JPH0128234B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はうず巻ポンプ、特に流動媒体のポンプ
作用に用いる遠心ポンプの羽根車に関する。更に
正確には本発明は所謂単一翼形の羽根車に関し、
この単一翼形とは羽根車が単一の翼を具備し、こ
の翼が羽根車の周りに部分的に又は全体的にらせ
ん形に巡りかつ該羽根車の周りを１回以上巡つて
いることを意味するものである。上記の翼によつ
て形成される通路は羽根車の一部分をなすカバー
板によつて軸方向に制限されるか又は囲撓形のポ
ンプ筐体によつて制限されている。

上述した形式のポンプ羽根車は主に固体を含有
した液体、例えば下水の吸み出しに用いられる。
この形態の利点はただ１つの翼が用いられている
ことから目詰りの危険が減るということである。
そして場合に応じては下水用ポンプのポンプ羽根
車では特定の最少吐出量が公的規則によつて定め
られている。そしてこの吐出量は妥当性のある寸
法値が維持されるならば単一翼形羽根車によつて
のみ充足することができるのである。ここで従来
公知の単一翼形の羽根車はポンプ入口近くの先端
からポンプ吐出近くの後端まで一定厚さに形成さ
れた翼を有している。このような形式の羽根車の
一つはスウエーデン国特許出願公告第7806198−
３号に開示されている。そしてこの形の羽根車は
幾つかの不利を有している。即ち、翼厚が一定で
あるから翼によつて形成される通路はポンプ出口
方向に向けて一定して又は急激的に増加する断面
を有している。この一定定増加は入口近くで最も
意味深いのである。断面積が急速増加することは
流体の速度を急速に減少させ、かつ不都合な渦流
とキヤビテーシヨンとを発生させる局部圧力を急
速に減少させる結果となるのである。然るに加え
て、特に翼の先端に固体堆積を生ずる危険も増加
し、その結果として該地点における断面積が減少
し目詰り発生の確率が増加しかつポンプ効率の減
少を生ずることになるのである。羽根車に目詰り
を生ずると駆動装置に対する負荷を増加させ、時
には過負荷保護装置を起動させてポンプ作動を停
止させ、ポンプの修理を必要とすることになるの
である。

依つて本発明の目的は流体流速の減少を可及的
に避けた単一通路形の羽根車を得ることにある。
この目的は本発明によると、流体の流れ方向に厚
さが異なるように形成された１つの翼を設け、該
翼と羽根車のカバー板又は囲撓形のポンプハウジ
ングとによつて形成された１つの通路を設け、該
通路のポンプ出口に向かう流れの軸線に対して垂
直な断面の断面積を実質的に一定に又はわずかに
増大させることによつて達成される。この結果、
羽根車近くの領域では流体分散が解消するのであ
る。即ち、本発明は、吸い込み媒体が羽根車の入
口から出口に向かう流動時における該吸い込み媒
体の分散を実質的に低減させた単一通路形遠心ポ
ンプ用に用いられる自浄式羽根車であつて、２つ
のカバー板の間に設けられて該羽根車内部に向か
う軸方向の入口を有する１つの内部通路を形成す
ると共に羽根車の周方向に上記ガバー板と協働し
て外部通路を形成するベース表面を形成する単一
の翼を具備し、かつ、前記ベース表面は前記出口
位置の翼前端から渦巻状にしかも回転軸線からラ
ジアル方向に導出された面として設けられている
羽根車において、上記単一翼は、上記入口から出
口に向けて略一定の流路断面積を有するように形
成された上記内部通路を備え、上記ベース面は、
回転軸線に対して平行な広がり面を有することに
より上記翼をシリンダ形状に形成し、上記の翼は
翼厚が異なることにより上述の内部通路が入口か
ら出口へ略等しい流路断面積を備え、以て流路壁
への付着物を解消する自浄作用を呈し、更に、上
記翼は、バランス用流体流入口を有した空所を形
成、具備して回転時のバランス機能を有するよう
にした遠心ポンプ用羽根車を提供するものであ
る。以下、本発明を添付図面に基づき詳細に説明
する。

図において、１は羽根車の翼を示し、該翼１は
先端２と後端３とを有している。翼１と相互に大
体平行である１対のカバー板５，７とで通路４が
形成されており、該１対のカバー板の間に翼両端
が納まつている。そして、従来一般に行われてい
るように、ハウジング内で本羽根車を回転させる
ための駆動装置に軸を接続するために、該軸の取
付用のねじ穴６がカバー板５に貫通形成してあ
る。ここで理解すべき点は通路４は吸込み通路で
あつて、カバー板７に貫通形成された開口から流
入流体を受け入れ翼１の前端２と後端３との間の
開口を通じて流体を排出する流体通路である。第
１図の矢印Ｆはこのような流れを示す。

更に理解すべき点として、ポンプ使用時には、
翼１の前端２と後端３との間の開口を通じて排出
される流体が、翼１の外面１ａとハウジングとの
間に形成された通路にあるように、羽根車がハウ
ジングの中に納められて第２図の矢印Ｒで示した
方向に回転される。翼の外面１ａは作動表面であ
つて、流体を加圧しハウジングに形成された排出
口から流体を排出する。

