JPH01320217A - マイグレーション防止剤及び電子回路 - Google Patents

マイグレーション防止剤及び電子回路

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JPH01320217A
JPH01320217A JP15155788A JP15155788A JPH01320217A JP H01320217 A JPH01320217 A JP H01320217A JP 15155788 A JP15155788 A JP 15155788A JP 15155788 A JP15155788 A JP 15155788A JP H01320217 A JPH01320217 A JP H01320217A
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migration
electronic circuit
composition
cobalt
resin
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JP15155788A
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Takuya Omura
卓也 大村
Noriyuki Yamamoto
則幸 山本
Hideki Kato
秀樹 加藤
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Toagosei Co Ltd
Original Assignee
Toagosei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、マイグレーション防止剤と、このマイグレー
ション防止剤が構成要素中に含有されて、信軌性が向上
している電子回路とに関する。詳しくは、電子素子や電
子部品等における故障発生の大きな要因の一つとなって
いる金属イオンのマイグレーション現象を防止する効果
を有するマイグレーション防止剤と、電子回路の寿命を
延長することを目的として、電子回路用基板、導電性ペ
ースト、接着剤、カバーレイ等の絶縁性被覆材等の電子
回路構成要素に、上記のマイグレーション防止剤が含有
されている電子回路とに関する。
〔従来の技術] 電子素子や電子部品等において、水の存在の下に、絶縁
された金属導体間に電圧が印加されると、導電体を構成
している金属がイオン化して、この金属イオンが、絶縁
材料の表面または内部を通って、負の電位にある導電体
に向かって移動し、負の電位にある導電体上に析出する
現象がしばしば発生する。
この現象は、マイグレーション現象と称されており、プ
リント配線板、LSI回路、ff膜回路、薄膜回路、コ
ンデンサ等、種々の電子素子や電子部品等の中で発生し
、これらの部材や装置等の信顛性を損なう原因の一つと
なっており、更に、最近の電子素子や電子部品の高集積
化にともなって要求される配線の細線化、配線間隔の減
少化、及び、スルーホールの細孔化等にともなって、こ
のマイグレーション現象が発生する頻度は増加する(噴
量にある。
マイグレーション現象を発生する金属は、銀、銅、スズ
、鉛、金、白金、パラジウム、アルミニウム等であり、
電子回路の導体として使用される殆どすべての金属を含
む、これらの金属の中には、水が存在し、かつ、電圧が
印加された状態においては、必ずイオン化してマイグレ
ーシランを発生ずる種類と、上記条件に加えて、ハロゲ
ン等の不純物イオンが加わった場合に、イオン化してマ
イグレーシランを発生する種類とがある。
マイグレーション現象は一般的に下記のように進行する
(a)1M、金、鉛等(ハロゲンの存在を必要とせず、
水のみの存在の下にマイグレーション現象が発生ずる金
属) 1、水の解離     Hz O,=−H’ +0H−
2、陽極をなす金属の酸化溶解 2 M 十Hz O# M t O+ Hz3、酸化物
の解離 Mz O十Hz O−’2M0H −”2M” +20H− 4、金属イオンの移動 5、陰極上への金属の析出 M’ +e−sM (b)金、銀、パラジウム、銅等(水分およびハロゲン
の存在下でマイグレーション現象が発生する金属) 1、水の解離     H,O=H” +0H−2、陽
極をなす金属の酸化溶解 M+Cj!−=MCj!+e− 3、酸化物の解離 MCN−’M” +(1− 4、金属イオンの移動 5・陰極上への金属の析出 M” +e−sM 上記の説明(a)、(b)において、Mは銀を例として
