JPH01271565A - 鋼管で被覆拘束された鉄筋コンクリート柱 - Google Patents

鋼管で被覆拘束された鉄筋コンクリート柱

Info

Publication number
JPH01271565A
JPH01271565A JP10092588A JP10092588A JPH01271565A JP H01271565 A JPH01271565 A JP H01271565A JP 10092588 A JP10092588 A JP 10092588A JP 10092588 A JP10092588 A JP 10092588A JP H01271565 A JPH01271565 A JP H01271565A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
steel pipe
column
reinforcement
coated
main
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP10092588A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0674620B2 (ja
Inventor
Yoshioki Tsumiyama
積山 吉興
Ryoichi Sasaki
良一 佐々木
Koichi Minami
南 宏一
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NIPPON KENSETSU KK
Original Assignee
NIPPON KENSETSU KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NIPPON KENSETSU KK filed Critical NIPPON KENSETSU KK
Priority to JP63100925A priority Critical patent/JPH0674620B2/ja
Publication of JPH01271565A publication Critical patent/JPH01271565A/ja
Publication of JPH0674620B2 publication Critical patent/JPH0674620B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Rod-Shaped Construction Members (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、鉄筋コンクリート造の建築構造物における柱
、特に鋼管被覆鉄筋コンクリート複合柱に関する。
従来の技術と発明の課題 従来、鉄筋コンクリート造の柱における最も一般的な配
筋は、主筋を平行状に配置し、それをとり囲む形に所定
間隔置きに閉鎖形のフープ筋等のせん断補強筋を設けて
いる。
ところで、特に高層、超高層の鉄筋コンクリート建造物
においてその柱は、常時高軸力が載荷された状態におい
て、繰返し、曲げ、ぜん断力等の外力作用を受けること
を予想しなければならない。この外力の大きさが柱の弾
性限度の領域内であれば、柱は弾性変形し、しかる後外
力がなくなれば元の状態に復元するが、外力が弾性限界
の範囲を超えて負荷されると、柱は塑性変形し、もはや
元の状態に自己復元せず、さらに大きな外力が加えられ
ると急激な強度劣化を起こし、脆性的な破壊を起して支
承構造物としての機能を失う。このため、建築物の安全
性を確保するために、柱は塑性変形能力において可及的
大きく、粘り強さ、靭性に優れているものであることが
強く求められる。殊に近時、建築物設計上の基本的な考
え方としては、柱の変形が塑性領域に及ぶことを許容し
た上で、抜柱に十分な変形能力、即ち粘りまたは靭性を
もたせることにより、大地震時において少なくとも建物
の壊滅的な崩壊を防止し、もって人の安全だけはこれを
最優先に確保するという考え方が一般的なものとなって
きている。
このような新しい耐震設計上の考え方に基づき、前記の
ような従来の一般的な配筋構成の柱においても、せん断
補強筋量を増加させて、せん1折耐力の向上をはかるこ
とが試みられており、ある程度の成果を上げ得ているが
、もとよりその限界値は比較的低く、十分な満足が得ら
れるものではなかった。
これに対し、近時開発された技術として、鉄筋コンクリ
ート柱の耐震性を向上するため、特にその脆性的な破壊
を防止して十分な強度と靭性か確保できるようにするた
