JPH01272005A - 導電性高分子の製造方法 - Google Patents

導電性高分子の製造方法

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JPH01272005A
JPH01272005A JP9840288A JP9840288A JPH01272005A JP H01272005 A JPH01272005 A JP H01272005A JP 9840288 A JP9840288 A JP 9840288A JP 9840288 A JP9840288 A JP 9840288A JP H01272005 A JPH01272005 A JP H01272005A
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JP
Japan
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acid
film
polymerization
polyaniline
polymer
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Application number
JP9840288A
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English (en)
Inventor
Shinji Higo
肥後 信司
Minoru Oda
稔 織田
Akira Sumiya
住谷 明
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Komatsu Ltd
Original Assignee
Komatsu Ltd
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Publication date
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  • Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)
  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、導電性高分子の製造方法に関し、さらに詳し
くは、電解酸化重合によって、優れた電気化学的特性を
示し、しかも均一で良好な膜強度と高い嵩密度を有する
フィルム状の芳香族アミン系導電性高分子を簡単にかつ
有効に製造できる方法に関する。得られる導電性高分子
フィルムは、プラスチック電池、コンデンサー、表示素
子、化学センサー、電子デバイス、電磁シールド等広範
な用途に用いることができる。
〔従来の技術〕
芳香族アミン系重合体の合成法は、化学的重合法と電解
酸化重合法に大別される。
このうち、化学的重合法は古くから知られており、例え
ば塩酸1モル/g水溶液中にアニリンを加え、これに開
始剤として過硫酸アンモニウム((NH4)2 S20
s)を添加シテ合成する(アラン、シイ−、マツクダミ
ーら(Al lan G、Macdiarild et
 at、)、Mol 、Cryst、LIq、Crys
t、1985.Vol、121.pp173−80)。
コノ方法テ得うレるポリアニリンは粉末状であり、従っ
て実用化するためにはベレット状に加圧成形する必要が
あり、さらにこの方法で得られる導電性高分子ベレット
は電気化学的応答性に劣るという難点がある。
一方、電解酸化重合法は、例えばpH1に調整したH2
SO4、H1? 、H(l O,等の各水溶液(プロト
ン酸水溶液)に0,1モルのアニリンを添加し、これを
電解液としてこの中に導電性ガラス電極や金属電極を挿
入し、電位を−0,2V〜0,8vまで繰り返し走査し
て重合し、陽極上にポリマーを析出させるものである(
小山 昇ら、J、 Electroanal、 Che
m、、181(1984)399−405 )。最近で
