JP2926733B2 - 熱硬化性樹脂ならびにその製造方法 - Google Patents

熱硬化性樹脂ならびにその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、成形性と耐熱性に優れ、特に成形時にお
ける金型のくもりおよび成形品の表面光沢が著しく改善
された熱硬化性芳香族樹脂ならびにその製造方法に関す
る。
[従来の技術] 熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、尿素樹脂、
メラミン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹
脂、ポリイミド樹脂等が知られている(昭和60年6月15
日、(株)新技術開発センター発行、「エンジニアリン
グプラスチック便覧」第149〜151頁)。
一般にこれらの樹脂は、熱可塑性樹脂に比べ優れた耐
熱性を示すが、それでもポリイミド樹脂を除けば、長期
使用可能温度は最高150〜200℃程度である。
一方、ポリイミド樹脂は、長期使用可能温度が200〜3
00℃と非常に優れた耐熱性を有する反面、成形加工性に
劣る欠点がある。
先に本発明者の一人は、新規の熱硬化性樹脂として、
縮合多環芳香族化合物またはこれらを主成分とする混合
物を、酸触媒の存在下、少なくとも2個のヒドロキシメ
チル基またはハロメチル基を有する芳香族化合物からな
る架橋剤と加熱反応せしめることによって、耐熱性に優
れた縮合多環多核芳香族炭化水素樹脂が容易に得られる
ことを見い出し、特許出願(特開昭62−521号、特開昭6
2−522号)すると共に、これをCOPNA樹脂(Condensed
oly−uclear romatic Resin)と命名した。
前記縮合多環多核芳香族炭化水素樹脂等の芳香族炭化
水素樹脂は、耐熱性に優れた樹脂であるばかりでなく、
種々の官能基を有する芳香族化合物と容易に共縮合でき
るため、変性が容易で、幅広い変性や特殊な機能を付加
できる可能性があり、将来有望な熱硬化性樹脂である。
また、芳香族炭化水素樹脂の成形硬化物は、耐熱性の
みならず、電気的絶縁性、耐湿性、耐薬品性等にも優れ
ており、単独で、または複合材料として広い応用分野が
期待されている。
しかし、前記芳香族炭化水素樹脂は、金型で成形硬化
させると、金型表面に淡緑色の付着物が多く発生し、金
型をくもらせると共に、成形品表面が光沢に欠けるとい
う欠点があった。金型がくもったままの状態で連続的に
成形すると、離形性が悪くなって数回で成形不可能な状
態に陥る場合がある。このため、前記芳香族炭化水素樹
脂は、耐熱性に優れているが成形性の点で大きな問題点
を有している。
[解決しようとする課題] この発明は、前記芳香族炭化水素樹脂の成形時におけ
る金型のくもりを防止し、成形性を大きく向上せしめる
ことにより連続成形を可能となし、しかも成形硬化物表
面が滑らかで光沢を有するよう改善した熱硬化性樹脂な
らびにその製造方法を提供するものである。
[課題を解決するための手段] 本発明者等は、前記芳香族炭化水素樹脂を成形硬化せ
しめた場合の金型のくもり発生原因について、鋭意試験
研究の結果、種々の芳香族炭化水素樹脂をクロムメッキ
した金属板上で成形硬化し、くもりの発生した箇所より
採取した成分、およびその部分のクロムメッキ板を、蛍
光X線分析、IRスペクトル分析、ゲルパーミエーション
クロマトグラフィー(Gel Permeation Chromatograph
y)分析ならびにセカンダリーイオンマススペクトロメ
トリィー(Secondary Ion Mass Spectrometry)分析等
の分析法を用いて分析し、原料物質である縮合多環芳香
族化合物および/または単環芳香族化合物、架橋剤、酸
触媒および水等の型くもり発生に及ぼす影響について調
査した。
その結果、芳香族炭化水素樹脂の成形硬化時に滲出物
が生じること、この滲出物は酸触媒と縮合水由来のもの
で、型くもりの発生メカニズムは、酸触媒が硬化時に発
生する縮合水に溶解して表面に滲出し、金型の金属と反