め、主筋を柱の長さ方向において交叉形に配置する所謂
X形配筋による方法が提案されている。このX形配筋法
は、これによって柱に加わる軸力支承と同時に、ぜん断
力を分散する機能を果し、耐震性能を飛躍的に向上せし
めることに成功している。しかしながら、このX形配筋
も、作用軸力がある限界をこえて高軸力になると、X形
主筋に沿ったコンクリートの破壊が起こり、粘りないし
靭性の急激な低下による脆性的破壊を起こすことが報告
されている。
一方、コンクリート柱の他の強度改善手段として、鋼管
被覆構法と呼ばれる方法も開発されている(例えば特開
昭61−126259号)。
即ち、これは、上記脆性破壊が、柱の主筋のかぶりコン
クリートの剥落、柱内部の破砕されたコンクリートの外
部へのはらみ出しにより、柱が軸力支承能力を失うこと
によるものである点に着目し、柱の外周面を鋼管で被覆
拘束して上記現象の発生を防止することにより、大きな
変形時においても柱形状を保ち、軸力を支えることを可
能にすることを意図したものである。この鋼管被覆構法
は、実験的に軸荷耐力の向上の有効性が確認されている
もの\、繰返し曲げ、せん断力に対しての耐力を含めた
総合的な強度特性の向上効果については未だ不安を残す
ものであった。
本発明は、上記のような従来技術の背景のもとにおいて
、柔構造による新耐震設計法に適った大きな塑性変形領
域をもち、従って、粘り強さないし靭性に優れた特性を
有しつ\、軸荷耐力にも優れた鉄筋コンクリート柱の提
供を目的としてなされたものである。
課題を解決するための手段 そして、本発明は、か\る目的のもと、柱のせん断耐力
を増大する主筋のX形配筋構成と、コンクリートのせん
断破壊を拘束する鋼管被覆法とを組合わせたものとする
ことに着目し、種々実験と研究の結果、上記組合わせに
より効果面においても相乗的効果が実現されることを見
出すに至り、これを完成し得たものである。
即ち、本発明は、鉄筋コンクリート造による柱主体内の
配筋構成において金主筋中の少なくとも一部に高さ方向
に斜行して中間部で交叉したX形主筋を包含すると共に
、前記往生体の外周面に該柱本体を拘束する状態にその
高さ方向の略全長に亘って被覆鋼管が被覆されてなるこ
とを特徴とする鋼管被覆鉄筋コンクリート複合柱を要旨
とするものである。
金主筋のうち、X形配筋構成をとるものは、その一部で
あっても、それに見合う効果を達成できる。従って、X
形主筋比β(=dat /at、dat:引張X形主筋
断面積、at :全引張主筋断面積)を考えた場合、こ
の発明はβ〉0をその範囲とし、設計に応じて適宜その
値を選定するものとするが、一般的に所期効果を遺憾な
く有効に実現するためにはβ=0,5以上、即ちβ〉0
.5に設定することが望ましく、設計によっては金主筋
をX形配筋とするβ=1に設定することが推奨される。
X形主筋の配筋方向は、柱の断面に対して左右方向また
は前後方向の1方向であっても良いし、両方向に温情し
た2方向であっても良い。
被覆鋼管の厚さは、後述の実験例では、市販の材料のう
ち厚さの最も薄い4.5m+の厚さのものを使用した例
を示したが、また後述のように被覆鋼管はコンクリート
に対する拘束力を受は持ち、その反作用としてのリング
テンションのみを受けさせるものとすれば良いことから
、その厚さは、運搬、設置等の作業上支障のない範囲内
で薄いもので足りる。種々の実験結果に鑑み、被覆鋼管
の厚さは、1. 0ml++以上程度であれば所期作用
効果の達成の点で必要かつ十分であり、実用的には2〜
5IM1程度が好ましいものと考えられるが、少なくと
も過度に厚すぎると、例えば10mをこえるような厚さ
のものはmW、コスト等の面での不利益の方が大きいも
のとなり好ましくない。
また、この発明に係る鋼管被覆鉄筋コンクリート複合柱
の構築は、所定の主筋配筋を施し、かつ鋼管を配設して
、該鋼管内にコンクリート打設を行うことによって築造
するものである。
この場合、配筋及び鋼管配備は、これを現場で行うもの
としても良いし、予め鋼管と配筋とを組合わせた鋼管及
び配筋先組み構体を製作し、これを現場に搬入設置して
コンクリート打設を行うものとしても良い。いずれにし
ても、この発明においては鋼管が型枠の役目を兼ね、別
途の型枠を不要とじうるものである。現場において配筋
後被覆鋼管を設置する場合、それが単体物である場合に
は作業が非常に困難である。従って、か\る場合は、被
覆鋼管を予め分割形のものとして製作しておき、これを
現場で相互に連結して所定の管状一体止物に組立てるも
のとすることが望ましい。この場合、その分割方向は所
謂縦割り、即ち軸線方向の分割線に沿って周方向に複数
個の分割鋼管部材に分割し、相互の側縁の接合用フラン