は、特に層状に得られる可能性の点から電気化学的に合
成したポリアニリンの電極材料等としての検討が盛んに
なされている。
〔発明が解決しようとする課題〕
応用面を考えた場合、得られる導電性高分子フィルムは
、機械的強度に優れたフリースタンディングフィルムで
あることが望ましい。すなわち、電極表面上に強固に接
着し、乾燥してもバラバラの粉末状態に脱落することな
く膜状に残存しており、洗浄、回収、乾燥、加圧形成等
の後処理が必要でないことが望ましい。そのためには見
掛けの密度が比較的大きく、かつ緻密な膜にする必要が
ある。
しかし、従来の電解酸化重合では酸触媒として無機酸の
みが用いられており、この方法で重合したポリアニリン
等の芳香族アミン系重合体は短繊維状であって脆く、さ
らに嵩密度が低かった。また、電極との接着性に劣しく
、合成の途中もしくは洗浄の過程で電極面から剥離し易
く、実用上問題であった。
従って、本発明の目的は、前記したような従来の電解酸
化重合法による問題を解消し、優れた電気化学的特性を
示し、均質で、平滑な表面及び高い嵩密度を有し、しか
も膜強度の高いフィルム状の芳香族アミン系導電性高分
子を製造できる方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、上記目的と関連して、電解酸化重
合によって生成する高分子が作用電極から剥離もしくは
脱落することなく、従って厚膜を作成でき、また製造後
そのまま実用に供することができる芳香族アミン系導電
性高分子の製造方法を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の導電性高分子の製造方法は、前記目的を達成す
るため、芳香族アミンもしくは芳香族ジアミンを極性溶
媒中、酸触媒の存在下に電解酸化重合により高分子化す
る方法において、上記酸触媒として、(a)無機酸、(
b)置換もしくは無置換の芳香族スルホン酸及び(c)
置換もしくは無置換のアルキルスルホン酸の少なくとも
2種を組み合わせて用いることを特徴とするものである
〔発明の作用及び態様〕
芳香族アミン類を電解酸化重合する際、酸触媒として無
機酸を用いた場合には、合成された高分子は細い短繊維
状組織となる。この組織は、繊維状組織間の空隙が小さ
いという利点はあるが、細く、かつ短繊維であることか
ら組織間の結びつきが弱く、脆い。
一方、酸触媒としてアルキルスルホン酸を用いた場合、
合成された高分子は太い長繊維状組織となるが、繊維状
組織間の空隙が大きく、このため密度が低い。また、繊
維組織の強度が弱く、合成後電極から剥してみると粉末
状になってしまう。
さらに、酸触媒として芳香族スルホン酸を用いた場合、
合成された高分子は太い長繊維状組織となり、繊維組織
の強度は強いが、繊維の長平方向に失活し易いため顆粒
状の組織になる。
このため膜強度がやや劣り、また密度も低い。
そこで本発明においては、酸触媒として上記各種酸の2
種以上、例えば無機酸とアルキルスルホン酸、アルキル
スルホン酸と芳香族スルホン酸、あるいは芳香族スルホ
ル酸と無機酸を組み合わせて適当な比率で混合した極性
溶媒溶液中に、芳香族アミンもしくは芳香族ジアミンを
溶解もしくは分散せしめて電解酸化重合することにより
、芳香族アミン系高分子の繊維状組織の成長過程におい
て、無機酸による組織、アルキルスルホン酸による組織
、あるいは芳香族スルホン酸による組織の2種以上の組
織を競争成長させて、芳香族アミン系高分子の組織を操
作して適度の混合組織とし、最終的に高密度で均質かつ
機械的強度の高い芳香族アミン系高分子の膜を得るもの
である。
本発明に従って重合される芳香族アミンもしくはジアミ
ンとしては、アニリンが代表的なものであり、その他、
N−メチルアニリン、N−エチルアニリン、N、N−ジ
メチルアニリンなどが好適に用いられる。
酸触媒としての無機酸としては、従来公知の各種無機酸
を用いることができ、例えば硫酸、塩酸、硝酸、過塩素
酸、ホウフッ化水素酸などがある。また、アルキルスル
