JPH01321843A - 樹脂ボンドブラシ - Google Patents

樹脂ボンドブラシ

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JPH01321843A
JPH01321843A JP15374188A JP15374188A JPH01321843A JP H01321843 A JPH01321843 A JP H01321843A JP 15374188 A JP15374188 A JP 15374188A JP 15374188 A JP15374188 A JP 15374188A JP H01321843 A JPH01321843 A JP H01321843A
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JP
Japan
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acid
tar fraction
resin
temperature
tar
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JP15374188A
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English (en)
Inventor
Mikiro Kato
加藤 幹郎
Yoshihiko Sunami
角南 好彦
Tetsuo Takano
哲雄 高野
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は耐熱性、耐摩耗性に優れ、整流特性の安定化し
た樹脂ポンドブラシに関する。
〔従来の技術〕
近年、黒鉛粉を合成樹脂で結合した樹脂ボンドブラシが
開発され、特に脈流高圧補助電動機、例えば、鉄道車両
の補助電動機用に実用化されている。この樹脂ポンドブ
ラシは人造黒鉛系ブラシに比べて、整流火花が3号高く
、広い無火花帯を示し、摩耗量は1/2〜115であり
、寿命が長いという実用上の長所がある。その合成樹脂
としてはフェノール樹脂が用いられているのは周知であ
る。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、この樹脂ボンドブラシには整流子温度が
70℃以上になる電動機では動的電圧・電流特性、座乗
性(摺動接触安定性)共に悪くなり、整流不良になって
くるという欠点がある。整流子温度70℃が樹脂ボンド
ブラシの耐熱限界であり、この耐熱限界を超えると整流
子面が黒化荒損してくるので、樹脂ポンドブラシは補助
電動機用にしか使われていないのが現状である。この原
因は、結合剤として使っているフェノール樹脂の耐熱性
が低いことによるものである。
一方、フェノール樹脂の代りに、耐熱性の高い樹脂、例
えばポリイミド樹脂を使うことも考えられるが、この樹
脂は軟化点が極めて高いので成型が非常に困難であるこ
とに加えて、高価なため、樹脂ボンドブラシ用の結合剤
としては不向きである。
そこで、本発明の主目的は、耐熱性、耐摩耗性に優れ、
高温での整流特性の安定した樹脂ボンドブラシを提供す
ることにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記課題を解決するための本発明は、多環芳香族炭化水
素を含有し、酸処理により塩基性不純物を除去したター
ル留分と、一般式Ar (CLX) fi(ここにAr
は芳香族炭化水素基、Xは酸基、nは工ないし4の整数
を示す)で表わされる芳香族化合物を酸触媒の存在下に
縮重合させて得た縮合多環芳香族樹脂により導電性基材
を結合したことを特徴とするものである。
〔作 用〕
本発明では、タール油分、つまり多環芳香族を結合剤の
原料としているので、従来の単環芳香族を原料としたフ
ェノール樹脂に比べて耐熱性に優るものである。従って
、本発明によれば、耐熱性、耐摩耗性に優れ、高温での
整流特性等に優れた樹脂ボンドブラシを提供できる。
また入手容易なタール油分を原料とするものであるから
、経済的有利に上記ブラシを得ることができる。
〔発明の具体的構成〕
以下、本発明をさらに具体的に説明する。
まず本発明完成に至る経緯について説明すると、本発明