応して金属塩を生成し、型くもりを惹起することを究明
した。
そして、芳香族炭化水素樹脂の成形硬化に際し、酸触
媒が硬化時に発生する縮合水に溶解しなければ、型くも
りが発生しないことを見い出した。
成型硬化に際し、酸触媒を縮合水に溶解せしめないた
めには、水溶性の酸触媒を使用する場合、架橋剤のヒド
ロキシメチル基またはハロメチル基と反応し易い有機ス
ルホン酸を使用するか、あるいは原料物質である縮合多
環芳香族化合物および/または単環芳香族化合物を反応
するヒドロキシメチル基、ハロメチル基またはホルミル
基を有する有機スルホン酸を使用し、酸触媒を架橋剤ま
たは原料物質と反応せしめ、樹脂中間縮合物骨格中に固
定化する。あるいは、高分子量のポリスルホン酸樹脂ま
たは疏水性のスルホン酸化合物等の水に対して不溶性の
酸触媒を使用すれば、成形硬化時に発生する縮合水への
酸触媒の溶解が防止できることを見い出し、この発明に
到達した。
すなわちこの発明の第1の発明は、縮合多環芳香族化
合物および/または単環芳香族化合物からなる原料物質
と、少なくとも2個のヒドロキシメチル基またはハロメ
チル基を有する芳香族化合物からなる架橋剤を、水溶性
の酸触媒の存在下、反応せしめて得た流動点150℃以下
で、水に対する酸不溶化率が50%以上の樹脂中間縮合物
からなる熱硬化性樹脂を要旨とする。
また、第2の発明は、縮合多環芳香族化合物および/
または単環芳香族化合物からなる原料物質と、少なくと
も2個のヒドロキシメチル基またはハロメチル基を有す
る芳香族化合物からなる架橋剤を、酸触媒の存在下、反
応せしめて熱硬化性樹脂を製造する方法において、水に
対して不溶性の酸触媒を用いることを特徴とする熱硬化
性樹脂の製造方法を要旨とする。
この発明によって得られる流動点150℃以下の樹脂中
間縮合物で、水に対する酸不溶化率が50%以上の熱硬化
性樹脂は、酸触媒の使用量が後述する範囲内であれば、
成形硬化に際し発生する縮合水に溶解して滲出すること
はない。
この発明の原料物質である縮合多環芳香族化合物とし
ては、ナフタレン、アセナフテン、フェナントレン、ア
ントラセン、ピレン、クリセン、ナフタセン、フルオラ
ンテン、ペリレン、ピセンおよびそれらのアルキル誘導
体、各種ベンゾピレン、各種ベンゾペリレン等の単独ま
たは混合物が挙げられる。また、フェノール、アルキル
フェノール、レゾルシン、ナフトール等のフェノール類
やジフェニル、ジフェニルエーテル、アルキルベンゼン
等の単環芳香族化合物を単独で、または前記縮合多環芳
香族化合物と併用することができる。
また、上記原料各芳香族化合物がメチレン基、フェニ
レン基またはキシリレン基等で連結された多核構造の炭
化水素も包含される。
さらにまた、上記芳香族化合物を主成分とする石炭系
または石油系の重質油類、ピッチ類も使用可能である。
この発明で架橋剤として使用する少なくとも2個のヒ
ドロキシメチル基またはハロメチル基を有する芳香族化
合物としては、ベンゼン、キシレン、ナフタレン、アン
トラセン、ピレンまたはそれらのアルキル誘導体等のポ
リ(ヒドロキシメチル)化合物、あるいはポリ(ハロメ
チル)化合物が挙げられる。そのうち、ジヒドロキシメ
チルベンゼン、ジヒドロキシメチルキシレン、トリヒド
ロキシメチルベンゼンあるいはジヒドロキシメチルナフ
タレン等が特に好ましい。
この発明で使用する酸触媒としては、水溶性の酸触媒
の場合、架橋剤のヒドロキシメチル基またはハロメチル
基と反応し易い有機スルホン酸を使用するか、あるいは
原料芳香族化合物と反応するヒドロキシメチル基、ハロ
メチル基またはホルミル基を有する有機スルホン酸を挙
げることができる。
架橋剤のヒドロキシメチル基やハロメチル基と反応し
易い酸触媒としては、多環芳香族核を有する有機スルホ
ン酸が好ましい。その具体例としては、ナフタレンスル
ホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸、アセナフテン
スルホン酸、アントラセンスルホン酸、ナフトールスル
