JPH0128447B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、断路位置において２つの電位間の断
路区間を限界づける２つの電界緩和電極と投入過
程においてこの断路区間を貫通して動くことので
きる可動接触子とを有し、この可動接触子を同心
的に囲繞する電界緩和電極が、投入過程において
両方の電界緩和電極の間の電界を助長する中間位
置へこの可動接触子といつしよに動くことのでき
る金属カプセル形圧縮ガス絶縁高電圧開閉装置に
関する。

ドイツ連邦共和国特許出願公開第2711166号明
細書（対応日本出願：特開昭52−111672号）か
ら、電界緩和電極によつて同心的に囲繞されてい
る接触子を有し、金属カプセルに収納されかつ圧
縮ガス絶縁されている接地開閉装置が公知であ
る。この電界緩和電極は、投入過程において可動
接触子と同じ方向に動かされ、かつ位置の固定し
た対向接触子に接近した位置へ移される。それに
よつて公知の高電圧開閉器においては閃絡距離が
減少させられる。

第５図はその構成を示すもので、六フツ化イオ
ウガスが充たされている金属カプセル２２の中に
封入されている接地スイツチ２０は可動接触子２
４を有する。この可動接触子２４は、投入位置で
は母線２８の端部２７にとりつけられている固定
接点２６に枢着する。可動接触子２４はばね４０
によつて開放位置へ付勢されている。母線２８の
端部２７とスイツチ２０の固定接点２６とは固定
電界緩和電極４８によつて囲まれている。この電
界緩和電極４８は絶縁流体内の電圧分布を最適に
する。可動接触子２４はフランジ４１の中間に設
けられている案内穴２０の中を動き、摺動接点５
２を介してフランジ４４に接続され接地される。
導電材料で作られた可動電界緩和電極５４は、可
動接触子２４と同軸状に配設されて距離ｄだけ同
軸状に動くことができる。この距離ｄはストツパ
５６，５８で決められ、ロツド６０，６２はフラ
ンジ４４の穴６４，６６の中を摺動する。電界緩
和電極５４は可動接触子２４と摩擦結合するよう
に、可動接触子２４の弾力的に囲む中央スリープ
６８を有する。開放位置（図の実線で示す状態）
では電界緩和電極５４と、可動接触子２４は引き
込められた位置にある。この投入動作の第１段階
では、可動接触子２４は摩擦により電界緩和電極
５４をストツパ５６，５８で決められる距離ｄだ
け動かす。この中間位置では、アース電位である
可動電界緩和電極５４と、変電装置の定格電圧に
なつている固定電界緩和電極４８との間、および
接点２４と２６との間には絶縁破壊は起こらな
い。可動接触子２４が矢印Ｆの向きに更に動き続
けると、電界緩和電極５４は停止し、可動接触子
２４と固定接点２６の間にアークが発生しはじめ
る。この時には電界緩和電極５４は、アークの点
弧時点に遅らせる誘電偏向体として機能し、その
ためにアークの接続時間が短縮される。

ところで、約４cm／secの速度で緩慢に開閉す
る高電圧開閉器具たとえば断路器においては、可
動接触子は一般に電動駆動装置によつて操作され
る。その場合、投入時間は定格電圧に関係する断
路区間の大きさによつて５ないし10秒の間の値に
なる。この種の断路器の投入のさいには、電圧を
加えられた状態で断路器が開閉される場合にはつ
ねに、すぐあとに小さい電流値のアークを伴う先
行閃絡が生ずる。その場合には先行アークの点弧
時間は事情によつては数秒になる。

245kV以下の電圧に適した断路器の公知の構成
例においては、とくに金属カプセルに収納された
装置の消弧媒体および絶縁媒体として使用される
六弗化硫黄の中における閃絡長さは、点弧の間ア
ークの転移運動が促進されるほど大きくないが、
245kVより高い電圧用の断路器においては、一層
長い断路区間であるためアークの先行閃絡長が大
きく、したがつてアークは、点弧の間に発生個所
から転移して本装置の接地されたカプセルにつな
がるという危険が存在する。

