JPH0125443Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔技術分野〕 この考案は、シヤンデリヤなどの片持ち型照明
器具に関するものである。

〔背景技術〕

第７図および第８図に従来例を示す。第７図は
片持ち型照明器具の右半分の正面図、第８図は支
持アーム固定部の正面図である。

片持ち型照明器具は、第７図のように、器具本
体１と、器具本体１から延出された支持アーム２
と、この支持アーム２の先端部に取付けられた灯
具３とを有している。支持アーム２は、第８図の
ように、防虫ゴム４を嵌着し、それに灯具３への
リード線５を貫通状態に保持しているとともに、
張力止め金具６を連設していて、それにリード線
５を係止固定している。

従来例には、つぎのような問題点がある。

防虫ゴム４は防虫機能を果たしているが、リー
ド線５にかかる張力に抗してリード線５を固定す
ることができないため、防虫ゴム４とは別に張力
止め具６を必要としている。

したがつて、リード線５を防虫ゴム４に挿通す
る作業と、張力止め金具６に係止する作業とを
別々に行わなければならないし、リード線５を防
虫ゴム４に挿通するときの抵抗が大きいため、そ
の挿通作業に手間がかかり、全体として作業性が
悪いものになつている。

〔考案の目的〕 この考案の目的は、従来例の問題点の解決を図
り、リード線挿通部の防虫機能をもたせるための
作業と、リード線を固定するための作業とが迅
速・容易に行える片持ち型照明器具を提供するこ
とである。

〔考案の開示〕

この考案の片持ち型照明器具は、灯具の支持ア
ームと、この支持アームの一側面側に形成したも
ので前記灯具へのリード線の径と同程度の幅を有
するとともにこの幅よりも大きい長さを有しかつ
前記リード線の径よりも小さい深さを有するリー
ド線嵌合凹所と、このリード線嵌合凹所の底部か
ら前記支持アームの他側面に貫通する状態で前記
支持アームに形成したもので前記リード線嵌合凹
所の長さ方向における幅が前記リード線の径と同
程度であるリード線挿通穴と、前記支持アームの
前記一側面に取付けたもので前記一側面における
前記リード線挿通穴に対応する箇所において挿通
リード線を押圧するリード線固定具とを備えたも
のである。

この考案の構成による作用は、つぎのとおりで
ある。

(a) リード線固定具を支持アームに取付けるの
は、リード線をリード線挿通穴およびリード線
嵌合凹所に挿通したあとである。このため、リ
ード線の挿通作業が迅速・容易に行われる。

(b) 前記のようにリード線を挿通したあとで、リ
ード線固定具を支持アームに取付けると、リー
ド線は、リード線嵌合凹所の底部とリード線固
定具との間に挟持され確実に固定される。

したがつて、リード線にかかる張力に対する
対抗力が強力に発揮される。

(c) リード線は、リード線嵌合凹所の底部とリー
ド線固定具とに押し付けられる。また、リード
線嵌合凹所の幅がリード線の径と同程度である
ため、リード線嵌合凹所において、その底部と
リード線固定具とで挟持されて押し広げられた
リード線は、リード線嵌合凹所の両側壁に押し
付けられる。

したがつて、リード線嵌合凹所においては、
リード線まわりには、殆ど隙間が生じない。す
なわち、確実な防虫機能が発揮される。

(d) この防虫機能を発揮させるための作業と、前
記のリード線固定作業とが同一箇所において、
一挙に行われるため、全体として作業能率が従
来例に比べて大幅に改善される。

実施例 〈第１の実施例〉 この考案の第１の実施例を第１図ないし第３図
に基づいて説明する。第１図は要部の縦断正面
図、第２図は支持アーム先端の斜視図、第３図は
縦断側面図である。

１枚ものの灯具支持アーム７の先端部におい
て、支持アーム７の上面にリード線嵌合凹所８が
形成されている。このリード線嵌合凹所８は、リ
ード線９の径と同程度の幅を有するとともに、こ
の幅よりも大きい長さを有し、かつ、その深さは
リード線９の径よりも小さい。

リード線嵌合凹所８の底部８ａから支持アーム
７の下面に貫通する状態で、直径がリード線９の
径と同程度のリード線挿通穴１０が支持アーム７
に形成されている。このリード線挿通穴１０は丸
穴である。

支持アーム７の先端部には、灯具１１が取付け
られている。１２は灯具本体、１３はグローブで
ある。

灯具１１内のランプソケツト（図示せず）に接
続されているリード線９は、リード線挿通穴１０
およびリード線嵌合凹所８に挿通されている。

リード線挿通穴１０に対応する箇所におけるリ
ード線嵌合凹所８の両側において、支持アーム７
の上面側にねじ穴１４，１４が形成されている。
リード線嵌合凹所８に位置するリード線９の部分
に対して直交する状態で、断面コ字状のリード線
固定具１５が渡され、このリード線固定具１５に
通したねじ１６，１６をねじ穴１４，１４に螺合
し締め付けることによつて、リード線９を押圧し
ている。