ホン酸などが挙げられる。
また、原料芳香族化合物と反応するヒドロキシメチル
基、ハロメチル基またはホルミル基を有する有機スルホ
ン酸としては、ヒドロキシメチルベンゼンスルホン酸、
ヒドロキシメチルナフタレンスルホン酸、ジヒドロキシ
メチルナフタレンスルホン酸、クロロメチルベンゼンス
ルホン酸、クロロメチルナフタレンスルホン酸、ホルミ
ルベンゼンスルホン酸、ホルミルナフタレンスルホン酸
等が挙げられる。
また、水不溶性の酸触媒としては、スチレン重合体を
ジビニルベンゼンで架橋させたものをスルホン化したポ
リスチレンスルホン酸樹脂、フェノールスルホン酸、ナ
フタレンスルホン酸等をアルデヒドや少なくとも2個の
ヒドロキシメチル基またはハロメチル基を有する芳香族
化合物からなる架橋剤と縮合せしめたフェノールスルホ
ン酸樹脂、あるいは縮合多環多核芳香族樹脂のスルホン
化物等を挙げることができる。
なお、縮合多環多核芳香族樹脂のスルホン化物は、縮
合多環多核芳香族樹脂を濃硫酸でスルホン化したのち、
水溶性の酸を水洗浄等で除去することにより容易に得る
ことができる。
また、ジノニルナフタレンスルホン酸、ジドデシルベ
ンゼンスルホン酸等の疎水基を有する水不溶性の有機ス
ルホン酸も使用することができる。
酸触媒の使用量は、原料物質の反応性、反応温度およ
び合成方法によって影響を受けるが、一般的には原料物
質と架橋剤との混合物に対し0.2重量%以上必要で、好
ましくは、1〜20重量%である。酸触媒の使用量が、0.
2重量%以下では十分に縮合反応が進行せず、生成する
樹脂が十分な熱硬化性を示さない。また、20重量%以上
では、反応速度が速くなり過ぎて反応制御が困難となる
ばかりでなく、生成する樹脂も不均質なものとなり好ま
しくない。
架橋剤と被架橋原料(原料物質+酸触媒)の配合比
は、モル比で0.7〜6が好ましい。0.7以下であると生成
する樹脂は熱硬化性を示さず、逆に6以上になると架橋
剤が過剰となり、反応が逆に抑制傾向を示し、やや不均
質な生成物を与えることとなる。より好ましい範囲とし
てはモル比で1〜3である。
前記原料物質、架橋剤および酸触媒を所定の割合で混
合して反応せしめると、酸触媒が水溶性の有機スルホン
酸であっても、本発明で用いる水溶性の有機スルホン酸
は、原料物質または架橋剤と反応し易いため、原料物質
または架橋剤と反応して樹脂中間縮合物の骨格中に固定
化され、水に対して溶解性を示さなくなる。
この水に対する酸触媒の不溶化される割合、すなわ
ち、水に対する酸不溶化率は、樹脂中に含まれる水溶性
の酸を抽出したあとの酸残存量を、酸抽出処理前の酸含
有量で除して求めたもので、流動点150℃以下の樹脂中
間縮合物の段階において50%以上となるよう、原料物
質、架橋剤、酸触媒を選択しなければならない。一例を
挙げると、酸触媒の架橋剤との反応性を、原料物質とし
て用いる縮合多環芳香族化合物と架橋剤との反応性と同
程度にすることが肝要である。例えば、原料物質として
ナフタレンを用いる場合は、酸触媒としてナフタレンス
ルホン酸を使用する。
他方、酸触媒としてポリスルホン酸樹脂や疎水性の有
機スルホン酸を使用した場合は、水に対する酸不溶化率
を考慮する必要はない。
この発明における水に対する酸不溶化率の測定におい
ては、樹脂中間縮合物をほぼ完全に溶解せしめ、かつ、
水と相溶性を有する溶媒を使用し、樹脂をほぼ完全に溶
解せしめた状態で測定することが肝要である。
反応温度は、約50〜200℃、好ましくは80〜180℃であ
る。反応圧力は、通常常圧ないし若干の加圧であるが、
反応の結果生成する縮合水を反応系から除去して反応効
率を高めるためには、減圧下で反応せしめることもでき
る。
反応は、溶融状態で行なうのが簡単であるが、適当な
溶媒または分散剤を用いて実施することもできる。
また、溶媒を用いて反応せしめた場合、未反応の水溶
性の遊離酸が残留していても、溶媒分離時に除去できる
ので有利である。溶融重合の場合でも、適当な溶媒で水
溶性の遊離酸を除去することができる。
前記の反応の進行に伴って反応物の粘度が上昇し、熱
