JPH0131187Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈考案の技術分野〉 本考案は洗濯機に係り、殊に洗濯機の上面開口
部を開閉自由に覆う開閉蓋の構造改善に関する。

〈従来技術〉 従来のこの種の開閉蓋は一枚板状の形態をして
おり、洗濯機の使用時にはこの開閉蓋を略垂直に
開いた状態にして洗濯物の出し入れ動作を行なつ
ていた。

ところで、洗濯機の上方に衣類乾燥機を設置す
るときや、棚を据え付けるときには、この乾燥機
や棚に当たらないように開閉蓋を開閉動作させ得
るように設置しなければならない。また、既に棚
等が据え付けてあるスペースに洗濯機を配設する
ときも、特にスペースのうちの高さにおいて制約
がある。

この制約を回避するため、開蓋時での開閉蓋の
高さをできるだけ低く構成すべく、該開閉蓋を折
りたためるように構成したものが既に種々案され
ている。そして、これらは、開閉蓋を２枚の開閉
蓋構成板をピン等の連結部材で連結して形成する
構成であるか、或いは合成樹脂等で折りたたみ部
を薄肉に一体成形した所謂セルフヒンジ構造によ
つて２枚の開閉蓋構成板を連結する構成である。

しかしながら、かかる構成によると、ピン等の
連結部材を用いて連結する場合には、蓋構成板と
該連結用の部材が別部材となるので部品点数及び
組立工数が増加し、部品単価及び組立コストがア
ツプする欠点があり、セルフヒンジ構造で連結す
る場合には、２枚の蓋構成板の相反する方向への
力即ち引き裂く方向への荷重に弱く、また特に冬
期間及び寒冷地域での使用時に円滑に動作しない
欠点がある。さらに、上記いずれの場合にあつて
も、連結部を複数箇所（通常２〜３箇所必要）に
設けないと上方向からの荷重に耐えられず、この
面においての強度も弱く信頼性に劣る欠点があ
る。

〈考案の概要〉 本考案はこのような従来の実情に着目してなさ
れたもので、開閉蓋を折りたたみ自由に構成して
洗濯機の配設スペース上の利点を確保するととも
に、そのために部品点数を増加させてコスト面で
不利を招くことがなく、かつ強度面でも優れる開
閉蓋を提供しようとするものである。

このため、本考案は、開閉蓋を構成する複数の
蓋構成部材を可撓性部材で形成するとともに、こ
の蓋構成部材相互の連結を、一方には連結用支持
軸部を他方には連結用軸受部をそれぞれ一体成形
して、この両連結部材でもつて簡単に行なえる構
成とする。

〈考案の実施例〉 以下、本考案の１実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。

第１図において、１は二槽式洗濯機の本体、２
は洗濯槽の上面開口部を後述する軸９を中心とし
て開閉自在に覆う折りたたみ式の開閉蓋である。

該開閉蓋２を第２図以下の図面を参照して詳述
すると、３，４はそれぞれ開閉蓋２を構成する蓋
構成部材としての前面蓋、後面蓋で、それぞれ図
示のように端部を一側に略90゜折曲したような大
略方形の薄い箱状に一体成形され、その材質は可
撓性に優れる合成樹脂により大略同寸法形状に形
成される。

前記前面蓋３の一側即ち後面蓋４側の側板３ａ
の所定３箇所には、連結用支持軸部としての支持
軸５が軸ホルダー６に片持支持されて当該側板３
ａ端縁と略平行に延設されるとともに、該支持軸
５近傍の側板３ａ端部に図示のように所定長さ
（図中L₂）の切欠部７が設けられる。この切欠部
７は、後述する連結用軸受と前記支持軸５とが嵌
合して後に、係脱方向へ移動したとき前記軸受と
切欠部７端面７ａとが当接することによつて係脱
を防止するストツパー機能を有するとともに、こ
の軸機構が円滑に回動できるように前記連結用軸
受を位置させる連結機構収納用の機能を有する。
尚、３ｂは開閉蓋３開閉用の取手である。

一方、前記後面蓋４の一側即ち前面蓋３側の側
板４ａの前記支持軸５に対応する位置には、該支
持軸５が擢動自由に嵌合される軸穴８ａを備えた
連結用軸受部としての軸受８が、その径方向を前
記側板４ａと略平行に向け所定長さ（図中L₁）
で一体に突出形成される。尚、この長さL₁は前
記切欠き７の長さL₂より僅かに短かく形成され
る。また、９は開閉蓋２を本体１の上面後部に回
動自由に支持する軸である。

次に、前記支持軸５と軸受８とを介しての前面
蓋３と後面蓋４との連結状態及びその組立方法を
説明する。第３図及び第４図は両蓋３，４が回動
自由に連結した状態を示し、その組立は、両蓋
３，４を強制的に押しつけて可撓性に優れる当該
両蓋３，４を弾性変形させつつ支持軸５と軸受８
を嵌合させる。このとき、支持軸５を軸受８に挿
入するに際し、第５図に示すように特に前面蓋側
板３ａの切欠部端面７ａ近傍が変形する。そして
このままさらに支持軸５を挿入すると、第６図に
示すように、最も変形していた側板３ａの切欠部
端面７ａ近傍が軸受８の反開口側の端部で元の状
態に速やかに復元する。かかる復元の状態は第７
図にも示すが、前記側板３ａが復元すると、切欠
部端面７ａが軸受８の反開口側端面８ｂと当接す
るので、前記支持軸５及び軸受８の係脱方向への
動きを制約する。また、切欠部７は支持軸５の基
端部から所定間隙を介して端面同士が接触しない
ように形成されるので、該支持軸５と軸受８との
回動は円滑に行なえる。