ジ部をボルト・ナット等の締結部材で締結して組立てる
ものとするのが有利である。
被覆鋼管の外面は、一般の建築物においてそれがそのま
\露出していることは好ましくない。
それ故、被覆鋼管の外面には、それ自体に予め耐火材か
らなる被覆層を形成したものとすることが推奨される。
か\る耐火材被覆層は、もちろん鉄筋コンクリート柱の
築造後の左官工事において被覆形成するものとしても良
い。
また、この発明に係る複合柱は、それにか\る圧縮力を
鋼管に負担せしめないものとすることが望ましい。即ち
、柱に加わる軸方向の圧縮力によって鋼管とコンクリー
トが一体となって挙動するものとする場合には、鋼管の
局部座屈によってそのコンクリートに対するコンファイ
ンド効果が減殺され、該鋼管によるコンクリートの耐圧
縮力を増大する効果が十分実現できなくなってしまう。
従って、軸方向の圧縮力はコンクリート柱本体のみに働
かせるものとし、鋼管には圧縮力を作用せしめないもの
としてコンファインド効果を与える反作用としてのリン
グテンションのみを受けさせるものとすることが望まし
い。このように、鋼管に軸方向の圧縮力を作用せしめな
いものとするための手段としては、鋼管の長さをコンク
リート柱本体の長さよりも僅かに小なるものとし、柱の
上下少なくとも一端部において鋼管による非被覆部分を
残すものとする方法、即ち、鋼管の上下端と梁または床
スラブとの間に僅かの間隔を存置せしめたものとする方
法、及び特開昭61−204455号のようにコンクリ
ートと鋼管とをアンボンド状態に相接せしめて両者が一
体挙動をしないように物理的に絶縁したものとする方法
等を任意に採択しうる。
実施例 次に、この発明の実施例を添附図面について説明する。
第1図及び第2図はこの発明に係る鋼管被覆鉄筋コンク
リート複合柱の構造を示す。
図中(1)はこの発明による鋼管被覆鉄筋コンクリート
複合柱であって、内部に主筋(4)を配したコンクリー
ト柱本体(2)と、その外周面を拘束状態に被覆した鋼
管(3)とよりなる。
鋼管(3)は、角形鋼管からなるもので、その上下端は
上方梁(5)下面及び下端の床スラブ(6)上面との間
に5〜10s程度の僅かの間隙(S)を存置したものと
なされている。即ち、鋼管(3)はコンクリート柱本体
(2)よりも長さにおいて僅かに短いものが用いられ、
柱本体(2)上下端の一部に鋼管非被覆部分(7)を残
存せしめたものとなされている。従って、柱(1)に加
わる圧縮力すなわち軸力は、コンクリート柱本体(2)
の断面のみに作用し、被覆鋼管(3)には直接作用しな
いものとなされている。
主筋(4)はいうまでもなく鉄筋が用いられるものであ
る。該主筋(4)の配筋構成は、所謂X形配筋によるも
のとなされている。即ち、主筋(4)のすべてが、柱本
体(2)の全長領域において長さ方向に対角方向に傾斜
し、中間部でX字状に交叉した配筋構成によるものとな
されている。従って、この主筋配筋部においては、平行
形配筋の場合に用いられるフープ筋等のせん断補強筋を
有しないものとなされ、鉄筋材料の節減をはかりつ\、
柱(1)のせん断耐力を増大し得るものとしている。
上記複合柱(1)の製作築造は、予め内部に主筋(4)
の配筋を施した鋼管(3)内に、コンクリートを注入充
填することによって行われる。ニーに、鋼管(3)及び
主筋(4)は、それらを現場で配筋組立てしたのち、コ
ンクリートの打設を行うものとしても良いし、あるいは
現場工事の簡素化による工期の短縮、人的労働力の節減
をはかる目的において、第3図に示すように鋼管(3)
内に予め主筋(4)を配設して仮組状態に組立てた配筋
先組構体(8)を工場で製作し、これを現場に搬入設置
してコンクリートの打設を行ういわばブレファブ化構法
によるものとしても良い。
後者のブレファブ化構法による場合、それに用いる配筋
先組構体(8)は第3図及び第4図に一例が示されるよ
うに、所定の被覆鋼管(3)内に、配筋止め金具(9)
を介して主筋(4)を所定のX形配筋状態に止着して組
立てられたもので、必要に応じて各主筋(4)に、外部
の主筋との接続緊締のためにロックナツト継手等の主筋
継手が付設装備される。配管止め金具(9)は、配筋先
組構体(8)の組立てのために鋼管(3)と主筋(4)
とを締結し、かつ鋼管内面と主筋(4)との間に所定の
間隔を存置して所定厚みのコンクリートのかぶりを得る
ためのスペーサーとしての役目を果しうるちのでなけれ
ばならないが、一方、コンクリートを打設したのちは前
述したような要請から鋼管(3)に対する主筋(4)の
一体的な結合を解いて、柱本体(2)と鋼管(3)とを
絶縁し、柱本体(2)の軸力、圧縮力に対する挙動を鋼