ホン酸としてはエタンスルホン酸等、芳香族スルホン酸
としてはベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸
、ニトロベンゼンスルホン酸等が好適に用いることがで
きる。上記各酸触媒の組合せ混合比率は、目的とする芳
香族アミン系高分子の所望の特性に応じて種々の比率に
設定でき、特定の範囲に限定されるものではない。
溶媒としては、水、アルコール類、水−アセトニトリル
混合溶液などの各種極性溶媒を使用することができる。
アルコールとしては、例えばメチルアルコール、エチル
アルコール、n−プロピルアルコール、i−プロピルア
ルコール、n−ブチルアルコール、i−ブチルアルコー
ル、5ec−ブチルアルコール、tert−ブチルアル
コール、アミルアルコール類(各種異性体を含む、以下
同様に表現する)、ヘキシルアルコール類等のm個アル
コール、エチレングリコール、プロピレングリコール、
グリセリン等の多価アルコールなどが挙げられ、これら
の1種又は2種以上の混合系として用いることができる
。さらに、上記のようなアルコールの少なくとも1種を
含む混合溶媒、例えばアルコール水溶液なども使用する
ことができる。なお、アルコールは水に次いで極性が高
く (このため、プロトン酸とアニリンとの塩も容易に
溶解する)、また例えばメチルアルコールでは一90℃
の温度でも流動性を保持するので低温重合が可能であり
、重合物の付着性が良くなり、きれいな重合体の膜がで
きるので好ましい。
〔実 施 例〕
以下、実施例及び比較例を示して本発明について具体的
に説明する。
実施例1 アニリン0.5モル/g1エタンスルホン酸0.5モル
/J2、ホウフッ化水素酸(HBF4)0.5モル/g
を含む水−50vo1%アセトニトリル混合溶液に、作
用電極として面fa 2 X 3 cjのネサガラス(
In−Sn酸化物導電ガラス)及び対向電極として同面
積のニッケル板(厚さ0.05mm)を611I11間
隔で浸漬した。室温(20℃)で両極間に1.2vの電
圧を印加すると、直ちに作用極表面に濃紺色の高分子薄
膜が析出した。重合電気量がlc/cd(合計6クーロ
ン)となるまで重合を継続した。終了後、直ちに電圧を
0,6Vに設定し、その後電流が最大でもIIIIA/
c−を越えることがないように電圧を徐々に一〇、2v
まで下げて脱ドープを行なった。
脱ドープは印加電圧−0,2vで電流が20μA/cシ
(合計120μA)に低下するまで電圧印加を継続した
。得られたポリアニリンフィルムは、ネサガラスに付着
したまま水−50Vo1%アセトニトリル混合溶媒で洗
浄したが、電極への接着性が良く、剥離したり、あるい
はフィルムが割れたりすることはなかった。また、目視
によると、フィルム表面は均質でかつ平滑であった。得
られたフィルムを空気中で1晩乾燥した後、10 ’−
3Torrで2時間真空乾焔し、嵩密度をDj定すると
0.43g/cm3であり、無機酸水溶液中で重合した
従来法によるものと比べて2倍以上も高いことがわかっ
た(後記比較例1参照)。
得られたポリアニリンフィルムは、ネサガラスからビン
セットで簡単に剥すことができ、機械的強度も従来品と
比較してかなり高かった。
また、得られたポリアニリンフィルムを走査型電子顕微
鏡(SEM)で観察したところ、均一な繊維状組織であ
り、この繊維の太さは約0.3μmで繊維間の空隙は最
大でも2μm程度であった。このように、得られたポリ
アニリンフィルムは緻密な組織構造を持つので、上記の
ように嵩密度が高く、また機械的強度に優れているもの
と考えられる。
実施例2 単量体をアニリンからN、N−ジメチルアニリンに変え
る以外は実施例1と同様の方法で導電性高分子を製造し
た。得られた高分子は、ポリアニリン同様、均質で、平
滑な表面を有する緑色のフィルムであった。また、嵩密
度は0.37g/cm’で機械的強度も高く、また電気
化学的応答性も示し、脱ドープ時に0.60C(重合電
気量の10%)の電気が流れた。
