JPH07278464A - エアーコンディショナー熱交換器用表面親水化剤組成物 - Google Patents

エアーコンディショナー熱交換器用表面親水化剤組成物

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JPH07278464A
JPH07278464A JP9055494A JP9055494A JPH07278464A JP H07278464 A JPH07278464 A JP H07278464A JP 9055494 A JP9055494 A JP 9055494A JP 9055494 A JP9055494 A JP 9055494A JP H07278464 A JPH07278464 A JP H07278464A
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JP
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water
weight
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soluble
air conditioner
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JP9055494A
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Naoyuki Ikenaga
尚之 池永
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Original Assignee
Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】エアーコンディショナー熱交換器用表面親水化
剤であって、固形分換算で、(a)水分散性微粒シリカ
10〜60重量%、(b)水溶性ポリアミド及び/又は
ポリビニルピロリドン10〜60重量%、(c)分子中
に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物10〜
40重量%、(d)水溶性カップリング剤5〜25重量
%、および(e)界面活性剤0.1〜5重量%、を含有
することを特徴とする表面親水化剤組成物。 【効果】本発明の表面親水化処理剤は、エアーコンディ
ショナーの熱交換器用アルミニウム製フィン材等の親水
化処理のための優れた処理剤であり、これを用いること
により、エアーコンディショナーの熱交換器用アルミニ
ウム製フィン材等の表面に、良好な親水性、親水耐久性
を有し、臭気も抑制された親水性皮膜を形成することが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はエアーコンディショナー
の熱交換器の製造の際に用いる表面親水化剤組成物に関
する。さらに詳細にはエアーコンディショナーのアルミ
ニウムまたはアルミニウム合金製のエバポレータのフィ
ンに耐腐食性と親水性を与え、耐久性に優れた親水性の
皮膜を形成する表面親水化剤に関する。
【0002】
【従来の技術】アルミニウムやその合金は軽量でかつ優
れた加工性と熱伝導性を有するため、エアーコンディシ
ョナーの熱交換器の材料として広く利用されている。エ
アーコンディショナーの中でもカーエアコンは、車内を
単に暖めたり、冷やしたりするだけでなく、安全確保の
ための窓の視認性を高めたり、車外の環境変化に影響さ
れずに、車内を快適な状態に保つといった使用目的があ
り、現代の自動車には必要不可欠のものである。冷房運
転時には空気中の水分は熱交換器、特にエバポレータの
フィン表面に凝縮水として付着する。また、カーエアコ
ンはルームエアコンに比較して空調容積当たりの冷房能
力が大きく、カーエアコンのエバポレータはより大きな
熱交換能力が要求されるため、フィンピッチも狭く凝縮
水が滞留しやすい。そのため凝縮水が車内に飛散した
り、滞留した水中でカビ、バクテリア等が繁殖し、不快
臭発生の原因となる。
【0003】これを防止するためフィン表面を親水化
し、凝縮水の流下を促進する表面処理がなされている。
たとえば特開昭55−12375号公報および特開昭5
6−56572号公報はフィン表面に親水性アミド基を
有する合成樹脂の皮膜を設けたエバポレータを開示して
いる。また特開昭61−227877号公報はアクリル
系樹脂をメラミン樹脂で架橋した皮膜による処理を、ま