いるが、他の金属の場合も同様のメカニズムを経るもの
と推定されている。
上記の反応が進行すると、析出金属が樹枝状をなして、
陰極から陽極方向に成長し、遂には両電極間を短絡して
、両電極間が導通ずるに至る。
なお、ここで、短絡とは両極自身が直接接続される場合
のみならず、上記の樹枝状析出金属によって両極間の距
離が減少し、しかも、両極近辺に電荷キャリヤ(イオン
や正孔)が供給されうる場合も含む(−船釣には、抵抗
値が10&Ω以下となり、300μA程度またはそれ以
上の電流が流れる場合を含む、)。
かかるマイグレーション現象を防止するために、従来、
次のような手法が試みられてきた。
イ、電子素子や電子部品が水と接触しないようにする。
ロ、プリント配線板の導体として使用される金属がイオ
ン化することを防止する。
ハ、イオン化したとしても、発生したイオンが移動しな
いように、これを還元する。
二3発生したイオンを沈澱形成剤等を使用して不溶化す
る。
ホ9発生したイオンをキレート剤等やコンプレックス形
成剤等を使用して固定する。
へ、電子素子や電子部品を構成する部材の表面にある水
酸基を失活させる。
しかし、これらの従来技術に係るマイグレーション防止
手段には、それぞれ、下記の制限や欠点がともなう。
イの手段は絶縁物表面や基板全体を1發水性の材料例え
ばフッ素帰脂等でコーティングするものであるが、プリ
ント配線板の導体部分の露出を完全に防止することは事
実上不可能であるから、その効果は従来技術の中では比
較的有効ではあるが、それにもか−わらず満足すべき程
度に有効であるとは云い難い。
口の手段は、導体金属のイオン化電位を高くするために
、プリント配線板の導体金属を合金化するものであり、
例えば電極の銀を銀−パラジウムに代える手法がある。
しかし、充分な効果を得るためには、パラジウムの含を
率を十分裔くする必要があり、経済的負担が大きくなる
欠点がある。
その他、電掻材としての銀やアルミニウムに銅を添加す
る手法も検討されているが、まだ十分な効果を得るには
至っていない。
への手段は、アルデヒド、ハイドロキノン、ピロガロー
ル、ヒドラジン等の還元剤をプリント配線板に塗布する
塗料等に添加するものであるが、これら添加剤は化学的
に不安定であり、熱や光によって分解しやすい欠点を有
する。
二の手段は、ステアリン酸、オレイン酸、バルミチン酸
等の沈澱形成剤を、ハの場合と同様に、添加するもので
ある。しかし、近年、アルミニウムの配線腐食には遊離
した状態の有機酸が関与しているとの報告もあり、実現
の可能性が未確認の手段であると云わざるを得ない。
ホの手段は、トリアジン類、ベンジジン、卵アルブミン
酸等の、キレート形成やコンプレックス形成を行う打機
物を添加する手法である。しかし、これらの化合物が有
する官能基は、約100°Cを超えると分解し失活する
ものが大部分である。したがって、通常の使用条件では
問題がないにしても、高集積化に起因して内部発熱のみ
で温度の絶対値が100°Cを超える場合や、周囲温度
が高い場合等使用条件が厳しい場合には、適切な手法と
は云い難い。
への手段は、基板の材料であるガラス繊維や、基板の塗
料のフィラーとして用いられる石英等を、シランカップ
リング剤で処理する手法であるが、清掻的手法であると
云わざるを得ない。
(発明が解決しようとする課題〕 水の存在の下に、絶縁された金属導体間に電圧が印加さ
れたとき発生するマイグレーション現象は、電子素子や
電子部品の故障の原因となっており、この現象の発生を
防止する手段の開発が真剣に求められてきた。
本発明の目的は、か−るマイグレーションの発生を有効
に防止しうるマイグレーション防止剤を提供することと
、このマイグレーション防止剤が含有されており、マイ
グレーション現象の発生が有効に防止されている電子回
路を提供することとにある。
〔課題を解決するための手段] 上記の目的は、式Co、[Fe (CN)b ]なる組
成をもって表されるフェロシアン化コバルトをマイグレ
ーション防止剤として利用する(請求項1に対応)こと
と、このマイグレーション防止荊を、電子回路用基板、
導電性ペースト、接着剤・カバーレイ等の絶縁性被覆材
に含有させておき、か!る材料を使用して製造した電子
回路(請求項2に対応)とによって達成される。
請求項2に記載された電子回路は、具体的には、電子素
子や電子部品に用いられる種々のりジッド印刷配線板用
