JPH0133535Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、容器の整列搬送装置に関するもので
あつて、不規則な向き姿勢で送られてくる容器を
一定の方向に向かせながら次工程に送り込めるよ
うにすることを目的とする。

生ビール等を収納するある値の容器は、合成樹
脂等で成形された壜形状の容器本体の下端部と上
端部とにそれぞれベースカツプと肩カバーとを嵌
め込み固定すると共に、把手を組付ける構成とな
つている。

そしてこのような構成では、例えば肩カバーの
一部に、内容液の注出時に操作し易いように切欠
部を設けたとすると、この切欠部は把手に対して
所定位置に限定されるので、無配慮に肩カバーを
容器本体に嵌め込むわけにはいかず、方向性が重
要な問題となる。

この方向性は、肩カバーを嵌め込む場合に限ら
ず、周面にラベルを貼るような際にも必要であ
る。

しかしながら、機械的な流れ作業で前工程から
送られてくる容器は、その方向性が不規則であ
り、次工程における例えば肩カバーの嵌め込みや
ラベルの貼付に不都合は状態であり、従つて次工
程への搬送時に、容器を所定の方向に向せておく
ことが望ましい。

本考案は上述した従来の欠点、要請に鑑みて考
案された容器の整列搬送装置であつて、容器を、
脚部下端の周縁部の一部を直線的に削切して段部
を設けた構成とし、所定方向に走行するメインベ
ルトと、該メインベルトよりもやや高い位置で並
列し、メインベルトと異なる速度で同一方向に走
行するサブベルトと、両側に、容器下端部を側方
から保持するメインガイド板とサブガイド板とを
設けた構成である。

以下本考案の一実施例を図面に従つて説明す
る。

第１図は本考案の装置が搬送する容器１を示す
ものにして、壜形状の容器本体２下端部に脚部と
してベースカツプ３が嵌め込まれた円筒形状であ
るが、このベースカツプ３下端にはやや小さい直
径の短円筒部４が突設され、該短円筒部４の周縁
部の一部は直線的に削切されていて切欠部５が設
けられており、円形形状の底面の一部に弦状に切
欠かれて段部６が形成さている。

次に第２図以下にあつて、１０は容器１の搬送
通路であり、容器１の直径とほぼ等しい幅を有し
ており、この搬送通路１０は、容器１を搬送する
べく所定方向に走行する一対のメインベルト１２
とサブベルト１３と、両側に走行方向に沿つて配
されるメインガイド板１４、サブガイド板１５と
から構成される。

メインベルト１２はやや幅広であつて、容器１
の底面のほぼ全域を乗載して走行する。

これに対してサブベルト１３は、メインベルト
１２の一側に隣接して並列配置され、幅狭であつ
て前記メインベルト１２の約２倍の速度で走行
し、しかも容器１の段部５よりもやや小さな高さ
だけメインベルト１２よりも上位に位置してい
る。

そしてメインベルト１２の他側上方位置には容
器１の下端部を側方から支持するメインガイド板
１４が、またサブベルト１３の上方位置には同じ
くサブガイド板１５が、両ベルト１２，１３の走
行方向に沿つて配されている。

メインガイド板１４は、サブベルト１３の側端
と一定の間隔をあけて位置しており、この間隔
は、容器１の底面にあつて、弦状の段部６におけ
る中心ｏからの直径Ｄよりやや大きく、またサブ
ガイド板１５は、メインガイド板１４から、容器
１下端部の直径とほぼ等しい間隔をあけて位置し
ている。

そしてさらに、上記メインガイド板１４の下位
には、前記容器１の短円筒部４の高さとほぼ等し
い肉厚の規制板１４′がメインガイド板１４に沿
つて配置されているが、この規制板１４′はサブ
ベルト１３方向にやや突出しており、サブベルト
１３との間隔は、前記短円筒部４の弦状の段部６
における中心ｏからの直径Ｄにほぼ等しい。

これらメインガイド板１４、サブガイド板１５
は、容器１の直径の変動に伴ない搬送通路１０の
幅方向に移動できるようになつており、またメイ
ンガイド板１４のさらに上方位置には容器１の上
部を側方から支持する上部ガイド板１６が設けら
れ、搬送通路１０中央部のややサブガイド板１５
寄り上方には容器１の口筒部分を側方から支持す
るネツクガイド１７が設けられ、さらに搬送通路
１０と前工程からの通路１１との連続部分には、
搬送方向と同一方向に水平に回転するスターホイ
ル１８が設けられてあつて、通路１１から送られ
てくる容器１を、一定の間隔をもつて搬送通路１
０に送り込むようになつている。

さて上述した構成にあつて、前工程から通路１
１より送られてきた容器１は、スターホイル１８
によつて一定の間隔をあけて搬送通路１０に送り
込まれるが、この際に、容器１の底面全域がメイ
ンベルト１２上に乗載し、容器１の切欠部４がサ
ブベルト１３上方に位置する向き姿勢であれば、
メインベルト１２とサブベルト１３との段差は容
器１の段部５の高さよりも小さいので、容器１は
メインベルト１２上で直立姿勢で搬送される。