た特開平3−26381号公報はポリビニルアルコール
またはその誘導体とイオン性官能基を含有する水溶性ポ
リマーと架橋剤を用いた表面処理剤を開示している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記の各
種皮膜または処理剤を用いた表面処理方法では、初期の
親水性は良好であっても、長期間の運転に対する耐久性
と臭気抑制効果は不十分であった。このように従来の表
面処理技術では十分な親水性、耐腐食性を有し、かつ良
好な皮膜強度をもち臭気の少ない皮膜を熱交換器フィン
上に形成することは困難であった。
【0005】従って本発明の目的は、かかる課題を解決
すべく、熱交換器のフィン材等の表面に親水性、耐腐食
性、耐久性が良好でかつ不快臭を発生しない親水性皮膜
を形成しうる表面処理剤組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明者は鋭意検討を行った結果、特定の水分散性微粒
シリカ、水溶性ポリアミド、エポキシ化合物、カップリ
ング剤、及び界面活性剤を特定の割合で配合すれば上記
目的を達成しうることを見出し、さらに研究を進めた結
果、本発明を完成するに至った。
【0007】即ち、本発明の要旨は、 (1)エアーコンディショナー熱交換器用表面親水化剤
であって、固形分換算で、(a)水分散性微粒シリカ1
0〜60重量%、(b)水溶性ポリアミド及び/又はポ
リビニルピロリドン10〜60重量%、(c)分子中に
2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物10〜4
0重量%、(d)水溶性カップリング剤5〜25重量
%、および(e)界面活性剤0.1〜5重量%、を含有
することを特徴とする表面親水化剤組成物、 (2)水溶性カップリング剤が水溶性チタンカップリン
グ剤である前記(1)記載の表面親水化剤組成物、 (3)界面活性剤が非イオン性界面活性剤である前記
(1)又は(2)記載の表面親水化剤組成物、 (4)分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ
化合物が、多価アルコールのポリグリシジルエーテルで
ある前記(1)〜(3)いずれか記載の表面親水化剤組
成物、並びに (5)水溶性ポリアミドがジメチルアミノカプロラクタ
ムの重合体である前記(1)〜(4)いずれか記載の表
面親水化剤組成物、に関する。
【0008】以下、本発明についてさらに詳細に説明す
る。本発明の表面親水化剤は、(a)水分散性微粒シリ
カ、(b)水溶性ポリアミド及び/又はポリビニルピロ
リドン、(c)分子中に2個以上のエポキシ基を有する
エポキシ化合物、(d)水溶性カップリング剤および
(e)界面活性剤を含有するものである。
【0009】まず本発明で使用する(a)成分の水分散
性微粒シリカは、いわゆるシリカゾルおよび微粉状シリ
カであって、通常水に分散させた状態で供給されている
ものをそのまま使用することができる。例えば日産化学
(株)製の商品名スノーテックスとして市販されている
ものを使用できる。また、微粉末状のシリカを水に分散
させて使用することができる。
【0010】本発明で使用する水分散性微粒シリカの粒
子径は、通常5〜10000nm、好ましくは7〜10
0nmであり、さらに好ましくは7〜20nmである。
粒子径がこの範囲を越えると表面親水化剤組成物の貯蔵
安定性が不良となる傾向があり、この範囲より小さいと
分散体の調製が困難となる傾向がある。
【0011】表面親水化処理剤中の水分散性微粒シリカ
は親水持続性に効果があり、その配合割合は通常固形分
で10〜60重量%であり、15〜40重量%がより好
ましく、20〜35重量%がさらに好ましい。配合量が
この範囲より少なすぎると親水持続性が不良となる傾向
があり、またこの範囲より多すぎると処理したアルミニ
ウム表面の外観が不良となる傾向があり好ましくない。
【0012】次に本発明において使用する(b)成分
は、水溶性ポリアミド及び/又はポリビニルピロリドン
であり、両者を併用してまたは単独で使用することがで
きる。水溶性ポリアミドは水可溶性ナイロンとして知ら
れているもので、ジメチルアミノカプロラクタムの単独
重合体、またはジメチルアミノカプロラクタムとカプロ
ラクタムの共重合体等を使用できる。その平均重合度
は、水に対する溶解性、水溶液の粘度の点から、40〜
500が好ましく、より好ましくは50〜300であ
る。具体的には東レ(株)製AQ−ナイロンA−90、
