JPH0247566Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は電柱の外周面に沿つて設けられたアー
ス線のターミナルを被覆保護するカバーに関す
る。

〔従来の技術〕

従来、トランス等の電気機器を装備した電柱で
は、電柱の成形時に設けられたアース線の引入口
と引出口とを利用してアース線を電柱内に通して
おり、またアース線に設けられたターミナルも電
柱内に収容することができて特に支障はない。

一方、トランス等の電気機器を装備しない電柱
では、特にアース線を設ける必要はないが、一旦
建柱した後に、電力需要の増大によりトランス等
を装備し、アース線を設ける場合があるが、この
場合は、アース線を電柱の外側面沿いに垂下させ
ると共に、ターミナルは絶縁テープ等を巻回する
などして被覆していた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

このようにテーピングにより被覆したアースタ
ーミナルは、絶縁テープが経時変化で劣化して剥
がれるなどにより、漏電事故等を惹起する危険が
あり、また、アース抵抗値の測定に際して一々絶
縁テープを剥ぎ取つて露出させて測定し、測定後
には再びテーピングしておかなければならない極
めて手数が掛かるものである。

このためテーピングに代わるアースターミナル
の被覆用カバーとしては、利用分野を異にするが
例えば参考例として実開昭58−15573号に開示さ
れるようなスリーブカバーを応用することも考え
られる。該スリーブカバーは電線を接続した充電
部を被覆するため、一方のカバー本体に収容部を
形成しておき、その一端に受止筒部を設け、該受
止筒部に他方のカバー本体の挿入筒部を挿入する
ことにより両カバー本体を連結し、前記収容部内
に充電部を収めて被覆するようにしたものであ
る。しかし、かかる一対のカバー本体は、連結を
強固にできるようにするため、単に前記挿入筒部
の外径を受止筒部の内径より若干太径に形成する
ことで、連結時に受止筒部の膨張力が作用して、
その外周囲で受止筒部の内周面を圧接するように
したにすぎない。従つて両カバー本体の連結に際
しては格別の係合手段はないため連結力は脆弱で
あつて、長期間使用するうちに風雨にさらされる
などして外部圧力により徐々に該連結が緩み、遂
には両カバー本体が外れてしまうとう危険があつ
た。また該スリーブカバーは本来の利用分野を異
にするため、該カバーを電柱の外周面に取着する
手段が全く開示されておらず、この点でも本考案
の目的に沿わず、使用不可能なものであつた。

〔本考案の目的と構成〕

本考案は上記の従来例或いは参考例の欠点をす
べて解決するため、テーピングによるアースター
ミナルの被覆を止めて、該アースターミナルを収
容できるキヤツプ体とこれに嵌合するカバー本体
を係合手段を用いて強固に連結すると共に、該カ
バー本体に電柱外周面に簡易に取付けられるよう
に取付構造を形成することを目的とするものであ
り、このためアースターミナルを収容可能の内径
を持つ筒状のカバー本体と該カバー本体に嵌脱自
在に嵌着させる筒状のキヤツプ体とからなり、カ
バー本体の胴部内側にアースターミナルの側面に
接して回動を阻止させる垂直壁を設け、さらに該
カバー本体の一端にアース線の挿通孔を開設する
と共に、他端にはキヤツプ体の嵌合筒部を形成
し、キヤツプ体には一端に前記嵌合筒部に嵌挿さ
せる嵌挿筒部を形成すると共に、他端にアース線
の挿通孔を開設し、さらに前記嵌挿筒部の外側面
先端に対向位置させて一対の係合突起を突設する
と共に、カバー本体の嵌合筒部に対向位置させて
前記係合突起を係合させる一対の切込溝を開設し
て係合部分を形成し、該各切込溝は垂直溝の下端
に相互に逆方向に延びる水平溝を延設し、さらに
各水平溝の上面に小突起を突設して形成し、さら
に前記カバー本体の胴部の外周面に上下に支持部
を夫々水平状に突設し、上部の支持部には緊締バ
ンドの挿通溝を貫通状に形成して構成することに
より、キヤツプ体をカバー本体に前記係合部分を
介して連結して固定すると共に、前記挿通孔に挿
通した緊締バンドにより該カバー本体を電柱外周
面に取着するようにした。