者は、従来のフェノール樹脂を結合剤として用いる樹脂
ボンドブラシの耐熱性改善について研究したところ、結
合剤として、フェノール樹脂を使うかぎり、成型条件、
後硬化条件等の製造条件を広範囲に変化させても耐熱性
を改善することができず、したがって高温時の整流特性
を安定化できないこと、また、特開昭53−10819
7号公報にみられるような、「芳香族炭化水素・ホルム
アルデヒド縮金物と三官能性フェノールとの反応生成物
に可融可溶性の二官能性アルキルフェノール・ホルムア
ルデヒド縮金物を反応させ、その生成物にホルムアルデ
ヒドをさらに反応させて得た変性樹脂」を結合剤として
使用した場合でも、若干の耐熱性改善は認められるもの
の、整流子温度が70℃以上になるとフェノール樹脂同
様、整流子が不安定になることがわかった。このことが
ら、整流子温度が70℃以上になるような電動機用の樹
脂ボンドブラシの結合剤としては、フェノール樹脂、変
性フェノール樹脂は不適であるとの結論を得た。
ところで最近、α、α′−ジヒドロキシーp−キシレン
を架橋剤として用いて、官能基を含まない多環芳香族炭
化水素とくに縮合多環芳香族炭化水素を含むタール留分
から耐熱性に極めて優れた熱硬化性樹脂が得られること
が報告されている(大釜等、日本化学会秋季年令 講演
予稿集IB01  (1985))。
工業的には、多環芳香族炭化水素原料としての安価なタ
ール留分の利用は魅力的であるが、この製造法において
はタール留分をそのまま原料として用いる場合には、不
純物の存在のため、純物質を用いた場合に比べて、より
苛酷な縮重合条件と多量の酸触媒が必要であった。また
、高温下で反応を実施するため得られるいわゆるBステ
ージのポリマー(以下プレポリマーと称する)の性状も
劣っている等の問題があった。従って、タール留分を簡
便な方法で処理し、純物質原料の場合と同等のプレポリ
マーを得る方法の開発が要望されていた。
本発明者は、このような背景にもとすき検討を重ねた結
果、タール留分中の不純物を酸を用いて予備処理するこ
とにより、上記欠点が克服でき、さらに、タール留分を
樹脂ボンドブラシ用の結合剤として好適に用いうろこと
を見い出し、本発明を完成したものである。
以下に本発明の詳細な説明する。
本発明で原料として用いられる多環芳香族炭化水素を含
有するタール留分とは、例えば、カルポル油、ナフタレ
ン油、洗浄油、アントラセン油、脱晶アントラセン油、
タレオソート油、エチレンボトム油、ソルベントナフサ
、さらに、より高沸点のタール蒸留生成物、例えば、コ
ールタール、ロードクール、コールピッチ、軟ピツチ、
中ピ。
チあるいは石油ピッチ、常圧残渣油等であって、ナフタ
レン、メチルナフタレン、ジメチルナフタレン、アセナ
フテン、フルオレン、ビフェニル、アントラセン、フェ
ナントレン、ピレン、クリセン、ナフタセン、トリフェ
ニレン、ペリレン、コロン等の2ないし6個のベンゼン
環からなる芳香族炭化水素を主成分として含有するもの
である。
勿論、それらの混合物であってもよい。
本発明では、原料としてのタール留分中の塩基性不純物
を除去するための酸処理を予め行う。この酸処理法とし
ては種々の方法があるが、基本的には、上記酸とタール
留分とを接触させることである。
本発明で、タール留分の予備処理に用いられる酸の種類
には特に制限はなく、無機鉱酸、有機酸、固体酸等が広
く用いられる。価格あるいは後処理の容易さ等から、硫
酸、塩酸等の通常の無機鉱酸の使用が好ましい。また、
処理後の廃液が十分な量の強酸を含んでいる場合は、繰
り返し使用することもできる。タール留分の酸処理にあ
たっては、有機または無機の溶媒でタール留分を希釈し
て行なうことが適当である。
溶媒の具体例は、以下の通りである。すなわちジメチル
スルホキシド、ジエチルスルホキシドのような低級アル
キルスルホキシド、ニトロメタン、ニトロエタンのよう
なニトロ低級アルカン;ニトロベンゼン、ニトロトルエ
ンのような芳香族ニトロ化合物;酢酸、モノクロル酢酸
のようなカルボン酸、無水酢酸のような酸無水物;ヘキ
サン、トルエン、ケロシンのような石油系炭化水素、モ
ノクロルベンゼン、ジクロルベンゼンのような芳香族塩
素化物;塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素のよ
うなメタン塩素化物;ジクロルエタン、ジブロムエタン