A−70、P−70などが好適に使用される。
【0013】ポリビニルピロリドンは下記一般式で表さ
れ、例えばN−ビニルピロリドンを重合して得ることが
できる。
【0014】
【化1】
【0015】(式中、nは重合度を表す。)本発明にお
いて使用されるものは、重合度が通常100〜1000
であり、好ましくは200〜500である。重合度がこ
の範囲より大きいと良好な親水性が持続しにくくなる傾
向があり、この範囲より小さいと造膜性が不良となる傾
向がある。
【0016】(b)成分の配合割合は、固形分で10〜
60重量%であり、20〜40重量%がさらに好まし
い。配合量がこの範囲より少いと、親水持続性が不良と
なる傾向があり、配合量がこの範囲より多いと処理液の
粘度が高くなる傾向があり、皮膜が厚くなり好ましくな
い。また、皮膜厚を小さくするためには処理液の固形分
濃度を低下させる必要が生じ、親水持続性を低下させる
ことになる。
【0017】次に本発明において使用する(c)成分
の、分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化
合物としては、多価アルコールのポリグリシジルエーテ
ルが使用でき、具体的にはエチレングリコールジグリシ
ジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエ
ーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ポリグ
リセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリト
ールポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシ
ジルエーテル等を使用することができる。例えば、ナガ
セ化成(株)製の商品名デナコールとして市販されてい
るもの等を使用できる。本発明の目的には水溶性が良好
で、水中でもエポキシ基が安定で、皮膜化したときの親
水性の良好なものが好ましく、上記化合物の中でもポリ
エチレングリコールジグリシジルエーテルが好ましい。
ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル分子中の
エチレンオキサイド付加モル数は、通常2以上であり、
好ましくは2〜30であり、さらに好ましくは5〜15
である。エポキシ化合物中のエポキシ基の数は通常2個
以上であり、好ましくは2〜6であり、さらに好ましく
は2〜3である。
【0018】(c)成分の配合量は、表面親水化処理剤
の固形分中において、通常10〜40重量%であり、よ
り好ましくは15〜35重量%であり、さらに好ましく
は20〜30重量%である。この範囲より少ないと親水
耐久性の効果が得られにくい傾向があり、またこの範囲
より多くてもそれ以上の効果は得られにくく、逆に剤自
身からの臭気発生のおそれが生じ好ましくない。
【0019】次に本発明の(d)成分の水溶性カップリ
ング剤としては、チタンカップリング剤とシランカップ
リング剤が使用でき、水に溶解しやすく、かつ水中での
加水分解が徐々に進むものが好ましい。具体的にはチタ
ンカップリング剤としては、例えば日本曹達(株)より
市販されているジ−n−ブトキシ・ビス(トリエタノー
ルアミナト)チタン、ジヒドロキシ・ビス(ラクタト)
チタン等を、シランカップリング剤としては、γ−グリ
シドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロ
ピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−
アミノプロピルトリメトキシシラン等を使用できるが、
親水耐久性の点よりジ−n−ブトキシ・ビス(トリエタ
ノールアミナト)チタンが好ましい。
【0020】カップリング剤の配合量としては、表面親
水化処理剤の固形分中において、通常5〜25重量%で
あり、より好ましくは10〜25重量%であり、さらに
好ましくは15〜20重量%である。この範囲より少な
いと親水耐久性の効果が得られず、またこの範囲より多
くても使用量に見合う効果は得られにくい。
【0021】次に本発明において使用する(e)成分の
界面活性剤としては、陽イオン性界面活性剤、陰イオン
性界面活性剤、非イオン性界面活性剤のいずれも使用で
きるが、陰イオン性界面活性剤または非イオン性界面活
性剤が好ましい。陰イオン性界面活性剤としては、例え
ばジアルキルスルホコハク酸塩が好ましい。非イオン性
