JPH0128857Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は被塗装物の自動塗装を行う塗装用レ
シプロケータに関する。

第１図は従来の塗装用レシプロケータの構成例
を示す図である。この図において、符号１は上下
方向ガイドレールであり、このガイドレール１に
は軸受け２を介して塗装ユニツト３が上下動自在
に取付けられている。塗装ユニツト３は被塗装物
４の塗装を行うもので、塗装ガン５と、この塗装
ガン５を回動（首振り）させる油圧あるいは空気
圧駆動のロータリアクチユエータ６とを有して構
成される。７はスプロケツト８，９間に張設され
たチエーンであり、その右側走行部に前述した軸
受け２が固定され、また、左側走行部に塗装ユニ
ツト３と同一重量のカウンタウエイト１０が固定
されている。そして、スプロケツト９が油圧ある
いは電動モータ１１によつて駆動される。

ところで、上述した従来の塗装用レシプロケー
タにおいては、塗装ガンの首振りを行うロータリ
アクチユエータ６が塗装ユニツト３に取付けら
れ、塗装ガン５と共に上下動を行うようになつて
いるため、次の様な問題があつた。

ロータリアクチユエータ６へ空気圧または油
圧を供給する配管が上下動するため、この配管
の処理がむずかしい。

ロータリアクチユエータ６およびその配管に
よつて塗装ユニツト３の全体重量が大きくな
り、このため、塗装ユニツト３を上下動させる
機構を強固にする必要があると共に、大きな駆
動動力（モータ１１の動力）を必要とする。

塗装ユニツト３の形状が大きくなる。

そこでこの考案は上下動をする配管を設ける必
要がなく、かつ、塗装ユニツトを小型、軽量にす
ることができる塗装用レシプロケータを提供する
もので、塗装ガンを支持する支持部材に塗装ガン
を回動させる軽量の回動機構を設け、また、上記
支持部材の往復運動に対し同一運動あるいは相対
運動をする移動部材を前記支持部材の移動ルート
に平行に設け、前記回動機構を前記移動部材によ
つて駆動するようにしたものである。

以下、図面を参照しこの考案の一実施例につい
て説明する。第２図はこの考案による塗装用レシ
プロケータの要部の構成を示す正面図である。こ
の図において、１は上下方向ガイドレールであ
り、このガイドレール１には支持金具１３が軸受
け（図示略）を介して上下動自在に取付けられて
いる。この支持金具１３の右側面にはアーム１４
が取付けられ、このアーム１４の先端部に手首１
５の一端が軸１５ａを中心として回動自在に取付
けられ、手首１５の他端に塗装ガン１６が取付け
られている。上述した軸１５ａにはスプロケツト
１７が取付けられ、また、支持金具１３の左側部
にスプロケツト１７と同一のスプロケツト１８が
回動自在に取付けられ、これらのスプロケツト１
７，１８間にチエーン１９が張設されている。こ
こで、支持金具１３およびアーム１４が手首１５
および塗装ガン１６を支持する支持部材２０を構
成し、また、スプロケツト１７，１８およびチエ
ーン１９が塗装ガン１６を回動させる回動機構２
１を構成し、また、上述した構成要素１５，１
６，２０および２１が塗装ユニツト２２を構成し
ている。

前記ガイドレール１の上端部および下端部の各
左方には各々スプロケツト２３および２４が回動
自在に設けられ、これらのスプロケツト２３，２
４間にチエーン２５が張設されている。この場
合、スプロケツト２３，２４は各々、チエーン２
５がガイドレール１に対し平行に走行するように
配置され、また、チエーン２５の右側走行部２５
ａが支持金具１３に設けられた固定金具２６に固
定されている。そして、スプロケツト２４が油
圧、空気圧あるいは電気式モータ２７によつて正
逆両方向に回転駆動される。

上記スプロケツト２３，２４の各左方、かつ、
わずか後方には各々スプロケツト２９，３０が回
動自在に設けられ、これらのスプロケツト２９，
３０間にチエーン３１（移動部材）が張設されて
いる。この場合、スプロケツト２９，３０は
各々、チエーン３１の右側走行部３１ａが、チエ
ーン２５の右側および左側走行部２５ａ，２５ｂ
の略中央部後方をチエーン２５と平行に走行する
ように配置されている。また、前述したスプロケ
ツト１８はこのチエーン３１の右側走行部３１ａ
に噛合している。なお、スプロケツト２３，２
４，２９，３０は各々同一規格のスプロケツトで
あり、また、チエーン２５，３１も各々同一規格
のチエーンである。