管(3)に及ぼしめないものとすることが望まれる。こ
のような要請に基づき、配筋止め金具(9)は、第5図
及び第6図に示すように、主筋(4)を貫通状に保持す
るリング体(lO)の外周面の一部に短筒状の雌ねじ部
(11)を形成し、接離ねじ部(11)に鋼管(3)の
外部から線管用ボルト(12)を螺合して上記主筋(4
)を鋼管(3)の内面側に所定の離間状態に定着保持せ
しめうるちのを用いるのが有利である。そして、現場に
おいて上記鋼管(3)内にコンクリートの打設を行った
のちは、望ましくはそれが十分に硬化されるまでに、第
7図に示すように上記締着用ボルト(12)を脱外除去
し、主筋(4)と鋼管(3)との一体的な結合関係を解
くものとすることが望ましい。
また、前記前者の現場組立てによる場合、配筋組立後の
被覆鋼管(3)の設置作業を容易化するため、該鋼管(
3)は分割形のものとして製作することが望ましい。こ
の分割形被覆鋼管(3’)(3’)は、例えば第8図及
び第9図に2つの具体例を示すように、角形鋼管の各平
面部の中央部または角部において軸線方向に沿って複数
個の分割鋼管部材(3a )  (3a )・・・また
は(3b)(3b)・・・に分割し、それらの側縁に外
方に曲折突設した接合用フランジ部(13)  (13
)を締結用ボルト・ナット(14)で締結一体止するこ
とにより、所定の角管状に組立てるものとすることが望
ましい。これらの図示例ではいずれも4分割に構成した
ものを示したが、もちろん2分割あるいは必要に応じて
5分割以上とすることも許容されるものである。
被覆鋼管(3’)(3’)の外面には、これに所要厚さ
の耐火材被覆層(15)が被覆形成されている。該被覆
層(15)は、例えばガラスウール、ロックウール等を
主材とする耐火性舗設材からなるもので、分割鋼管部材
(3a)(3b)の外面には、接合用フランジ(13)
部分を避けて予め被覆形成され、該部材の接合部上にお
いては接合後において接合部を覆う状態同様の材料によ
り爾後に補填部(15a )として被覆形成されるもの
である。
この発明の適用による上記実施例のような鋼管被覆鉄筋
コンクリート複合柱(1)は、柱本体(2)内の主筋(
4)のX形配筋構成により、それ自体が高層せん断力を
保有するものとなるのに加えて、被覆鋼管(3)による
コンクリート柱本体(2)のコンファインド効果により
、圧縮力、軸力に伴うコンクリート柱本体(2)の脆性
破壊を防止して高い耐圧縮力、軸荷耐力を実現し、両効
果の累積による相乗作用をもって、コンクリート柱の弾
性領域をこえた塑性領域範囲を拡大し、その粘り、ない
し靭性の増大により、断面積を増大することなく柔構造
の高層建築物用の柱として一層卓越した性能を発揮し得
られるものとなしうる。
なお、上記実施例においては角型柱によるものを示した
が、断面円形の丸形柱、あるいは断面多角形の多角柱に
ついてもこの発明は同様に適用しうるちのである。また
、鋼管(3)は、単一の柱においてその全長、全周に亘
って必ずしも一体物である必要はない。長さ方向におい
て複数個に分割された鋼管部材を用い、あるいは周方向
に分割された複数個の鋼管部材を用いて、それらを適宜
公知の接合構造で接合することにより、結果的に全体を
一体化した被覆鋼管を構成するものとしても良い。
(実験例) 次に、この発明の効果を確認するために行った実験例に
ついて説明する。
試験体としては、X形主筋比β(=dat/at、da
t :引張X形主筋断面積、at:全引張主筋断面積)
を実験変数として、X形主筋比βを、β=0、β=0,
5、β=1,0とした第1ないし第3の3種類の試験体
(SP)(SPX)(SX)を製作して使用した。即ち
、この3種類の試験体(SP)(SFX)(SX)は、
それぞれ第1O図(イ)(ロ)、第11図(イ)(ロ)
、第12図(イ)(ロ)に示すようなもので、第1試験
体(s p)は、主筋のすべてを平行配筋のみのものと
し、第2試験体(SFX)は金主筋のうち半分を平行配
筋、残り半分をX形配筋によるものとし、第3試験体(
SX)は、すべての主筋をX形配筋のみによるものとし
て構成したものである。ニーに、各試験体の共通事項と
しては次のとおりとした。
全主筋量    :8本−D13 コンクリート強度(Pc) : 0. 21tr/cIi 鋼  管    :角形、200履X 200咽X4. 5m 長さ(Ω)−590mm 柱長さ(h)    :600m 柱定着部    :主 筋・・・・・・平行補強筋・・
・・・・4.5mφ、 間隔25# 鋼管と柱定着部の 間の間隔    :5mm そして、更にもう1つの実験変数として、作用軸力比n
(−N/bDFc、N:作用軸力、bD=柱断面断面積