界面活性剤としては、ポリオキシエチレンノニルフェニ
ルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエー
テル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキ
シエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンステ
アリルエーテル、ポリオキシエチレンラウレート、ソル
ビタンラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンステ
アレート等が例示でき、特にポリオキシエチレンノニル
フェニルエーテル等が好ましい。陽イオン性界面活性剤
としては、ラウリルトリメチルアンモニウム塩が好まし
い。
【0022】本発明では界面活性剤は、表面親水化処理
液の表面張力を低下させ、被処理材表面に一様に塗布さ
れやすくする濡れ剤として作用する。水への溶解性およ
び発泡等の相反する効果を考慮すると、使用する界面活
性剤のHLB値は通常3〜30、より好ましくは10〜
18、さらに好ましくは11〜15である。
【0023】配合量としては、表面親水化処理剤の固形
分中において通常0.1〜5重量%であり、より好まし
くは0.2〜4重量%であり、さらに好ましくは0.5
〜2重量%である。この範囲より少ないと界面活性剤の
効果が得られにくく、またこの範囲より多くてもそれ以
上の効果は得られにくく、また発泡等の悪影響が現れる
傾向がある。
【0024】本発明では、上記の(a)、(b)、
(c)、(d)、(e)の各成分はそれぞれ任意に組み
合わせて使用することができる。また、各成分はそれぞ
れ単独でもしくは2種以上組み合わせて使用することが
できる。本発明の組成物の成分の、好適な組み合わせを
例示すると、(a)粒子径7〜100nmのコロイダル
シリカ、(b)ジメチルアミノカプロラクタム重合体お
よび/またはポリビニルピロリドン、(c)多価アルコ
ールポリグリシジルエーテル、(d)水溶性チタンカッ
プリング剤、(e)非イオン性界面活性剤である。具体
的には組成物1は(a)日産化学(株)製スノーテック
ス、(b)東レ(株)製AQナイロン、(c)ポリエチ
レングリコールジグリシジルエーテル、(d)ジ−n−
ブトキシ・ビス(トリエタノールアミナト)チタン、
(e)ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルであ
り、組成物2は(a)日産化学(株)製スノーテック
ス、(b)ポリビニルピロリドン、(c)ポリエチレン
グリコールジグリシジルエーテル、(d)ジ−n−ブト
キシ・ビス(トリエタノールアミナト)チタン、(e)
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルである。さ
らに具体的な組み合わせは実施例において示すが(表1
参照)、本発明に使用される組み合わせは、これらに限
定されるものではない。
【0025】また本発明ではさらに(f)抗菌剤を添加
することにより防カビ効果を高めることもできる。抗菌
剤としては第4級アンモニウム塩、含窒素硫黄化合物、
含ハロゲン窒素硫黄化合物、有機ヨウ素系化合物、ベン
ズイミダゾール系化合物等が使用できる。具体的には
1,2ベンゾイソチアゾリン−3−オン、2−チアゾー
ル−4−イルベンズイミダゾール、メチルベンズイミダ
ゾール−2−イルカルバメート、N−ジクロロフルオロ
メチルチオ−N’,N’−ジメチル−N−フェニルスル
ファミド、テトラメチルチウラムジサルファイド、N−
(トリクロロメチルチオ)−4−シクロヘキサン−1,
2−ジカルボキシイミド、2,4,5,6−テトラクロ
ロ−1,3−イソフタロニトリル、2,3,5,6−テ
トラクロロ−4−(メチルスルホニル)ピリジン、ビス
(2−ピリジルチオ)−ジンク−1,1−ジオキサイド
等があるが、2−チアゾール−4−イルベンズイミダゾ
ール、メチルベンズイミダゾール−2−イルカルバメー
ト、2,4,5,6−テトラクロロ−1,3−イソフタ
ロニトリル、ビス(2−ピリジルチオ)−ジンク−1,
1−ジオキサイドが好ましい。
【0026】抗菌剤の添加量は(a)〜(e)成分の固
形分量100重量部に対して通常0.1〜30重量部、
より好ましくは1〜20重量部である。この範囲より少
ないと抗菌性が十分に発現しない傾向があり、この範囲
より多いと濁りや沈澱を生じる等、系の安定性を低下さ
せる傾向がある。抗菌剤は単独でもしくは2種以上組み
