JPH0133026Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜考案の技術分野＞ 本考案は洗濯機の排水装置の構造改善に関す
る。

＜従来技術＞ 周知の通り、この種の排水装置は、洗濯槽の底
壁に開設された排水口から排水されるが、該排水
口の開閉は、当該排水口の直上位置に立設される
溢水筒の下端部に取付けられる弁体によつて行な
われる構成である。即ち、この溢水筒に固着され
る排水ロツドが洗濯機本体の上面部に突出し、該
排水ロツドを手等で掴んで上方に引き上げること
により、溢水筒とともに弁体も上方に引き上げら
れて排水口が開く一方、前記排水ロツドから手等
を離すことにより、溢水筒外周に装着される圧縮
バネの下方向への付勢力によつて溢水筒とともに
弁体も下方に押され、該弁体が排水口を塞ぐこと
により閉塞される。

ところで、かかる従来構成によると、排水ロツ
ドの引き上げ時に大なる力を必要とする。また、
排水ロツドの上端部を取手部として本体上面部に
突出させる一方、下端部を本体の略中程の深さの
部分で溢水筒に固着させるので、当該排水ロツド
の長さが長くなるが、その割には引き上げに要す
る移動量が少ないとともに、該排水ロツドの配設
のためのスペース面でも不利で、無駄が多い。

＜考案の概要＞ 本考案はかかる従来の実情に着目してなされた
もので、排水口を開閉する弁体を上下方向へ往復
運動させる弁体作動手段と、この手段を上下動さ
せるべく連結手段を介して横方向への往復運動す
る操作手段とを備える構成として、上記従来の問
題点を解消した洗濯機を提供しようとするもので
ある。

＜考案の実施例＞ 以下、本考案の１実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。

図において、１は二槽式洗濯機の外箱、２は洗
濯槽、３は脱水槽の上面開口部を開閉自由に覆う
脱水蓋、４は脱水槽カバー、５は脱水槽の前側に
配設されるフロントパネル、６は脱水槽の後側に
バツクパネル７が被されて形成される操作部、８
は洗濯槽２周壁の一部を構成するとともにオーバ
ーフロー室９を形成するオーバーフローフイルタ
ーである。

１０はオーバーフロー室９内に配設される溢水
筒で、下端部に洗濯槽２底壁に開設された排水口
２ａを開閉する弁体部材としての排水バルブ１１
が取付けられるとともに、外周壁の所定位置に後
述するベルトを引掛けるフツク１０ａが設けら
れ、該溢水筒１０自体は下部に装着される圧縮バ
ネ１２により下方向に常に付勢されて、前記排水
バルブ１１により排水口２ａが閉塞される構成で
ある。

次に、かかる排水バルブ１１を連結手段として
のベルト１３を介して動作させる操作部分につい
て詳述する。

この操作部分は、横方向への往復運動を行なう
ことにより前記排水バルブ１１を上下動させる機
構で、前記操作部６内に配設される。

図において、１４はアーム支持台で、後述する
アームを取付けるボス１５、及び後述する操作ツ
マミの横方向へのスライドを許容する所定寸法の
案内孔１６を備えて操作部６内に取付けられる。
尚、この案内孔１６は、前記バツクパネル７に開
設される横方向に延びるスライド長孔７ａに対応
して形成されている。１７は該案内孔１６に前記
スライド長孔７ａを介してスライド自由に取付け
られる弁体部材操作用の操作ツマミ（操作ツマミ
部材）、１８は該操作ツマミ１７に一体成形され
るボス部、１９は前記アーム支持台１４のボス１
５に回動自由に軸支されるアーム（アーム部材）
で、図示のように大略Ｌ字形状に形成され、回動
支点としての軸受穴１９ａを境に、一方側を湾曲
アーム部２０として湾曲に形成して前記操作ツマ
ミ１７のボス部１８とその湾曲面とが摺接しつつ
当該アーム１９を回動させるとともに、先端部に
ボス部１８と当接して当該アーム１９の回動を規
制するストツパー部２０ａを備えて形成する一
方、他方側はその先端部に抜け止め防止用の突片
２１ａを備えて前記ベルト１３が係止されるベル
ト取付部（揺動アーム部）２１として形成され
る。

