JPH0124835B2 - - Google Patents
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- JPH0124835B2 JPH0124835B2 JP61054519A JP5451986A JPH0124835B2 JP H0124835 B2 JPH0124835 B2 JP H0124835B2 JP 61054519 A JP61054519 A JP 61054519A JP 5451986 A JP5451986 A JP 5451986A JP H0124835 B2 JPH0124835 B2 JP H0124835B2
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Landscapes
- Laminated Bodies (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
(イ) 産業上の利用分野
本発明は、熱交換器用フイン材に関し、特にそ
の表面に凝縮水が溜らないようにした熱交換器用
フイン材に関するものである。
の表面に凝縮水が溜らないようにした熱交換器用
フイン材に関するものである。
(ロ) 従来の技術
熱交換器には、熱交換効率を向上させるために
伝熱性に優れたアルミニウム製のフインが取り付
けられているものがある。この熱交換器を用いて
冷房を行う場合、フイン間で温かい空気を冷やす
わけであるが、この際フインに凝縮水が付着する
ことがある。この付着し滞留した凝縮水によりフ
イン間の風路が狭められて通風量が低下したり、
或いは騒音が発生したりすることがあつた。更
に、この凝縮水が通風方向へ飛散し冷房装置の各
所や家屋の各所を汚すこともあつた。
伝熱性に優れたアルミニウム製のフインが取り付
けられているものがある。この熱交換器を用いて
冷房を行う場合、フイン間で温かい空気を冷やす
わけであるが、この際フインに凝縮水が付着する
ことがある。この付着し滞留した凝縮水によりフ
イン間の風路が狭められて通風量が低下したり、
或いは騒音が発生したりすることがあつた。更
に、この凝縮水が通風方向へ飛散し冷房装置の各
所や家屋の各所を汚すこともあつた。
このため、フインの表面を親水化して凝縮水を
薄い水膜として流下させる方法が従来より行われ
ている。親水化の方法としては、例えばフインの
表面にアクリル酸系樹脂を塗布する方法又はアク
リル酸系樹脂と水ガラスとの混合物を塗布する方
法が知られている。
薄い水膜として流下させる方法が従来より行われ
ている。親水化の方法としては、例えばフインの
表面にアクリル酸系樹脂を塗布する方法又はアク
リル酸系樹脂と水ガラスとの混合物を塗布する方
法が知られている。
(ハ) 発明が解決しようとする問題点
しかし、前者の方法は未だ親水化が十分でない
という欠点がある。又、後者の方法は親水化の点
は一応満足しうるが、フインに穿孔加工や曲げ加
工を施す際クラツクが発生し皮膜が剥がれ易いと
いう欠点があつた。これはアクリル酸系樹脂に無
機系の化合物が混合されているためと思われる。
という欠点がある。又、後者の方法は親水化の点
は一応満足しうるが、フインに穿孔加工や曲げ加
工を施す際クラツクが発生し皮膜が剥がれ易いと
いう欠点があつた。これはアクリル酸系樹脂に無
機系の化合物が混合されているためと思われる。
そこで本発明者等はこの点を解決すべく鋭意検
討した結果、アクリル酸系樹脂等の皮膜形成物質
と有機系物質とを併用してフイン本体表面に皮膜
を形成することにより、クラツクが発生せず且つ
十分な親水性の表面を持つフイン材が得られるこ
とを見出し本発明に至つたのである。
討した結果、アクリル酸系樹脂等の皮膜形成物質
と有機系物質とを併用してフイン本体表面に皮膜
を形成することにより、クラツクが発生せず且つ
十分な親水性の表面を持つフイン材が得られるこ
とを見出し本発明に至つたのである。
(ニ) 問題点を解決するための手段及び作用
即ち本発明は、フイン材本体表面に、フイチン
酸とアルミニウム金属をキレート化するキレート
剤とを含有する皮膜が形成されていることを特徴
とする熱交換器用フイン材に係るものである。
酸とアルミニウム金属をキレート化するキレート
剤とを含有する皮膜が形成されていることを特徴
とする熱交換器用フイン材に係るものである。
フイン材本体としては、伝熱性の良好なもので
あればどのような材質のものでも用いうるが、特