合わせて使用することができる。
【0027】以下に本発明の表面親水化剤組成物を用い
る表面処理方法について説明する。親水化処理されるア
ルミニウム材料は化成処理の前処理としてまず脱脂処理
を行う。脱脂処理方法としては、硫酸や硝酸を用いた酸
洗処理、トリクロロエタン、パークロルエチレン、ガソ
リン、n−ヘキサン等による溶剤脱脂、水酸化ナトリウ
ム、炭酸ナトリウム、リン酸ナトリウム等のアルカリ溶
液によるアルカリ脱脂のいずれかの方法で行うことがで
きるが、溶剤脱脂が好ましい。
【0028】脱脂後、アルミニウム材料に耐腐食性を与
えるため、化成処理を行う。耐腐食性皮膜形成はクロメ
ート処理によるものが好ましい。クロメート処理液は無
水クロム酸と硫酸、硝酸、フッ素、リン酸等に添加剤を
加えて調製されるが、無機酸としてリン酸を使用するリ
ン酸クロメート系とその他の酸を用いるクロミウムクロ
メート系とがあり、そのいずれでもよい。処理方法とし
ては、エアーコンディショナーの熱交換器は複雑な形状
をしているため、浸漬法により処理するのが好ましい。
クロメート処理により得られる耐腐食性皮膜はクロム量
で50〜200mg/m2 であるのが好ましい。クロメ
ート処理された材料は水道水等に浸漬して、水洗するこ
とが好ましい。
【0029】本発明の表面親水化剤組成物を水で希釈
し、親水化処理液を調製する。クロメート処理を施した
アルミニウム材料にこの親水化処理液を塗布する。塗布
の方法にはロールコート法、バーコート法、スプレー
法、浸漬法等があるが、エアーコンディショナーの熱交
換器のように複雑な形状をしたものは浸漬法が好まし
い。熱交換効率を低下させず、耐久性のある親水化皮膜
を得るため膜厚を制御する必要があるが、上記組成の親
水化剤処理液の固形分は1〜8%が好ましく、2〜5%
がさらに好ましい。また親水化処理液の粘度は2〜5c
psが好ましい。親水化処理液を塗布した熱交換器を1
20℃〜180℃、好ましくは140℃〜170℃の乾
燥器内で塗膜の焼付け処理を行い、親水化処理を完了す
る。ルームエアコン用にアルミ板を処理する場合には、
クロメート処理後ロールコーターで塗布し、200〜2
30℃で15〜30秒間焼付けることにより処理され
る。
【0030】
【実施例】以下、実施例および比較例により本発明をさ
らに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例等によ
りなんら限定されるものではない。
【0031】実施例1〜16 アルミニウム板テストピース(JIS A−1050、
50×100×0.3mm)を 1,1,1トリクロロエタン
に浸漬・風乾して脱脂処理を行った。ついでアルクロム
AM−20M(日本パーカライジング(株)製)を水で
7.2%に希釈して調製したクロメート処理液に、35
℃で1分30秒間浸漬し、クロメート処理を行い、さら
に水道水に30秒間浸漬し水洗した。これを表1及び表
2に示す組成の本発明の組成物(処理液)に25℃で1
分間浸漬した後、160℃で15分間焼付け(親水化処
理)を行った。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】テストピースの親水性は25℃の恒温室内
で、接触角計(協和界面科学(株)製、CA−D型)を
使用して水に対する接触角を測定することにより評価し
た。親水化処理したテストピースを水道水の流水(流量
2L/min)中に72時間浸漬し、60℃の乾燥器内
で乾燥させ、同様に接触角を測定し、親水耐久性を評価
した。
【0035】また、焼付け直後のテストピースを目視で
観察し、表面状態を評価した。評価基準は次の通りであ
る。 表面に皮膜が均一に形成され、むらがない … ○ 皮膜にややむらがある … △ 表面が白っぽく、むらがある … × また焼付け直後のテストピースを直接嗅ぐことにより、
皮膜の臭気を評価したが、いずれもほとんど臭気を感じ
なかった。焼付け直後の親水性、親水耐久性、表面状態
の評価結果を表3に示した。
【0036】
【表3】
【0037】比較例1〜16 比較例として表4及び表5に示す組成の処理液を調製
し、実施例と同様に親水化処理を行い、同様に評価し
た。その結果を表6に併せて示す。なお、皮膜の臭気は
ほとんど感じられなかった。
【0038】
【表4】
【0039】
【表5】
【0040】
【表6】
【0041】以上の結果が示すように、実施例に示され
た組成の親水化処理剤を使用すれば、焼付け直後から7
2時間の水洗後においても、接触角が低く保たれ、親水
