JPH01300828A - きのこ培養法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は工業的にきのこを量産しうるきのこ培養法に
関するものである。

〔従来の技術〕

一般に、きのこ類の人工栽培は猾木を用い農家において
零細的に行われているが、現在、工業的生産工程におい
て量産することが考えられている。

例えば、エノキ茸やヒラ茸等では、瓶にきのこ培地を詰
め、これに種菌を接種し培養して工業的に栽培すること
が行われている。しかしながら、このような瓶栽培は、
エノキ茸やヒラ茸のようなきのこには適用できるものの
、ナメコやマイタケ等では瓶の口が狭く、ここからきの
こを採取することができないために通用できない。その
ため、このようなナメコやマイタケ等の人工栽培では、
培養袋を用い、その袋内に培地を詰めきのこ種菌を接種
して袋を密封し、これを培養したのち袋の肩口を破って
培地を取り出しきのこを発生させることが行われている
。

〔発明が解決しようとする問題点〕

しかしながら、このようなきのこ培養袋を用いての人工
栽培においては、菌糸の成長のため培養袋内の空気と外
気との流通性を保った状態で培養袋を密封する必要があ
るため、密封工程に問題がある。すなわち、この種の人
工栽培で、例えば第４図に示すようなポリプロピレンフ
ィルム製の透明な培養袋１を用い、その上部開口をリン
グ状の肩口キャップ２内に通して外側に折り返し、その
状態で、内部にフィルター３を有するキャップ４を、肩
口キャップ２に嵌着して密封し、培養袋１内部に雑菌を
侵入させないようにして培養することが行われている。

この場合、外気は、上記キャップ４に設けられているフ
ィルター３を通り雑菌を除かれて培養袋ｌ内に入るよう
になっている。

しかしながら、このように培養袋１の上部を肩口キャッ
プ２内に入れたのち外側に折り返し、そこにフィルター
３内蔵のキャップ４を嵌着するということは操作が極め
て煩雑であるとともにコストアップとなる。また、上記
の培養袋１に代えて第５図に示すような、袋１の側面に
フィルター３を装着し、その袋１内にきのこ培地５を充
填したのち、上部をシールして密封するという培養袋６
も袋６のコストが高くなり、ひいてはそれが製造される
きのこのコストを上昇させることとなるためやはり好ま
しくない。

そこで、本発明者らは、この発明に先立ち、袋の密封を
安価になしうる培養法として、ポリプロピレン透明袋等
からなる培養袋の上端開口部を一文字状に閉じて折り返
し、その折り返し部をミシンで縫合し開口をミシン糸で
密封する方法を提案した。

この方法は、ミシンによる縫合によって密封および通気
性の双方を同時に達成できるため、安価であり、密封作
業の短縮化も実現できる。しかしながら、この方法にお
いては、ミシンを用いるものであり、ミシンの機械適性
に合わないような形状や大きさの袋には適用することが
できないという難点を有してＧ）る。また、ミシンによ
る縫合は１本のミシン糸を用い連続的に縫い合わせるた
め、縫合部においては一方の開口縁と他方の開口縁が密
着しやすくなる。その結果、ミシン糸も上記両開口縁に
挟まれ両開口縁に密着に近い状態となり袋内の空気と遮
断されやすいことから、袋内の空気と外気との流通性が
充分確保しにくいという問題も生じている。

この発明は、このような事情に鑑みなされたもので、培
養袋の種類を問わず適用でき、かつコストの低減も実現
できるきのこ培養法の提供をその目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

上記の目的を達成するため、この発明は、種菌の植菌さ
れた培地が充填されている培養袋を準備する工程と、上
記培養袋の上端開口より下側の部分に対して袋の左右両
側面に掛け渡すように複数の繊維質短線状材を開口に沿
って所定間隔で貫通させる工程と、上記繊維質短線状材
の貫通のなされた培地充填培養袋を培養雰囲気に入れて
培養する工程を備えるという構成をとる。

〔作用〕

この発明のきのこ培養法は、例えばつぎのようにして培
養を行う。

すなわち、ポリプロピレンフィルム（以下「ＰＰフィル
ム」と略す）等からなる透明なきのこ培養袋を準備する
。つぎに、このきのこ培養袋に、鋸屑、米糠等を混合し
て加水調整されたきのこ培地を充填する。そして、全体
の形を整えたのち、袋の上部を解放したまま加熱滅菌器
に入れて滅菌する。ついで、滅菌の終了後、無菌室に入
れる。

この無菌室内で培地を冷却（３０°Ｃ以下）したのち、
シイタケ、ナメコ、マイタケ等所望のきのこ種菌を接種
する。このようにして、きのこ種菌の接種を終えたもの
に対して袋の上部開口を密封する。この密封は、ポリプ
ロピレンフィルム自体の帯電静電気により、袋の口を一
文字状に閉じると自動的になされる。つぎに、この密封
部の下側を繊維短線状材を用い１個所以上貫通させる。