、ジクロルプロパン、テトラクロルエタンのような低級
アルキルハロゲン化物;ジエチルエーテル、ジオキサン
、ジフェニルエーテルのような脂肪族もしくは芳香族エ
ーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトンのようなケトン類;二硫化炭素のような有
機イオウ化合物;さらに、本発明の方法で使用される溶
媒種の高級アルキル置換体も含まれる。
本発明におけるタール留分の酸処理の実施方法は以下の
通りである。原料の多環芳香族炭化水素を含有するター
ル留分を適当な濃度で溶媒に溶解させたのち、酸を加え
、常温〜溶媒の沸点または178℃(フェナントレンの
沸点)の低い方の温度の範囲内において、平衡に達する
に十分な時間、たとえば用いる酸によって差があるが通
常は0.5〜1時間、十分に攪拌すればよい。
酸が水溶液または、有機溶媒などの液体である場合、タ
ールを溶かした溶液から酸でタールの塩基性成分を抽出
できる。ただし、この酸とタールの溶液とは二相に分離
(均一でない)していなければならない。
陽イオン交換樹脂、活性アルミナ、シリカゲル、ゼオラ
イト、シリカ−アルミナ等の固体酸を用いる場合には、
次の2法がある。
■ バッチ式 タール留分を溶媒に溶かし、固体酸を加え、十分に攪拌
した後に固体酸をろ過して除く。得られた溶液から溶媒
を蒸留して除く。
■ 流通式 固体酸をカラムに充てんし、タールを溶媒に溶かしター
ルの溶液とする。この溶液をカラムの上部より流し、固
体酸層の下部から出てきた溶液から溶媒を蒸留して除く
上記酸処理の実施法として最適なものを説明すると、タ
ール留分100重量部にトルエン、又は、ベンゼン80
0〜1000重量部を加え30〜50℃で溶解させ、5
%硫酸、又は、5%塩酸800〜1000重量部を加え
、30〜50℃に保温しながら、30分間以上攪拌した
後静置する。この時生成した沈殿物をろ過で除去し、ろ
液を油相(タール留分を含むトルエン相又はベンゼン相
)と水相(硫酸又は塩酸を含む)とに分け、油相を蒸留
水800〜1200重量部で3回以上洗浄した後、油相
からトルエン、又は、ベンゼン、及び、油相に溶けこん
でいる水を減圧蒸留(5〜20mmHg、80〜120
℃)して除去する。上記の操作で塩基性成分を除去した
精製タール留分は、タール留分中の塩基性成分の濃度や
操作時のロス量にもよるが、通常83〜87重量部であ
る。
一方、酸処理後のタール留分は生成物の性状に合わせて
、濃縮、沈澱、遠心分離、抽出、濾過、蒸留等の通常の
手段により溶媒から分離取得する。
当該熱処理における酸の添加量は、処理によってタール
留分中の塩基性物質が中和される量以上であればよく、
例えば、タール留分中の窒素含量を塩基量の基準にとる
のが簡便である。また、溶媒の使用量は、溶媒の種類、
タール留分の種類に大きく依存するが、適量である場合
には酸処理によって副生する重質固形物が沈澱として分
離するので、このまま濾別でき好都合である。この場合
溶媒使用量は、溶媒に対するタールの溶解度によって限
定される。、溶解度を溶媒100部に溶けるタールの重
量(部)とした場合、溶媒は(100/溶解度)×(処
理するタール重量(部))以上必要である。たとえばト
ルエンの場合、タール10部に対しトルエン30(部)
以上が適当である。
得られた精製タール留分は、通常水洗により残存する酸
成分を除去し、さらに減圧乾燥するが、酸、水分、場合
によっては、溶媒を一部残した形で、縮重合反応にその
まま供することもできる。
以下、このように酸処理を行なったタール留分を原料と
して、耐熱性の熱硬化樹脂のプレポリマーを合成する方
法について詳しく述べる。
本発明では、一般式Ar(CHzX)n  (ここにA
rは芳香族炭化水素基、Xは酸基、nは工ないし4の整
数を示す)表わされる芳香族化合物を多環芳香族炭化水
素の縮重合反応架橋剤(以下架橋剤と称する)として用
いる。Arは、広(置換あるいは無置換の単環あるいは
多環の芳香族炭化水素基を示す。
置換された芳香族炭化水素基とは、炭素数が1ないし4
個のアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基等で
置換されたものであり、このアルキル基は長鎖状、分枝
状のいずれでもよい。また、置換基の数は芳香族炭化水