一方、断路器開放のさいには、断路動作の間に
たとえば接続される送電線とくにケーブルにおい
て避けることのできない電荷に起因して、同じよ
うに転移する可能性のあるアークが発生するおそ
れがある。アークが発生個所から転移して本装置
の接地されたカプセルにつながると、そのさい発
生する地絡に起因して本装置の一部が破壊される
危険が存在する。しかしながら、上記公知の装置
における電界緩和電極の運動は可動接触子による
摩擦によつて生ぜしめられる。したがつて、固定
されたストツパの間において電界緩和電極は可動
接触子の運動に対して自由に動きうることによつ
て、接地開閉器の開放のさいに、この電極は断路
過程の初期から可動接触子とともに随行させられ
る。

すなわち、電界緩和電極５４は可動接触子２４
に摩擦によつて係合しているため、可動接触子が
固定接点２６を離れると同時に後退を始め、電界
緩和電極間の電界を助長するための間隔はすぐに
開いてしまう。するとアークの発生が抑制され
ず、アークの先行閃絡長さは大きくなり、アーク
が接地されたカプセルに転移する虞れがある。

本発明の目的は、投入および断路過程において
アークの転移が避けられる前記の種類の金属カプ
セルに収納されかつ圧縮ガス絶縁された高電圧開
閉装置とくに断路器を得ることである。

この目的は本発明によれば、可動接触子とこれ
に対応する電界緩和電極とにそれぞれ連結された
連結バーを、角度を固定して互いに結合されたク
ランクにそれぞれ関節結合させ、これらのクラン
クを共通の回転軸に取付けることにより、投入お
よび断路過程において可動接触子とその電界緩和
電極との運動経過を強制的に制御することによつ
て達成される。

本発明を使用することによつて、電界緩和電極
の運動が、投入過程ならびに断路過程において一
義的に、かつ温度上昇、摩耗および製作公差に無
関係に行われるよう保証されている。さらに電界
緩和電極の強制制御によつて開閉過程においても
電界緩和電極の間の有利な電界が得られている。
比較的小さい長さに延ばされたアークは２つの電
極の間で点弧するが、この電極の相互間隔は、カ
プセルの直径に関連して、電極間の電界がアーク
に強力な影響を及ぼししかも一方ではセプセルに
制御される電界の影響を同じように小さく維持さ
れるように決めることができる。角度を固定して
互いに結合されたクランクに連結バーを関節結合
し、これらのクランクを共通の回転軸に一定の角
度で取付けることにより、それぞれの連結バーを
それぞれ接触子あるいは電界緩和電極に直接連結
することができる。それによつて開閉動作初期に
始まる電界緩和電極と接触子との間の相対運動が
生ずる。したがつて、断路過程ならびに投入過程
として両方の電界緩和電極間の空間を接触子が貫
通することを、可動の電界緩和電極が特定の中間
位置に到達するまで防止することが可能となる
が、連結棒を介して可動接触子用の連結バーを可
動接触子に連結し、連結バーと連結棒との間の回
転支持部を位置の固定された曲がつた案内レール
中で案内することによりその調整がより容易とな
る。

本発明による、断路器として構成された金属カ
プセル形圧縮ガス絶縁高電圧開閉装置の２つの実
施例を図面により以下に説明する。

第１図に示された高電圧断路器は、金属カプセ
ルに収納された圧縮ガス絶縁された主として
245kVを越える定格電圧の高電圧開閉装置用とし
て設計されたものである。この高電圧断路器は、
金属製でかつ普通接地電位におかれる外側の筒状
のカプセル１を有する。カプセル１は内部空間２
にたとえば5bar以下の圧力のガス状絶縁媒体と
くに六弗化硫黄を内蔵している。内部空間２には
高電圧断路器の接触装置と駆動装置の主要部分と
が設けられている。この高電圧断路器は固定接触
子３を有し、この固定接触子が可動接触子４と共
同動作する。固定接触子３は電界緩和電極５によ
つて囲繞されている。

接触子４は支持筒６の内部に延びている。この
接触子４は電界緩和電極７によつて囲繞されてい
る。接触子４は連結バー８に結合されており、こ
の連結バーは回転支持部９を介してクランク１０
に結合されている。このクランク１０は駆動軸１
１に回転しないように取付けられており、この駆
動軸１１には別のクランク１２が一定の角度で取
付けられている。

クランク１２には、回転支持部１３を介して第
２の連結バー１４が結合されており、この連結バ
ーが棒１５を操作する。棒１５は、第２図に示さ
れているように電極７を駆動する。