実施例3 ホウフッ化水素酸に代えて硝酸を用いる以外は実施例1
と同様の方法でポリアニリンを合成した。得られたポリ
アニリンフィルムは、均質で、平滑な表面を有する緑色
(脱ドープ前は濃紺色)の高分子であった。嵩密度は0
.38g/Cm 3で、機械的強度も優れていた。また
、電気化学的応答性も示し、脱ドープされる電気量は重
合時に流した電気量の13%であった。
実施例4 エタンスルホン酸に代えてp−トルエンスルホン酸を用
いる以外は実施例1と同様の方法でポリアニリンを合成
した。得られたポリアニリンフィルムは、均質で、平滑
な表面を有する緑色(脱ドープ前は濃紺色)の高分子で
あり、ネサガラスに付着したまま水−50Vo1%アセ
トニトリル混合溶媒で洗浄したが、電極への接着性が良
く、剥離したり、割れたりすることはなく、またネサガ
ラスからビンセットで簡単に剥すことができた。嵩密度
は0.43g/c+n3で、機械的強度も従来品と比較
してかなり高かった。得られたポリアニリンフィルムを
走査型電子顕微鏡で観察したところ、均一な繊維状組織
であり、繊維の太さは約0.1μmで繊維間の空隙は最
大でも1μm程度であった。
実施例5 単量体をアニリンからN、N−ジメチルアニリンに変え
る以外は実施例4と同様の方法で導電性高分子を製造し
た。得られた高分子は、ポリアニリン同様、均質で、平
滑な表面を有する緑色のフィルムであった。また、嵩密
度は0.32g/cm’で機械的強度も高く、また電気
化学的応答性も示し、脱ドープ時に0.60C(重合電
気量の10%)の電気が流れた。
実施例6 エタンスルホン酸に代えてベンゼンスルホン酸を用いる
以外は実施例1と同様の方法でポリアニリンを合成した
。得られたポリアニリンフィルムは、均質で、平滑な表
面を有する緑色(脱ドープ前は濃紺色)の高分子であっ
た。嵩密度は0.40g/(7)3で、機械的強度も優
れていた。また、電気化学的応答性も示し、脱ドープさ
れる電気量は重合時に流した電気量の13%であった。
実施例7 ホウフッ化水素酸に代えてp−トルエンスルホン酸を用
いる以外は実施例1と同様の方法でポリアニリンを合成
した。得られたポリアニリンフィルムは、均質で、平滑
な表面を有する緑色(脱ドープ前は濃紺色)の高分子で
あり、ネサガラスに付着したまま水−50Vo1%アセ
トニトリル混合溶媒で洗浄したが、電極への接着性が良
く、剥離したり割れたりすることはなく、またネサガラ
スからビンセットで簡単に剥すことができた。嵩密度は
0.45g/cm3で、機械的強度も従来品と比較して
かなり高かった。
得られたポリアニリンフィルムを走査型電子顕微鏡で観
察したところ、均一な繊維状組織であり、繊維の太さは
約0.2μmで繊維間の空隙は最大でも1μm程度であ
った。
実施例8 単量体をアニリンからN、N−ジメチルアニリンに変え
る以外は実施例7と同様の方法で導電性高分子を製造し
た。得られた高分子は、ポリアニリン同様、均質で、平
滑な表面を有する緑色のフィルムであった。また、嵩密
度は0.37g/cfn’で機械的強度も高く、また電
気化学的応容性も示し、脱ドープ時にO’、60C(重
合電気量の10%)の電気が流れた。
実施例9 ホウフッ化水素酸に代えてベンゼンスルホン酸を用いる
以外は実施例1と同様の方法でポリアニリンを合成した
。得られたポリアニリンフィルムは、均質で、平滑な表
面を有する緑色(脱ドープ前は濃紺色)の高分子であっ
た。嵩密度は0.43g/cm’で、機械的強度も優れ
ていた。また、電気化学的応答性も示し、脱ドープされ
る電気量は重合時に流した電気量の13%であった。
実施例10 アニリン0.5モル/gを含む水溶液に硝酸0.2モル
10.エタンスルホン酸0.8モル/flを加えて電解
液とした。これに作用電極として面積2X3(!−のネ
サガラス(In−3n酸化物導電ガラス)及び対向電極
として同面積のニッケル板(厚さ0.05mm)を61
11間隔で浸漬した。重合温度20℃(室温)の条件で
、両電極間に132Vの電圧を印加すると、直ちに作用
