JPH0127575Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は電柱の外周面に沿つて設けられたアー
ス線のターミナルを被覆保護するカバーに関す
る。

［従来の技術］ 従来、トランス等の電気機器を装備した電柱で
は、電柱の成形時に設けられたアース線の引入口
と引出口とを利用してアース線を電柱内に通して
おり、またアース線に設けられるターミナルも電
柱内に収容することができて特に支障はない。

一方、トランス等の電気機器を装備しない電柱
では特にアース線を設ける必要はないが、一旦建
柱した後に、電力需要の増大によりトランス等を
装備し、アース線を設ける場合があるが、この場
合は、アース線は電柱の外側面沿いに垂下させる
と共に、ターミナルは絶縁テープ等を巻回するな
どして被覆していた。

［考案が解決しようとする問題点］ このようにテーピングにより被覆したアースタ
ーミナルは、絶縁テープが経時変化で劣化して剥
がれるなどにより、漏電事故等を惹起する危険が
あり、また、アース抵抗値の測定に際して一々絶
縁テープを剥ぎ取つて露出させて測定し、測定後
には再びテーピングしておかなければならない、
極めて手数が掛かるものである。

［問題点を解決するための手段］ アースターミナルを収容可能の内径を持つ筒状
のカバー本体と該カバー本体に嵌脱自在に嵌着さ
せる筒状のキヤツプ体とからなり、カバー本体に
は一端にアース線の挿通孔を開設すると共に、他
端には内周壁と外周壁とを設けて該両壁間の間隙
により嵌合溝を形成し、前記内周壁にアースター
ミナルの回動を阻止して固定させる切欠きを設
け、キヤツプ体には一端に前記嵌合溝に嵌合させ
る嵌挿筒部を形成すると共に、他端にアース線の
挿通孔を開設し、さらに嵌挿筒部の外側面先端部
に係合突起を突設すると共に、カバー本体の外周
壁に係合突起を係合させる切込溝を開設して構成
する。

［作用］ カバー本体内にアースターミナルを固定した状
態にしかも引出し容易に収容させ、このカバー本
体にキヤツプ体を嵌脱自在に取付けてアースター
ミナルを安定状態にて確実に絶縁被覆させる。ま
た、キヤツプ体のみの取扱いで、必要に応じてア
ースターミナルを容易に露出させ、再び絶縁被覆
させることが容易にできる。

［実施例］ 図において１はアースターミナルを収容可能の
内径を持つ筒状のカバー本体であり、一端にアー
ス線の挿通孔２を開設すると共に、他端には内周
壁３と外周壁４とを設けて該両壁間の間隙で嵌合
溝５を形成する。さらに、内周壁３の先端に対向
位置させて切欠き６，６を設け、外周壁４には対
向位置させて切込溝７，７を開設する。該各切込
溝７は垂直溝７ａの下端に相互に逆方向に延びる
水平溝７ｂを延設し、さらに該各水平溝７ｂの上
面に小突起８を突出させている。

９はカバー本体１に嵌脱自在に嵌着させる筒状
のキヤツプ体であり、一端にアース線の挿通孔１
０を開設すると共に、他端にはカバー本体１の嵌
合溝５に嵌挿させる嵌挿筒部１１を形成し、さら
に嵌挿筒部１１に前記切込溝７，７に係合させる
係合突起１２，１２を対設している。

第３図に示したものは本考案のカバーに使用す
るのに適したアースターミナルの一例であり、図
中１３はソケツト型のアース端子、１４はこのア
ース端子１３に嵌脱自在に挿着させるジヤツク型
のアース端子である。前記ソケツト型のアース端
子１３の先端に鉤状の係合片１５，１５を対設
し、ジヤツク型のアース端子１４の先端に係合片
１５，１５に係脱自在に係止させる係止片１６，
１６を設けている。これらのアース端子１３，１
４の他端にはアース線１７，１７′が夫々ビス１
８を介して接続される。