高電圧断路器の接触装置が実線で示した断路位
置から点線で示した投入位置に動かされると、ク
ランク１０とクランク１２とは軸１１とともに
180度だけ回転し始める。それによつて可動接触
子４を固定接触子３に嵌まり込ませ、かつ同時に
電界緩和電極７を変位せしめる。電界緩和電極７
が電極５に近い位置へ移されている間は接触子４
はまだ元の位置にとどまつている。このようにし
て電極５および７の間の電界は、接触子４の先端
によつてまだ乱されていない。外部の金属カプセ
ル１によつて生ずる電界の影響は、接触子４がつ
づいて電極５および７の間の空間を貫通すると、
この接近した電極位置においては比較的小さいま
まである。おそらく発生するアークが、接地され
たカプセル１の電界によつて影響を受ける可能性
はない。断路運動の間、動作はそれに応じて行な
われる。

一方、断路器の開放時には、クランク１０とク
ランク１２とは軸１１とともに投入時とは逆方向
に回転し始める。すると、固定接触子３に嵌合し
ていた可動接触子４はすぐに後退を始めるが、ク
ランクにはまだ下方にあるため電界緩和電極７は
まだ元の位置にとどまつている。このため、固定
接触子３がアークを誘引しても電界緩和電極７に
よる電界がその成長を抑制するため、その先行閃
絡は大きくならない。

可動接触子４を案内するために案内棒１６が設
けられており、この案内棒は支持筒６の内部にお
いて軸線に平行に設けられている。さらに第２図
における同じ部分に同じ符号がつけられている。
第２図は付加的に軸１１の駆動がいし１７をも示
す。

第３図および第４図に示される実施例において
は、第１図および第２図と同じ部分は同じ符号で
示されている。この実施例と前記の実施例との相
違は、回転支持部９が位置の固定された曲がつた
案内片１８中を走り、したがつて投入および断路
過程において異なつた制御をされた可動接触子４
の運動が得られる。位置の固定された曲がつた案
内レール１８をもつこの実施例には、クランク１
０および連結バー８のほかに可動接触子４の運動
のための連結棒８ａが必要である。

【図面の簡単な説明】

第１図は金属カプセル形圧縮ガス絶縁高電圧開
閉装置用の高電圧断路器の概略断面図、第２図は
第１図に関係する側面図、第３図は本発明による
高電圧断路器の異なつた実施例の概略断面図、第
４図は第３図に関係する側面図、第５図は従来の
構成を示す概略断面図である。 ４……可動接触子、５，７……電界緩和電極、
８，１４……連結バー、８ａ……連結棒、９……
回転支持部、１０，１２……クランク、１１……
回転軸、１８……案内レール。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 断路位置において２つの電位間の断路区間を
   限界づける２つの電界緩和電極と、投入過程にお
   いてこの断路区間を貫通して動くことにできる可
   動接触子とを有し、この可動接触子を同心的に囲
   繞する電界緩和電極が投入過程において両方の電
   界緩和電極の中間位置へこの可動接触子とともに
   動くことができるようにしたものにおいて、可動
   接触子とこれに対応する電界緩和電極とにそれぞ
   れ連結された連結バーが角度をほぼ90゜に固定し
   て互いに結合されたクランクにそれぞれ関節結合
   されており、これらのクランクが共通の回転軸に
   取付けられるとともに前記の連結バーとクランク
   とが関節結合される結合点が断路及び投入位置に
   おいて前記可動接触子の軸線を挟んでそれぞれ反
   対側にあることを特徴とする金属カプセル形圧縮
   ガス絶縁高電圧開閉装置。 ２ 特許請求の範囲第１項に記載の高電圧開閉装
   置において、連結バーがそれぞれ可動接触子ある
   いはその電界緩和電極に直接連結されていること
   を特徴とする金属カプセル形圧縮ガス絶縁高電圧
   開閉装置。 ３ 特許請求の範囲第１項に記載の高電圧開閉装
   置において、可動接触子の連結バーが連結棒を介
   してこの可動接触子に連結されており、連結バー
   と連結棒との間の回転支持部が位置が固定された
   曲がつた案内レールで案内されることを特徴とす
   る金属カプセル形圧縮ガス絶縁高電圧開閉装置。