しかしながら容器１が搬送通路１０内に送り込
まれた時点で、容器１が上述した向き姿勢である
ことは稀であり、ほとんどの場合、容器１の底面
周縁部はメインベルト１２とサブベルト１３とに
またがつて片乗り姿勢で位置し、従つて容器１
は、メインベルト１２とサブベルト１３との段差
分だけ傾斜した姿勢であり、倒れてしまうことの
ないように傾斜方向の上部に配置された上部ガイ
ド１６によつて側方から支持される。

ところでメインベルト１２とサブベルト１３と
は平行して同一方向に走行しているが、前述した
実施例では、サブベルト１３はメインベルト１２
より約２倍の速度で走行しており、従つて両ベル
ト１２，１３上に底面周縁部が乗載位置している
容器１は、上記両ベルト１２，１３の走行速度差
によつて第２図の実施例では時計方向に自転変位
する。

そして、メインベルト１２の他側上方位置には
メインガイド板１４、サブベルト１３の上方位置
にはサブガイド板１５が位置し、メインガイド板
１４下位の規制板１４′は、サブベルト１３側端
と、容器１底面の弦状段部６の中心ｏにおける直
径Ｄとほぼ等しい間隔をあけ、かつサブガイド板
１５と、容器１下端部の直径とほぼ等しい間隔を
あけて位置している。

従つて両ベルト１２，１３によつて自転搬送さ
れる容器１は、その下端部が上記メインガイド板
１４とサブガイド板１５とによつて両側から規制
支持されることになり、上記自転によつて容器１
底面の直線状の段部６が両ベルト１２，１３の側
縁と平行となつて切欠部５がサブベルト１３上方
に位置した姿勢で上記底面はメインベルト１２上
に落ち込み乗載し、容器１は直立姿勢で搬送され
ることになるのである。

なお、この場合、短円筒部４における切欠部５
は、サブベルト１３上方位置にわずかの間隙をも
つて浮き上つた状態であるので、サブベルト１３
に接することはなく、しかも規制板１４′によつ
て押えられてメインベルト１２の幅方向にがたつ
くこともないので容器１はそれ以上の自転をしな
い。

この容器１の自転は、最高で一回転であり、搬
送通路１０に送り込まれてきた向き姿勢によつて
自転量は個々に異なるが、自転速度は両ベルト１
２，１３の走行速度を変えることによつて調整で
き、容器１が倒れたりすることのない範囲内で、
次工程の関係を配慮して設定されることになる。

またネツクガイド１７は、容器１が傾斜姿勢か
ら直立姿勢に変位した際に、反対側、即ちサブガ
イド板１５側に倒れることのないように、口筒部
分を側方から支持するものである。

以上の説明から明らかなように、本考案の装置
は、不規則な方向性をもつて搬送通路１０に送り
込まれてくる容器１を、走行速度差のあるメイン
ベルト１２とサブベルト１３とによつて搬送しな
がら自転させ、容器１を所定方向に向ける構成で
あり、上記自転を円滑にかつ安定して達成するべ
く所定位置にメインガイド板１４とサブガイド板
１５とを配置して容器１を両側から規制支持する
ものである。

よつて本考案によれば、容器の組立て工程にあ
つて、前工程から次工程に搬送する際に、各容器
の全てを所定方向に向けた姿勢にすることができ
るので、容器に方向性がある場合に次工程の作業
が極めて簡単なものとなり、容器の所定方向姿勢
の設定が正確かつ簡単であり、構成もまた簡単で
ある等、多くの優れた作用効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案における容器を示すものにし
て、ａは正面図、Ｂは底面図である。第２図は本
考案の一実施例を示す平面図である。第３図は同
じく側面図である。第４図は断面図である。 符号の説明、１；容器、４；短円筒部、５；切
欠部、６；段部、１０；搬送通路、１２；メイン
ベルト、１３；サブベルト、１４；メインガイド
板、１４′；規制板、１５；サブガイド板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 脚部下端の周縁部の一部を直線的に切削して弦
   状に段部を形成した円筒形状の容器の整列搬送装
   置であつて、所定方向に走行するメインベルト
   と、前記容器の段部よりも小さな高さ位置で前記
   メインベルトの一側端に並列し、前記メインベル
   トと異なる速度で同一方向に走行するサブベルト
   と、前記メインベルトに沿つて配置されて前記容
   器下端部を側方から支持するメインガイド板と、
   前記サブベルトに沿つて配置されて前記容器下端
   部を側方から支持するサブガイド板とを有し、前
   記メインガイド板を、前記サブベルトから、前記
   容器底面の弦状段部中心における直径とほぼ等し
   い間隔をあけて設けると共に、前記サブガイド板
   を、前記メインガイド板から、前記容器下端部の
   直径とほぼ等しい間隔をあけて設けて成る容器の
   整列搬送装置。