JPH0128825Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は回転する円卓上に供給された粒塊状物
を複数個のローラ又はボール等で圧潰粉砕する粉
砕装置に関するもので、ローラミル、ボールレー
スミル等に応用できる。

第１図及び第２図は従来の粒塊状物粉砕装置を
示す。先ず第１図及び第２図によりセメント原料
を乾燥粉砕する場合について説明すると、同装置
は駆動装置１によつて水平面内に回転する円卓２
上に、上方に拡がる粉砕乾燥室３及び同室３にセ
メント原料を供給するシユート４、同室３内で前
記円卓２上に供給されたセメント原料層を押付
け、同円卓２の回転に伴ない摩擦で回転する数個
のローラ５、同ローラ５を支承し粉砕乾燥室３の
ケーシング６を貫通する軸７が配設され、円卓２
の周囲にはケーシング６との間に通風及び粗粒の
落下の容易な環状の開口部８、同開口部直下に位
置する排出路９、開口部８にガスを供給するため
の熱風室１０が設けられている。

また粉砕乾燥室３の上方には円卓２と同心状に
モータ（図示せず）によつて駆動される回転翼１
１、並に上方の微粉含有ガス排出口１２を備えた
空気分級機１３が配設されている。その他前記破
砕物排出路９に連がる機械式コンベヤ１４、更に
排出された粗粒を前記供給シユート４に輸送する
バケツトエレベータ１５が付設されている。

さて焼成装置サスペンシヨンプレヒータ（図示
せず）の排ガス等の熱風は、誘引フアン（図示せ
ず）によつて熱風室１０、開口部８を通つて粉砕
乾燥室３に噴出し、円卓２の回転によつて生じた
遠心力により、開口部８に移動して来た破砕物の
うち比較的細かい粒子のみを上方へ吹飛ばし、そ
れを同伴して空気分級機１３にまで導き、同機の
回転翼１１により旋回流を形成し、粗粉を分離し
て頂部中心微粉含有ガス排出口１２よりミル外に
排出する。

一方セメント原料供給シユート４より円卓２に
供給されたセメント原料は、同円卓２の回転に伴
つて生ずる遠心力により周囲に拡げられる。この
間ローラ５の下方に押付けられる力によつて、前
記円卓２との間に挟まれたセメント原料は圧潰粉
砕される。また開口部８での上昇風速は10〜25
ｍ／ｓに設定されるので、開口部８まで移動して
来た破砕物のうち、比較的細かい粒子は、ガス噴
流によつて吹飛ばされて一部は空気分級機に導か
れ、残りは円卓２に吹戻される。

また開口部８にて吹飛ばされなかつた比較的粗
い粒子は、同開口部８より落下し、破砕物排出路
９を通つて機械式コンベヤ１４、バケツトエレベ
ータ１５によつて供給され、供給シユート４に導
かれる。また空気分級機１３まで導かれた粉体
は、回転翼１１によつて叩かれ遠心力を与えられ
て粗粉は周壁に飛ばされ、壁面に沿つて落下して
円卓２上に戻される。一方回転翼１１を潜通した
微粉は、上方の微粉含有ガス排出口１２から排出
され、捕集器（図示せず）に製品として捕集され
る。

しかしながら前記従来装置において、開口部８
は円卓２上の破砕物が溢流して来るため非常に粉
体の濃度が高い。このため開口部８の圧損は大き
く、ミル全体（熱風室１０からガス排出口１２ま
で）の圧損の50％以上を占める。更に開口部８の
圧損の内訳は、粉体の負荷によるものが80％以上
を占め、ガスによるものは20％以下であり、粉体
による通気抵抗が非常に大きい。

ところでセメント原料の水分は、通常年間を通
じて数％変化する（一部地域では雨期で８％、乾
期で３％と大きく変化するところもある）が、通
常ミルの入口温度は変らないので、乾燥のために
は水分に応じて熱風量を調整しなければならな
い。また開口部８での上昇風速は、粉砕及び分級
操作上、ある風速（10〜25ｍ／ｓ程度）以上必要
であり、開口部８の開口面積は、原料の水分の最
も低い時（熱風量が最も少ない時）を想定して決
定しなければならない。従つて原料の水分が増加
して熱風量を増加する必要が生じた場合、開口部
８の上昇風速が大きくなるため、それに応じて開
口部８の圧損も著しく大きくなる欠点があつた。