素基の単位の単環に対して1ないし3個の範囲であり、
多環の芳香族炭化水素基とは2ないし6個のベンゼン環
を含む、縮合または非縮合の炭化水素基である。Xは酸
基となる陰性の原子団であり、この具体例は、水酸基、
ハロゲン原子、アセトキシ基、メトキシ基等である。n
は1ないし4の整数であるが、芳香族炭化水素の単環に
対しては、1ないし3個のCH2X置換基が含まれるこ
とを意味する。架橋剤としてとくに好ましいAr(CH
J)n型化合物は、Arが無置換の1ないし4個のベン
ゼン環からなる芳香族炭化水素、Xが水酸基、すなわち
CH2Xがヒドロキシメチル基でnが1ないし4のもの
である。
以下に好ましい架橋剤の具体例を示す。
ベンジルアルコール、α、α′−ジヒドロキシーp−キ
シレン、1−ヒドロキシメチルナフタレン、2−ヒドロ
キシメチルナフタレン、α、α′−ジクロローp−キシ
レン、α、α′−ジアセトキシーp−キシレン、α、α
′−ジメトキシーp−キシレンまたはこれらの混合物で
ある。このうち特に好ましいものは、二官能性のα、α
′−ジヒドロキシーp−キシレンであり、このものから
容易に誘導されるジメチレンエーテル基、アセタール基
等の反応結合性含酸素基が芳香族炭化水素の環のあいだ
、または環の末端に結合された平均分子量が、1 、0
00以下のオリゴマーも使用できる。
本発明の縮重合反応は、溶媒を用いずに熔融状態でも実
施できるが、必要あれば極性の有機溶媒も用いられる。
好ましい溶媒の例としては、ジメチルホルムアミド、ジ
エチルホルムアミドのようなジ低級アルキルホルムアミ
ド、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシドのよ
うなジ低級アルキルスルホキシド、ジメチルアセトアミ
ド、ジエチルアセトアミドのようなジ低級アルキルアセ
トアミド、アセトニトリル、プロピオニトリルのような
低級アルキルシアニド、ベンゾニトリル、トルニトリル
のような芳香族シアニド、ニトロメタン、ニトロエタン
のようなニトロ低級アルカン、ニトロベンゼン、ニトロ
トルエンのような芳香族ニトロ化合物、酢酸、モノクロ
ル酢酸のようなカルボン酸、無水酢酸のような酸無水物
、モノクロルベンゼン、ジクロルベンゼンのような芳香
族塩素化物、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素
のようなメタン塩素化物、ジクロルエタン、ジブロムエ
タン、ジクロルプロパン、トリクロルエタン、テトラク
ロルエタンのような低級アルキルハロゲン化物、ジエチ
ルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジフェ
ニルエーテルのような脂肪族もしくは芳香族エーテル類
、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケ
トンのようなケトン類、二硫化炭素のような有機イオウ
化合物、またはこれらの混合物が挙げられる。
本発明では、縮重合反応を酸触媒の存在下に行なう。用
いられる酸触媒には、ブレンステッド酸、ルイス酸のい
ずれも含まれ、無機鉱酸、有機硫酸または液状の酸塩外
に固形化酸、ゼオライト、イオン交換樹脂もその対象と
なる。好ましい酸の具体例は、硫酸、塩酸、リン酸、フ
ッ化水素酸のような無機鉱酸、塩化アルミニウム、塩化
亜鉛、三フッ化ホウ素、塩化第二鉄のようなルイス酸、
トリクロロ酢酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンス
ルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ギ酸、シュ
ウ酸のような有機酸である。本発明における縮重合反応
の具体的な実施方法は、以下の通りである。酸処理を施
した多環芳香族炭化水素を含有するタール留分と架橋剤
を適当な比で混合し、必要あれば極性の有機溶媒に溶解
したのち、室温下で所定量の酸触媒を添加する。攪拌下
、徐々に昇温し所定の時間加熱し反応を行なったのち、
生成したプレポリマーを所望の性状に合わせて、濃縮、
沈澱、遠心分離、抽出、濾過等の通常の手段により分離
取得する。
当該縮重合反応に対する原料の多環芳香族炭化水素と架
橋剤の仕込み比は、架橋剤中のCH2X基の数によって
も変わりうるが、一般には重量比で1/100ないし1