の基板、ハイブリッドIC用蟇板、フラットメンブレン
スイッチ等に用いられるフレキシブル印刷配線板用基板
等の各種電子回路用基板に、また、電子回路の導体材料
である恨ペースト、銅ペースト、銀パラジウムペースト
、ニッケルペースト等の金属を含む導電性ペーストに、
更には、その上にかぶせる接着剤とポリエステルやポリ
イミドなどのフィルムからなるカバーレイ、液状レジス
ト、及び、保護コーティング用の塗料等の絶縁性被覆材
に、Cot  [Fe (CN)= ]なる化合物を含
有させておき、か\る部材や材料を使用して製造した電
子回路である。
また、請求項2に記載された電子回路の構成材料のそれ
ぞれについて説明する。
イ、電子回路用の基板としては、リジッド印刷配線板用
の基板、ハイブリッドIC用の基板、フラットメンブレ
ンスイッチ等に用いられるフレキシブル印刷配線板用の
基板等として、通常使用されている電子回路用基板なら
いづれでも良く、熱硬化性樹脂積層基板(紙−エポキシ
樹脂、祇〜フェノール樹脂、ガラス−フェノール樹脂、
ガラス−エポキシ樹脂、不織布−フェノール樹脂、不織
布−エポキシ樹脂等)、セラミックス基板(アルミナ、
炭化硅素等)、熱可塑性基板(ポリエステル樹脂、ポリ
フェニレンスルファイド樹脂、ポリエーテルサルファン
樹脂等)、ポリイミド等プラスチックスの基板、及び、
これらの多層板等が使用可能である。
口、導電性ペーストとしては、電子回路の導体の材料と
して通常使用されている導電性ペーストで良く、例えば
、銀ペースト、銅ペースト、銀パラジウムペースト等の
金属を含むペースト(厚膜ペースト、導電性接着剤等と
云われる)が使用可能である。
ハ、接着剤としては、ベースフィルムであるポリイミド
フィルム、ポリエステルフィルム等に接着剤を塗工して
なるカバーレイ用の接着剤や、銅張り基板において、電
子回路用の基板と銅板とを張りつけるための接着剤等と
して使用される。
二、絶縁性被覆材としては、リジッド印刷配線板のオー
バーコート材や多層印刷配線板の内部回路間の絶縁材料
に用いられる熱硬化性樹脂塗料(エポキシ樹脂塗料、フ
ェノール樹脂塗料等)や紫外線硬化性樹脂塗料(アクリ
ル系樹脂塗料等)や熱可塑性樹脂塗料(ポリエステル樹
脂塗料等)等が使用可能であり、さらに、セラミックス
系の材料としてオーバーブレースガラスが使用可能であ
る。また、絶縁性被覆材のうち、カバーレイとしては、
ベースフィルムであるポリイミドフィルム、ポリエステ
ルフィルム等にエポキシ系接着剤を塗ったフィルム、及
び液状レジスト等が使用可能である。
本発明に係るCo、[Fe (CN)b ]の組成をも
って表されるフェロシアン化コバルトを、上記の基板、
導電性ペースト、及び、絶縁性被覆材に添加する方法は
一般的な方法で良く、上記の電子回路構成材料のそれぞ
れについて、添加方法を下記に説明する。
イ、基板に対しては、基板構成樹脂への分散、基板構成
基質としての紙への含浸、ガラス布等への塗布銅張り用
接着剤への分散及び塗料化し基板表面への塗布等が挙げ
られる。
口、iA電性ペーストに対しては、導電性ペーストの構
成金属粉、構成樹脂、または、溶剤等の必要成分と混練
する方法、導電性ペーストそのものと混練する方法等が
挙げられる。
ハ、接着剤の場合は、単に分散させることによって使用
可能である。
二、リジッド印刷配線板のオーバーコート材や多層印刷
配線板の内部回路間の絶縁材料に用いられる絶縁性被覆
材や、オーバーブレースガラスに対しては、オーバーコ
ート材の構成樹脂への分散、絶縁材料構成樹脂への分散
、オーバーブレースガラスへの分散等を実施した後硬化
させる方法等が挙げられる。カバーレイに対しては、ベ
ースフィルム及び接着剤からなるカバーレイの場合であ
れば、その構成成分であるベースフィルムの原料に混合
した後、フィルム化したり、前述の通り接着剤への分散
が挙げられ、また、液状レジストによりカバーレイを形
成させる場合は、液状レジストへの分散が挙げられる。
COz  [Fe (CN) 6iの組成を有するフェ
ロシアン化コバルトを、電子回路用の基板、導電性ペー
スト、並びにベースフィルムと接着剤からなるカバーレ
イ、液状レジストからなるカバーレイ、オーバーコート
材、多層印刷配線板の内部回路間の絶縁材料及びオーバ
ーブレースガラス等の絶縁性被覆材に含有させる量は特
に限定はないが、前記電子回路の構成材料の特性を阻害
しない範囲が好ましく、より好ましくは、いずれの場合
も含有させる材料(例えば基板構成樹脂)に対して0.
