JPH0129488Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は太陽熱集熱器に関する。

従来技術とその問題点 従来、太陽熱集熱器としては、周壁および底壁
からなる上方に開口したケーシングと、ケーシン
グの上端開口を塞ぐ透明表板と、ケーシング底壁
の上方に配置された太陽熱集熱板と、太陽熱集熱
板に取付けられた複数の通水管と、ケーシング内
の両端部に配置されかつ通水管の両端に接続され
た２つの管状ヘツダとを備えており、管状ヘツダ
の両端がケーシング周壁を貫通して外部に突出し
たものが用いられていた。ところが、従来の太陽
熱集熱器においては、通水管の熱膨脹、収縮時に
加わる力によつて管状ヘツダがたわみ、次のよう
な問題発生の原因となる。すなわち、管状ヘツダ
がたわむと、冬季の夜間において落水するさい
に、変形部に水が残り、管状ヘツダの凍結破損の
原因となる。また、集熱時には管状ヘツダの変形
部分内に空気溜りができ、集熱効率が低下する。

この考案の目的は、上記問題を解決した太陽熱
集熱器を提供することにある。

問題点を解決するための手段 この考案による太陽熱集熱器は、周壁および底
壁からなる上方に開口したケーシングと、ケーシ
ングの上端開口を塞ぐ透明表板と、ケーシング底
壁の上方に配置された太陽熱集熱板と、太陽熱集
熱板に取付けられた複数の通水管と、ケーシング
内の両端部に配置されかつ通水管の両端に接続さ
れた管状ヘツダとを備えた太陽熱集熱器におい
て、両管状ヘツダのうち少なくとも一方の管状ヘ
ツダが存在する側の周壁内面に管状ヘツダ支持部
材が取付けられ、管状ヘツダ支持部材が、周壁内
面に接する部分と管状ヘツダを入れる上方に開口
した溝とを備えており、管状ヘツダが溝内に入れ
られ、管状ヘツダ支持部材における周壁内面に接
する部分と周壁との間および溝内周面と管状ヘツ
ダとの間のうちの少なくともいずれか一方に断熱
材が介在せしめられているものである。

実施例 以下、この考案の実施例を図面を参照して説明
する。以下の説明において、「アルミニウム」と
いう語には純アルミニウムの他にアルミニウム合
金も含むものとする。

太陽熱集熱器は、上方に開口した箱形でケーシ
ング周壁２およびケーシング底壁３よりなる長方
形状ケーシング１と、これの内部に配されたグラ
スウール製周縁部断熱材４および底部断熱材５
と、底部断熱材５上に配された太陽熱集熱板６
と、太陽熱焦熱板６に取付けられた複数の通水管
７と、ケーシング１内の両端部に配置されかつ通
水管７の両端に接続された管状ヘツダ８と、ケー
シング１の上端開口を塞ぐガラス製透明表板９
と、集熱板６と透明表板９との間に両者６，９間
の中空部を上下２つに区分するように配置された
ガラス製保温用透明板１０と、管状ヘツダ８が存
在する側のケーシング周壁２内面に、長さ方向に
所定間隔をおいて取付けられた２つのアルニウム
押出型材製管状ヘツダ支持部材１１とを備えてい
る。

ケーシング周壁２はアルミニウム押出型材製周
壁本体１３と、本体１３上に載せられたアルミニ
ウム押出型材製透明表板支持部材１４とよりな
る。本体１３は、垂直壁１３ａと、垂直壁１３ａ
の下縁から所定距離上方の部分および下縁に連な
つて内方に水平に突出した上下一対のケーシング
底壁挟着壁１３ｂと、垂直壁１３ａ上縁から所定
距離下方の部分に一体的に設けられた上部内方水
平突出壁１３ｃとを備えている。垂直壁１３ａの
上縁には、上方に開口しかつ長手方向に伸びたタ
ツピング・ビスねじ嵌め溝１５が設けられてい
る。透明表板支持部材１４は、垂直壁１４ａと、
垂直壁１４ａの高さの中央部に一体的に設けられ
た内方水平突出壁１４ｂとよりなる。ケーシング
底壁３は、下面がアルミニウム板３ａに覆われた
発泡ウレタン板からなり、その周縁部がケーシン
グ周壁２の一対の挟着壁１３ｂに挟着されてい
る。周縁部断熱材４は、上側の挟着壁１３ｂより
も上方において、ケーシング周壁２の本体１３の
垂直壁１３ａ内周面に密着して設けられている。
底部断熱材５は、周縁部断熱材４に囲まれて底壁
３上に配置されている。太陽熱集熱板６は、それ
ぞれ１つの下向き凹条６ａを有する複数のアルミ
ニウム押出板が、相互に幅方向に接続されて構成
されたものであり、各凹状６ａにそれぞれ通水管
７が強制的に嵌め込まれている。管状ヘツダ８の
両端はケーシング周壁２を貫通して外部に突出し
ている。ガラス製透明表板９は、透明表板支持部
材１４の内方水平突出壁１４ｂ上に載せられてお
り、その周縁がケーシング周壁２の垂直壁１３ａ
上縁にねじ止めされたアルミニウム押出型材製押
え部材１６により押えられてケーシング周壁２に
固定されている。透明板１０の周縁には横断面略
Ｕ形のパツキン１７が嵌め被せられ、ケーシング
周壁２の上部内方水平突出壁１３ｃ上に載せられ
ている。

