JPH0126441B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明はヘアーカール器等に適用されるスチ
ーム発生装置に関するものである。

スチーム発生装置は、給水筒より給水された水
を加熱蒸発させ、そのスチームをスチーム噴出口
より取出すものである。しかし、スチームが玉状
になつて出たり、突沸や間欠的なスチーム発生が
あり、火傷等の危険性があるため、吸水体を設け
てこの吸水体を加熱することにより安定してスチ
ームを発生するようにしている。

ところが、この吸水体を用いると蒸発部で水あ
かが堆積して吸水体の目詰りを生じ、給水筒から
スチーム噴出口までの通路が閉ざされてしまうと
いう欠点があつた。

したがつて、この発明の目的は、水あかにより
生ずる寿命を向上させることができるスチーム発
生装置を提供することである。

この発明の一実施例を適用したヘアーカール器
を第１図に示す。すなわち、１はカール器本体、
２は蛇腹構造のタンク、３はスチーム発生装置、
４はポンプ、５はヘアーカールアタツチメントで
あり、タンク２からポンプ４により水をスチーム
発生装置３に給水し、ここで加熱してスチームを
発生し、ヘアーカールアタツチメント５より吐出
させる。６はスイツチ、７はアタツチメント着脱
釦、８は温度センサ、９は電源コード用回転コネ
クタである。

さて、スチーム発生装置３は第２図ないし第５
図に示すように、ケーシング１０内に吸水体１１
を挿着し、外面にヒータ１２を配設している。ケ
ーシング１０はアルミニウム等の熱伝導性のよい
材料で形成され、上ケース１３と下ケース１４を
相接合して内部に空洞１５を形成し、空洞１５の
一端部開口がスチーム噴出口１６となり、空洞１
５の他端部で上ケース１３に給水筒１７を形成
し、これにタンク２のパイプ２ａが接続される。
この給水筒１７の空洞側縁部には環状の凹溝１８
が形成されるとともに、空洞１５の内面にテフロ
ンその他の耐熱撥水性部材１９がコーテイングさ
れている。上ケース１３および下ケース１４の外
面の中央部にはヒータ収容包囲壁２０が形成さ
れ、その底面にアルミナ製の耐熱電気絶縁板２１
が敷設され、この上に正温度係数特性をもつ前記
ヒータ１２が設置され、ヒータ１２のリード線２
２を壁２０を貫通して外部へ引出すとともに、壁
２０内にシリコンゴム等を用いた充填材２３が充
填されて、ヒータ１２が固着されている。

空洞１５内に挿着される吸水体１１はフエルト
や金属発泡体等で形成され、空洞１５の形状に合
致する矩形板状をもち、第４図のように一端部の
中央から他端部の近傍にかけてスリツトを実施例
とする通水空間用の凹部２４が形成され、また他
端部の中央に取手２５が取付けられている。この
吸水体１１はスチーム噴出口１６へ凹部２４の開
口部２４ａ側から挿着され、その開口部２４ａは
給水筒１７に対向する。また取手２５はスチーム
噴出口１６より突出状態となる。

このヘアーカール器はスイツチ６をオンにする
と、ポンプ４が作動して水がスチーム発生装置３
に供給され、吸水体１１に含浸される。一方ヒー
タ１２の発熱により吸水体１１が加熱され、その
結果、吸水体１１に含まれた水は蒸発し、スチー
ム噴出口１６から噴出し、アタツチメント５の吐
出孔５ａから吹出る。

ところで、吸水体１１を加熱してスチームを発
生させる場合、吸水体１１に水あかが形成され
る。その発生状態を第６図および第７図により説
明すると、初期段階では第６図ａのように吸水体
１１の給水筒１７の近傍の領域S₁で水が加熱され
蒸発する（蒸発部分を小丸で示し、蒸気の移動状
態を点々で示す）。そのため水あかK₁は同図ｂの
ように蒸発部分である領域S₁に堆積する。さらに
水が給水筒１７から注入されスチームが発生する
場合、水あかK₁のある部分では水あかK₁の熱抵
抗のため充分な蒸発ができず、第６図ｃのように
それに近い領域S₂で蒸発が行われる。その結果同
図ｄのように水あかK₂が領域S₂に広がることと
なる。こうして使用回数が増えるにつれ、水あか
K₃は次第にスチーム噴出口１６側に進行し、第
７図ｂのような形で進行する。この結果給水筒１
７から吸水体１１の水あかK₃の堆積していない
スチーム噴出口１６側までの間は水あかK₃で塞
がれ、吸水体１１中の水の移動を妨げる目詰りの
状態となる。第７図ａで斜線の部分が水あかK₃
を示す。

しかしながら、この実施例の場合、吸水体１１
の中央に凹部２４を形成しているため、給水筒１
７側から水あかが堆積していつても凹部２４によ
る水の通路があるため完全には水あかで塞がれる
ことがない。この凹部２４が水あかで塞がれるま
でには相当の使用時間を要し、むしろ凹部２４の
内奥部とスチーム噴出口１６側端部との間に水あ
かが堆積して目詰りを起す方が速いと考えられ
る。要するに、第９図において凹部のない吸水体
１１′が斜線で示す範囲に水あかK′が付着したと
き目詰りを起し、使用不能になつたとき、これに
対し凹部２４のある吸水体１１はほとんど全体に
水あかＫが堆積したときに使用不能すなわち寿命
となる。したがつて両者を比較すると凹部２４が
あるだけで吸水体１１の使用効率が増し寿命が延
長できて、経済的になる。その程度は凹部２４が
長いほどすなわちスチーム噴出口１６の近傍のあ
る範囲まで延出しているほどよい。

水あかの堆積はまた給水筒１７の吸水体１１側
から水あかL₁が堆積を進行して給水筒１７の口
を閉ざす。この実施例では給水筒１７の周囲に環
状の凹溝１８を形成して吸水体１１と給水筒１７
との間に断熱空間Ｈを実施例とする断熱手段を設
けている。このため凹溝１８の外周縁に水あか
L₂が形成されても給水筒１７の開口側では水の
蒸発が起りにくくなり、水あかが堆積しにくくな
る。

一方、吸水体１１が寿命になつたとき、第１１
図のように取手２５をもつて空洞１５から引抜
き、新しい吸水体と交換する。このとき空洞１５
の内面はテフロン等の耐熱撥水性部材１９で形成
されているため水あかにより吸水体１１が空洞内
壁に固着することがなく、吸水体１１の着脱が容
易である。

第１２図ないし第１４図は吸水体の変形例であ
る。まず、第１２図の吸水体１１ａは凹部２６を
２本にした場合であり、第１３図の吸水体１１ｂ
は凹部２７をスリツトでなく条溝にした場合、第
１４図の吸水体１１ｃは凹部２８を２本の条溝に
した場合である。この凹部２７，２８にした場
合、給水された水が熱板となるケーシング１０に
凹部２７，２８において直接触れないようにでき
るため、スチーム発生の安定性がよくなり、突沸
が防止できる。

また第１５図は給水筒１７′を熱伝導率の低い
樹脂で形成することにより断熱手段を構成した例
で、上ケース１３′の孔２９に密着して給水筒１
７′の水あかＬの堆積を防ぐ。

以上のように、この発明のスチーム発生装置
は、吸水体に給水筒に開口する通水空間用の凹部
を形成したため水あかにより生ずる寿命を向上で
きるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例を適用したヘアー
カール器の断面図、第２図はそのスチーム発生装
置の斜視図、第３図はその断面図、第４図は吸水
体の斜視図、第５図は給水筒を示す破断斜視図、
第６図は水あか形成過程を示す断面図、第７図は
さらに進行した状態で、ａは第６図−線断面
図、ｂはその縦断面図、第８図はこの実施例の水
あか形成状態を示す断面図、第９図は目詰り状態
の水あか堆積状態を比較する吸水体の斜視図、第
１０図は給水筒における水あか堆積状態を比較す
る断面図、第１１図は吸水体の取出し過程を示す
部分斜視図、第１２図ないし第１４図は他の実施
例の吸水体の斜視図、第１５図は給水筒の他の実
施例の断面図である。 １０……ケーシング、１１，１１ａ〜１１ｃ…
…吸水体、１２……ヒータ、１５……空洞、１６
……スチーム噴出口、１７，１７′……吸水筒、
２４，２６〜２８……凹部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 給水筒とスチーム噴出口を開口するとともに
   両者を連通する空洞を形成したケーシングと、前
   記空洞内に挿着されて前記給水筒に連通する通水
   空間用の凹部を形成した吸水体と、前記ケーシン
   グの外面に配設されて前記吸水体を加熱するヒー
   タとを備えたスチーム発生装置。 ２ 前記吸水体の前記凹部は前記スチーム噴出口
   の近傍に延出している特許請求の範囲第１項記載
   のスチーム発生装置。 ３ 前記凹部は条溝である特許請求の範囲第１項
   または第２項記載のスチーム発生装置。 ４ 前記給水筒の少なくとも前記吸水体側は断熱
   手段が設けられている特許請求の範囲第１項記載
   のスチーム発生装置。 ５ 前記吸水体は前記スチーム噴出口から着脱自
   在に挿着されている特許請求の範囲第１項記載の
   スチーム発生装置。 ６ 前記空洞の内面は耐熱撥水性部材で形成され
   ている特許請求の範囲第５項記載のスチーム発生
   装置。 ７ 前記吸水体には前記スチーム噴出口側に取外
   し用の取手を設けている特許請求の範囲第５項記
   載のスチーム発生装置。