〔作用〕

カバー本体内にアースターミナルを固定した状
態にしかも引出し容易に収容させ、このカバー本
体にキヤツプ体を嵌脱自在に取付けてアースター
ミナルを安定状態にて確実に絶縁被覆させる。こ
の場合、キヤツプ体の嵌挿筒部に突設した一対の
係合突起がカバー本体の嵌合筒部に開設した一対
の切込溝の水平溝に達した状態でキヤツプ体を捻
回させ、各小突起を越えて両係合突起を夫々の水
平溝の奥まで進入させ、カバー本体とキヤツプ体
とを確実に連結して固定できる。また、かかる係
合部分は上記と逆の作動により、簡単に外すこと
ができるため、キヤツプ体のみの取扱いで、必要
に応じてアースターミナルを容易に露出させ、再
び絶縁被覆させることができる。

さらに、カバー本体は緊締バンドにより簡易に
電柱に装着、取外しができるため迅速な現場での
作業が可能である。

〔実施例〕

図において１はアースターミナルを収容可能の
内径を持つ筒状のカバー本体であり、胴部２の一
側に偏平状部３を形成することにより内側に垂直
壁４を設けている。さらにカバー本体１の一端に
アース線の挿通孔５を開設すると共に他端に嵌合
筒部６を形成する。該嵌合筒部６には対向位置さ
せて一対の切込溝７，７を開設する。該各切込溝
７は垂直溝７ａの下端に相互に逆方向に延びる水
平溝７ｂを延設し、さらに該各水平溝７ｂの上面
に小突起８を突出させている。また、胴部２の偏
平状部３の外側面に上下に支持部９，１０を夫々
水平状に突設し、上部の支持部９には緊締バンド
の挿通溝１１を貫通状に設けている。これらの支
持部９，１０の先端面は凹弧状に形成している。

１２はカバー本体１に嵌脱自在に嵌着させる筒
状のキヤツプ体であり、一端にアース線の挿通孔
１３を開設すると共に、他端にはカバー本体１の
嵌合筒部６に嵌挿させる嵌挿筒部１４を形成し、
さらに嵌挿筒部１４に対向位置させて前記切込溝
７，７に係合させる一対の係合突起１５，１５を
対設している。

第３図に示したものは本考案のカバーに使用す
るのに適したアースターミナルの一例であり、図
中１６はソケツト型のアース端子、１７はこのア
ース端子１６に嵌脱自在に挿着させるジヤツク型
のアース端子である。前記ソケツト型のアース端
子１６の先端に鉤状の係合片１８，１８を対設
し、ジヤツク型のアース端子１７に係合片１８，
１８に係脱自在に係止させる係止片１９，１９を
設けている。これらのアース端子１６，１７の他
端には導通板２０，２０′を延設し、この導通板
２０，２０′にアース線２１，２１′が夫々ビス２
２，２２′を介して接続される。

そして、本考案のカバーの使用に際しては、先
ず、アース端子１６，１７を取付けていないアー
ス線２１，２１′に夫々にカバー本体１及びキヤ
ツプ体１２を挿通させ、アース線２１，２１′の
先端にビス２２，２２′を介してアース端子１６，
１７の導通板２０，２０′を接続させる。次にソ
ケツト型のアース端子１６をカバー本体１内に収
容させて、導通板２０の側面を垂直壁４に対接さ
せることにより、アース端子１６の回動を阻止し
て固定させる。このようにしてカバー本体１に固
定させたソケツト型のアース端子１６に対してジ
ヤツク型のアース端子１７を挿着し、回動させて
係止片１９，１９を係合片１８，１８に係止させ
て固定する。この状態でキヤツプ体１２の嵌挿筒
部１４をカバー本体１の嵌合筒部６に嵌挿させ
る。