に、伝熱性に優れている点、各種の成型加工がし
易い点、重量が軽い点からアルミニウム薄板が最
も好ましい。
あればどのような材質のものでも用いうるが、特
に、伝熱性に優れている点、各種の成型加工がし
易い点、重量が軽い点からアルミニウム薄板が最
も好ましい。
フイン材本体表面には、皮膜形成物質とフイチ
ン酸とアルミニウム金属をキレート化するキレー
ト剤とよりなる皮膜が形成されている。
ン酸とアルミニウム金属をキレート化するキレー
ト剤とよりなる皮膜が形成されている。
皮膜形成物質としては、アクリル酸系樹脂、メ
ラミン樹脂、エポキシ樹脂、フエノール樹脂、ポ
リアミド樹脂等が用いられる。これらの中でもア
ルミニウム製フイン本体との密着力に優れている
アクリル酸系樹脂が好ましい。
ラミン樹脂、エポキシ樹脂、フエノール樹脂、ポ
リアミド樹脂等が用いられる。これらの中でもア
ルミニウム製フイン本体との密着力に優れている
アクリル酸系樹脂が好ましい。
本発明に用いるフイチン酸はイノシツトヘキサ
リン酸とも呼ばれ、粘稠な液体で水に易溶で且つ
水との親和力の大きい化合物である。
リン酸とも呼ばれ、粘稠な液体で水に易溶で且つ
水との親和力の大きい化合物である。
本発明に用いるアルミニウム金属をキレート化
するキレート剤としては、ブタン−1,2,3,
4−テトラカルボン酸、エチレンジアミンテトラ
酢酸、プロピレンジアミンテトラ酢酸、ペンタメ
チレンジアミンテトラ酢酸、シクロペンタン−
1,2−ジアミンテトラ酢酸、シクロヘキサン−
1,4−ジアミンテトラ酢酸、2−ヒドロキシト
リメチレンジアミンテトラ酢酸等が挙げられる。
この中でも特にエチレンジアミンテトラ酢酸が、
キレート効果に優れ且つ安価で入手が容易である
ことから最も好ましい。このキレート剤はフイン
材の素材であるアルミニウムをキレート化する作
用を有し、形成された皮膜とフイン材表面との密
着力を向上させるものである。
するキレート剤としては、ブタン−1,2,3,
4−テトラカルボン酸、エチレンジアミンテトラ
酢酸、プロピレンジアミンテトラ酢酸、ペンタメ
チレンジアミンテトラ酢酸、シクロペンタン−
1,2−ジアミンテトラ酢酸、シクロヘキサン−
1,4−ジアミンテトラ酢酸、2−ヒドロキシト
リメチレンジアミンテトラ酢酸等が挙げられる。
この中でも特にエチレンジアミンテトラ酢酸が、
キレート効果に優れ且つ安価で入手が容易である
ことから最も好ましい。このキレート剤はフイン
材の素材であるアルミニウムをキレート化する作
用を有し、形成された皮膜とフイン材表面との密
着力を向上させるものである。
フイン材本体表面に皮膜を形成するには、有機
溶剤中に皮膜形成物質とフイチン酸とアルミニウ
ム金属をキレート化するキレート剤とを溶解若し
くは分散させた溶液をフイン材本体表面に塗布し
た後、乾燥して有機溶剤を蒸発させればよい。有
機溶剤としては、セロソルブ、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ジエチレングリコー
ル、ジメチルホルムアミド、ホルムアミド、ジメ
チルスルホキシド等が用いられる。
溶剤中に皮膜形成物質とフイチン酸とアルミニウ
ム金属をキレート化するキレート剤とを溶解若し
くは分散させた溶液をフイン材本体表面に塗布し
た後、乾燥して有機溶剤を蒸発させればよい。有
機溶剤としては、セロソルブ、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ジエチレングリコー
ル、ジメチルホルムアミド、ホルムアミド、ジメ
チルスルホキシド等が用いられる。
皮膜形成物質とフイチン酸との混合割合は、皮
膜形成物質100重量部に対してフイチン酸5〜35
重量部程度が好ましい。フイチン酸の量が5重量
部未満であると形成された皮膜の親水性の程度が
低い傾向となり、また35重量部を超えると皮膜自
体の強度が低下する傾向となつて皮膜にクラツク
が生じ易くなる傾向が生じる。また、皮膜形成物
質とアルミニウム金属をキレート化するキレート
剤との混合割合は、皮膜形成物質100重量部に対
してキレート剤1.5〜25重量部程度が好ましい。
キレート剤が1.5重量部未満であるとフイン材本
体であるアルミニウム金属との密着力が低下する
傾向となり、また25重量部を超えてキレート剤を
配合してもフイン材本体であるアルミニウム金属
との密着力はさほど向上しない傾向となる。
膜形成物質100重量部に対してフイチン酸5〜35
重量部程度が好ましい。フイチン酸の量が5重量
