JPH01266153A - 帯電防止樹脂組成物 - Google Patents

帯電防止樹脂組成物

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JPH01266153A
JPH01266153A JP9615788A JP9615788A JPH01266153A JP H01266153 A JPH01266153 A JP H01266153A JP 9615788 A JP9615788 A JP 9615788A JP 9615788 A JP9615788 A JP 9615788A JP H01266153 A JPH01266153 A JP H01266153A
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博義 浜中
Tetsuji Kakizaki
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の背景〕 (産業上の利用分野) 本発明は半導体関係の梱包・包装、電子回路基板の包装
、電子部品の包装、エレクトロニクス機器、医療機器、
精密機器などの包装及びカバー、更には医薬品、化粧品
、食用品の防塵包装、危険物の包装等を目的とした静電
気障害対策用樹脂組成物に関する。
〔従来の技術および発明が解決しようとする課題〕プラ
スチックは透明性、耐久性、軽量性等の優れた性質をを
することから幅広い分野にわたって使用されているが、
これは電気絶縁性の素材である為、使用法ないし用途に
よっては静電気による各種障害が発生して問題となる。
とりわけ、エレクトロニクス分野においては、静電気に
よるIC。
LSIの破壊、損傷が問題化しており、静電気対策は重
要かつ緊急なテーマである。
それには、周囲にある帯電前を発生させ易い絶縁体材料
自体の電気特性を改善する必要があり、今までに、金属
繊維、金属メツキ繊維等を練り込んだプラスチックや、
カーボンブラック、グラファイト、酸化スズ、酸化亜鉛
、酸化インジウムなどを配合したフィルム、シート等が
つくられてきた。しかしながら、それらの無機の導電化
剤は、マトリックス樹脂中に互いに接する程多量に混入
させなければ全体を帯電させない材料へと転換させるこ
とができず、コストアップになると共に基体材料のもつ
物性を著しく変化させてしまうという欠点があった。ま
た、これらの無機物質では透明な帯電防止成型物をつく
ることができないということも難点であった。
そのような意味では、界面活性剤を応用した内部練り込
み型帯電防止剤が少量の添加量でよいこと、それ程極端
に基体材料の物性を変化させないこと及び透明成型品を
つくり得ること等から、簡便かつ低コストで加工できる
ので従来より主として塵埃の付着防止を意図した静電気
対策用に広く使われてきた。
しかし、帯tg防止剤は分子が基体材料の表面に移行す
ることによりはじめて効果が発現するものであり、しか
も表面に出たものは不安定で温度、湿度あるいは接触、
摩擦等の外部条件、因子によって乱されたり、取り除か
れてしまい、また、内部にある分子もある時間を経ると
ほとんどのものが表面に移行して抜は出してしまうため
に、効果の安定性も持続性も与えることができなかった
さらに、その帯電防止機構自身が表面に存在する帯電防
止剤分子の親水基の部分がもたらすキャリア効果(イオ
ン伝導機構)によっているために、表面での帯電防止剤
分子の配向吸着状懇に少しでも乱れが生じると、帯電前
を100%減衰させることが不可能となってしまうもの
であった。
したがって、帯電防止剤はIC5LSI関連機能製品の
輸送時、使用時等において、周囲の静電気による影響を
排除できる手段であるとは厳密な意味で言えなかった。
〔発明の概要〕
(課題を解決するための手段) 本発明は、この問題点の解決を与えるものであって、フ
ッ化ビニリデン樹脂と、半極性結合構造を保持しつつ、
ホウ素原子が分子内に規則正しく組み込まれている有機
ホウ素高分子化合物とヒドロキシアルキルアミンとを反