硬化性樹脂(Bステージ樹脂)が得られるが、さらにこ
れを加熱して反応を進めると、不溶不融性の硬化体が生
成する。したがって、成形可能な熱硬化性樹脂を得るに
は、反応を最終硬化体が生成するよりも短い時間で反応
温度を下げて停止させる。この段階の樹脂は、未だ加熱
溶融性および溶剤溶解性が残っている段階の流動点150
℃以下の未硬化中間縮合物である。
この樹脂は、100〜350℃に加熱することによって、容
易に熱硬化物となる。
このため、粉末状にして加熱プレスしたり、あるいは
溶融または溶解させた熱硬化性樹脂を成形金型に流し込
むことによって、成形硬化物を得ることができる。
また、成形硬化物を製造する場合、ガラス繊維、カー
ボン繊維、その他の繊維状、粒状、フレーク状の各種セ
ラミックス、炭素質、有機質を骨材として添加すること
により、硬化成形物に種々の特性を付与することができ
る。
さらに、成形硬化時に発生する縮合水と反応するか、
あるいは縮合水を吸着するような脱水剤、捕水剤を添加
することによって、型くもり防止効果をより向上させる
ことも可能である。
[実施例] 以下実施例について説明するが、実施例中の流動点
は、フローテスターを用い、6℃/minで昇温させ、見掛
け粘度が1×105poiseになる温度を測定し流動点とし
た。また、酸の不溶化率は、樹脂1gをテトラヒドロフラ
ン50gに溶解した溶液に0.1規定の水酸化ナトリウム水溶
液による滴定で求めた酸の量を水による酸抽出前の酸含
有量とし、樹脂1重量部にテトラヒドロフラン3重量部
を添加して溶解した溶液に水10重量部を加え、水に不溶
の沈殿を濾別した不溶成分を減圧乾燥して得られる酸抽
出処理後の樹脂を、前記酸抽出前の酸含有量の測定と同
一条件で酸含有率を測定し、水による酸抽出処理後の樹
脂中の酸含有量とし、酸抽出処理後の樹脂中の酸含有量
を酸抽出処理前の樹脂中の酸含有量で除して求めた。
実施例1 原料物質としてナフタレン64.0重量部(0.5モル)、
架橋剤として1,4−ジヒドロキシメチルベンゼン110.4重
量部(0.8モル)、酸触媒として2−ナフタレンスルホ
ン酸(1水和物)10.4重量部(0.046モル)を、ガラス
製の反応容器に仕込み、窒素気流中、撹拌しながら110
℃で120分間反応せしめ、第1表に示す熱硬化性樹脂を
得た。
前記熱硬化性樹脂をクロムメッキされた30mm×50mm×
2mmの金型を用い、200℃、300kg/cm2で2分間成形硬化
して成形硬化物を得た。
得られた成形硬化物は、表面が滑らかで、光沢が優れ
ているばかりでなく、金型のくもりは、発生しなかっ
た。
比較例1 原料物質としてナフタレン64.0重量部(0.5モル)、
架橋剤として1,4−ジヒドロキシメチルベンゼン110.4重
量部(0.8モル)、酸触媒としてp−トルエンスルホン
酸(1水和物)8.72重量部(0.046モル)をガラス製反
応容器に仕込み、窒素気流中、撹拌しながら120℃で120
分間反応せしめ、第2表に示す熱硬化性樹脂を得た。
この熱硬化性樹脂を実施例1と同一条件で成形硬化せ
しめた。
しかし、この熱硬化性樹脂から得た成形硬化物は、表
面が荒いばかりでなく、光沢がなかった。しかも、金型
表面には白色粉末状の物質が全面に付着していた。
比較例2 原料物質としてナフタレン64.0重量部(0.5モル)、
架橋剤として1,4−ジヒドロキシメチルベンゼン110.4重
量部(0.8モル)、酸触媒としてm−キシレンスルホン
酸(2水和物)10.18重量部(0.047モル)をガラス製反
応容器に仕込み、窒素気流中、撹拌しながら120℃で75
分間反応せしめ、第3表に示す熱硬化性樹脂を得た。
この熱硬化性樹脂を実施例1と同一条件で成形硬化せ
しめた。
しかし、この熱硬化性樹脂から得た成形硬化物は、表
面がやや荒く、光沢がなかった。しかも、金型表面には
白色粉末状の物質が全面にうすく付着していた。
実施例2 原料物質としてナフタレン64.0重量部(0.5モル)、
架橋剤として1,4−ジヒドロキシメチルベンゼン110.4重