部未満であると形成された皮膜の親水性の程度が
低い傾向となり、また35重量部を超えると皮膜自
体の強度が低下する傾向となつて皮膜にクラツク
が生じ易くなる傾向が生じる。また、皮膜形成物
質とアルミニウム金属をキレート化するキレート
剤との混合割合は、皮膜形成物質100重量部に対
してキレート剤1.5〜25重量部程度が好ましい。
キレート剤が1.5重量部未満であるとフイン材本
体であるアルミニウム金属との密着力が低下する
傾向となり、また25重量部を超えてキレート剤を
配合してもフイン材本体であるアルミニウム金属
との密着力はさほど向上しない傾向となる。
皮膜形成物質とフイチン酸とキレート剤とを有
機溶剤に溶解若しくは分散させて溶液を作成する
際には、有機溶剤100重量部に対して皮膜形成物
質、フイチン酸及びキレート剤の総量で1〜5重
量部程度溶解若しくは分散させるのが一般的であ
る。
機溶剤に溶解若しくは分散させて溶液を作成する
際には、有機溶剤100重量部に対して皮膜形成物
質、フイチン酸及びキレート剤の総量で1〜5重
量部程度溶解若しくは分散させるのが一般的であ
る。
(ホ) 実施例
実施例 1
まず、下記組成の溶液を調整した。
ポリメタクリル酸メチル 2重量部
フイチン酸 0.5重量部
エチレンジアミンテトラ酢酸 0.1重量部
セロソルブ 100重量部
この溶液を20cm×30cmのアルミニウム薄板表面
に塗布し、その後150℃で乾燥してフイン材を得
た。
に塗布し、その後150℃で乾燥してフイン材を得
た。
このフイン材の表面の親水性を評価するため、
水との接触角(ゴニオメーターによる測定)を測
定した。その結果、接触角は15度であつた。ま
た、フイン材表面の皮膜の密着力を評価するため
に、50℃トリクレン液にフイチン材を浸漬し皮膜
が剥離するまでの時間を調べた(トリクレン浸漬
試験)。その結果、約120時間経過した後も皮膜が
剥離することはなかつた。
水との接触角(ゴニオメーターによる測定)を測
定した。その結果、接触角は15度であつた。ま
た、フイン材表面の皮膜の密着力を評価するため
に、50℃トリクレン液にフイチン材を浸漬し皮膜
が剥離するまでの時間を調べた(トリクレン浸漬
試験)。その結果、約120時間経過した後も皮膜が
剥離することはなかつた。
実施例 2
下記組成の溶液を用いる以外は、実施例1と同
一条件でフイン材を得、且つその親水性の試験及
び皮膜の密着力の試験をした。
一条件でフイン材を得、且つその親水性の試験及
び皮膜の密着力の試験をした。
ポリアクリルニトリル 3重量部
フイチン酸 0.6重量部
ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸
0.2重量部 ジメチルホルムアミド 100重量部 この結果、水との接触角は15度で、トリクレン
浸漬試験は約120時間経過後も皮膜が剥離するこ
とはなかつた。
0.2重量部 ジメチルホルムアミド 100重量部 この結果、水との接触角は15度で、トリクレン
浸漬試験は約120時間経過後も皮膜が剥離するこ
とはなかつた。
実施例 3
下記組成の溶液を用いる以外は、実施例1と同
一条件でフイン材を得、且つその親水性の試験及
び皮膜の密着力の試験をした。
一条件でフイン材を得、且つその親水性の試験及
び皮膜の密着力の試験をした。
ポリアクリル酸エチル 2重量部
フイチン酸 0.5重量部
エチレンジアミンテトラ酢酸 0.1重量部
ジメチルホルムアミド 100重量部
この結果、水との接触角は20度で、トリクレン
浸漬試験は約120時間経過後も皮膜が剥離するこ
とはなかつた。
浸漬試験は約120時間経過後も皮膜が剥離するこ
とはなかつた。
比較例 1
下記組成の溶液を用いる以外は、実施例1と同
一条件でフイン材を得、且つその親水性の試験を
した。
一条件でフイン材を得、且つその親水性の試験を
した。
ポリメタクリル酸メチル 2重量部
エチレンジアミンテトラ酢酸 100重量部
この結果、水との接触角は95度で、トリクレン
浸漬試験は約120時間経過後皮膜の若干の剥離が
見られた。
浸漬試験は約120時間経過後皮膜の若干の剥離が
見られた。
比較例 2
下記組成の溶液を用いる以外は、実施例1と同
一条件でフイン材を得、且つその親水性の試験を
した。
一条件でフイン材を得、且つその親水性の試験を
した。
ポリアクリルニトリル 3重量部
ジメチルホルムアミド 100重量部
この結果、水との接触角は60度で、トリクレン
浸漬試験は約120時間経過後皮膜の若干の剥離が
見られた。