1〜25重量%が好ましく、より好ましくは、0.1〜
10重景%である。
Co! [Fe (CN)= ]の粒度は、イオン捕捉
速度や目的とする捕捉イオンとの接触の可能性を大きく
するために、細かいことが望ましく、好ましい平均粒度
は1(1+n以下であり、より好ましくは、5Il以下
である。
〔作用〕
本発明は、式Co!  [Fe (CN)b ]の組成
をもって表されるフェロシアン化コバルトが、Ag’ 
、Cu” 、Cu”、Pb”、Sn”、Au’°等のマ
イグL・−ジョンする金属イオンに対して有する高選択
イオン吸着性を活用して、マイグレーション防止剤を実
現したものである。そして、このマイグレーション防止
剤を電子回路を構成する基板、導電性ペースト、接着剤
とフィルムとからなるカバーレイ・保護コーティング用
塗料等の絶縁性被覆材に含有させておき、このマイグレ
ーション防止剤の有するイオン捕捉作用を活用して、マ
イグレーションの発生が防止された電子回路を実現した
ものである。
Cat  [F e (CN) b ]なる組成をもっ
て表されたフェロシアン化コバルトのマイグレーション
防止剤としての作用は、マイグレーションする金属イオ
ン例えばAg” 、Cu” 、(、u”、Pb”、Sn
”、Auト等を、これらのイオンに高選択イオン吸着性
を有する C Oz  [F e (CN) b ]なる組成を有
するフェロシアン化コバルトをもって捕捉・固定し、移
動させないことである。
本発明に用いられるCot  [Fe (CN)6 ]
の組成をもって表されるフェロシアン化コバルトによる
イオン捕捉作用を下記する。
金属イオンをM゛をもって表すと、この金属イオンM0
が、金属酸化物M、Oを解離して同時に発生している水
酸基OH−と同時にフェロシアン化コバルトと反応して
、下記のように、イオン交換が行われる。
Cot  [Fe (CN)6] +21vL’ +2
0t(−−Mt Co [F e (CN)a] +C
o O+HtO上記の金属イオンM°を捕捉する反応は
、イオン交換反応であるが、Cot  [Fe (CN
)−]の組成を存するフェロシアン化コバルトの特徴と
して逆反応は極めて発生しにくく、逆反応を発生させる
場合(捕捉したイオンの脱離反応)は、特殊な条件が必
要な場合が多く、一般に一度捕捉されたイオンは遊離し
にくい。
これは、Co、[Fe (CN)b ]の結合形態がM
t Co [Fe (CN)h ]になった後において
は共有結合の性格が強いためと思われる。一方、遊離し
たC02゛はOH−と結合し、Co (OH)xを生成
するが、Co(OH)、は酸化物になりやすいため水を
脱離し、電場がある状態でも泳動しにくくなるものと解
される。
(実施例〕 以下、実施例18例を、比較例5例とともに挙げて、本
発明に係る電子回路の構成と時打の効果とを更に詳しく
説明する。なお、実施例中r%」とあるは「重量%」で
あり、「部」とあるは[重量部Jである。
−1〜4  び  へ  1 実施例1〜4は、本発明の要旨に係る CO2[Fe (CN)6]なる組成を有するフェロシ
アン化コバルトが電子回路用基板に添加されている例で
ある。
CO2[F e (CN)4]なる組成を有するフェロ
シアン化コバルトを、エポキシ当量450〜500のビ
スフェノールA型エポキシ樹脂100部に対して、0、
■、5.10.20部添加し、さらに、エポキシ硬化剤
としてジシアンジアミド4部と、反応促進剤としてヘン
シルジメチルアミン0.4部と、溶剤(メチルエチルケ
トン)60部とを、加え、撹拌混合して、5種類の含浸
用樹脂フェスを製作し次に、厚さ0.2mmの低アルカ
リ電気用ガラス布に、先に製作した5種類の樹脂フェス
をそれぞれ別個に含浸させた。
その後、160°Cで5分間乾燥して、5種類の相互に
異なるプリプレグを製作した。
これらの5種類のプリプレグを、いづれも、50mnX
50園の寸法にカットし、 Co z  [F e (CN)−]なる組成を有する
フェロシアン化コバルトの含有比率が相互に同一のプリ