応させることによってつくられる高分子電荷移動型結合
体を組合せることにより、該フッ化ビニリデン樹脂の帯
電性が取り除かれ、接触、摩擦、外部電圧の印加等によ
って瞬間的に生じる帯電前が素早く、かつ、完全に漏洩
され、上述の帯電防止剤と異なり、永久的でしかも安定
した無帯電製品をつくり得ることを見いだし、本発明を
完成した。
要旨 すなわち、本発明による帯電防止樹脂組成物は、下記の
成分(1)および成分(2)を含んでなるものである。
成分(1):フッ化ビニリデン樹脂 成分(2):下記の一般式Iにて表わされる半極性有機
ホウ素高分子化合物の1種若しくは2種以上と、ヒドロ
キシル基を少なくとも1個有する合計炭素数5〜82の
三級アミンの1種若しくは2種以上との、ホウ素原子1
個対塩基性窒素原子1個の割合の反応生成物である高分
子電荷移動型結合体(以下、所定の高分子電荷移動型結
合体と称する。)。
〔式中、qは0または1で、q−1の時、Aは−(X)
a−(Y)b−(Z)c−基(但し、XおよびZは1個
の末端エーテル残基をもつ炭素数合計100以下の含酸
素炭化水素基、Yは82の炭化水素基)もしくは Cl−1110 炭素数2〜13の炭化水素基)であり、aSb、CはO
または1である。)であり、pは10〜1000である
。〕 効果 本発明による帯電防止樹脂組成物は、永久帯電防止樹脂
組成物と呼びうるほどに永続的な帯電防止効果を有する
すなわち、フッ化ビニリデン樹脂に使用される本発明の
所定の高分子電荷移動型結合体は、配位結合型のイオン
構造物質であり、極性の大きい高分子物質であるのにも
かかわらず、極性の小さい該フッ化ビニリデン樹脂と良
く融解混和するため、基体樹脂からはじき出されること
なく、しかも、フェルミ準位をなすかたちで異種物質と
して作用するので、表面の帯電荷だけを中和する帯電防
止剤の場合と違い、通常の条件において基体樹脂を内部
から永久的に非帯電性の材料とするだけでなく、高電圧
下で強制帯電させることを繰返しても常に100%電荷
を漏洩させことができる。また、本発明の所定の高分子
電荷移動型結合体は、電子の運動性を呈する導電性高分
子である。したがって、電子伝導性を示すのでイオン伝
導機構に基く帯電防止剤と異なり、基体材料の表面に存
在しなくても、十分に帯電防止効果を発揮する。
なお、本発明の所定の高分子電荷移動型結合体は熱安定
性が極めて良好であるため、これを含有する樹脂組成物
は高い成形加工温度での取扱いにおいても熱劣化による
物性の低下が殆んどみられない。
〔本発明の詳細な説明〕
定義 本発明による帯電防止樹脂組成物は、成分(1)および
成分(2)を含んでなるものである。
ここで、「含んでなる」ということは、これらの必須二
成分の外に、本発明の趣旨を損なわない限り、補助的資
材(詳細後記)を含んでよいことを意味する。
成分(1) 本発明で成分(1)として用いるフッ化ビニリデン樹脂
とは、フッ化ビニリデンの単独重合体(以下、PVDF
と称す)、及びフッ化ビニリデンの50モル%以上とこ
れと共重合可能なモノマーの残存量との共重合体を言う
ものとする。フッ化ビニリデンと共重合可能なモノマー
とは、文字どおりフッ化ビニリデンと共重合可能なもの
であれば限定されないが、例えば、エチレン、プロピレ
ン等のオレフィン、塩化ビニル、塩化ビニリデン等の塩
素置換ビニル化合物、フッ素置換オレフィン等が好まし
く、特にフッ素置換オレフィン、例えばテトラフルオロ
エチレン、フッ化ビニル、トリフルオロチレン、6フツ
化プロピレンなど、が好ましい。
これらのフッ化ビニリデン樹脂は、乳化重合や懸濁重合
等公知のフッ化ビニリデン重合法のいずれかにより製造
することができる。
また、これらのフッ化ビニリデン樹脂の固有粘度ηiは
、0.4〜1.5、好ましくは、0.7〜1.2、の範
囲にあることが適当である。固有粘度ηiが0.4未満
のものは得られる成形品の強度が小さく、1.5超過の
ものは他に溶剤や可塑剤等を併用しないと成形性に難点
がある。
ここで、固有粘度ηiとは次式で表される値をいう。