かかる構成によると、洗濯機本体の上面後部に
配設される操作ツマミ１７を横方向にスライド操
作することにより、ベルト１３を介して溢水筒１
０及び排水バルブ１１を上下動させられ、排水口
２ａの開閉を行なうことができる。

即ち、第３図〜第５図に示すように、操作ツマ
ミ１７を図中矢印Ｌ方向にスライドさせると、案
内孔１６にさし込まれているボス部１８もアーム
１９の湾曲面と摺接しつつスライドするので、ア
ーム支持台１４のボス１５部を支点としてアーム
１９が矢印Ｎ方向に回動する。このため、アーム
１９のベルト取付部２１も矢印Ｍ方向に一体動
し、ベルト１３を矢印Ｐ方向に引張り、溢水筒１
０を圧縮バネ１２の付勢力に抗して矢印Ｑ方向に
引上げ、排水バルブ１１を上動させて排水口２ａ
を開放し、洗濯槽２内の水を排水できる。このと
き、操作ツマミ１７のボス部１８を案内孔１６の
図中左側端まで移動させると、第５図に示すよう
に、ボス部１８が、ボス部１８のスライド方向と
略平行な端面を有するストツパー部２０ａの該端
面に乗り上げるように当接するので、当該アーム
１９の回動（特に矢印Ｒ方向への回動）を規制で
き、したがつて排水口２ａの開放状態を保持でき
る。

このため、排水口２ａの開閉操作を、従来のよ
うに排水ロツドを上方向に引張り上げる大なる力
を不要とし、操作ツマミ１７を横方向にスライド
させるだけの小なる力で充分に行ない得るので、
操作性を向上できる。

また、排水のための操作ツマミ１７の移動量を
少なくて済む構成としたので、操作部６及びバツ
クパネル７の小型化が図れ、省スペース化を図れ
る効果もある。さらに、従来に較べ排水のための
機構をコンパクトにできるので、その分の省スペ
ース化も図れる。

尚、操作部６内に配設されるアーム支持台１４
は、脱水槽カバー４或いは脱水槽構成枠体等と一
体成形しても良いことは明らかであり、この場合
には部品点数の削減効果も得られる。

＜考案の効果＞ 以上説明したように本考案によれば、洗濯槽の
排水口開閉用の弁体部材を上下方向のスライド自
由に構成し、連結手段を介して前記弁体部材を上
下動させるために横方向にスライド自由な操作ツ
マミ部材と、該部材と連動するアーム部材とを設
け、洗濯機本体の上面に設けた前記操作ツマミ部
材を横方向へ移動する小さな力で排水操作がで
き、かつ排水のための機構のコンパクト化ができ
る構成としたので、排水操作性が向上するととも
に、排水操作部の小型化ひいては洗濯機本体の小
型化ができる効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案にかかる洗濯機の１実施例を示
し、第１図は斜視図、第２図は要部の分解図、第
３図〜第５図は同上要部の作動を説明する図であ
る。 ２……洗濯槽、２ａ……排水口、７……バツク
パネル、７ａ……スライド長孔、１０……溢水
筒、１０ａ……フツク、１１……排水バルブ、１
２……圧縮バネ、１３……ベルト、１４……アー
ム支持台、１５……ボス、１６……案内孔、１７
……操作ツマミ、１８……ボス部、１９……アー
ム、１９ａ……軸受穴、２０……湾曲アーム部、
２０ａ……ストツパー部、２１……ベルト取付部
（揺動アーム部）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 洗濯槽底壁に開設された排水口を閉塞するよう
   に常時下方向へ付勢される開閉自由な弁体部材
   と、洗濯機本体上面部に開設された横方向に延び
   るスライド長孔に沿つてスライド自由に装備され
   る操作ツマミ部材と、回動自由に支持されるアー
   ム部材であつて、回動支点を境として一方に前記
   操作ツマミ部材のボス部と摺接する湾曲面を有す
   る湾曲アーム部を、他方に揺動アーム部をそれぞ
   れ備え、前記操作ツマミ部材のスライド動作に対
   応して回動するアーム部材と、該アーム部材の前
   記揺動アーム部に一端を連結しかつ他端を前記弁
   体部材に連結する連結部材と、を備え、前記操作
   ツマミ部材のスライド操作により前記弁体部材を
   上下動させて前記排水口の開閉を行なう構成とし
   たことを特徴とする洗濯機の排水装置。