C:コンクリート破壊強度)を考え、上記3種類の試験
体について作用軸力比nをそれぞれn−0,2、n−0
,4、n−〇、6の3種類に設定して合計9体の試験体
(SP−2,4,6)(SFX−2,4,6)(SX−
2,4,6)とし、実験は、各試験体に一定軸方向力を
載荷した状態のもとに繰返し曲げ・せん断力を加力する
ことによって行った。
実験時のコンクリートの圧縮強度および作用軸力の大き
さ、並びに実験から求められた各試験体の終局耐力の大
きさは下記の第1表に示すとおりである。
第1表 また、各試験体の履歴特性は、第13図ないし第15図
の各(イ)(ロ)(ハ)の履歴曲線に示すとおりである
。これらの図において縦軸はせん断力Q (tf) 、
横軸は柱部材角R(10−2rad、)を表し、Qul
、Qu2は、計算値に基づく理論耐力を示す。
履歴曲線の全般的な傾向として認められるように、被覆
鋼管を用いた鉄筋コンクリート複合柱は、主筋の配筋状
態および作用軸力の大きさのいかんにか−わらず、本実
験の最終変位振幅であるR−5%rad、に達しても、
その耐力低下が見られず、極めて優れた靭性を有するこ
とが認められる。また、作用軸力の影響は、n−0゜6
までの範囲であれば、主筋の配筋状態のいかんにか\わ
らず作用軸力が増加するに従って耐力は増加する傾向を
示し、それに対して主筋の配筋状態を変数とした場合、
その履歴曲線の形状に著しい差異を生じていることがわ
かる。すなわち、平行配筋のみの第1試験体(S P)
では−作用軸力の大きさいかんにか\わらず、エネルギ
ー消費能力の少ない逆S字形の履歴曲線を示し、いかに
高密にコンクリート拘束を行っても主筋のすべりにより
エネルギー消費量の大きい紡錘形の履歴曲線を得ること
は極めて困難であることを示している。これに対して、
主筋を交叉させて配置したX形量筋によるものでは、X
形主筋比が増大するに従って、即ち、X形主筋比β=0
,5の第2試験体(SFX)よりも更に金主筋をX形量
筋としたβ=1,0の第3試験体(SX)の方が、X形
主筋のそのものには付着力を必要としないことにより作
用軸力の大きさのいかんにかNわらず、その履歴曲線が
次第にエネルギー消費量の大きい紡錘形の履歴曲線に改
善される傾向を示すことが認められる。
而して、特に金主筋をX形量筋とした第3試験体(SX
)で、作用軸力が最も大きいn−0゜6の試験体(SX
−6)が、9体の試験体の中でも最も優れた履歴曲線形
状を示すことが確認され得た。
発明の効果 この発明によれば、上記の実験例の結果からも明らかな
ように、高圧縮力、高ぜん断力に対して超高性能をもつ
柱を提供でき、ひいては耐震特性に優れて、急激な柱の
壊滅的な脆性破壊を防止した安全性の高い柔構造コンク
リート構造物の構築を可能とする。かつ、コンクリート
柱主体内のせん断補強筋の配筋を必要としないことによ
り、材料の節減をはかり得るのはもとより、被覆鋼管を
コンクリート打設用の型枠として機能せしめることがで
きるので、型枠材料の節減と工期の短縮をはかることが
できる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の実施例を示す鋼管被覆鉄筋コンクリ
ート複合柱の施工状態を示す一部破砕斜視図、第2図は
同縦断面図、第3図は上記実施例の複合柱の築造に用い
る配筋先組構体の一部破砕斜視図、第4図は同じくその
上面図、第5図は上記配筋先組構体における配筋止め金
具の取付部分の斜視図、第6図は同取付部分の水平断面
図、第7図はコンクリート打設後において締結用ボルト
を取外した状態を示す上記配筋止め金具取付部分の縦断
面図、第8図及び第9図は、それぞれ被覆鋼管を、現場
組立てのために分割形のものとして構成する場合の各実
施例を示す横断面図である。 第10図ないし第12図は第1ないし第3試験体の配筋
構成を示すもので、それぞれ図(イ)は柱の横断面によ
る配筋構成図、図(ロ)は同縦断面による配筋構成図で
ある。 第18図(イ)(ロ)(ハ)、第14図(イ)(ロ)(
ハ)、および第15図(イ)(ロ)(ハ)はそれぞれ第
1ないし第3試験体について作用軸力比をn−0,2、
n−0,4、n−0,6の変数に設定した場合のそれぞ
れの履歴曲線図である。 (1)・・・鋼管被覆鉄筋コンクリート複合柱、(2)
・・・コンクリート柱本体、(3)(3’)(3′)・
・・被覆鋼管、(3a )  (3b )・・・分割鋼
管部材、(4)・・・主筋、(8)・・・配筋先組構体
、(9)・・・配筋止め金具、(14)・・・締結部材
、(15)・・・耐火材被覆層。        以上
第3図 第8図 第9図 (マ) 第10図 第11図第12図