η :  0.4g/d、l!の濃度を有するフッ化ビ
ニリデン樹脂のジメチルホルムアミ ド溶液の粘度(30℃) η0: ジメチルホルムアミド単独の粘度c:o、4 また混合する熱可塑性樹脂はこれらの混合物であっても
よい。
成分(2) 本発明で帯電防止材として用いる所定の高分子電荷移動
型結合体は、前記の式(I)の半極性有機ホウ素高分子
化合物の1種若しくは2種以上とヒドロキシル基含有三
級アミンの1種または2種以上との反応生成物(ただし
、ホウ素原子1個対塩基性窒素原子1個の割合の反応生
成物である)である。
前者の式(I)のホウ素化合物は、たとえば下記の(a
)または(b)の方法によって製造することができる。
(a)法ニ一般式■ 〔式中、qは0または1で、Q−1の時、Aは−(X)
a−(Y)b−(Z)c−基(但し、XおよびZは1個
の末端エーテル残基をもつ炭素数合計100以下の含酸
素炭化水素基、Yは82、好ましくは6〜82、の炭化
水素基)もしくは 炭素数2〜13、好ましくは6〜13、の炭化水素基)
であり、aSbおよびCはそれぞれ0または1である。
)である〕にて表わされる化合物の1種若しくは2種以
上を合計1モルに対して、ホウ酸若しくは炭素数4以下
の低級アルコールのホウ酸トリエステルを1モルか、ま
たは無水ホウ酸を0.5モル反応させてトリエステル化
反応を行う。
(b)法ニジ(グリセリン)ボラート若しくは中間にジ
(グリセリン)ボラート残基を含む炭素数合計206以
下、好ましくは10〜100、のジオールの1種若しく
は2種以上についてポリエーテル化反応を行うか、また
は、それらの1種若しくは2種以上を合計1モルに対し
て、炭素数3〜84、好ましくは8〜84、のジカルボ
ン酸(以下、所定のジカルボン酸と称する。)若しくは
炭素数4以下の低級アルコールと所定のジカルボン酸と
のエステル若しくは所定のジカルボン酸のハライド若し
くは炭素数4〜15、好ましくは8〜15、のジイソシ
アナート(以下、所定のジイソシアナートと称する。)
の1種若しくは2種以上を合計1モル反応させる。
このようにしてつくられる半極性有機ホウ素高分子化合
物(以下、所定の半極性有機ホウ素高分子化合物と称す
る。)の1種若しくは2種以上と、ヒドロキシル基を少
なくとも1個有する合計炭素数5〜82、好ましくは5
〜30、の三級アミン(以下、所定の三級アミンと称す
る。)の1種若しくは2種以上とを、ホウ素原子1個対
塩基性窒素原子1個になるように仕組まれた割合で、密
閉若しくは開口型の反応器に仕込み、常圧下、20〜2
00℃、好ましくは、50〜150℃、において反応さ
せれば、本発明の帯電防止剤(以下、所定の高分子電荷
移動型結合体という)が製造される。その際、アルコー
ル、エーテル、ケトン等の極性溶媒を共存させると、よ
り容易に反応を行なうことができる。
本発明の所定の高分子電荷移動型結合体とその中間体で
ある所定の半極性有機ホウ素高分子化合物を導くための
原料は、下記の通りである。
まず、所定の半極性有機ホウ素高分子化合物を導く(a
)法の原料である一般式■で表される化合物としては、
例えば、ジグリセリン、ジ(グリセリン)マロナート、
ジ(グリセリン)マレア−ト、ジ(グリセリン)アジパ
ート、ジ(グリセリン)テレフタラート、ジ(グリセリ
ン)ドデカナート、ポリ(9モル)オキジエチレンジ(
グリセリンエーテル)、ジ(グリセリン)トリレンジカ
ルバマート、ジ(グリセリン)メチレンビス(4−フェ
ニルカルバマート)などを挙げることができ、一方、(
b)法における所定のジカルボン酸としては、例えば、
マロン酸、マレイン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシ
ン酸、フタル酸、テレフタル酸、ドデカン・二酸、リノ
ール酸から誘導されたダイマー酸、ドデシルマレイン酸
、ドデセニルマレイン酸、オクタデシルマレイン酸、オ
クタデセニルマレイン酸、平均重合度20のポリブテニ
ル基を連結させているマレイン酸等が挙げられ、また、
所定のジイソシアナートとしては、例えば、エチレンジ
イソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、ト
リレンジイソシアナートおよびメチレンビス(4−フェ
ニルイソシアナート)等が挙げられる。
次に、所定の半極性有機ホウ素高分子化合物と反応させ
る所定の三級アミンとしては、例えば、ジエチルヒドロ
キシメチルアミン、ジメチル2−ヒドロキシブロピルア
ミン、スチレン(2−ヒドロキシエチルアミン、トリ(
2−ヒドロキシエチル)アミン、ヒドロキシスチレン(
2−ヒドロキシエチル)アミン、ジベンジル2−ヒドロ
キシプロピルアミン、シクロへキシルジ(2−ヒドロキ
シエチル)アミン、ジ(ヘキサデシル)アミンのエチレ
ンオキシド(1〜25モル)付加体、およびモノブチル
アミンのプロピレンオキシド(1〜26モル)付加体等
が挙げられる。
なお、本発明に関連して、所定の半極性有機ホウ素高分
子化合物と反応させるアミン原料を所定の三級アミン以
外の種類、すなわち、−級若しくは二級アミンとしたも
のは、電荷移動型結合体が首尾良くつくられず、また、
できたものも不安定な化合物となるので、導電性の発現
並びに保持に難があり、したがって、フッ化ビニリデン
樹脂に対して永久帯電防止性を付与し得ない。
また、ヒドロキシシル基をもたない三級アミンを使用し
た場合には、生成した高分子電荷移動型結合体間を多重
的水素結合によってつなぐことを行い得ず、したがって
個々の鎖の運動性を大きくさせてしまうために、基体材
料中の集合状態に変化を起こさせてしまい、電荷漏洩性
が不十分となるので好ましくない。
本発明組成物 本発明の所定の高分子電荷移動型結合体のフッ化ビニリ
デン樹脂への配合量は、目的に応じて種々異なるが、一
般にはフッ化ビニリデン樹脂100重量部に対して0.
01〜10重量部、好ましくは0.05〜5重量部、特
に好ましくは0.1〜3重量部である。少なすぎると、
本発明の目的である高性能の帯電防止が得られない。他
方、多すぎると着色やブリード等の問題を生じて好まし
くない。
本発明においては、このような本発明の樹脂組成物の過
半重量に、他の熱可塑性樹脂を残存量混合して用いるこ
ともできる。混合できる熱可塑性樹脂は、本発明の効果
を損なわないものならば、その種類は限定されない。混
合できる熱可塑性樹脂としては、アクリル系樹脂、ポリ
オレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポ
リアミド、ポリエステル、ポリフッ化ビニル、スチレン
系樹脂、ポリフェニレンオキシド等が好ましく用いられ
る。
更に本発明の樹脂組成物には、必要に応じて無機フィラ
ー、有機フィラー、エラストマー等のポリマー材料を本
発明の効果を著しく損なわない範囲において配合して加
工性、剛性、柔軟性などを改善することもできる。
また、上記成分以外に当然のことながらその他の配合剤
、例えば安定剤、酸化防止剤、滑剤、アンチブロッキン
グ剤等の加工助剤、難燃剤、各種の顔料、染料、紫外線
吸収剤等を適宜使用可能である。
本発明の樹脂組成物は、従来公知のあらゆる配合方法に
よって製造することができる。
例えば、混練法としてはオーブンロール、インテンシブ
ミキサー、コニーダー、単軸あるいは2軸スクリュー押
出機などが用いられる。
具体例としては、粉状またはペレット状の本発明のフッ
化ビニリデン樹脂に所定の高分子電荷移動型結合体およ
び所望の付加的成分を配合し、ヘンシェルミキサー等で
混合したのち、−軸ないし二輪の押出機で溶融混合して
ペレット状組成物となす。配合成分は樹脂に混練途中で
添加されてもよく、また、マスターバッチ方式で添加さ
れてもよい。
得られたペレットを射出成形、押出し成形、中空成形、
圧空成形、フィルム成形、熱圧成形、紡糸等の各種成形
に供し、更には必要に応じて二次加工を加えて成形体製
品を得る。
フィルム、シートの押出成形、中空成形等の場合には、
他樹脂との多層化も可能であり、目的に応じて片面表層
に、あるいは両面表層に本発明の樹脂組成物を用いるこ
とができる。また、金属、金属酸化物あるいは炭素系導
