記第一半導体領域とは反対側から上記第二半導体領域
    に接触することにより、該第一半導体領域との間の離間
    距離をして上記第二半導体領域の実効厚味を規定する第
    三領域と;上記第一半導体領域の上記一表面側において
    上記第二半導体領域に対し横方向に離間して形成され、
    上記第一導電型とは逆導電型であって上記第一半導体領
    域との間で上記第一のpn接合ダイオードとは逆方向に
    なる第二のpn接合ダイオードを形成する第四半導体領
    域と; 上記第一半導体領域とは反対側から上記第四半導体領域
    に接触することにより、該第一半導体領域との間の離間
    距離をして上記第四半導体領域の実効厚味を規定する第
    五領域と;上記第一半導体領域の上記一表面とは対向す
    る裏面側にあって上記第二半導体領域下から上記第四半
    導体領域下にかけての領域部分の少なくとも一部分に設
    けられ、上記第一半導体領域との間で第三のpn接合ダ
    イオードを形成する第六半導体領域と; 上記第一半導体領域とは反対側から上記第六半導体領域
    に接触することにより、該第一半導体領域との間の離間
    距離をして上記第六半導体領域の実効厚味を規定する第
    七領域と;から成り、上記第一、第二、第三の三つのp
    n接合ダイオードの少なくともどれか一つにでもサージ
    に伴う逆バイアスが与えられた場合、上記第二、第四、
    第六半導体領域の中の当該サージ印加に係る半導体領域
    内で上記第一半導体領域との間に発生した空乏層が、当
    該サージ印加に係る半導体領域にそれぞれ対応的に設け
    られている上記第三、第五、第七領域に到達したときに
    生ずる上記第一半導体領域と上記第三領域、または上記
    第一半導体領域と上記第五領域、または上記第一半導体
    領域と上記第七領域との間のパンチスルーにより、該サ
    ージ電流を吸収すること; を特徴とするサージ吸収素子。
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JP2007518255A (ja) * 2004-01-02 2007-07-05 セミコンダクター・コンポーネンツ・インダストリーズ・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー 高エネルギーesd構造および方法

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