JPH0131417Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、工作機械の切粉除去装置の改良に関
する。

（従来技術） 一般に、第１図に示す如く、例えば立てフライ
ス盤でワーク１にドリル孔２を加工した場合、ワ
ーク１の上面とドリル孔２内には切粉３，…，３
が残り、とくに、ドリル孔２内に残つた切粉３，
…，３は、タツプ加工時にタツプ切折等の原因と
なるので確実に除去する必要がある。

そこで従来では、また、エアノズルを操作して
圧縮エアによりドリル孔２内の切粉３，…，３を
外部へ吹き飛ばし、ついで吸引ノズルを操作して
吸引エアにより吹き飛ばされた切粉３，…，３を
吸引除去するようにしているが、吹き飛ばし操作
と吸引操作の２操作を別々にする必要があつたか
ら、作業性が悪いという問題があつた。なお、吹
き飛ばし用の装置として、例えば、実開昭57−
136609号公報がある。

（考案の目的） 本考案は、上記従来の問題を解決するためにな
されたもので、切粉の吸引操作と吸引操作プラス
吹き飛ばし操作とを簡単な切換操作で迅速に行な
えるようにして、作業性の向上を図ることを目的
とするものである。

（考案の構成） このため本考案は、除去具本体の軸方向孔に圧
縮エア供給ホースを接続する一方、該除去具本体
の軸方向孔に摺動嵌合される除去ヘツドのフード
部材の軸方向孔に吸引ホースを接続するととも
に、該フード部材の軸方向孔内に、上記除去具本
体の軸方向孔に連通するエア噴出パイプを遊嵌支
持して、除去具本体とフード部材との間に、フー
ド部材を突出方向に付勢する弾性部材と、フード
部材の突出位置で上記除去具本体の圧縮エア連通
路を閉じる弁部材とを設けて構成したものであ
る。

従つて、除去具本体に嵌合されたフード部材の
軸方向孔の開口をワークの上面に接近させると、
切粉が吸引除去されるようになり、また、フード
部材の軸方向孔の開口をワークのドリル孔に対向
させてワークの上面に当接させながらフード部材
を反突出方向に摺動させると、弁部材により圧縮
エア連通路が開かれ、ドリル孔内の切粉が噴出パ
イプからの圧縮エアで外部へ吹き飛ばされて除去
されると同時に、吹き飛ばされた切粉がフード部
材内で吸引除去されるようになる。

（考案の効果） 本考案によれば、除去ヘツドのフード部材の開
口をワークに接近させると切粉が吸引除去され、
フード部材の開口をワークに当接させてフード部
材を反突出方向に摺動させると、噴出パイプから
の圧縮エアでドリル孔内の切粉が外部へ吹き飛ば
されて除去されると同時に、フード部材で直ちに
吸引除去されるようになるので、切粉の吸引操作
と吸引操作プラス吹き飛ばし操作とが簡単に切換
わり、切粉の除去作業が迅速かつ確実に行なえる
ようになる。

また、ドリル孔内から外部へ吹き飛ばされた切
粉は、フード部材内で直ちに吸引されるから周囲
に飛散することもない。

（実施例） 第２図に示すように、立てフライス盤５には、
ワーク１がセツトされるベツド６の上方に、基枠
７で垂直支持された主軸８が設けられ、該主軸８
のテーパ孔９に、加工用ツールの取付部（テーパ
シヤンク）を嵌合させることにより装着するよう
になつている。

上記主軸８のテーパ孔９に、加工用ツールと交
換して装着される切粉除去具１０は、第３図に詳
細に示すように、主軸８のテーパ孔９に嵌合され
る取付部（テーパシヤンク）１１を上端に有する
除去具本体１２を備え、該除去具本体１２の下部
には上端面が開口した小径軸方向孔１３と、下端
面が開口した大径軸方向孔１４とが上下一連に形
成された筒体１５がボルト１６，…，１６で取付
けられ、該筒体１５の小径軸方向孔１３の上部
は、ねじプラグ１７で閉塞されるとともに、下部
にはピストン状の弁部材１８が嵌合され、該弁部
材１８は、ねじプラグ１７との間に縮装したスプ
リング１９で下方に付勢された状態で弁座２０に
当接して、小径軸方向孔１３と大径軸方向孔１４
との間の連通路２１を閉じている。

この閉じ位置における弁部材１８の側方の筒体
１５の側壁１５ａには、外部の圧縮エア供給ホー
ス２２の一端が接続されるエア供給孔２３が設け
られている。

一方、上記除去具本体１２の筒体１５の大径軸
方向孔１４には、除去ヘツド２６のフード部材２
７の上部が上下摺動可能に嵌合され、該フード部
材２７には、上端の両側面に開口２８ａ，２８ａ
を有する小径軸方向孔２８と、下端面が開口した
大径軸方向孔２９とが上下一連に形成されてい
る。

該フード部材２７の大径軸方向孔２９に対応す
る側壁２７ａには、上記筒体１５の大径軸方向孔
１４に対応する側壁１５ｂに形成した上下方向の
長孔３０を挿通する吸引プラグ３２が取付けら
れ、該吸引プラグ３２には、外部の吸引ホース３
１の一端が接続されている。