耐久性に優れた皮膜を得ることができる。これに対し
て、成分(a)〜(e)のいずれかを用いない場合(比
較例1〜5)や、各成分の含有量が本発明の範囲外であ
る場合(比較例6〜16)には、焼付け直後の親水性
は、さほど悪くはなかったものの、親水耐久性、表面状
態が劣るものであった。
【0042】本発明の態様を更に挙げると、以下のよう
になる。 (1)エアーコンディショナー熱交換器用表面親水化剤
であって、固形分換算で、(a)水分散性微粒シリカ1
0〜60重量%、(b)水溶性ポリアミド及び/又はポ
リビニルピロリドン10〜60重量%、(c)分子中に
2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物10〜4
0重量%、(d)水溶性カップリング剤5〜25重量
%、および(e)界面活性剤0.1〜5重量%、(f)
抗菌剤0.1〜30重量%を含有することを特徴とする
表面親水化剤組成物。 (2)水溶性カップリング剤が水溶性チタンカップリン
グ剤である前記(1)記載の表面親水化剤組成物。 (3)界面活性剤が非イオン性界面活性剤である前記
(1)又は(2)記載の表面親水化剤組成物。 (4)分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ
化合物が、多価アルコールのポリグリシジルエーテルで
ある前記(1)〜(3)いずれか記載の表面親水化剤組
成物。 (5)水溶性ポリアミドがジメチルアミノカプロラクタ
ムの重合体である前記(1)〜(4)いずれか記載の表
面親水化剤組成物。 これらの組成物により、防カビ効果を高めることができ
る。
【0043】(6)アルミニウムまたはアルミニウム合
金製のエアーコンディショナー熱交換器について、脱
脂処理を施し、ついでクロメート化成処理を施したの
ち、該交換器を、固形分換算で(a)水分散性微粒シ
リカ10〜60重量%、(b)水溶性ポリアミド10〜
60重量%、(c)分子中に2個以上のエポキシ基を有
するエポキシ化合物10〜40重量%、(d)水溶性カ
ップリング剤5〜25重量%、および(e)界面活性剤
0.1〜5重量%を含有する表面親水化剤の固形分1〜
8%を含む水溶液に浸漬し、さらに120℃〜180℃
で焼付けし、表面処理を行うことを特徴とする表面親水
化処理方法。この方法により、良好な親水性、親水耐久
性を有し、臭気も抑制された親水性皮膜を形成すること
ができる。
【0044】
【発明の効果】本発明の表面親水化処理剤は、エアーコ
ンディショナーの熱交換器用アルミニウム製フィン材等
の親水化処理のための優れた処理剤であり、これを用い
ることにより、エアーコンディショナーの熱交換器用ア
ルミニウム製フィン材等の表面に、良好な親水性、親水
耐久性を有し、臭気も抑制された親水性皮膜を形成する
ことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 163/00 PKN F28F 13/18 B

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エアーコンディショナー熱交換器用表面
    親水化剤であって、固形分換算で、(a)水分散性微粒
    シリカ10〜60重量%、(b)水溶性ポリアミド及び
    /又はポリビニルピロリドン10〜60重量%、(c)
    分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物
    10〜40重量%、(d)水溶性カップリング剤5〜2
    5重量%、および(e)界面活性剤0.1〜5重量%、
    を含有することを特徴とする表面親水化剤組成物。
  2. 【請求項2】 水溶性カップリング剤が水溶性チタンカ
    ップリング剤である請求項1記載の表面親水化剤組成
    物。
  3. 【請求項3】 界面活性剤が非イオン性界面活性剤であ
    る請求項1又は2記載の表面親水化剤組成物。
  4. 【請求項4】 分子中に2個以上のエポキシ基を有する
    エポキシ化合物が、多価アルコールのポリグリシジルエ
    ーテルである請求項1〜3いずれか記載の表面親水化剤
    組成物。
  5. 【請求項5】 水溶性ポリアミドがジメチルアミノカプ
    ロラクタムの重合体である請求項1〜4いずれか記載の
    表面親水化剤組成物。
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