プレグを相互に6枚重ね合わせて、圧力30kg/d+
・温度160’Cの条件をもって15分間加熱プレスし
、その後、圧カフ0kg/c−・温度165°Cの条件
をもって1時間さらに加熱プレスして、樹脂とガラス布
基材との体積分率が50 : 50であり、厚さが約1
.6鵬である積層板5種類を製作した。
これらの5種の積層板の表面に、銀ペースト(ドータイ
トXA208  (藤倉化成■製))をスクリーン印刷
して、第1図に示すように、それぞれの櫛歯が噛み合っ
て対向するように配置された2個の櫛歯状の導電パター
ンA−Bが、上記のようにして製造した本発明の要旨に
係る積層板1上に形成されたサンプル基板を5種類製造
した。
第1図に示すように、この導電パターンA−B間の最短
距離は1−である、なお、導電パターンA−8の厚さは
約20μである。
これらのサンプルの櫛歯状の導電パターン電極A−B間
に100■の直流電圧を印加するとともに、40″C・
95%RHの環境条件に保ち、電極A−Bの変化を顕微
鏡を使用して経時的に観察して、マイグレーション現象
の発生状態を確認した。
即ち、電極成分の銀の局部的な異常成長により、銀の樹
枝状の結晶(デンドライト)が陰極から陽極に向かって
伸び、最終的に電IMA−B間が短絡するために要した
時間を測定した。
その結果を第1表に示す。
第1表 比較例1     0         161実施例
1     1        1,911〃2   
  5       3,000以上〃3103,00
0〃 〃4     20       3,000〃第1表
は、本発明の要旨に係る CO□ [F e (CN)6]なる組成のフェロシア
ン化コバルトが添加された電子回路用基板を使用して製
造した電子回路には、マイグレーションが発生しにくい
ことを明らかに示す。
−5〜8  び  ″  2 実施例5〜8は、本発明の要旨に係る C ot[F e (CN)6]なる組成のフェロシア
ン化コバルトが、カバーレイに添加されている例である
フレキシブル印刷配線板用のカバーレイに用いられるエ
ポキシ接着剤100部に対し、Coz  [Fe (C
NL]なる組成を有するフェロシアン化コバルトを、0
.1.5.10.15部添加し、5種の異なる接着剤を
得た。それぞれのエポキシ接着剤をポリイミドフィルム
に塗布し、Bステージ化して、5種類のフレキシブル印
刷配線板用のカバーレイを製作した。
これとは別に、ヘースフィルムにポリイミド樹脂を用い
たフレキシブル印刷配線板用銅張り板にエンチング処理
を施して、第1図に示す櫛歯状パターンと同一のパター
ンを有する銅電極A−Bを有するサンプル基板を5枚用
意した。
前述のカバーレイ5種のそれぞれを、このサンプル基板
の表面に装着して、加熱プレス法を使用して接着し、5
種類のフレキシブル印刷配線板を得た。
マイグレーション現象の測定はこの電極A−B間に50
0■の直流電圧を印加するとともに80°C・85%R
Hの環境条件に保ち、経時的に変化する電極A−B間の
絶縁抵抗値を測定することにより行った。
その結果を第2表に示す。
但し、ここで短絡に至った時間とは、絶縁抵抗値が10
6Ω以下になった時間を云う。
第2表 実施例  Cot [Fe(CN)6]なるまたは  
組成のフェロシアン化  短絡に至っル較斑  コバル
トの一部    人mθ−比較例2     0   
      600実施例5     1      
  2,712〃6     5       3.0
00以上〃7     10       3,000
〃〃8     15       3,000〃第2
表は、本発明の要旨に係る Co、[Fe (CN)、]なる組成のフェロシアン化
コバルトが添加されたカバーレイをもって被覆された電
子回路にはマイグレーションが発生しにくいことを明ら
かに示す。
9〜12び′3 実施例9〜12は、本発明の要旨に係るCot  [F
 e (CN)Jなる組成のフェロシアン化コバルトが
導電性ペーストに添加されている例である。
