JPH11170104A - 穴明け機の工具清掃装置および清掃方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 穴明け作業の生産性向上を図る。 【解決手段】 製品に多数の穴明けを順次行う穴明け機
の工具清掃装置であって、穴２ａから工具５を引込めた
ときに、それを検出する検出手段６と、圧縮空気源に接
続され、検出手段６からの信号により開閉を行う電磁弁
７と、該電磁弁７に接続され、先端が工具５に向かって
配設されたエアノズル９とを有してなるものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ガスタービンのコ
ンプレッサやタービンのディスク等に穴明け加工を行う
穴明け機に係り、特に自動化された穴明け機の工具の清
掃装置および清掃方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】ジェットエンジンなどのガスタービンの
タービンディスクやコンプレッサディスクは、製品が汎
用旋盤、ＮＣ旋盤、穴明け機など数台の工作機械の間を
順次廻って機械加工されて完成する。製品がこれらの工
作機械にセットされた後の機械加工は自動化されてお
り、作業員は数台の機械を受け持っている。

【０００３】穴明け機は、一般に直立ボール盤が使用さ
れる。すなわち、主軸が垂直になっている立て形ボール
盤で、Ｘ、Ｙ方向に位置調節可能なテーブルまたは旋回
可能なテーブル上に製品をセットし、主軸を上下させて
穴明けを行い、１つの穴明けが完了すると主軸が上昇し
た後テーブルを移動して次の穴明けを行う。テーブルの
移動は自動化されていて、穴明け位置をいちいち作業員
が調節する必要はない。なお、工具は穴明け用のドリル
の他、エンドミル、リーマ、座グリドリル、タップなど
を使用する。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ジェットエンジンで
は、精密な穴明け加工が要求されるが、ドリルやリーマ
などの工具に切粉が付着したまま、次の穴明け加工に入
ると穴面の粗さや穴位置不良のため製品品質に悪影響を
及ぼすことになる。そのため作業員は一穴毎に工具への
切粉の付着の有無を確認し、付着している場合は人手に
よる切粉の除去作業を行っていた。したがって、作業員
の多台、多工程作業の実施が困難で、リードタイムの短
縮、工数削滅、人員削減のボトルネックとなっており、
生産性が上らなかった。

【０００５】本発明は、従来技術の以上述べた問題点に
鑑み案出されたもので、穴明け機の工具の清掃を自動化
することにより、穴明け作業の生産性および安全性の向
上を図ることを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項１記載の発明の穴明け機の工具清掃装置は、
製品に多数の穴明けを順次行う穴明け機の工具清掃装置
であって、穴部から工具を引込んだことを検出する検出
手段と、圧縮空気源に接続され、検出手段からの信号に
より開閉を行う電磁弁と、該電磁弁に接続され、先端が
工具に向かって配設されたエアノルズとを有してなるも
のである。

【０００７】上記検出手段は、リミットスイッチである
のが好ましい。

【０００８】エアーブローしたときの切粉の飛散を防止
する飛散防止手段を上記工具を囲繞して設けるのが好ま
しい。

【０００９】請求項４記載の発明の穴明け機の工具の清
掃方法は、製品に多数の穴明けを順次行う穴明け機の工
具清掃方法であって、穴部から工具を引込んだことを検
出手段により検出し、検出手段から信号を送って、圧縮
空気源に接続された電磁弁を開放して、先端が工具に向
かって配設されたエアノズルから空気を噴射して工具に
付着した切粉を清掃するものである。

【００１０】次に本発明の作用を説明する。以上述べた
ように、１つの穴明けが完了するたびに、エアブローに
より工具を清掃するので、次の穴明け時には、常に工具
は清浄な状態を維持しており穴面が荒れることや穴位置
不良が起らず製品の高い品質が維持される。しかも清掃
は次の穴明けのため製品を載置したテーブルを移動して
いる間に行うので穴明け作業時間が増えることはない。
したがって、穴明け作業の生産性が向上し、清掃のため
の人手が不要になるので、作業員の多台、多工程作業が
可能になり、人員削減が可能になる。