管状ヘツダ支持部材１１は、横断面横倒Ｅ形
で、水平壁１１ａと、水平壁１１ａ上面に内外方
向に所定間隔をおいて一体的に設けられかつ周壁
２の垂直壁１３ａと平行となつている３つの立上
り壁１１ｂ，１１ｃ，１１ｄとよりなる。最も内
側の立上り壁１１ｂと真中の立上り壁１１ｃとの
間が管状ヘツダ８を入れる溝１８となつている。
溝１８内周面は、ウレタン樹脂製テープ状断熱材
１９で覆われている。このような管状ヘツダ支持
部材１１は、最も外側の立上り壁１１ｄが、ケー
シング周壁２の垂直壁１３ａ内面にウレタン樹脂
製テープ状断熱材２０を介して密着させられ、ね
じ２１によつて垂直壁１３ａに固定されている。
そして、両管状ヘツダ８がそれぞれ溝１８内に嵌
め入れられている。

このような太陽熱集熱器は、屋根の上等の屋外
において、いずれか一方の管状ヘツダ８が存在す
る側が下に来るようにして傾斜状に配置されて使
用される。

上記実施例においては、管状ヘツダ支持部材１
１は、両管状ヘツダ８が存在する側に設けられて
いるが、これに限るものではなく、いずれか一方
だけに設けられていてもよい。また、上記実施例
においては、管状ヘツダ支持部材１１は、一方の
管状ヘツダ８が存在する側に２つ設けられている
が、これに限らず１または３以上の管状ヘツダ支
持部材が設けられていてもよい。さらに、上記実
施例においては、管状ヘツダ８は、支持部材１１
の溝１８内にゆるく入れられているが、これに限
らず、ヘツダ８の外径を溝１８の幅と等しくして
おき、溝１８の両側面でヘツダ８を挟着するよう
にしてもよい。

考案の効果 この考案の太陽熱集熱器によれば、両管状ヘツ
ダのうち少なくとも一方の管状ヘツダが存在する
側の周壁内面に管状ヘツダ支持部材が取付けら
れ、管状ヘツダ支持部材が、周壁内面に接する部
分と管状ヘツダを入れる上方に開口した溝とを備
えており、管状ヘツダが溝内に入れられ、管状ヘ
ツダ支持部材における周壁内面に接する部分と周
壁との間および溝内周面と管状ヘツダとの間のう
ちの少なくともいずれか一方に断熱材が介在せし
められているので、通水管の熱膨脹時および収縮
時における管状ヘツダの変形が、ヘツダ支持部材
によつて抑制される。したがつて、管状ヘツダの
変形により生じる問題の発生が防止される。さら
に、断熱材によつて管状ヘツダとケーシング周壁
との間が断熱されるので、管状ヘツダ内を通る加
熱された水の有する熱が、ケーシング周壁を通し
て外部に逃げるのが防止される。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の実施例を示し、第１図は一部
を切欠いた平面図、第２図は第１図の−線に
そう拡大断面図である。 １……ケーシング、２……ケーシング周壁、３
……ケーシング底壁、６……太陽熱集熱板、７…
…通水管、８……管状ヘツダ、９……透明表板、
１１……管状ヘツダ支持部材、１８……溝、１
９，２０……断熱材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 周壁および底壁からなる上方に開口したケーシ
   ングと、ケーシングの上端開口を塞ぐ透明表板
   と、ケーシング底壁の上方に配置された太陽熱集
   熱板と、太陽熱集熱板に取付けられた複数の通水
   管と、ケーシング内の両端部に配置されかつ通水
   管の両端に接続された管状ヘツダとを備えた太陽
   熱集熱器において、両管状ヘツダのうち少なくと
   も一方の管状ヘツダが存在する側の周壁内面に管
   状ヘツダ支持部材が取付けられ、管状ヘツダ支持
   部材が、周壁内面に接する部分と管状ヘツダを入
   れる上方に開口した溝とを備えており、管状ヘツ
   ダが溝内に入れられ、管状ヘツダ支持部材におけ
   る周壁内面に接する部分と周壁との間および溝内
   周面と管状ヘツダとの間のうちの少なくともいず
   れか一方に断熱材が介在せしめられている太陽熱
   集熱器。