この際に、キヤツプ体１２に設けた係合突起１
５，１５が切欠溝７，７の水平溝７ｂ，７ｂに達
した状態でキヤツプ体１６を捻回させ、小突起
８，８を越えて係合突起１５，１５を水平溝７
ｂ，７ｂの奥まで進入させ、カバー本体１とキヤ
ツプ体１６とを第５図に示すように確実に連結し
て固定することができる。

第７図はこのように構成されたアースターミナ
ル用カバーＡを電柱Ｂの外周面沿いに取付け固定
した状態を示したものであり、カバー本体１の支
持部９に設けた挿通孔１１に緊締バンドＣを挿通
し、この緊締バンドＣを締付けて支持部９，１０
を電柱Ｂに対接させれば、支持部９，１０の先端
の凹弧状が電柱Ｂの外周面に接して安定よく取付
けることができる。

〔考案の効果〕

以上述べたように本考案のアースターミナル用
カバーは、カバー本体にキヤツプ体を嵌脱自在に
被着するもので、極めて作業性よく合体させるこ
とができる。しかもカバー本体とキヤツプ体とは
精緻な係合部分を介して確実、強固に連結される
ため外部からの衝撃等で外れることがなく、アー
スターミナルを固定した状態で確実に長期にわた
り安定に絶縁被覆して保護することができる。

また、アース抵抗値の測定等に際しては、前記
係合部分は容易に取り外せる為、キヤツプ体を取
外すことで簡単にアースターミナルを露出させる
ことができるから、容易に測定することができる
といつた利点がある。

さらにカバー本体を緊締バンドで簡易、迅速に
電柱に着脱しうるため作業に手間がかからず実用
的価値が高いという利点もある。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の実施例に係わるもので、第１図は
分解斜視図、第２図は同上縦断面図、第３図はア
ースターミナルの斜視図、第４図は使用状態の斜
視図、第５図は同上縦断面図、第６図は第５図の
Ｘ−Ｘ線断面図、第７図は電柱に取付けた状態を
示す斜視図である。 １……カバー本体、２……胴部、４……垂直
壁、５，１３……挿通溝、６……嵌合筒部、７，
７……切欠溝、７ａ……垂直溝、７ｂ……水平
溝、８……小突起、９，１０……支持部、１１…
…挿通孔、１２……キヤツプ体、１４……嵌挿筒
部、１５……係合突起、Ｃ……緊締バンド。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. アースターミナルを収容可能の内径を持つ筒状
   のカバー本体と該カバー本体に嵌脱自在に嵌着さ
   せる筒状のキヤツプ体とからなり、カバー本体の
   胴部内側にアースターミナルの側面に接して回動
   を阻止させる垂直壁を設け、さら該カバー本体の
   一端にアース線の挿通孔を開設すると共に他端に
   キヤツプ体の嵌合筒部を形成し、キヤツプ体には
   一端に前記嵌合筒部に嵌挿させる嵌挿筒部を形成
   すると共に、他端にアース線の挿通孔を開設し、
   さらに前記嵌挿筒部の外側面先端部に対向位置さ
   せて一対の係合突起を突設すると共に、カバー本
   体の嵌合筒部に対向位置させて前記係合突起を係
   合させる一対の切込溝を開設して係合部分を形成
   し、該各切込溝は垂直溝の下端に相互に逆方向に
   延びる水平溝を延設し、さらに各水平溝の上面に
   小突起を突設して形成し、さらに前記カバー本体
   の胴部の外周面に上下に支持部を夫々水平状に突
   設し、上部の支持部には緊締バンドの挿通溝を貫
   通状に形成して構成することにより、キヤツプ体
   をカバー本体に前記係合部分を介して連結して固
   定すると共に、前記挿通孔に挿通した緊締バンド
   により該カバー本体を電柱外周面に取着するよう
   にしたことを特徴とするアースターミナル用カバ
   ー。