浸漬試験は約120時間経過後皮膜の若干の剥離が
見られた。
比較例 3
下記組成の溶液を用いる以外は、実施例1と同
一条件でフイン材を得、且つその親水性の試験を
した。
一条件でフイン材を得、且つその親水性の試験を
した。
ポリアクリル酸エチル 2重量部
ジメチルホルムアミド 100重量部
この結果、水との接触角は75度で、トリクレン
浸漬試験は約120時間経過後皮膜の若干の剥離が
見られた。
浸漬試験は約120時間経過後皮膜の若干の剥離が
見られた。
以上から明らかなように、実施例1〜3で得ら
れたフイン材表面の親水性及び皮膜の密着力は、
比較例1〜3のものに比べて、優れていることが
判る。
れたフイン材表面の親水性及び皮膜の密着力は、
比較例1〜3のものに比べて、優れていることが
判る。
(ヘ) 発明の効果
本発明に係るフイン材表面に形成されている皮
膜は、有機系物質で構成されており、親水性及び
皮膜のフイン材本体への密着力が非常に優れてい
る。従つて、フイン材の親水性の向上を図るため
にフイン材表面の皮膜中に水ガラス等の無機系化
合物を用いる必要がなく、フイン材の穿孔加工や
曲げ加工の際フイン材表面の皮膜にクラツクが発
生するのを防止できると共に皮膜が剥離するのを
防止することができるので、皮膜の耐久性ひいて
はフイン材の耐久性を向上させることができる。
膜は、有機系物質で構成されており、親水性及び
皮膜のフイン材本体への密着力が非常に優れてい
る。従つて、フイン材の親水性の向上を図るため
にフイン材表面の皮膜中に水ガラス等の無機系化
合物を用いる必要がなく、フイン材の穿孔加工や
曲げ加工の際フイン材表面の皮膜にクラツクが発
生するのを防止できると共に皮膜が剥離するのを
防止することができるので、皮膜の耐久性ひいて
はフイン材の耐久性を向上させることができる。
Claims (1)
- 1 フイン材本体表面に、フイチン酸とアルミニ
ウム金属をキレート化するキレート剤とを含有す
る皮膜が形成されていることを特徴とする熱交換
器用フイン材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61054519A JPS62209185A (ja) | 1986-03-11 | 1986-03-11 | 熱交換器用フイン材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61054519A JPS62209185A (ja) | 1986-03-11 | 1986-03-11 | 熱交換器用フイン材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62209185A JPS62209185A (ja) | 1987-09-14 |
JPH0124835B2 true JPH0124835B2 (ja) | 1989-05-15 |
Family
ID=12972899
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61054519A Granted JPS62209185A (ja) | 1986-03-11 | 1986-03-11 | 熱交換器用フイン材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS62209185A (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0381139A (ja) * | 1989-08-24 | 1991-04-05 | Showa Alum Corp | 熱交換器用アルミニウム・フィン材 |
JP2006213978A (ja) * | 2005-02-04 | 2006-08-17 | Daikin Ind Ltd | 熱交換器、冷凍サイクル装置及びそれに使用する塗料 |
JP5319952B2 (ja) * | 2008-04-18 | 2013-10-16 | 株式会社神戸製鋼所 | 樹脂被覆アルミニウム製フィン材 |
-
1986
- 1986-03-11 JP JP61054519A patent/JPS62209185A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS62209185A (ja) | 1987-09-14 |
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