量部(0.8モル)、酸触媒としてポリスチレンスルホン
酸(酸基濃度4.7meq/g)8.72重量部を、ガラス製の反応
容器に仕込み、窒素気流中、撹拌しながら130℃で100分
間反応せしめ、流動点106℃の熱硬化性樹脂を得た。
この熱硬化性樹脂を実施例1で使用した金型を用い、
200℃、300kg/cm2で3分間成形硬化し、30mm×50mm×2m
mの成形硬化物を得た。得られた成形硬化物は、表面が
滑らかで、光沢が優れているばかりでなく、金型のくも
りは発生しなかった。
実施例3 原料物質としてナフタレン64.0重量部(0.5モル)、
架橋剤として1.4−ジヒドロキシメチルベンゼン51.8重
量部(0.375モル)、酸触媒としてp−トルエンスルホ
ン酸1水和物5.8重量部ををガラス製の反応容器に仕込
み、窒素気流中、撹拌しながら150℃まで昇温して反応
せしめ、縮合多環多核芳香族樹脂樹脂を得た。
この樹脂を微粉砕し、8重量倍の濃硫酸中に入れ、撹
拌しながら140℃で180分間加熱してスルホン化した。そ
の後水洗浄により硫酸、p−トルエンスルホン酸を除去
し、乾燥して酸基濃度3.3meq/gの縮合多環多核芳香族樹
脂スルホン化物を得た。
ついで原料物質としてナフタレン64.0重量部(0.5モ
ル)、架橋剤として1,4−ジヒドロキシメチルベンゼン1
10.4重量部(0.8モル)、酸触媒として上記縮合多環多
核芳香族樹脂スルホン化物12.4重量部をガラス製の反応
容器に仕込み、窒素気流中、撹拌しながら130℃で90分
間反応せしめ、流動点98℃の熱硬化性樹脂を得た。
この熱硬化性樹脂を、実施例3と同一条件で成形硬化
し、成形硬化物を得た。
得られた成形硬化物は、表面が滑らかで光沢があり、
金型表面のくもりは、観察できなかった。
[発明の効果] 以上述べたとおりこの発明の熱硬化性樹脂より得られ
る成形硬化物は、従来公知の芳香族炭化水素樹脂と比較
し、表面が滑らかで光沢が遥かに優れているばかりでな
く、成形硬化時の金型のくもりがない等の特徴を有し、
しかも、耐熱性、機械特性等が優れた極めて価値の高い
熱硬化性樹脂であり、単独で、または複合材料として広
い応用分野が期待される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−230843(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08G 61/00 - 61/12

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】縮合多環芳香族化合物および/または単環
    芳香族化合物からなる原料物質と、少なくとも2個のヒ
    ドロキシメチル基またはハロメチル基を有する芳香族化
    合物からなる架橋剤を、酸触媒の存在下、反応せしめて
    熱硬化性樹脂を製造する方法において、前記酸触媒が、
    架橋剤のヒドロキシメチル基またはハロメチル基と反
    応性のある、多環芳香族核を有する有機スルホン酸、な
    らびに原料物質と反応性のある、ヒドロキシメチル
    基、ハロメチル基またはホルミル基を有する有機スルホ
    ン酸、よりなる群から選ばれた水溶性酸触媒であること
    を特徴とする熱硬化性樹脂の製造方法。
  2. 【請求項2】縮合多環芳香族化合物および/または単環
    芳香族化合物からなる原料物質と、少なくとも2個のヒ
    ドロキシメチル基またはハロメチル基を有する芳香族化
    合物からなる架橋剤を、酸触媒の存在下、反応せしめて
    熱硬化性樹脂を製造する方法において、前記酸触媒が水
    に対して不溶性の酸触媒であることを特徴とする熱硬化
    性樹脂の製造方法。
  3. 【請求項3】水不溶性の酸触媒が、ポリスルホン酸樹脂
    または疎水性の有機スルホン酸であることを特徴とする
    特許請求の範囲第2項記載の熱硬化性樹脂の製造方法。
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