リード線嵌合凹所８において、リード線９は、
第３図に示すように、リード線嵌合凹所８の底部
８ａ、リード線固定具１５の下面およびリード線
嵌合凹所８の左右両側壁８ｂ，８ｂに押圧され、
強力に固定されているとともに、リード線９まわ
りには、殆ど隙間が生じていない。

〈第２の実施例〉 第２の実施例を第４図ないし第６図に基づいて
説明する。第４図は要部の縦断正面図、第５図は
支持アーム先端の分解斜視図、第６図は縦断側面
図である。

これらの図において第１の実施例に係る第１図
ないし第３図で用いたのと同一符号は、その符号
が指す部品、部分と同様のものを指す。

支持アーム７′が、長穴１７を形成した第１の
板体７ａと、リード線挿通穴１０を形成した第２
の板体７ｂとを重ね合わせたもので構成されてい
る。

第１の板体７ａの長穴１７の両側には、ねじ挿
通穴１８，１８が形成され、これに対応して第２
の板体７ｂのリード線挿通穴１０の両側にねじ穴
１９，１９が形成されている。

リード線挿通穴１０および長穴１７にリード線
９を挿通したあと、ねじ挿通穴１８，１８とねじ
穴１９，１９とを一致させた状態で、第１の板体
７ａと第２の板体７ｂとを重ね合わせる。そし
て、リード線固定具１５のねじ穴および第１の板
体７ａのねじ挿通穴１８，１８に挿通したねじ１
６，１６を第２の板体７ｂのねじ穴１９，１９に
螺合して締め付けることにより、第１の板体７ａ
と第２の板体７ｂとを一体化して支持アーム７′
を構成すると同時に、この支持アーム７′にリー
ド線固定具１５を固定している。

このようにして、長穴１７と第２の板体７ｂの
上面とで、リード線嵌合凹所８を形成している。
リード線９に対する固定および防虫機能の様子は
第６図に示すとおりである。これは、第１の実施
例と実質的に同一である。

第２の実施例の場合、支持アーム７′が第１の
板体７ａと第２の板体７ｂとから構成されている
ため、穴加工が第１の実施例に比べて容易であ
る。

その他の構成は、第１の実施例と同様であるの
で説明を省略する。

この考案は、前記実施例のほか、第１の実施
例、第２の実施例を問わず、リード線挿通穴１０
を、リード線嵌合凹所８に直交あるいは斜交する
長穴に形成したものも実施例として含む。また、
リード線固定具１５の支持アーム７，７′に対す
る固定は、ねじ止めの他、かしめ止めや溶接など
でもよい。

〔考案の効果〕

この考案によれば、つぎの効果がある。

(a) リード線をリード線挿通穴およびリード線嵌
合凹所に挿通する作業は、従来の防虫ゴムに挿
通する場合に比べて遥かに容易に行うことがで
きる。

(b) リード線固定具を支持アームに取付けること
により、リード線を、リード線嵌合凹所の底部
とリード線固定具との間に挟持するとともに、
リード線嵌合凹所の両側壁に押し付けるから、
リード線の固定を確実なものにでき、かつ、リ
ード線まわりに隙間を殆ど生じないので優れた
防虫機能を発揮させることができる。

(c) 防虫機能を発揮させるための作業と、リード
線固定作業とを同一箇所において、一挙に行え
るため、全体として作業能率を従来例に比べて
大幅に改善することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の第１の実施例の片持ち型照
明器具の要部の縦断正面図、第２図は支持アーム
先端の斜視図、第３図は縦断側面図、第４図は第
２の実施例の要部の縦断正面図、第５図は支持ア
ーム先端の分解斜視図、第６図は縦断側面図、第
７図は従来例の片持ち型照明器具の右半分の正面
図、第８図は支持アーム固定部の正面図である。 ７……支持アーム、７′……支持アーム、７ａ
……第１の板体、７ｂ……第２の板体、８……リ
ード線嵌合凹所、９……リード線、１０……リー
ド線挿通穴、１１……灯具、１５……リード線固
定具、１７……長穴。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 灯具の支持アームと、この支持アームの一側
   面側に形成したもので前記灯具へのリード線の
   径と同程度の幅を有するとともにこの幅よりも
   大きい長さを有しかつ前記リード線の径よりも
   小さい深さを有するリード線嵌合凹所と、この
   リード線嵌合凹所の底部から前記支持アームの
   他側面に貫通する状態で前記支持アームに形成
   したもので前記リード線嵌合凹所の長さ方向に
   おける幅が前記リード線の径と同程度であるリ
   ード線挿通穴と、前記支持アームの前記一側面
   に取付けたもので前記一側面における前記リー
   ド線挿通穴に対応する箇所において挿通リード
   線を押圧するリード線固定具とを備えた片持ち
   型照明器具。 (2) 前記支持アームが、前記リード線嵌合凹所を
   形成する長穴を貫通した第１の板体と、前記リ
   ード線挿通穴を形成した第２の板体とを重ね合
   わせたものである実用新案登録請求の範囲第(1)
   項記載の片持ち型照明器具。