上記筒体１５の下端とフード部材２７の下端と
の間にはスプリング３３が縮装され、該スプリン
グ３３によりフード部材２７が下方向（突出方
向）に付勢された状態で吸引プラグ３２が筒体１
５の長孔３０の下端に当て止めることにより、フ
ード部材２７が下降位置に保持される。

該フード部材２７の上端には、上記連通路２１
を遊嵌して上記弁部材１８の下面に当接する突起
部３４が設けられ、フード部材２７の下降位置で
はスプリング１９の付勢力で弁部材１８が弁座２
０に当接して連通路２１を閉じ、フード部材２７
が上昇すると弁部材１８が突起部３４で押し上げ
られて弁座２０から離れ、連通路２１が開かれる
ようにしている。

上記フード部材２７の大径軸方向孔２９の下部
には、大径軸方向孔２９と同内径の長寸さのフー
ド筒３５が螺着され、該フード筒３５の下端には
円周上適当な間隔で空気流入用切欠き３６，…，
３６が形成されている。

上記フード部材２７の大径軸方向孔２９と、フ
ード筒３５内とには、所定の吸引通路３７を形成
して遊嵌されるエア噴出パイプ３８が設けられ、
該エア噴出パイプ３８の上端ねじ部３８ａは、フ
ード部材２７の小径軸方向孔２８の下部に接続さ
れるとともに、エア噴出パイプ３８の下端は、フ
ード筒３５の下端の手前まで伸長して、フード筒
３５の内周に放射状のスペーサ部材３９で固定さ
れる。

なお、第２図に示すように、上記吸引ホース３
１の他端は吸引タンク４０に接続され、圧縮エア
供給ホース２２の他端は、作業場に配管された圧
縮エアライン接続される。

上記のように切粉除去具１０を構成すれば、立
てフライス盤５の主軸８のテーパ孔９に、加工用
ツールと交換して取付部１１を嵌合して装着した
後、除去ヘツド２６のフード筒３５の下端をワー
ク１の上面に接近させた状態で、ベツド６を水平
送りすると、吸引タンク４０の吸引力が、吸引ホ
ース３１、吸引プラグ３２、吸引通路３７を介し
てフード筒３５の下端開口に作用するので、ワー
ク１の上面の切粉が吸引除去されるようになる。

つぎに、フード筒３５の下端開口が、ワーク１
のドリル孔２に対向する位置で、ベツド６を上昇
させると、フード筒３５の下端がワーク１の上面
に当接して、フード筒３５はフード部材２７とと
もにスプリング３３の付勢力に抗して上方向（反
突出方向）に摺動され、突起部３４が弁部材１８
をスプリング３３の付勢力に抗して押し上げるの
で連通路２１が開かれる。

そして、圧縮エアラインの圧縮エアが、圧縮エ
ア供給ホース２２、エア供給孔２３、小径軸方向
孔１３、連通路２１、大径軸方向孔１４、開口２
８ａ，２８ａ、小径軸方向孔２８を介してエア噴
出パイプ３８の下端開口から噴出するようにな
り、ワーク１のドリル孔２内に残つた切粉が圧縮
エアで外部へ吹き飛ばされて除去されるようにな
る。

同時に、圧縮エアで吹き飛ばされた切粉は、フ
ード筒３５でカバーされているので、外部へ飛散
することなく、フード筒３５の吸引作用で迅速に
吸引除去されるようになる。

【図面の簡単な説明】

第１図はドリル孔が加工されたワークの断面
図、第２図は本考案に係る切粉除去具を装着した
立てフライス盤の正面図、第３図は第２図の切粉
除去具の縦断面図である。 ５……立てフライス盤、８……主軸、９……テ
ーパ孔、１０……切粉除去具、１１……取付部、
１２……除去具本体、１３，１４……軸方向孔、
１５……筒体、１８……弁部材、２１……連通
路、２２……圧縮エア供給ホース、２６……除去
ヘツド、２７……フード部材、２８，２９……軸
方向孔、３１……吸引ホース、３３……スプリン
グ、３５……フード筒、３８……エア噴出パイ
プ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 一端面が閉口されかつ他端面が開口した軸方向
   孔が形成され、該軸方向孔に圧縮エア供給ホース
   が接続された除去具本体と、 該除去具本体の軸方向孔に一端が摺動可能に嵌
   合され、他端面が開口した軸方向孔が形成され、
   該軸方向孔に吸引ホースが接続されたフード部材
   と、該フード部材の軸方向孔内に遊嵌支持され、
   一端がフード部材の一端側に取付けられて除去具
   本体の軸方向孔に連通され、他端がフード部材の
   他端面近傍に伸長するエア噴出パイプとでなる除
   去ヘツドとが備えられ、 上記除去具本体とフード部材との間には、フー
   ド部材を突出方向に付勢する弾性部材と、フード
   部材の突出位置で上記除去具本体の圧縮エア連通
   路を閉じる弁部材とが設けられていることを特徴
   とする工作機械の切粉除去装置。