この状態を第１図に示す。図において、１１はＰＰフィ
ルム袋、１２は密封部、１３は繊維質短線状材である。

上記繊維質短線状材１３としては、綿糸。

合成繊維糸、紙性こより紙や繊維質からなるテープ等が
あげられる。また貫通方法としては、パンチ式貫通方法
、ミシン等を用いた部分縫合等があげられる。これらの
貫通方法は、貫通孔の形成と素材の貫通を同時に行うが
、予め機械的方法゛もしくは手作業によりＰＰフィルム
袋に貫通孔を形成しておき、開口部を封じた後、上記貫
通孔に素材を圧入し貫通させるようにしてもよい。なお
、上記貫通した素材の両端を固定し、貫通した素材が抜
は落ちないようにしてもよい。この固定法は貫通させた
素材の両端に結び目をつけたり、素材の両端を容器に接
着したり、素材の両端を互いに結んだり、両端にクリッ
プやキャップ等をつける等がなされる。また、貫通素材
としてやや長めのものを用い両端を長く垂らすようにし
てもよい。つぎに、上記のようにして処理された培養容
器を、空調はなされているが空気の流動の少ない培養室
内に入れ管理培養する。この容器は上端開口が密封され
ており、内外の通気は上記貫通状態の素材の通気性を利
用して行われる。この場合、上記素材は、繊維間の微細
空隙によって長手方向に通気性を有しているため、空気
中の微小な雑菌等は空気流路となる上記微細空隙を通る
過程で流路の一部に付着し培養容器の内部まで到達しな
い。例えば素材としての糸では、糸を構成する繊維が糸
の長手方向に多数配向していて各繊維間の微細の空隙が
空気流路となるのであり、この流路で雑菌が付着除去さ
れる。したがって、培養容器内には雑菌等の取り除かれ
た清浄な空気のみが到達するようになる。その結果、雑
菌の繁殖によってきのこ種菌が侵される等の事態は全く
生じない。そして、このような純粋培養によって、培地
に菌糸が充分成長する。このように菌糸を充分成長させ
たのち、袋の上部を切り取る等により開口を形成し、そ
こから培地を外に出し、発茸を行い、培地にシイタケ、
ナメコ、マイタケ等を高率で発生させることができる。

なお、上記の説明では、ＰＰフィルム袋の上端開口部を
静電気を利用して密封状態としているがヒートシールの
ように完全に密封してもよいし、特に上記のような密封
処理を行わず素材の貫通のみによって閉じるようにして
もよい。また、素材の貫通の態様は、第１図に限るもの
ではなく、第２図に示すように、素材の両端を貫通させ
０字状になるようにし、これを多列設けるようにしても
よいし、第３図に示すように、一定の間隔をあけて素材
で数ピツチずつ縫ったような状態にしてもよい。

〔発明の効果〕

以上のように、本発明は、きのこ種菌の接種された培地
を培養袋に収容し微細通気路を残して密封し培養するに
際して、微細通気路の形成を、培養袋の開口の下側に繊
維質短素材を貫通させることにより行うものであり、上
記素材の貫通は簡単であることから作業の簡素化を実現
できる。また素材の上記貫通は、ミシン糸のように一方
の開口縁と他方の開口縁とを強固に密着させず密着状態
をゆるくできることから、貫通部の周囲に袋内の空気が
容易に到来するようになり、貫通部を通しての空気の流
通が円滑になされるようになる。また、上記のようにミ
シン縫いに比べ貫通部をより培地に近づけることが可能
になり、空気流通の効果を一層向上させうるようになる
。そのうえ、上記素材の貫通は、ミシン等を用いなくて
できるものであり、ミシン等に掛からない形状の培養容
器にも適用することができる。また、フィルターなど高
価な素材を用いないため、コストの低減を実現できる。

つぎに、実施例について詳しく説明する。

〔実施例１，２、比較例１〜３〕 円筒状に押し出し形成された直径１２ｃｍ、厚み５０μ
の透明プラスチックフィルムを長さ３５ｃｍに切断した
。そして、この円筒フィルムの一端側を、その折り部分
が中央で接触するようにガゼツト折り込みをし、底部を
ヒートシールして密封することにより、透明ポリプロピ
レン製のきのこ培・　養袋をつ（つた。つぎに、このき
のこ培養袋に、鋸屑４重量部（以下「部」と略す）、米
糠１部に加水し含水率を７０％に調整して培地を１　ｋ
ｇ充填した。そして、これを加熱滅菌釜内に、袋の上部
開口を開放したまま入れ、１２０°Ｃにおいて９０分間
保持して滅菌した。ついで、これをクリーンルーム内に
取り出し、同ルーム内において、培地温度が２５°Ｃに
なるまで冷却したのち、シイタケ鋸屑種菌を５ｇ接種（
植菌）し、実施例品については培養袋の上部開口を静電
気またはヒートシールにより封じた。つぎに、後記の第
１表に示すように貫通処理した。

（以下余白） つぎに、上記密封培養袋をクリーンルームから取り出し
、培養室に移した。この培養室は２０〜２５°Ｃ１９０
％湿度に管理されていて床面が清潔に保たれていた。

以上の実施例および比較例における落下菌によるコンタ
ミ数と菌糸成長の状態を検査し、その結果を後記の第２
表に示した。なお、それぞれの実験は３００の培養袋を
用いて行った結果を示している。

上記の表から明らかなように、実施例１．２は、素材を
貫通させるという簡単な方法を採用しているにもかかわ
らず、比較例１．２と略同程度の成績を示しており、好
結果の得られることがわかる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例における素材貫通状態の説
明図、第２図は他の実施例における素材貫通状態の説明
図、第３図はさらに他の実施例における素材貫通状態説
明図、第４図は従来例の説明図、第５図は他の従来例の
説明図である。 １１・・・ポリプロピレンフィルム袋　１２・・・密封
部　１３・・・繊維質短線状素材

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）種菌の植菌された培地が充填されている培養袋を
   準備する工程と、上記培養袋の上端開口より下側の部分
   に対して袋の左右両側面に掛け渡すように複数の繊維質
   短線状材を開口に沿つて所定間隔で貫通させる工程と、
   上記繊維質短線状材の貫通のなされた培地充填培養袋を
   培養雰囲気に入れて培養する工程を備えていることを特
   徴とするきのこ培養法。
2. （２）繊維質短線状材が、短い糸または短いこよりであ
   る請求項（１）記載のきのこ培養法。