JPH0127087Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、PHガラス電極、比較電極及び温度補
償用の感熱抵抗素子（以下、「感熱素子」とい
う。）を一体化して構成したPH測定用複合電極に
関する。

従来のこの種のPH測定用複合電極は、温度補償
用の感熱素子が、電極支持ガラス管内に設けられ
た感熱素子用の収容室の内部、又は、ガラス管に
封入した状態でPHガラス電極の内部液内等に配置
され、即ち、いずれの場合も、ガラス感応膜より
離れた位置に設置され且つ被検物との間に内部液
等が存在するため、被検物の温度が変化した場合
の感知が遅れ即ち温度応答が遅く、PH測定におけ
る安定度及び精度が低いという問題を生じてい
た。

本考案は叙上の問題に鑑みて為されたもので、
PH測定用複合電極において、ガラス感応膜にガラ
ス管を接合し、その開口部に感熱素子を取付ける
ことにより感熱素子が被検物に直接接し得るよう
にしてその温度変化に直ちに対応させ、もつて、
PHの測定性能を向上させようとするものである。

以下、本考案の実施例を図面を参照しつつ説明
する。

第１図は本考案に係るPH測定用複合電極の第１
の実施例を示すもので、液絡部がいわゆる摺合せ
式に構成されたものである。同図において、１は
電極支持ガラス管で、比較電極側の内部液２の補
充口３ａ及びスカート状部分３ｂが形成された外
側管３、内側管４、内側管４に接合され且つスカ
ート状部分３ｂと摺合せ状に嵌合されたガラス感
応膜支持体５、及び、リード線６に接続された内
部比較電極７を支持するための内側管８から成つ
ている。９はガラス感応膜支持体５に接合（溶
着）されたガラス感応膜、１０はガラス感応膜９
側の内部液１１内に設置された内部電極、１２は
そのリード線である。１４はPHガラス電極の内部
液１１内を貫通し先端部１４ａがガラス感応膜９
の中央部に接合された、感熱素子保持用のガラス
管で、その上端部は内側管４及びガラス感応膜支
持体５に接合されている。１５はガラス管１４の
先端部１４ａの開口部１４ｂに取付けられた感熱
素子（例えば、サーミスタ）で、ガラス管１４の
下部に充填された接着材１６、例えば、シリコー
ン接着材によつて固定されている。１７は感熱素
子１５のリード線、１８は電極キヤツプ、１９は
リード線６，１２及び１７等を統合した電極ケー
ブルである。

このような構成によれば、感熱素子１５は、ガ
ラス感応膜９と共に被検物に直接接触するので、
その温度変化を直ちに感知することができる。

第２図は本考案に係るPH測定用複合電極の第２
の実施例を示すもので、同図中、２１は電極支持
ガラス管で、比較電極側の内部液２の補充口２２
ａが形成された外側管２２、内側管２３、内側管
２３に接合され比較電極側の内部液２とPHガラス
電極側の内部液１１とを仕切るガラス隔壁２５、
リード線６に接続された内部比較電極７を支持す
るための内側管２８から成つている。２９は外側
管２２とガラス隔壁２５との接合部分３０に接合
されたガラス感応膜、２３はPHガラス電極の内部
液１１内を貫通し先端部３２ａがガラス感応膜２
９の中央部に接合された、感熱素子保持用のガラ
ス管で、その上端部は内側管２３とガラス隔壁２
５との接合部分３３に接合されている。ガラス管
３２の先端部３２ａの開口部３２ｂには上記第１
の実施例と同様に、リード線１７を有する感熱素
子１５が接着材１６により固定されている。３４
はPHガラス電極側の内部電極１０とそのリード線
１２との接続部分に設けられたブツシユで、内部
液１１のシールを兼ねている。３６は、ガラス管
３２と同様にガラス感応膜２９側の内部液１１内
を貫通させた液絡用ガラス管で、その胴部がガラ
ス管３２に接合されると共に（第２図ｃ）、その
両端がガラス隔壁２５及びガラス感応膜２９に、
それぞれ接合され、その中空部内に石綿繊維又は
木綿糸の如き吸水性の芯体３７が挿通されてい
る。該芯体３７の両端部３７ａ及び３７ｂは、そ
れぞれ、比較電極側の内部液２内、及び、ガラス
感応膜２９の外側に、突出せしめられ、内部液２
が芯体３７に浸透しつつガラス感応膜２９外に微
量ずつ浸出するようになつている。従つて、芯体
３７の下端部３７ｂにより比較電極の液絡部が構
成される。なお、１８及び１９は上記第１の実施
例と同様の要素である。

このような構成によれば、感熱素子１５は、上
記第１の実施例の場合と同様に被検物の温度変化
を直ちに感知する。また、液絡部としての芯体３
７の先端部３７ｂがガラス感応膜１１とほぼ同時
に被検物に接するので、液体物質、ゲル状物質等
のPHを測定する際に被検物の量が少なくてすみ、
更に、表面部分のPHのみを特に測定する必要のあ
る、いわゆる表面状サンプルに対しても好都合で
ある。

以上述べた如く、本考案は、PHガラス電極、比
較電極及び温度補償用の感熱素子が一体化された
PH測定用複合電極において、PHガラス電極の内部
液内を貫通させたガラス管の先端部をガラス感応
膜に接合し、その接合部分の開口部に感熱素子を
取付けて、感熱素子が被検物に直接接触し得るよ
うに構成したものであるから、PHの測定時に被検
物の温度変化に瞬時に対応し即ち温度応答が早
く、従つて、PH測定における安定度及び精度が格
段に向上し、また、形態もコンパクトで使用上便
利である等の優れた利点を具えた、PH測定用複合
電極を提供し得るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図ａは本考案に係るPH測定用複合電極の第
１の実施例について電極キヤツプ及び電極ケーブ
ルを除いて破断して示した縦断面図、同図ｂはそ
の要部拡大図、第２図ａ及びｂは、それぞれ、第
２の実施例について、第１図と同様に表わした縦
断面図及び要部拡大図、第２図ｃは第２図ｂ中Ｘ
−X′線断面図である。 ２……比較電極側の内部液、３ｂ……スカート
状部分、５……ガラス感応膜支持体、７……内部
比較電極、９，２９……ガラス感応膜、１０……
PHガラス電極の内部電極、１１……PHガラス電極
の内部液、１４，３２……ガラス管、１５……感
熱素子。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. PHガラス電極、比較電極及び温度補償用の感熱
   抵抗素子を一体化して構成したPH測定用複合電極
   において、PHガラス電極の内部液内を貫通するガ
   ラス管の先端部をガラス感応膜に接合すると共
   に、該ガラス管の前記接合部分の開口部に前記感
   熱抵抗素子を取付けたことを特徴とするPH測定用
   複合電極。