【００１１】

【発明の実施の態様】以下、本発明の１実施態様につい
て図面を参照しつつ説明する。 図１は、本発明の工具
清掃装置を有する穴明け機の部分正面図である。図にお
いて、１は穴明け機である。２はガスタービンのディス
クなどの製品であり、穴明け機により多数の穴明けなど
の加工が施される。３は製品２をセットするテーブルで
あり、Ｘ、Ｙ方向の移動または旋回が可能になってい
る。４は主軸（スピンドル）で図示しないモータにより
回転駆動されるとともに、昇降可能になっている（上昇
位置を一点鎖線で示してある）。５は主軸先端に取り付
けられた工具でありボアードリル、エンドミル、リー
マ、座グリドリルなどを変換して使用する。６はリミッ
トスイッチであり、先端が主軸４とともに昇降するスト
ライカ１４と当接することにより、主軸４が上昇し工具
５を穴２ａから引込めたことを検出する。７は電磁弁で
あり、ミリットスイッチ６から電線１０を通って送られ
る信号を受けて所要時間開放するようになっている。開
放する時間は調節可能になっている。８はエアホースで
あり、電磁弁７と図示しない空気源（コンプレッサな
ど）、電磁弁７とエアノズル９を接続している。エアノ
ズル９は先端の方向および位置などが調節可能に支持さ
れている。１１は、工具５を囲繞するように配設された
飛散防止手段で、内部を透視できるようにアクリル板な
どにより製作されている。飛散防止手段１１により、エ
アノズル９がブローしたときに切粉１３が外部に飛散す
るのを防止する。１２は切粉１３を受ける受皿で、テー
ブル３の下方に設けられている。

【００１２】次に本実施形態の作用を説明する。工具５
による加工が完了すると、主軸４が上昇し、工具５は穴
２ａから引込む。工具５には、切粉１３が付着している
が、付着の仕方は工具の種類や工具の切れ味によって異
なる。主軸４が上昇し上限位置に来ると、ストライカ１
４がリミットスイッチ６を叩き、リミットスイッチ６か
らの信号により所要時間電磁弁９が開きエアノズル９か
らエアブローが行われる。エアノズル９の角度、吹き出
し口の大きさ、エアの圧力は使用する工具毎に最適値が
異るので、繰り返しテストしてに切粉を完全に除去でき
る状況を見出し、一旦セットした後は変更しない。エア
ブローされた切粉１３は、図のように受皿１２上に溜ま
るので、１０〜２０個所加工後まとめて作業員が除去す
る。

【００１３】このように、１つの穴明けが完了するたび
にエアーブローにより工具５を清掃するので、次の穴明
け時には常に工具５は清浄な状態を維持しており、穴２
ａ内面の荒れや穴２ａの位置不良が起らず製品２の高い
品質が維持される。しかも、清掃は次の穴明けのため製
品２を載置したテーブル３を移動している間に行うので
穴明け作業時間全体が増えることはない。したがって、
穴明け作業の生産性が向上し、清掃のための人手が不要
になるので作業員の多台、多工程作業が可能になり、人
員削減が可能になる。

【００１４】本発明は、以上述べた実施形態に限定され
るものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の
変更が可能である。例えば穴明け機は１軸のものについ
て説明したが多軸のものであってもよい。

【００１５】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の穴明け機
の工具清掃装置および清掃方法は、穴明け１回毎に自動
的に工具の清掃を行うので、製品の品質向上と生産性の
向上が可能になるなどの優れた効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の清掃装置を付けた穴明け機の部分正面
図である。

【符号の説明】

１ 穴明け機 ２ 製品 ２ａ 穴 ３ テーブル ５ 工具 ６ リミットスイッチ ７ 電磁弁 ９ エアノズル １１ 飛散防止手段 １３ 切粉

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 製品に多数の穴明けを順次行う穴明け機
   の工具清掃装置であって、穴から工具を引込めたことを
   検出する検出手段と、圧縮空気源に接続され、検出手段
   からの信号により開閉を行う電磁弁と、該電磁弁に接続
   され、先端が工具に向かって配設されたエアノズルとを
   有してなることを特徴とする穴明け機の工具清掃装置。
2. 【請求項２】 前記検出手段は、リミットスイッチであ
   る請求項１記載の穴明け機の工具清掃装置。
3. 【請求項３】 エアブローしたときの切粉の飛散を防止
   する飛散防止手段を前記工具を囲繞して設けた請求項１
   または請求項２記載の穴明け機の工具清掃装置。
4. 【請求項４】 製品に多数の穴明けを順次行う穴明け機
   の工具清掃方法であって、穴から工具を引込めたことを
   検出手段により検出し、検出手段から信号を送って圧縮
   空気源に接続された電磁弁を解放し、先端が工具に向か
   って配設されたエアノズルから空気を噴射して工具に付
   着した切粉を清掃することを特徴とする穴明け機の工具
   清掃方法。