00/1 、好ましくは1/20ないし20/1 、さ
らに好ましくは115ないし5/1の範囲である。上記
の範囲以下では架橋剤量が不十分となり、得られたプレ
ポリマーの熱硬化に際して架橋剤の追加が必要となる。
また、上記の範囲以上では、架橋剤が無駄であるばかり
でなく、発泡の原因となり好ましくない。溶媒を使用す
る場合には、この好ましい使用量の範囲は、原料の多環
芳香族炭化水素に対して重量比で115ないし5/1の
範囲である。上記の範囲以下では、原料および/または
生成物の溶解が不満足となり、溶媒使用の目的を達成す
ることができない、また、上記の範囲以上では、設備規
模の増大、ユーティリティー所用量の増大を招き不経済
である。
酸触媒の添加量も酸の種類に依存するが、適当な範囲は
、多環芳香族炭化水素に対して重量比で1 / 1 、
000ないし1/1、好ましくは1/100ないし1/
1、さらに好ましくは1/10ないし1/1の範囲であ
る。
上記の範囲以下では、反応速度が著しく小さくなる。ま
た、上記の範囲以上では、触媒が無駄であるばかりでな
(、廃酸処理等の後処理工程の負荷が大きくなり好まし
くない。
加熱温度は、できるだけ均一な組成のプレポリマーを得
るためには、反応初期には20ないし90℃に制御し、
次いで徐々に昇温することが望ましい。最終温度は、8
0ないし180℃、好ましくは100ないし160℃の
範囲に保つ。180°C以下では、ゲル化が起こり好ま
しくない。反応時間は、原料の種類、反応溶媒の種類そ
の他の条件により必ずしも一定しないが、0.5ないし
20時間、好ましくは工ないし10時間の範囲である。
この反応時間は、まだ、プレポリマーの所望の性状に合
わせて自由に選択することができる。本発明に従って原
料を酸処理することにより、プレポリマーへの縮重合反
応に対して以下の効果が認められる。
■ 酸触媒の使用量を低減できる。
■ 反応温度を下げることができる。
■ 反応時間を短縮できる。
多環芳香族炭化水素、架橋剤、極性有機溶媒の仕込み順
序は、反応を阻害しない限り、いずれの順序も可能であ
る。本発明の縮重合反応は、還流下で反応を進行させ所
期の縮合段階に至った時点で、特に減圧あるいは窒素等
の不活性ガスの吹き込み、あるいは共沸蒸留等の操作に
より、水、塩酸等の縮合副生物を系外に排出しながら実
施することが好ましい。また、反応方式は、回分式、半
回分式、連続式のいずれの方式でも実施可能である。
本発明の縮重合反応によって得られるプレポリマーを中
間材料として、熱硬化縮合環化により、いわゆるCステ
ージの熱硬化性樹脂が最終的に得られる。この縮合多環
芳香族樹脂は、耐熱性樹脂および各種工業分野の注形、
含浸、充填、被覆等の用途に使用される。
次に、上記縮合多環芳香族樹脂を結合剤とした樹脂ボン
ドブラシについて説明する。このブラシは、通常、上記
結合剤と導電性基材としての天然黒鉛と混合し、冷開成
型した後加熱硬化処理を行うか、加熱下で成型した後、
後硬化処理を行うか、いずれの方法でも製造できる。天
然黒鉛の混合比率は70〜90wt%であり、望ましく
は75〜85wt%である。また、天然黒鉛に含まれる
天分は2wt%以下、好ましくは1wt%以下で、その
粒子径は100μm以下、望ましくは50μm以下がよ
い。縮合多環芳香族樹脂は、粒子径150μm以下、望
ましくは100μm以下に粉砕して使用する。
冷間成型法の一例を以下に記す。前記天然黒鉛粉と縮合
多環芳香族樹脂粉末、さらに必要に応じて半導体油の他
、滑剤としてステアリン酸、あるいはステアリン酸のカ
ルシウム、亜鉛、マグネシウム塩などやカルナバワック
スなどを0.1〜2−t%添加した後、Z型ニーダ−を
用いて60〜100℃で1〜2時間混和する。この時、
縮合多環芳香族樹脂を予め溶媒、例えばメタノール、エ
タノール、アセトン、クロロホルム等で希釈したものを
用いることもできる。次いで、上記混和物を2軸形ロー
ラーを用いて混和した後、約50 ’Cの温風を10〜
20時間通気させて乾燥する。この乾燥した混和物を約
40〜80μmの粒度になるまで粉砕した後、成型金型
に仕込み、成型圧1〜3t/cII!で成型する。次に
金型がら取出した成型体をio〜20時間をかけて15
0〜200 ”cの範囲内の温度まで昇温し、次いで1
50〜200℃の温度に10〜20時間保持して硬化処