電性フィラー含有樹脂からなる成形体表面に本発明の樹
脂組成物層を形成させて用いることもできる。
これらの成形体は、帯電防止、静電気除去を目的とした
多くの分野で利用される。例えば帯電防止の場合、IC
の運搬保管用包装資材(キャリア、トレイ、袋、ラック
、コンテナ等)、電子部品用パーツボックス、磁気テー
プ、オーディオテープのケース、スリップシート、火薬
類等危険物の包装資材などに適用される。また、静電気
除去としては除電ロール、シート等に、あるいは半導体
材料として情報記録紙、各種抵抗体等に適用される。
また、本発明の樹脂組成物は、フィルムにした場合、水
濡れ性が良いので、建築土木資材、農業用ハウス材料や
冷凍食品の包装材料としても適する。
なお、本発明の樹脂組成物に対して、銀、銅、黄銅、鉄
等の粉体若しくは繊維状にしたもの、または、カーボン
ブラック若しくは錫コート酸化チタン、錫コートシリカ
等の導電性フィラーを共存させた成形体は、より精度の
高い電磁波シールド材料となる。
〔実施例等〕
以下に実施例を挙げて、さらに詳述する。これらの例に
おいて記載された「部」は重量部を意味し、「%」は重
量%を意味する。
また、各実施例において使用した所定の高分子電荷移動
型結合体は、下記の表1に記載の構造式を有する所定の
高分子電荷移動型結合体からなる。
実施例1 フッ化ビニリデンの単独重合体(比重:1.77、見掛
は溶媒粘度9,000ポイズ)パウダー100部に対し
て、本発明の所定の高分子電荷移動型結合体をそれぞれ
適量添加し、単軸押出機にて220℃で溶融混練してペ
レットを得た。
該ペレットを用いて230℃でシート成形を行い、厚さ
200μmのシートを得た。しかる後、該シートを23
℃、50%RHの恒温恒湿条件にて3日間、30日間静
置させ、表面固有抵抗と帯電減衰率(ただし、試料表面
にl0KVの電圧を印加して強制帯電させた後、印加を
除き、2分後の残留電荷の有無を調べて換算したもの。
)を測定した。また、比較物質として、公知の帯電防止
剤のN、 N−ジ(2−ヒドロキシエチル)ステアリル
アミンを選び、同様の試験に洪した。
ここで、本実施例において使用された所定の高分子電荷
移動型結合体の具体的製造方法を、例えば、所定の高分
子電荷移動型結合体(1)及び(2)について示すと、
次の通りである。
すなわち、所定の高分子電荷移動型結合体(1)は、撹
拌棒、温度計、N2ガス流入管及び検水管を備えた四ツ
目フラスコに、ジ(グリセリン)ボラート1モルとアジ
ピン酸1モルを仕込み、N2ガスの流入下、220〜2
30℃で4時間を要して、2モル分の脱水を得るまで反
応させ、溶融粘度の上昇を確認した後、70℃まで冷却
させる。
その後生成物とほぼ同量のメチルエチルケトンを注入し
て、均一溶液としたところで、ポリ(25モル)オキシ
エチレンージヘキサデシルアミン1モルを投入して、1
時間70〜75℃で反応させ、つづいて、150ans
Hgの減圧下、120〜130℃で2時間を要して、希
釈溶媒のメチルエチルケトンを系外に留出させることに
より、得られるものである。
また、所定の高分子電荷移動型結合体(5)は、ポリ(
9モル)オキシエチレンージ(グリセリンエーテル)1
モルとホウ酸1モルを仕込み、N2気流下150〜23
0℃にて5時間を要して、3モル分の脱水を得るまで反
応させ、溶融粘度の上昇を確認した後、70℃まで冷却
させる。その後生成物とほぼ同量のイソプロピルアルコ
ールを注入して、均一溶液としたところで、ベヘニルー
ジ(2−ヒドロキシフェネチル)アミン1モルを投入し
て、1時間75〜80℃で反応させ、つづいて、常圧下
、150〜160℃で3時間を要して、希釈溶媒のイソ
プロピルアルコールを系外に留出させることにより、得
られるものである。なお、他の所定の高分子電荷移動型
結合体の製造方法もほぼ上述の方法と同様である。
試験結果は表2に示した通りであるが、本発明の、所定
の高分子電荷移動型結合体が均質分散されたフッ化ビニ
リデン樹脂シートは表面抵抗が比較的大きいにもかかわ
らず、全(帯電荷を残さず、しかも経時的に性能が低下
するという現象も殆ど見られないということがわかった
なお、本実施例に用いたフッ化ビニリデン樹脂の見掛は
溶媒粘度は、モンサイト社キャピラリーレオメータ−を
使用し、オリフィス径は0.041φ、L/D−15の
ものを用いて、230℃、100sec−■で求めた値
である。
実施例2 フッ化ビニリデンと6フツ化プロピレン共重合体(比重
1.78、見掛は溶媒粘度25.000ボイス)パウダ
ー100部に対して、本発明の所定の高分子電荷移動型
結合体とアンチブロッキング剤およびスリップ剤をそれ
ぞれ適量添加し、単軸押出機にて230℃で溶融混練し
てペレットを得た。該ペレットを用いてTダイ押出機に
て230℃でフィルム成形を行い、厚さ50μmのフィ
ルムを得た。これらのフィルムの電気特性について、実
施例1と同様の方法でn1定を行なった。
試験結果は表3に示す通りであるが、本発明の組成物に
よるフィルムは、全く帯電荷を残さず、しかも経済的に
性能が低下するという現象も殆ど見られない。また、本
発明の所定の高分子電荷移動型結合体の添加による該共
重合体のフィルム成形加工性の悪化等の問題も全く見ら
れなかった。
実施例3 実施例1のフッ化ビニリデン樹脂75%とアクリル樹脂
25%と本発明の所定の高分子電荷移動型結合体を適量
添加し、2軸押口機にて220℃で溶融混練してペレッ
トを得た。該ペレットを用い、射出成形機にてシリンダ
温度240℃、金型温度60℃の条件にて2mmt X
 100mmX 100關のシートを成形した、該シー
トの電気特性を実施例1と同様の方法でn1定した。
試験結果は表4に示す通りであるが、本発明の組成物に
よるシートは、全く帯電荷を残さず、かつ経時的な性能
低下も見られなかった。
なお、比較物質として公知の帯電防止剤のN。
N−ジ(2−ヒドロキシエチル)ステアリルアミンを用
いたが、この場合成形シート表面へのブリードアウトが
顕著であり、実用的にも問題があることが把握された。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 下記の成分(1)および成分(2)を含んでなる帯電防
    止樹脂組成物。 成分(1):フッ化ビニリデン樹脂 成分(2):下記の一般式 I にて表わされる半極性有
    機ホウ素高分子化合物の1種若しくは2種以上と、ヒド
    ロキシル基を少なくとも1個有する合計炭素数5〜82
    の三級アミンの1種若しくは2種以上との、ホウ素原子
    1個対塩基性窒素原子1個の割合の反応生成物である高
    分子電荷移動型結合体。 ▲数式、化学式、表等があります▼・・・ I 〔式中、qは0または1で、q=1の時、Aは−(X)
    a−(Y)b−(Z)c−基{但し、XおよびZは1個
    の末端エーテル残基をもつ炭素数合計100以下の含酸
    素炭化水素基、Yは ▲数式、化学式、表等があります▼基 (但し、Rは炭素数1〜82の炭化水素基)もしくは ▲数式、化学式、表等があります▼基 (但し、R′は炭素数2〜13の炭化水素基)であり、
    a、b、およびcはそれぞれ0または1である。}であ
    り、pは10〜1000である。〕
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO1999052970A1 (fr) * 1998-04-14 1999-10-21 Nippon Zeon Co., Ltd. Feuille et procede de production correspondant
WO2006117982A1 (ja) * 2005-04-28 2006-11-09 National University Corporation NARA Institute of Science and Technology 蛍光色変換性組成物、該組成物を使用した蛍光色変換方法およびデバイス

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