レゾール型フェノール樹脂43部、銀粉末100部、及
び、溶剤(ブチルカルピトール)40部を加え合わせた
ものを5個調整し、これらに、 COZ  [F e (CN1.]なる組成を有するフ
エ。
シアン化コバルトを、0.0,1、■、5.25部加え
た。
これらを三本ロールでそれぞれ10分間混練し、Co2
[F e (CNll6]なる組成を有する7 二〇シ
アン化コバルトを含んでなる導電性ペーストを5種類型
作した。
それぞれのペーストを、スクリーン印刷法にて、紙−フ
ェノール積層板に塗布し、180°Cで1時間熱硬化さ
せることにより、第1図に示す櫛歯状パターンと同一の
パターンを有する銀電極を有するサンプル基板を5枚製
造した。
電極A−B間に100vの直流電圧を印加するとともに
40°C・95%RHの環境に保ち、実施例1と同様の
方法を使用して短絡現象を観察した。
その結果を第3表に示す。
第3表 実施例  Cot [Fe(CN) hコの組または 
 成のフェロシアン化コ  短絡に至っ止較開  バル
トの  。  −太片皿A紅り比較例3     0 
        144実施例9     0.1  
     1,219〃10     1      
  2.694〃11     5       3,
000以上〃12     25       3,0
00 #第3表は、本発明の要旨に係る C o t  [F e (CN)4]なる組成のフェ
ロシアン化コバルトが添加された導電性ペーストを使用
して製造された電子回路にはマイグレーションが発生し
にくいことを明らかに示す。
13〜I6  び  争へ  4 実施例13〜16は、本発明の要旨に係るC o t 
 [F e (CN)6]なる組成の7 工0シアン化
コバルトがオーバーコート材に添加されている例である
Cot  [Fe (CN)6]の組成を有するフェロ
シアン化コバルトを、エポキシ樹脂100部に対し、0
.15.10.20部混合して、樹脂液5種を得た。
これとは別に、市販の恨ペーストを、ガラス−エポキシ
樹脂積層板にスクリーン印刷法にて塗布し、所定の温度
で加熱硬化させることにより、第1図に示す櫛歯状パタ
ーンと同一のパターンを有する銀電極を有するガラス−
エポキシ樹脂積層板を製造した。
上記5種の樹脂液を、これらの櫛歯状電極A・Bを有す
るガラス−エポキシ樹脂積層板の表面に、第1図にC−
Dをもって示される端子部分を除いて塗布し、加熱硬化
させて保護コーティングを施した。
銀のマイグレーション現象の測定は、第1図に示す2つ
の櫛形電極A−Bに100■の直流電圧を印加するとと
もに40°C・95%RHの環境に保ち、電極A−B間
の抵抗値の変化を経時的に測定することにより行い、抵
抗値が10”Ωまで低下した時点をもってマイグレーシ
ョン発生による故障の指標とした。
その結果を第4表に示す。
第4表 比較例4    0        288実施例13
    1       2.311〃14    5
        3.000以上〃15103,000
〃 〃16    20       3,000〃第4表
は、本発明の要旨に係る C o z  [F e (CN)−]なる組成のフェ
ロシアン化コバルトが添加された樹脂液をもって被覆さ
れた電子回路にはマイグレーションが発生しにくいこと
を明らかに示す。
・  17〜20及び 較例5 実施例17〜20は、Cot  [F e (CN)6
]なる組成を有するフェロシアン化コバルトが多層印刷
配線板の内部回路間の絶縁材料に添加されている例であ
る。
CO□ [F e (CN)&]なる組成を有するフェ
ロシアン化コバルトを、エポキシ樹脂塗料100重量部
に対し、0.0.1.1.5.10重量部添加し、充分
に混練して、5種の異なる絶縁層形成用の塗料とした。
本実施例及び比較例のテストピースの断面図を第2図に
示す、ガラスエポキシ積層板2の銅箔をエンチングして
銅箔よりなる配線導体層3a、3bを形成したテストピ
ースをs、ooo個用意した。