極表面に緑色の薄膜が析出した。重合電気量が5 C/
 c−になるまで重合を継続した。重合電流は1.4a
+^/ cd、重合時間は13分間であった。
得られたポリアニリンフィルムをネサガラスに付着した
まま蒸溜水及びメタノール中で洗浄したが、ネサガラス
からの剥離や割れはなかった。また、得られた重合膜は
、嵩密度0.40g/am’であって、目視によると均
一で良好な膜であり、機械的強度も優れていた。
実施例11 アニリン0.5モル/gを含むメタノール溶液にホウフ
ッ化水素酸0.2モル/II、エタンスルホン酸0.8
モル/gを加えて電解液とした。これを用いて実施例1
0と同様の方法でポリアニリンを合成した。重合電流は
0. 8IIA/C−1重合時間は21分であった。得
られたポリアニリンフィルムは、ネサガラスに付着した
まま洗浄しても剥離しなかった。また、得られた重合膜
は、嵩密度0.48g/am3であって、目視によると
均一で良好な膜であり、機械的強度も優れていた。
実施例12 アニリン0.5モル/gを含む水−50Vo1%メタノ
ール混合溶液にホウフッ化水素酸0.2モル/fl、エ
タンスルホン酸0.8モル/fIを加えて電解液とした
。これを用いて実施例10と同様の方法でポリアニリン
を合成した。得られたポリアニリンは、嵩密度0.46
g/cm’であり、目視では均一で緻密な膜であった。
また、機械的強度は強く、電気化学的特性にも優れてい
るため、電極材料として十分な特性を持っていることが
わかった。
得られたポリアニリンフィルムを走査型電子顕微ffl
(SEM)で観察したところ、この膜は緻密な長繊維組
織となっており、繊維の太さは約0.3μm1繊維組織
間の空隙は約2μm程度であった。
実施例13 アニリン0.5モル/gを含む水溶液にエタンスルホン
酸0.2モル/N、p−hルエンスルホン酸0.8モル
/gを加えて電解液とした。
これに作用電極として面積2X3cmのネサガラス及び
対向電極として同面積のニッケル板を6mmの間隔で浸
漬した。重合温度20℃(室温)の条件で、両電極間に
1.2vの電圧を印加すると、直ちに作用極表面に緑色
の薄膜が析出した。重合電気量がI C/ c−になる
まで重合を継続した。重合電流は0. 50+sA/c
d、重合時間は30分間であった。
得られたポリアニリンフィルムをネサガラスに付着した
まま蒸溜水及びメタノール中で洗浄したが、ネサガラス
からの剥離や割れはなかった。また、得られた重合膜は
、嵩密度0.43g/cn+’であって、目視によると
均一で良好な膜であり、機械的強度も優れていた。
実施例14 アニリン0.5モル/gを含むメタノール溶液にエタン
スルホン酸0.2モル/g、p−トルエンスルホン酸0
.8モル/gを加えて電解液とした。これを用いて実施
例13と同様の方法でポリアニリンを合成した。重合電
流は0.53taA/ ci、 V1合時間は34分で
あった。得られたポリアニリンフィルムは、ネサガラス
に付着したまま洗浄しても剥離しなかった。また、得ら
れた重合膜は、嵩密度0.48g/am’であって、目
視によると均一で良好な膜であり、機械的強度も優れて
いた。
実施例15 アニリン0.5モル/gを含む水−50Vo1%メタノ
ール混合溶液にp−トルエスルホン酸0.8モル/D、
エタンスルホン酸0.2モル/gを加えて電解液とした
。これを用いて実施例13と同様の方法でポリアニリン
を合成した。
得られたポリアニリンは、嵩密度0.48g/cm’で
あり、目視では均一で緻密な膜であった。また、機械的
強度は強く、電気化学的特性にも優れているため、電極
材料として十分な特性を持っていることがわかった。
得られたポリアニリンフィルムを走査型電子顕微鏡(S
EM)で観察したところ、この膜は緻密な長繊維組織と
なっており、繊維の太さは約0.1μm、繊維組織間の
空隙は約1μm程度であった。
実施例16 アニリン0.5モル/Ωを含む水溶液にp−トルエンス
ルホン酸0.8モル/g1硝酸0.2モル/gを加えた
