JPH0131708Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、深礎基礎工事またはケーソン工法
もしくは井筒工法等に使用される移動用作業足場
に関する。

例えば、基礎工事の一つとして立坑の内面に円
形のプレートを連結して行なう深礎工法が従来か
ら多用されている。この深礎基礎工事において
は、深礎内で鉄筋を組んだりあるいは生コンを打
設したりするために足場が必要となる。

従来では、この足場を底面からパイプのやぐら
を組んで順次上方に延設しているのであるけれど
も、使用後の取り外しが難しく多くの場合足場ご
と埋め殺ししているのが実情である。

しかるに、この考案は、使用後は取り外して移
動することができるようにした作業足場を提供し
ようとするものである。

この考案に係る移動用作業足場は、吊下げワイ
ヤへの吊掛部を有する足場本体に先端部が立坑の
枠材に係着する複数の水平脚を進退可能に保持す
るとともに、前記足場本体にハンドルによつて水
平方向に回動する操作板を設け、該操作板と前記
水平脚とを連結して、前記ハンドルの回動によつ
て前記水平脚が伸縮できるようにしたことを特徴
とするものである。

以下添付の図面に従つて、実施例とともに詳細
に説明する。

添付の図面第１図はこの考案の移動用作業足場
の実施例を示す切欠断面図、第２図はその表面
図、第３図は同じくその裏面図、第４図は深礎内
での移動状態を示す断面図である。

図示した実施例のように、この考案の移動作業
足場１０は、深礎内を上下に吊り下げ移動できる
ように構成されたものであつて、足場本体１１と
立坑の枠材９に係着する複数の水平脚３０，３０
…を含む。

足場本体１１はフレーム１２と踊場１３からな
り通常円形状を有する。フレーム１２にはアイボ
ルト等からなる吊下げワイヤ８のための吊掛部１
４が設けられている。なお、足場本体の一部には
図のような深礎内のはしごのための切欠部１５、
ならびに足場の上下方向の通行を可能にする開閉
自在な蓋部１６を設けておくことが好ましい。第
２図の符号１７は蝶番部、１８は把手、第３図に
おける符号１９ははしご等の引掛部を示す。

水平脚３０は、その先端部３１が立坑の枠材９
に係着して足場本体を立坑内に固定保持するもの
で、通常足場本体１１の裏面側に３脚以上、実施
例では４脚設けられる。脚先端部３１には枠材９
を構成するＨ鋼等に係合するピン３２が設けられ
ている。この水平脚３０は、足場本体１１の裏面
側に設置された上下複数のローラ３５，３５…の
間に挟持されて進退可能に保持される。符号３４
はローラ３５を軸支する支持部材である。

そして、前記足場本体１１の表面側中心部には
ハンドル２５が設けられ、裏面側には該ハンドル
２５によつて水平方向に回動する操作板２０が設
置される。第１図における符号２６はハンドル
軸、２７はその軸受を表わす。

操作板２０は、図のような十字形を有していて
十字の各先端部において前記した４つの水平脚３
０，３０…と連結される。符号２３は連結アーム
である。しかるに、水平脚３０は前記の通りロー
ラ３５，３５…の間に挟持されて進退可能に保持
されているものであるから、足場本体１１表面側
のハンドル２５の操作に伴なう操作板２０の回動
によつて該水平脚３０，３０…は、第３図の裏面
図のように、足場本体１１の周縁より突出または
没入するように伸縮自在に構成される。

第４図は、この考案の移動用作業足場１０の深
礎内での移動状態を示す断面図であるが、固定時
には実線で示すように、水平脚３０を伸ばして先
端部３１を枠材に係着するが、移動時には前にも
述べた通り水平脚３０をハンドル２５の操作によ
つて同図の鎖線のように縮め吊下げワイヤ８で所
定の位置まで移動するのである。

なお、実施例では、水平脚３０の伸縮を操作す
るハンドル２５が足場本体１１の中心に設けられ
そのハンドル操作は深礎内壁に設置したはしごか
ら手を伸ばして行なうようにしてあるが、足場本
体が広いときなどは該足場本体の周縁近傍にハン
ドルを設け歯車装置を介して操作板２０を作動す
るようにしてもよい。

以上図示し説明したように、この考案に係る移
動用作業足場にあつては、吊下げワイヤへの吊掛
部を有する足場本体に先端部が立坑の枠材に係着
する複数の水平脚を進退可能に保持するととも
に、前記足場本体にハンドルによつて水平方向に
回動する操作板を設け、該操作板と前記水平脚と
を連結して、前記ハンドルの回動によつて前記水
平脚が伸縮できるようにしたものであるから、作
業に応じて水平脚を伸ばして固定し、または水平
脚を縮めてワイヤで吊り下げ所定位置へ移動する
ことができるようになつた。

このような移動用作業足場を用いるときには、
従来のパイプ組みによる足場に比して、足場を組
む手間を要することなく、広く安定した確実な足
場を得ることができるので作業効率が格段と向上
するとともに、使用後の撤収が可能で繰り返し使
用できるので経済性にも優れる。

しかも、この考案は、この種の工事現場で常用
されているクレーン等による吊り下げワイヤを使
用するので、足場の移動に際してはハンドル操作
による水平脚の伸縮だけで簡単に行なうことがで
き、実際上のメリツトは甚だ大きいものがある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の移動作業足場の実施例を示
す切欠断面図、第２図はその表面図、第３図は同
じくその裏面図、第４図は深礎内での移動状態を
示す断面図である。 ８……吊り下げワイヤ、９……枠材、１０……
移動作業足場、１１……足場本体、１４……吊掛
部、２０……操作板、２３……連結アーム、２５
……ハンドル、３０……水平脚、３２……ローラ
支持部材、３５……ローラ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 吊下げワイヤへの吊掛部を有する足場本体に先
   端部が立坑の枠材に係着する複数の水平脚を進退
   可能に保持するとともに、前記足場本体にハンド
   ルによつて水平方向に回動する操作板を設け、該
   操作板と前記水平脚とを連結して、前記ハンドル
   の回動によつて前記水平脚が伸縮できるようにし
   たことを特徴とする移動用作業足場。