本考案は前記従来の欠点を解消すると共に、乾
燥の能力を損うことなく、ミル通風量の変更に伴
う通風動力の増加を押えることを目的とするもの
である。

この目的を達成するために本考案は、粉砕装置
において、円卓周囲と機壁との空間を筒状の隔壁
によりガスのみの通路と、ガスと破砕物の通路に
２分すると共に、同ガスのみの通路に風量調節機
構を設けてなる粉砕装置を提供せんとするもので
ある。

以下本考案の実施例を図面について説明する
と、第３図及び第４図は本考案の実施例を示し、
図中円卓２、ローラ５、ケーシング６は第１図及
び第２図に示すものと同一であり、また図示しな
い部分も第１図及び第２図に示すものと同じ部材
が用いられている。

さて第３図及び第４図において、３０は仕切環
で開口部８を内外の開口部８ａと８ｂに分割し、
円卓２から遠心力により飛出した破砕物が外側開
口部に入らないように配設される（高さ方向が一
定の巾を有する）。３１は内外開口部の風量の分
配を調節するダンパで、その支持棒３２を回転さ
せてダンパの開度を調節するようになつている。
３３は仕切環３０をミルケーシング６に固定する
ためのリブである。なお、第４図の点線矢印は熱
風の流れ、実線の矢印は破砕物の流れを示す。

次に作用を説明すると、熱風室１０から入つた
熱風は開口部８ａ，８ｂを通つて上昇するが、そ
の配分はダンパ３１の開度により調節する。円卓
２より溢流した破砕物は仕切壁３０によつて遮ぎ
られており、それにより外側へは飛出さず、開口
部８ａを上昇する熱風にさらされる。ここで比較
的細かい粒子は、ガス噴流によつて吹飛ばされ、
その一部は円卓２の上方に位置する（第１図と同
じ）空気分級機へ導かれ、残りは円卓２上に吹戻
される。一方吹飛ばされなかつた比較的粗い粒子
は、開口部８ａより落下して破砕物排出路（第１
図と同じ）へ導かれる。また他の作用は第１図の
場合も同一である。

以上詳細に説明した如く本考案は、開口部をガ
スのみの通路と、ガスと破砕物の通路に２分して
あるので、原料の水分が増加して熱風量を増やす
必要が生じた場合、ダンパを開けて増加する分の
熱風をダスト負荷のない開口部を通し、ガスと破
砕物用の開口部を通る熱風量は、熱風を増加する
前と同じになるように調節すれば、開口部の圧損
を熱風の増加前とほぼ同程度に維持したままで、
熱風量を増加させることができる。従つて乾燥の
能力を損うことなく、開口部の圧損の上昇を押え
ることができ、熱風の増加に伴うミル通風動力の
増加を最小限に押えることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の粒塊状物粉砕装置の１部切截正
面図、第２図は第１図の〜断面図、第３図は
本考案の実施例を示す粉砕装置の１部の平面断面
図、第４図は第３図の〜断面図である。 図の主要部分の説明、２……円卓、５……ロー
ラ、６……ケーシング（機壁）、８……開口部、
８ａ……開口部（ガスと破砕物の通路）、８ｂ…
…開口部（ガスのみの通路）、１２……微粉含有
ガス排出口、１３……空気分級機、１５……バケ
ツトエレベータ、３０……仕切環（筒状の隔壁）、
３１……ダンパ（風量調節機構）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 回転する円卓上に供給される固体物質をローラ
   あるいはボールで圧潰粉砕し、同円卓周囲より上
   方へ噴出させるガスによつて生成する微粉を、同
   円卓上方に設けられた空気分級機に空気搬送して
   所望粒度の製品を系外に取出し、かつ同円卓周囲
   より落下する固体物質を機械式輸送機で同円卓上
   に戻すように構成された粉砕装置において、前記
   円卓周囲と機壁との空間を筒状の隔壁によりガス
   のみの通路と、ガスと破砕物の通路に２分すると
   共に、同ガスのみの通路に風量調節機構を設けた
   ことを特徴とする粉砕装置。