以上の構成によると、開閉蓋２を前面蓋３と後
面蓋４の２枚で折りたたみ可能に形成したので、
開蓋時の蓋２の高さを大略半分にでき、このため
洗濯機本体１の上方空間を有効に利用することが
できる。

また、両蓋３，４を合成樹脂によりそれぞれ一
体成形したので、連結部材等も蓋製作時に同時成
形され、それぞれの蓋３，４を連結するための部
材を新たに設ける必要がない。このため、部品点
数が削減されて部品単価を下げられるとともに、
組立コストを低減できる。

また、両蓋３，４を可撓性部材で形成したの
で、その組立を上記したようにワンタツチで容易
に行なえ、組立性が向上し、組立コストの低減を
図れるとともに、連結部材の係脱防止の為のスト
ツパー部材をも必要としない。

また、別部品を用いて両蓋３，４を連結するの
ではなく、一体成形で連結部を形成するので、連
結部の増減を容易に調整でき、開閉蓋２としての
強度の調整も容易に行なえる。

また、局部的に肉厚の薄い箇所を設ける所謂セ
ルフヒンジによる連結方式のものと較べ、引き裂
き方向への荷重に対しても強い。

また、連結部分を円形の支持軸５と軸受８とで
構成したので、回転動作がスムースである。

さらに、開閉蓋２の折りたたみ時即ち開蓋時に
上方に露出する両蓋３，４の側板３ａ，４ａ面が
略面一になり、連結部材としての軸受８及び軸ホ
ルダー６も該面からあまり突出することがないと
ともに同一材質で一体成形されているので、見栄
えが良く意匠性に優れる。

尚、本実施例では、前面蓋３に支持軸５と切欠
部７を設け後面蓋４に軸受８を設ける構成とした
が、これに限らず、逆に設けても良いことは明ら
かである。

また、前面蓋３と後面蓋４の２枚の蓋構成部材
で開閉蓋２を構成したが、これに限るものでない
ことは勿論である。

また、支持軸５の長さを３箇所とも同じにした
が、それぞれ異なるように形成すれば、より組立
作業性を向上できる。

〈考案の効果〉 以上説明したように本考案によれば、洗濯機の
開閉蓋を可撓性の複数の蓋構成部材で形成する一
方、蓋構成部材相互の連結を一方の該部材に一体
成形された連結用支持軸部と他方の該部材に一体
成形された連結用軸受部とによつて行ない、かつ
前記一方の部材に連結用支持軸部とともに連結機
構の動作を円滑に許容しまた連結機構の係脱を防
止する機能を有する切欠部を設けて、蓋構成部材
の連結動作を可撓性部材の弾性変形を利用してワ
ンタツチで行なえるようにするとともに、連結後
に当該蓋構成部材が容易に元の状態に戻るように
し、しかも復元後は連結機構の係脱防止と円滑な
動作をできるように構成したので、洗濯機本体の
上方空間の有効利用を可能ならしめるとともに、
部品点数及び組立工数を減らして作業性の向上及
びコスト低減を図れ、しかも強度も向上して信頼
性の高い開閉蓋を提提供できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案にかかる洗濯機の開閉蓋の１実施
例を示し、第１図は洗濯機本体への装着状態を説
明する斜視図、第２図は開閉蓋の分解斜視図、第
３図は連結状態を説明する斜視図、第４図は第３
図のＡ−Ａ断面図、第５図〜第７図はそれぞれ蓋
構成部材同士の連結状態を説明する要部の拡大図
である。 １……本体、２……開閉蓋、３……前面蓋、３
ａ……側板、４……後面蓋、５……支持軸、７…
…切欠部、７ａ……端面、８……軸受、８ａ……
軸穴、８ｂ……端面、９……軸。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 洗濯機本体上面に、一端部に設けた軸を中心と
   して上方向へ回動自由に装着され、該軸と略平行
   な軸線に沿つて折りたたみ可能に連結した少なく
   とも２以上の蓋構成部材からなる開閉蓋であつ
   て、該それぞれの蓋構成部材を、可撓性部材で形
   成するとともに、隣接する蓋構成部材相互の連結
   端部の一方に、前記軸方向に沿い片持支持される
   連結用支持軸部と、該支持軸部の基端部から先端
   部方向に延び当該支持軸部の係脱防止機能を兼ね
   る所定長さの連結機構収納用切欠部と、を一体成
   形する一方、前記連結端部の他方に、前記連結用
   支持軸部に回動自由に嵌合する連結用軸受部を一
   体成形したことを特徴とする洗濯機の開閉蓋。