電解液を用い、実施例13と同様の方法でポリアニリン
を合成した。重合電流は1.2mA/cd、重合時間は
15分であった。
得られた重合膜は、洗浄によっても電極からの剥離は全
くなく、嵩密度は0.35g/am’であり、目視では
均一で緻密な膜であり、また機械的強度にも優れており
、丈夫であった。
実施例17 アニリン0.5モル/gを含むメタノール溶液にp−ト
ルエンスルホン酸0.8モル/Ω、硝酸0,2モル/g
を加えた電解液を用い、実施例13と同様の方法でポリ
アニリンを合成した。重合電流は0.82mA/d、重
合時間は23分であった。得られた重合膜は、洗浄によ
っても電極からの剥離は全くなく、嵩密度は0,42g
/cm3であり、目視では均一で緻密な膜であり、また
機械的強度にも優れており、丈夫であった。
実施例18 アニリン0.5モル/gを含む水−50Vo1%メタノ
ール混合溶液に、ホウフッ化水素酸とp−トルエンスル
ホン酸の混合酸を加えて電解液を作成し、実施例13と
同様の方法でポリアニリンを合成した。ホウフッ化水素
酸とp−トルエンスルホン酸の混合比をモル分率でOa
t、XHBF4から100at、XHBF4まで変えて
ポリアニリンを合成したところ、20at、%IIBF
の混合比で重合したとき、最も良好な膜が得られた。重
合電流は0.46mA/c−で、38分後に@気Ja 
I C/ c−のポリアニリン膜が得られた。
嵩密度は0.71g/cm3であって、目視でも均一で
緻密な膜であることが観察できた。この膜を走査型電子
顕微鏡で観察したところ、第1図に示す如く、緻密な長
繊維状組織となっていた。
繊維の太さは0.3μm、繊維組織間の空隙は高々直径
3μmであって、多くは直径1μm未満であった。
酸触媒中HBF4の各社混合比における重合の結果を下
記表−1に、また嵩密度との関係を第5図に示す。なお
、HBF4の混合比が50aL、%を越えると、得られ
る膜が脆くなる傾向が見られた(表−1参照)。
表−1=混合酸による重合 なお、表中、判定の項目の各符号の意味は以下のとおり
である。
A:丈夫 B:フリースタンディング C:電極から剥すと割れる D=粉末 比較例1 下記表−2に示す各種無機酸2N、アニリンINを含む
水溶液又はメタノール溶液に作用電極としてネサガラス
及び対向電極としてニッケル板を1011I11の間隔
で浸漬し、両電極間に1.2Vの電圧を印加した。電圧
を加えると、直ちに作用電極表面に緑色の薄膜が析出し
た。
ネサガラスの電極面積は2×3cシである。重合電気量
がIC/c−になるまで通電し、得られたポリアニリン
膜を蒸溜水及びメタノール中で洗浄した。しかし、ポリ
アニリンはネサガラス面から脱落し、全部を回収するこ
とはできなかった。得られたポリアニリンは脆く、走査
型電子顕微鏡観察によると短繊維状で不均一であった。
重合の結果を表−2に示し、また表−2のNo。
5の重合膜の走査型電子顕微鏡写真を第2図に示す。
表−2=無機酸による重合 比較例2 アニリン0.5モル/fJ、エタンスルポン酸1.0モ
ル/Ωを含む(イ)水溶液、(ロ)メタノール溶液、(
ハ)水−50Vo1.%メタノール混合溶液を電解液と
して、比較例1と同様にポリアニリンを合成した。その
結果を表−3に示す。
(イ)水系溶液で重合したポリアニリンは、ネサガラス
から剥すと粉末状になり、良好な膜とはいえなかった。
このポリアニリンフィルムを走査型電子顕微鏡で観察し
たところ、第3図に示す如く、太さ約0.5μmの長繊
維組織であった。また、第3図中、しわができているの
はネサガラスから剥す時に生じたものである。
(ロ)メタノール溶液中で重合したポリアニリンは、脆
くて割れ易く、重合中に電極から剥離してしまった。
(ハ)水−メタノール混合溶液中で重合したポリアニリ
ンは、上記(イ)及び(ロ)により得られたものよりも
良好なフィルムとなったが、膜強度が十分でなく、嵩密
度も0.31g/(1)3と低かった。
表−3:エタンスルホン酸による重合 比較例3 アニリン0.5モル/IJ、各種芳香族スルポン酸1.