従来周知の単一翼形羽根車と異なり、本発明に
よる羽根車は流れの方向に厚さが変化する翼１を
有しているのである。従つて翼１とカバー板５，
７とによつて形成された通路４が、出口方向に僅
かに増加して行くかほぼ一定の断面積を有するの
である。すなわち、通路４の流れ方向に垂直な断
面は全て実質的に不変であるかあるいは流れ方向
にわずかに増大していることを意味し、このよう
な構成であるため前述したようなポンプ詰りの危
険が低減されているのである。単一通路形の周知
羽根車は先端２の近くにしばしば粒体層が堆積す
る。そしてこの層は翼の形状をしばしば変え、そ
の形状によつて目詰り傾向が増加するので好まし
くないのである。そして結果的には過負荷の危険
を生ずるのである。そしてこの過負荷に加えて堆
積物によりしばしば羽根車の不釣り合いを生じ、
依つて軸受にかかる歪みと摩耗とを増加させて寿
命を短縮することになるのである。本発明による
と、翼に当初から適正な外形を形成して目詰りを
起す可能性や急速なポンプ性能の劣化を来たす堆
積物を解消しているものである。

しかしながら、翼は中実体でもよい。更に、翼
には単一曲りの加圧面と吸込面とを具備するよう
にし、該吸込面は単一曲り、二重曲りのいずれか
の面に形成するようにしてもよい。他の実施例に
おいては、吸込み面、加圧面とも二重曲りの面に
形成してもよい。第２図には二重曲りの吸込み面
と単一曲りの加圧面とを有する翼が図示してあ
る。第２図の翼の内面は３部分より成つている。
点１１と点１２の間の第１部分は直線状であり曲
線部分は全くない。点１２と点１３との間の部分
は点Ａから等距離である滑らかな曲線状である。
これが表面の二重曲り部分である。点１３と点１
４との間の内面部分は、点Ｂから等距離である別
の二重曲り部分である。このように内面が二重曲
り面であることが理解されるであろう。外面はら
せん形状であるが、点２１と点２２との間の部分
の半径はほぼ一定である。

本発明の好ましい実施例においては、翼はその
重量を低減させてポンプ部品の釣合いに注意を払
う必要性をも緩和すべく中空に形成されている。
なお翼１はポンプの最適条件に応じて別様に形成
してもよい。即ち、ポンプ媒体、羽根車速度、流
量液頭等が変ると別の条件が必要となるのであ
る。そしてこれらの条件基準に応じて、羽根車は
翼の先端近くでより大きな又はより小さなはつき
りとした球根形状に形成されかつまた二重又は単
一の曲り面を具備するように形成されるのであ
る。そして全ゆる実施例に対して共通の特徴は翼
の種々の部分の厚さが異なるということである。

また本発明の好ましい実施例では、翼の先端か
ら20％〜40％の部分の厚さが最大である。

本発明によれば、羽根車は根本的に目詰りの危
険を減少させ、かつ液体処理量を増加させた設計
にして流動効率を改善し、かつ最低自由導入流量
の規準遵守を放棄することなく羽根車の釣り合い
を改善しているのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による羽根車の軸断面図、第２
図は同横断面図、第３図は同羽根車の斜視図であ
る。図中、 １……羽根車、２……先端、３……後端、４…
…通路、５……カバー板。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 吸い込み媒体が羽根車の入口から出口に向か
   う流動時における該吸い込み媒体の分散を実質的
   に低減させた単一通路形遠心ポンプ用に用いられ
   る自浄式羽根車であつて、２つのカバー板５の間
   に設けられて該羽根車内部に向かう軸方向の入口
   を有する１つの内部通路を形成すると共に羽根車
   の周方向に上記カバー板と協働して外部通路を形
   成するベース表面を形成する単一の翼を具備し、
   かつ、前記ベース表面は前記出口位置の翼前端か
   ら渦巻状にしかも回転軸線に対してラジアル方向
   に導出された面として設けられている羽根車にお
   いて、 前記単一翼は、前記入口から出口に向けて略一
   定な断面積を有した流路を成すように形成された
   前記内部通路４を備え、 前記ベース面は、回転軸線に平行な軸方向に広
   がる面形状を有することにより前記翼１を円筒体
   形状に形成し、 前記翼１はその翼厚味が異なることにより前記
   内部通路の入口から出口へ略等しい流路断面積を
   備え、以て流路壁への付着物を解消する自浄作用
   を呈し、更に 前記翼１はバランス用流体流入口を有した孔を
   形成、具備して回転時のバランス機能を有するよ
   うにしたことを特徴とした遠心ポンプ用羽根車。 ２ 前記翼１は該翼先端から20％と40％との間で
   変位した翼部分の位置で最大翼厚さを有する球根
   形状を具有してなる特許請求の範囲第１項に記載
   の遠心ポンプ用羽根車。 ３ 前記翼１は中空形状を有する特許請求の範囲
   第１項に記載の遠心ポンプ用羽根車。 ４ 前記翼１は固体形状を有する特許請求の範囲
   第１項に記載の遠心ポンプ用羽根車。 ５ 前記翼１が単一曲り加圧面と二重曲り吸込み
   面とを有している特許請求の範囲第１項または第
   ２項に記載の遠心ポンプ用羽根車。 ６ 前記翼１が単一曲り吸込み面と単一曲り加圧
   面とを有している特許請求の範囲第１項または第
   ２項に記載の遠心ポンプ用羽根車。 ７ 前記翼１が二重曲り吸込み面と二重曲り加圧
   面とを有している特許請求の範囲第１項または第
   ２項に記載の遠心ポンプ用羽根車。