そして、本考案のカバーの使用に際しては、先
ず、アース端子１３，１４を取付けていないアー
ス線１７，１７′を夫々にカバー本体１及びキヤ
ツプ体９を挿通させ、アース線１７，１７′の先
端にビス１８を介してアース端子１３，１４を取
付ける。次にソケツト型のアース端子１３をカバ
ー本体１内に収容させ、係合片１５，１５を内周
壁３の先端に設けた切欠き６，６に嵌合させアー
ス端子１３の回動を阻止して固定させる。このよ
うにしてカバー本体１に固定させたソケツト型の
アース端子１３に対してジヤツク型のアース端子
１４を挿着し、回動させて係止片１６，１６を係
合片１５，１５に係止させて固定する。この状態
でキヤツプ体９の嵌挿筒部１１をカバー本体１の
嵌合溝５に嵌挿させる。この際に、キヤツプ体９
に設けた係合突起１２，１２をカバー本体１の切
欠溝７，７に挿入させ、係合突起１２，１２が切
込溝７，７の水平溝７ｂ，７ｂに達した状態でキ
ヤツプ体９を捻回させ、小突起８，８を越えて係
合突起１２，１２を水平溝７ｂ，７ｂの奥まで進
入させ、カバー本体１とキヤツプ体９とを第５図
に示すように確実に連結して固定することができ
る。

第７図はこのように構成されたアースターミナ
ル用カバーＡを電柱Ｂの外周面に沿わせて固定し
た取付け状態を示したものであり、実施例ではカ
バー本体１の外側面に上下一対の支持部１９，２
０を夫々水平状に突設し、上部の支持部１９には
緊締バンド２１の挿通溝２２を左右方向に貫通状
に設けて緊締バンドの取付部としての機能を兼ね
させている。さらに各支持部１９，２０の先端は
電柱Ｂの外径に合致する弧状面に形成し、この弧
状面を電柱Ｂの内周面に当接させた状態で挿通溝
２２に挿通させた緊締バンド２１を電柱Ｂに周回
させて締付けることでアースターミナル用カバー
Ａを安定よく固定することができる。

［考案の効果］ 以上に述べたように本考案のアースターミナル
用カバーは、カバー本体にキヤツプ体を嵌脱自在
に被着するもので、アースターミナルを固定した
状態で確実に、しかも長期にわたり安定に絶縁被
覆して保護することができる。

また、アース抵抗値の測定等に際しては、キヤ
ツプ体を取外すことで簡単にアースターミナルを
露出させることができるから、容易に測定するこ
とができるといつた利点がある。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の実施例に係わるもので、第１図は
分解斜視図、第２図は同上縦断面図、第３図はア
ースターミナルの斜視図、第４図は使用状態の斜
視図、第５図は同上縦断面図、第６図は第５図の
Ｘ−Ｘ線断面図、第７図は電柱に取付けた状態を
示す斜視図である。 １……カバー本体、２，１０……アース線の挿
通孔、３……内周壁、４……外周壁、５……嵌合
溝、６，６……切欠き、７，７……切込溝、９…
…キヤツプ体、１１……嵌挿筒部、１２，１２…
…係合突起、１９，２０……支持部、２１……緊
締バンド、２２……挿通溝。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ アースターミナルを収容可能の内径を持つ筒
   状のカバー本体と該カバー本体に嵌脱自在に嵌
   着させる筒状のキヤツプ体とからなり、カバー
   本体には一端にアース線の挿通孔を開設すると
   共に、他端には内周壁と外周壁とを設けて該両
   壁間の間隙により嵌合溝を形成し、前記内周壁
   にアースターミナルの回動を阻止して固定させ
   る切欠きを設け、キヤツプ体には一端に前記嵌
   合溝に嵌合させる嵌挿筒部を形成すると共に、
   他端にアース線の挿通孔を開設し、さらに嵌挿
   筒部の外側面先端部に係合突起を突設すると共
   に、カバー本体の外周壁に係合突起を係合させ
   る切込溝を開設したアースターミナル用カバ
   ー。 ２ キヤツプ体の外周面の上下に支持部を対設
   し、上部の支持部に緊締バンドの挿通溝を設け
   たことを特徴とする実用新案登録請求の範囲第
   １項記載のアースターミナル用カバー。