理した後、室温まで放冷し、所望の形状に加工して樹脂
ボンドブラシを得る。
熱間成型法においては、上記冷開成型法で用いたと同様
の粉砕された混和物および天然黒鉛粉、縮合多環芳香族
樹脂粉末と必要に応じて滑剤とを乾式混合したものを原
料にすることができる。その原料を成型金型に仕込み、
150〜200℃の温度まで昇温し、50〜120kg
/catで10〜60分間加圧加熱し、室温まで放冷し
た後、金型から取出し、冷開成型法と同様に硬化、加工
して樹脂ボンドブラシを得る。
本発明における樹脂ボンドブラシの好適な組成範囲は、
冷間成型法、熱間成型法いずれにおいても、 樹脂(=プレポリマー)18〜22ffiffi9B。
黒鉛粉末          78〜82重量部である
。その理由は、樹脂が18重量部より少ない場合は、黒
鉛粉末の表面積が増加するので、黒鉛粉末を充分に結着
できず、従って、硬化物の強度が低下する。また、樹脂
が22重量部を越える場合には、黒鉛粉末の配合割合が
減少するので硬化物の電気抵抗が高くなるので、これま
た好ましくないからである。
〔実施例〕
次に、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。
ここで、部および%は、特に指示しない限り重量基準で
ある。
(実施例1) 攪拌機、温度計、還流冷却器、窒素導入管を備えた四つ
ロフラスコに、タール留分(平均分子量300 ; H
/C比0.06、芳香族指数fao、91)100部、
トルエン900部、5%硫酸888部を仕込み、攪拌し
ながら40℃に30分間保ち、反応物を室温まで放冷し
た後、塩基性不純物を含む重質固形物の沈澱を濾別し、
得られた濾液を静置した。タール留分を含むトルエン層
と、硫酸を含む水層を分液し、トルエン層196部を得
た。
このトルエン層を蒸留水1,000部で3回洗浄したの
ち、110℃、10mmHgの条件で単蒸留を行ない、
トルエン96部を回収し、精製したタール留分85部を
得た(原料に対する収率は、85%である)。
なお、酸処理前後におけるタール留分の元素分析蓋(w
t%)は、以下の通りであった。
次に、攪拌機、温度計、リービッヒ冷却器、窒素導入管
を備えた四つロフラスコに上記の精製処理したタール留
分100部、α、α′−ジヒドロキシーp−キシレン6
8部、p−トルエンスルホン酸2部を仕込み攪拌しなか
ら油浴温度を徐々に上げ、30分間保った後、10mm
Hgの減圧下に、120℃に3時間保ち、反応させた。
縮合で生成する水分はトラップで捕集し秤量し、反応進
行の指標とした。本実施例で生成した水分は、17部(
架橋剤のα、α′−ジヒドロキシーp−キシレンに対し
て98%に相当)であった。
反応混合物を室温まで冷却後かき出し、固体生成物を充
分粉砕したのち、減圧乾燥し、プレポリマー153部を
得た。原料の精製処理後のタール留分に対する収率は8
3%である。得られたプレポリマー(以下「プレポリマ
ーA」という)の物性は以下の通りであった。
軟  化   点          88  ℃流 
 動   点         130  ℃数平均分
子量     1 、205 重量平均分子it       3.772プレポリマ
ーの分析は以下の方法で行なった。
1、軟化点及び流動点:フロー・テスター法によった。
負荷圧力10kg/an!−G、ノズル寸法l mmφ
×2鰭!、昇温速度6℃/m1n 2、熱重量減少:熱天秤法によった、試料量10■(微
粉) 3、分子量分布ニゲルバーミッションクロマトグラフ法
によった。
一方、200℃、2時間熱硬化させて得た樹脂(いわゆ
るCステージのポリマー)の窒素気流下における熱重量
変化を第1図に示した。
次に、50μm以下に粉砕したプレポリマーAの粉末2
0重量部と平均粒径11μmで灰分含有量1wt%のリ
ン片状天然黒鉛80重量部とステアリン酸カルシウム0
.1重量部の混合物を乾式混合した後、成型金型に仕込
み、5℃/分の昇温速度で加熱し、80℃から180℃
まで80kg/an!で加圧し、80kg/crAの加
圧下180 ”Cで60分間加圧加熱後、室温まで放冷
し、成型体を金型から取り出した。この成型体を乾燥器
に入れ、15時間で室温から180℃まで昇温し、18
0℃で10時間硬化処理した後、室温まで放冷して硬化
物を得た。この硬化物の特性は次の通りであった。