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)鉄筋コンクリート造による柱主体内の配筋構成に
    おいて全主筋中の少なくとも一部に高さ方向に斜行して
    中間部で交叉したX形主筋を包含すると共に、前記柱主
    体の外周面に該柱本体を拘束する状態にその高さ方向の
    略全長に亘って被覆鋼管が被覆されてなることを特徴と
    する鋼管被覆鉄筋コンクリート複合柱。
  2. (2)配筋構成中、X形主筋比β(=_da_t/a_
    t、_da_t:引張X形主筋断面積、a_t:全引張
    主筋断面積)が、β=0.5以上に設定されてなる請求
    項(1)記載の鋼管被覆鉄筋コンクリート複合柱。
  3. (3)配筋構成中、X形主筋比βが、β=1に設定され
    てなる請求項(1)記載の鋼管被覆鉄筋コンクリート複
    合柱。
  4. (4)被覆鋼管が軸線方向に沿う分割線によって周方向
    に分割された複数個の分割鋼管部材からなり、該部材相
    互がボルト・ナット等の締結部材で結合されて管状に構
    成されたものである請求項(1)ないし(3)のいずれ
    か1に記載の鋼管被覆鉄筋コンクリート複合柱。
  5. (5)被覆鋼管の外面に、耐火材被覆層が形成されてな
    る請求項(1)ないし(4)のいずれか1に記載の鋼管
    被覆鉄筋コンクリート複合柱。
  6. (6)被覆鋼管は、1.0mm以上の厚さを有する請求
    項(1)ないし(5)のいずれか1に記載の鋼管被覆鉄
    筋コンクリート複合柱。
JP63100925A 1988-04-22 1988-04-22 鋼管で被覆拘束された鉄筋コンクリート柱 Expired - Fee Related JPH0674620B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63100925A JPH0674620B2 (ja) 1988-04-22 1988-04-22 鋼管で被覆拘束された鉄筋コンクリート柱