スプロケツト２９，３１の上方には一端が固定
された空気圧または油圧シリンダ３３が設置さ
れ、このシリンダ３３のピストンロツド３３ａが
スプロケツト２３，２９の間隙を通して配置さ
れ、このピストンロツド３３ａの先端にスプロケ
ツト３４が、チエーン２５の左側走行部２５ｂお
よびチエーン３１の右側走行部３１ａに各々噛合
する状態で、回動自在に取付けられている。

以上の構成において、シリンダ３３のピストン
３３ｂを固定し、モータ２７によつてスプロケツ
ト２４を反時計廻りに回動させると、チエーン２
５の右側走行部２５ａが上方に移動する。一方、
チエーン２５の左側走行部２５ｂは下方へ移動
し、これによりスプロケツト３４が反時計廻りに
回動し、この回動によりチエーン３１の右側走行
部３１ａがチエーン２５の右側走行部２５ａと同
一速度で上方へ移動する。同様に、ピストン３３
ｂを固定した状態でスプロケツト２４を時計廻り
に回動させると、チエーン２５の右側走行部２５
ａおよびチエーン３１の右側走行部３１ａが各々
等速度で下方へ移動する。すなわち、ピストン３
３ｂを固定した状態でスプロケツト２４を回動さ
せると、チエーン２５の右側走行部２５ａに固定
された支持金具１３とチエーン３１の右側走行部
３１ａとが等速度で同一方向に平行移動し、この
結果スプロケツト１８が回動せず、塗装ガン１６
の首振りは行われない。

次に、スプロケツト２４が反時計廻りに回動し
つつある状態において、ピストン３３ｂを上方へ
移動させると、スプロケツト３４がピストン３３
ｂの停止時より速く反時計廻りに回動し、この結
果、チエーン３１の右側走行部３１ａがチエーン
２５の右側走行部２５ａの上昇速度より高速で上
昇する。これにより、スプロケツト１８が時計廻
りに回動し、したがつてスプロケツト１７が時計
廻りに回動し、塗装ガン１６が下方へ回動する。
一方、スプロケツト２４が反時計廻りに回動して
いる状態において、ピストン３３ｂを下方へ移動
させると、スプロケツト３４がピストン３３ｂの
停止時より遅い速度で反時計廻りに回動し、この
結果、チエーン３１の右側走行部３１ａがチエー
ン２５の右側走行部２５ａより遅い速度で上昇す
る。これにより、スプロケツト１８が反時計廻り
に回動し、塗装ガン１６が上方へ回動する。な
お、ピストン３３ｂの下降速度がより大きい場合
は、スプロケツト３４の回転が停止し、あるいは
逆転（時計廻りに回転）する場合も生じるが、こ
れらの場合においても塗装ガン１６が上方へ回動
することは上述した場合と同じである。

このように、スプロケツト２４が反時計廻りに
回動している状態においてピストン３３ｂを上下
に駆動すると、この上下動に対応して塗装ガン１
６が下方および上方へ回動される。すなわち、塗
装ガン１６の首振りが行われる。同様に、スプロ
ケツト２４が時計廻りに回動している状態におい
てピストン３３ｂを上下に駆動すると、この上下
動に対応して塗装ガン１６が上方および下方へ回
動される。また、スプロケツト２４が停止してい
る状態においても同様にして塗装ガン１６の首振
りを行うことができる。

以上説明したように、この考案によれば塗装ガ
ンを支持する支持部材に塗装ガンを回動させる軽
量の回動機構を設け、また、上記支持部材の往復
運動に対し同一運動あるいは相対運動をする移動
部材を前記支持部材の移動ルートに平行に設け、
前記回動機構を前記移動部材によつて駆動するよ
うにしたので、往復運動をする塗装ユニツトにロ
ータリアクチユエータ等、塗装ガンの首振りを行
わせるための駆動手段を設ける必要がなく、この
結果、移動する配管を設ける必要がない利点が得
られると共に、塗装ユニツトを小型、軽量とする
ことができる利点が得られ、さらに、塗装ユニツ
トの駆動動力を軽減し得る利点も得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の塗装用レシプロケータの構成を
示す概略構成図、第２図はこの考案の一実施例の
構成を示す正面図である。 １６……塗装ガン、２０……支持部材、２１…
…回動機構、３１……チエーン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 塗装ガンを支持する支持部材を往復運動させて
   被塗装物に自動的に塗装を行う塗装用レシプロケ
   ータにおいて、前記支持部材に前記塗装ガンを回
   動させる回動機構を設け、また、前記支持部材の
   往復運動に対し同一運動あるいは相対運動をする
   移動部材を前記支持部材の移動ルートに平行に設
   け、前記回動機構を前記移動部材によつて駆動し
   てなる塗装用レシプロケータ。