この上に銅箔よりなる配線導体層3bを覆うように、前
述の5種のエポキシ系塗料を1種につき1 、000個
ず一スクリーン印刷し加熱硬化させて絶縁層4を形成し
た。絶縁層4の膜厚は約2Onである0次いで、銅粉末
を含む導電性ペーストを一端が銅箔よりなる配線導体層
3aと接触するように印刷し、焼成して銅箔よりなる配
線導体層3bと対向する第2層目の配線導体層5を形成
した。最後に、エポキシ樹脂で配線導体層5を覆うよう
に保護層6を印刷し、加熱硬化して多層印刷配線板の絶
縁層間のマイグレーション測定用のテストピースとした
以上のようにして作製した5種類の異なる絶縁層を有す
るテストピース各i、ooo個合計5,000個を、温
度40°C・95%RHの雰囲気中に置き、配線導体1
i!3a側が正極となり配線導体層3bが負極となる方
向に直流電圧200vを印加して、銅箔よりなる配線導
体層3a・3bに挟まれた領域と銅箔よりなる配線導体
層3bと第2層目の配線導体N5とに挟まれた領域との
絶縁層の絶縁抵抗劣化を測定した。
その結果を第5表に示す。
第5表 絶縁抵抗 比較例5   0    840/ 1.000  2
00実施例17   0.1    12/1,000
 1,000〃18   1     5/1,000
 2,000β 19   5     0/1,00
0 2,000〃20   10     0/ 1.
000 2,000第5表では、各側1 、000個に
ついて絶縁抵抗200MΩ以下となった例の個数を示し
ている。この表から本発明の要旨に係る 0、ot  [Fe (CN)&]の組成をもって表さ
れるフェロシアン化コバルトが添加された絶縁用塗料が
使用されている電子回路はマイグレーションの発生が防
止されていることを明らかに示す。
(発明の効果) 本発明(請求項1に対応)に係るマイグレージョン防止
剤は、CO!  [F e (CN)bコの組成をもっ
て表されるフェロシアン化コバルトヲモって構成され、
このフェロシアン化コバルトは、マイグレーションを発
生ずる金属イオンをフェロシアン化コバルトとしてt+
V捉・固定する性質を有するので、マイグレーション防
止剤として有効に機能する。
また、本発明(請求項2に対応)に係る電子回路は、C
oz  [Fe (CN)6]の組成をもって表される
フェロシアン化コバルトを含存してなる基板及び/また
は導電性ペースト及び/または絶縁性被覆材を用いて形
成されており、上記のフェロシアン化コバルトは、マイ
グレーションを発生する金属イオンをフェロシアン化コ
バルトとして捕捉・固定するので、本発明に係る電子回
路においては、金属のマイグレーション現象は発生しに
くい。そのため、従来よりも高い信転性を有する電子回
路が実現する。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の実施例1〜16と比較例1〜4との
実験に使用された、配線パターンを有する基板の平面図
である。 第2図は、本発明の実施例17〜20と比較例5との実
験に使用されたテストピースの断面図である。 ■・・・本発明の要旨に係るCot [Fe(CN)*
 ]の組成をもって表されるフェロシアン化コバルトが
添加された電子回路用基板、 A−B・・・櫛歯状導電パターン、 C−D・・・櫛歯状導電パターンの端子部分、2・・・
ガラス−エポキシ樹脂積層板、3a、3b・・・第1の
導体層(銅箔よりなる配線導体層、 4・・・絶縁層、 5・・・第2の導体層、 6・・・保護層。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 [1]Co_2[Fe(CN)_6]の組成をもって表
    されるフェロシアン化コバルトからなるマイグレーショ
    ン防止剤。 [2]請求項1記載のマイグレーション防止剤が構成要
    素中に含有されてなる電子回路。
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