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63100925A JPH0674620B2 (ja) 1988-04-22 1988-04-22 鋼管で被覆拘束された鉄筋コンクリート柱

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH01271565A true JPH01271565A (ja) 1989-10-30
JPH0674620B2 JPH0674620B2 (ja) 1994-09-21

Family

ID=14286927

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP63100925A Expired - Fee Related JPH0674620B2 (ja) 1988-04-22 1988-04-22 鋼管で被覆拘束された鉄筋コンクリート柱

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0674620B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01284631A (ja) * 1988-05-12 1989-11-15 Tokyu Constr Co Ltd 鉄筋コンクリート製柱の施工方法
JPH076340U (ja) * 1993-06-25 1995-01-31 新日本製鐵株式会社 補強鋼板被覆rc柱
CN109898655A (zh) * 2019-03-26 2019-06-18 上海息数建筑科技有限公司 支撑骨架以及支撑架
JP2020190089A (ja) * 2019-05-20 2020-11-26 株式会社向山工場 コンクリート充填円形鋼管柱
CN116220277A (zh) * 2023-04-13 2023-06-06 河北工业大学 钢管束混凝土下空式预拱梯度梁的连接结构及施工工艺

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101858557B1 (ko) * 2017-11-10 2018-05-16 주식회사 옥타곤엔지니어링 다중 x형 보강철근체가 구비된 철근콘크리트 기둥

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS50628A (ja) * 1973-05-07 1975-01-07
JPS5921305U (ja) * 1982-07-31 1984-02-09 永松 建治 耐火構造材
JPS62170636A (ja) * 1986-01-23 1987-07-27 三菱重工業株式会社 鋼管鉄筋コンクリ−ト柱
JPS62174439A (ja) * 1986-01-28 1987-07-31 株式会社長谷川工務店 Rc造部材の配筋構造

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS50628A (ja) * 1973-05-07 1975-01-07
JPS5921305U (ja) * 1982-07-31 1984-02-09 永松 建治 耐火構造材
JPS62170636A (ja) * 1986-01-23 1987-07-27 三菱重工業株式会社 鋼管鉄筋コンクリ−ト柱
JPS62174439A (ja) * 1986-01-28 1987-07-31 株式会社長谷川工務店 Rc造部材の配筋構造

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01284631A (ja) * 1988-05-12 1989-11-15 Tokyu Constr Co Ltd 鉄筋コンクリート製柱の施工方法
JPH076340U (ja) * 1993-06-25 1995-01-31 新日本製鐵株式会社 補強鋼板被覆rc柱
CN109898655A (zh) * 2019-03-26 2019-06-18 上海息数建筑科技有限公司 支撑骨架以及支撑架
JP2020190089A (ja) * 2019-05-20 2020-11-26 株式会社向山工場 コンクリート充填円形鋼管柱
CN116220277A (zh) * 2023-04-13 2023-06-06 河北工业大学 钢管束混凝土下空式预拱梯度梁的连接结构及施工工艺

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0674620B2 (ja) 1994-09-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2000144905A (ja) 混合構造梁
JPH01271565A (ja) 鋼管で被覆拘束された鉄筋コンクリート柱
Teran et al. Reinforced concrete jacketing of existing structures
JPH10204993A (ja) 充填鋼管コンクリート構造柱
JPH01271554A (ja) 鋼管被覆鉄筋コンクリート複合柱の築造方法及び配筋先組構体
JP3306226B2 (ja) 連層耐震壁の付帯柱脚部構造
JPS6035700Y2 (ja) 鉄筋コンクリ−ト柱
JPH05272198A (ja) コア柱
JP3924231B2 (ja) 鉄筋コンクリート造部材の補強構造
JP7393816B2 (ja) 構造基材、構造部材、構造物及び構造部材の構築方法
JP2762906B2 (ja) Rc架構
JP2001012011A (ja) 鉄筋コンクリート造の柱構造
JP2536361B2 (ja) Rc構造物の柱・梁接合部構造
JPS5920492Y2 (ja) Pc版製耐力定着構造
JPH0350847B2 (ja)
JP2884279B2 (ja) 充填型鋼管コンクリート柱
KR20240060401A (ko) 복합폴리우레아와 철판에 의한 내진보강 시스템
JPH0439926Y2 (ja)
JPH0518985B2 (ja)
JPS6229588B2 (ja)
JPH0329937B2 (ja)
JPH07317211A (ja) 充填鋼管コンクリート柱
JP3777533B2 (ja) 耐震補強建物
JPS647193B2 (ja)
JP2757060B2 (ja) 鉄筋コンクリート造ラーメン構造における梁の配筋構造

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees