JPH0125460Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、押釦スイツチの筐体を固定部材に対
して取りつける構造に関するものである。

押釦スイツチは、一般に、手動操作部材をスイ
ツチ筐体に摺動自在に支承した構造が用いられ、
このスイツチ筐体を配電盤、スイツチボツクス、
操作盤などの固定部材に取り付けて使用に供され
る。

スイツチ筐体を固定部材に取付ける手段につい
ては、例えば小ネジ、リベツト、押え金、等種々
の構造が用いられているが、押釦スイツチの筐体
は摺動部材を内蔵しているため、この筐体に歪み
を与えるような取付構造を用いると作動に支障を
及ぼす虞れが有る。また、スイツチ筐体に歪みを
与えないように特別に工夫した構造（例えば筐体
にフランジを一体連設してボルト・ナツトで締結
したり、筐体の外周に雄ネジを設けて丸ナツトで
締結する等）を用いると、製造コストが高くなる
上に取付所要工数が多かつたり、取付作業に特殊
工具を必要としたりするという問題がある。

さらに、押釦スイツチは、手動操作部材を押し
込んでオン、オフさせるため、その操作方向の力
に対し安定的かつ強固に取り付ける必要がある。

本考案は、上記の如き事情に鑑み、簡単な構成
で、取付所要工数が少なく、かつ、スイツチ筐体
に歪みを与えることなく、しかも、操作方向の力
に対し極めて安定かつ強固に取付けることができ
る押釦スイツチの取付構造を提供しようとするも
のである。

上記の目的を達成するため、本考案の押釦スイ
ツチの取付構造は、スイツチ筐体の両側面に手動
操作部材の摺動方向と平行な溝を形成し、これと
は別に、スイツチ筐体の前記溝に嵌合してスイツ
チ筐体をその底面から両側面にかけて抱持するコ
字形のブラケツトを形成し、かつ該ブラケツトの
平行２辺部の先端側を外方に拡開せしめると共に
その先端に固定部材への固定用舌片を延長形成
し、前記筐体の溝に前記ブラケツトの平行２辺部
を嵌合してブラケツトによりスイツチ筐体をその
底面から両側面にかけて抱持せしめ、そのブラケ
ツトの舌片を固定部材に設けた透孔に挿通し、筐
体の前面を固定部材に当接させた状態で前記舌片
を外方に折曲げてカシメ付けたことを特徴とす
る。

次に、本考案の一実施例を第１図乃至第３図に
ついて説明する。第１図は本考案の取付構造を適
用して構成した押釦スイツチの１例を示す分解斜
視図、第２図は同じく一部を切断して描いた平面
図、第３図は同じく側面図である。

１はスイツチ筐体で、手動操作されるスライダ
２を摺動自在に支承している。３はこのスイツチ
筐体１を取り付けるべき固定部材である。

本考案においては、スイツチ筐体１の両側面に
手動操作部材であるスライダー２の摺動方向と平
行な溝１ａ，１ｂを形成し、この筐体とは別に、
スイツチ筐体１の前記溝１ａ，１ｂに嵌合してス
イツチ筐体をその底面から両側面にかけて抱持し
得るほぼコ字形のブラケツト４を形成する。な
お、このブラケツト４は、軟鋼板などの金属材料
を用いて形成する。そして、上記ブラケツト４の
平行２辺部４ａ，４ｂの先端側をやや外方に拡開
せしめ、そのそれぞれの先端に固定部材に対する
固定用の舌片４a_-1，４b_-1を形成する。また、固
定部材３には、前記ブラケツト４の舌片４a_-1，
４b_-1を嵌合掛止する透孔３ａ，３ｂと、スライ
ダー２を挿通するための透孔３ｃとを形成する。

５は、前記のスライダ２に固着した手動操作す
るためのノブ、６は上記のノブ５と固定部材３と
の間に圧縮介装する戻しバネである。

上記のスイツチ筐体１を固定部材３に取り付け
るには、コの字形ブラケツト４の平行２辺部４
ａ，４ｂをスイツチ筐体の溝１ａ，１ｂにそれぞ
れ嵌合してブラケツト４によりスイツチ筐体１を
その底面から両側面にかけて抱持せしめ、舌片４
a_-1，４b_-1をそれぞれ固定部材３の透孔３ａ，３
ｂに挿通し、第２図に示すようにそれぞれ外側に
折り曲げてカシメ付ける。このカシメ付けは、別
段の特殊工具を用いなくとも汎用のハンドツール
（例えばラジオペンチ等）で容易に行うことがで
き、格別の熟練を要せず簡単、迅速に行ない得
る。

以上のようにしてコの字形ブラケツト４でスイ
ツチ筐体１を固定部材３に取り付けると、第２図
（平面図）及び第３図（側面図）に示されている
ように、コの字形ブラケツトの平行２辺部４ａ，
４ｂがスイツチ筐体１の溝１ａ，１ｂに嵌合して
いるので、過度に強くカシメつけなくてもスイツ
チ筐体１が上下方向に移動することがないように
確実に保持される。また、上述の取付構造におい
ては、舌片４a_-1，４b_-1を折り曲げる際、平行２
辺部４ａ，４ｂの先端側を外方に拡開しているの
で、この拡開部が緩衝機能を行なつて別段の注意
を払わなくてもスイツチ筐体１に過大な締付力を
及ぼす虞れが無い。このため、スイツチ筐体１が
過大な外力を受けて歪みを生じる虞れが無く、従
つて、スイツチ筐体の歪みに起因するスイツチ作
動の障害が発生しない。

さらに、上記の如くしてスイツチ筐体１を固定
部材３に取り付けると、スライダー２の操作方向
に対して筐体１をかかえ込むようにブラケツト４
が取付けられているので、ノブ５の操作力に対し
きわめて安定的かつ強固に筐体を保持することが
できる。

以上述べたように、本考案の押釦スイツチ取付
構造によれば、きわめて簡単な構造で、取付所要
工数が少なく、かつ、スイツチ筐体に歪みを与え
ることなく、しかも、操作方向の力に対し極めて
安定かつ強固に取付けることができる効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

添付の図面は本考案の取付構造を備えた押釦ス
イツチを示し、第１図は分解斜視図、第２図は組
付状態の平面図、第３図は同側面図である。 １……スイツチ筐体、１ａ，１ｂ……溝、２…
…スライダ、３……固定部材、３ａ，３ｂ，３ｃ
……透孔、４……コの字形ブラケツト、４ａ，４
ｂ……同平行２辺部、４a_-1，４b_-1……舌片、５
……ノブ、６……戻しバネ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 手動操作部材を摺動自在に支承したスイツチ筐
   体を固定部材に取り付ける構造において、前記ス
   イツチ筐体の両側面に手動操作部材の摺動方向と
   平行な溝を形成し、これとは別に、スイツチ筐体
   の前記溝に嵌合してスイツチ筐体をその底面から
   両側面にかけて抱持するコ字形のブラケツトを形
   成し、かつ該ブラケツトの平行２辺部の先端側を
   外方に拡開せしめると共にその先端に固定部材へ
   の固定用舌片を延長形成し、前記筐体の溝に前記
   ブラケツトの平行２辺部を嵌合してブラケツトに
   よりスイツチ筐体をその底面から両側面にかけて
   抱持せしめ、そのブラケツトの舌片を固定部材に
   設けた透孔に挿通し、筐体の前面を固定部材に当
   接させた状態で前記舌片を外方に折曲げてカシメ
   付けたことを特徴とする押釦スイツチの取付構
   造。