0モル/gを含む(イ)水系溶液、(ロ)メタノール溶
液を電解液として、比較例1と同様にポリ、アニリンを
合成した。その結果を表−4に示す。
(イ)水系溶液中で重合したポリアニリンは、電極に強
く接着はしているが、剥してみると粉末のようにボロボ
ロに割れてしまった。p−トルエンスルホン酸を用いて
重合したポリアニリンの膜について走査型電子顕微鏡で
観察したところ、第4図に示す如<、jfll状であっ
て最大10μm程度の空隙がおいているため、嵩密度が
0.15g/cm’と低かった。繊維状組織の太さは0
.2μm程度である。
(ロ)メタノール溶液で重合したポリアニリンは、どれ
も脆くて割れ易かった。従って、実用には適さない。
表−4:芳香族スルホン酸による重合 (重合温度725℃) 〔発明の効果〕 以上のように、本発明の方法によれば、芳香族アミンも
しくは芳香族ジアミンを電解酸化重合によって高分子化
する際に、酸触媒として無機酸、アルキルスルホン酸及
び芳香族スルホン酸の2種以上の混合酸を用いるため、
従来の無機酸のみを使用する重合法に比べて以下のよう
な効果が得られる。
i)電解酸化重合する際に高分子が作用電極から剥離も
しくは脱落しないので厚膜を生成できる。
ii)電極面から剥離しないので、製造後そのまま実用
に供することができる。
これは、生成するポリマー粒子が均一に電極表面に成長
し、その構造が十分に発達した繊維状組織であることに
よる。走査型電子顕微鏡観察によると、繊維状組織間の
空隙も従来の数十μmから1〜数μm程度となり、高分
子の繊維状組織の充填率も向上している。実際、得られ
た高分子膜の嵩密度は、従来法によるものが0.2g/
cシ程度であったのに対し、本発明による重合膜は0.
4〜0.71g/cdと向上している。
また、本発明の方法によって合成した高分子膜は、以下
のような特長を有する。
i)均質であり、かつ平滑な表面を有する。
ii)機械的強度に優れている。
゛  i)高い嵩密度を有する。
このことから、本発明により製造した導電性高分子は、
応用面においても従来品に比べて優れており、例えばプ
ラスチック電池の電極材料として使用した場合、以下の
ような特性、利点が得られる。
i)厚膜にできるため、大容量の電池を構成することが
できる。
11)従来の方法によって得られる導電性高分子膜は、
強度的に電極材料として用いるのが困難であり、さらに
実用電池とした場合には低密度であるため、嵩ぼってし
まうという欠点があった。
これに対して、本発明の方法によって得られる導電性高
分子フィルムは、機械的強度が高くそのまま電極材料と
して用いることができ、また高密度であるので嵩ぼらず
、実用電池の軽量、小型化に有望な電極材料となる。
ni)従来は粉末をベレットに押し固めて電極材として
いるため、電気化学的性能が低下し、最大出力密度は高
々1.8kv/kgであった。
これに対して、本発明の方法により得られる導電性高分
子フィルムは、プレス等の後処理を必要としないので、
電気化学的性能が低下することなく、高い最大出力密度
が得られる。例えば、密度0.48g/am’ 、膜厚
10μmのポリアニリン膜では3. 6kw/ kg 
(アルキルスルホン酸と芳香族スルホン酸の混合酸を用
いた場合)、密度0.45g/am’ 、膜厚10μm
のポリアニリン膜では3.4Kv/ kg (無機酸と
アルキルスルホン酸の混合酸を用いた場合)という値が
得られている。
【図面の簡単な説明】
第1図乃至第4図は実施例18及び比較例1〜3で得ら
れた各種高分子膜の走査型電子顕微鏡写真、第5図はホ
ウフッ化水素酸とp−トルエンスルホン酸の混合酸を用
いてポリアニリンを合成した際の、上記混合酸の混合比
とポリアニリンの嵩密度との関係を示すグラフである。 出願人  株式会社 小 松 製 作 所代理人  弁
理士  米 原 正 章

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 芳香族アミンもしくは芳香族ジアミンを極性溶媒中酸触
    媒の存在下に電解酸化重合により高分子化する方法にお
    いて、上記酸触媒として、(a)無機酸、(b)置換も
    しくは無置換の芳香族スルホン酸及び(c)置換もしく
    は無置換のアルキルスルホン酸の少なくとも2種を組み
    合わせて用いることを特徴とする導電性高分子の製造方
    法。
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