曲げ強度(室 温)    400 kg/cJ〃(2
00℃)395 〃(250℃)380 〃(300℃)365 嵩  比  重         1.80耐酸化性(
空気中での加熱減量が2wt%になる時の温度)   
 420 ”c電気比抵抗(室温>    7800μ
Ωロ摩擦係数(室温)0.29 摩擦係数(100℃)    0.29〃   (20
0℃)      0.30この硬化物を整流子温度が
130℃になる電動機にとり付は運転したところ、動的
電圧・電流特性、座乗性共に良好で、整流特性も安定で
良好であった。
(比較例) 実施例1で用いたと同じ四つロフラスコに、未処理゛の
タール留分100部、α、α′−ジヒドロキシーp−キ
シレン68部、p−トルエンスルホン酸10部を仕込み
、120℃で60分間十分攪拌しながら30分間保った
後、10mmHgの減圧下に油浴温度を徐々に上げ12
0℃で30分加熱したが、全く反応が認められなかった
。次に、油浴温度を140℃にたもち15時間反応させ
た。
本比較例で生成した水分は、17部(架橋剤のα、α′
−ジヒドロキシーp−キシレンの理論量に対して97%
に相当)であった。反応混合物を室温まで冷却後かき出
し、固体生成物を十分に粉砕したのち、減圧乾燥しプレ
ポリマー154部を得た。
得られたプレポリマー(以下「プレポリマーB」という
)の物性は以下の通りであった。
軟  化   点         106  ℃流 
 動  点         170  ℃数平均分子
量     1 、007 重量平均分子量      2.816実施例1と同様
の条件で熱硬化させて得た樹脂の窒素気流下における熱
重量変化を図1に示した。
実施例1、比較例1から明らかなように、多環芳香族炭
化水素を含有するタール留分を酸を用いて予め処理し、
塩基性不純物を除去することにより、温和な縮合条件下
で、プレポリマーの製造が可能となるとともに、プレポ
リマーの熱硬化で得られる熱硬化性樹脂の熱特性を改良
されることがわかる。
次いでプレポリマーBをプレポリマーAの変りに用いた
以外は実施例1と全く同一の条件で硬化物を得た。この
硬化物の特性は以下の通りであった。
曲げ強度(室 温)    420 kg / ct〃
(200℃)400 〃(250℃)355 〃(300°C)    290 嵩  比  重         1.80耐酸化性(
空気中での加熱減量が2i%になる時の温度)390℃ 電気比抵抗(室温)8000μΩcm 摩擦係数(室温)     0.27 ”   (100℃>    0.30〃(200℃’
)    0.37 この硬化物を整流子温度が110℃になる電動機にとり
付は運転したところ、整流子面が黒化荒損して、整流特
性が極めて不安定になった。
〔発明の効果〕
以上の通り、本発明によれば、きわめて耐熱性が高く、
耐摩耗性にも優れており、高温での整流特性が非常に安
定している樹脂ポンドブラシを得ることができる。
【図面の簡単な説明】 第1図は、実施例での樹脂の窒素気流下における熱重量
変化図である。 第1図 5’fn、 L (”C)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)多環芳香族炭化水素を含有し、酸処理により塩基
    性不純物を除去したタール留分と、一般式Ar(CH_
    2X)_n(ここにArは芳香族炭化水素基、Xは酸基
    、nは1ないし4の整数を示す)で表わされる芳香族化
    合物を酸触媒の存在下に縮重合させて得た縮合多環芳香
    族樹脂により導電性基材を結合したことを特徴とする樹
    脂ボンドブラシ。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002305858A (ja) * 2001-03-30 2002-10-18 Kyosan Denki Co Ltd 車両用モータ式燃料ポンプ

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002305858A (ja) * 2001-03-30 2002-10-18 Kyosan Denki Co Ltd 車両用モータ式燃料ポンプ

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