JP4176026B2 - 防錆剤 - Google Patents

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Description

本発明は、親水化処理剤に用いられる防錆剤に関する。
エバポレータや熱交換器は、通常、熱交換を行うためのアルミニウムフィンが狭い間隔で保持され、更に、これらのフィンに冷媒を供給するためのアルミニウムチューブが入り組んで配置された複雑な構造となっている。このため、アルミニウムフィンの表面を親水化することにより、冷房時に凝縮された水の排出を容易にしている。しかし、親水性だけではなく、防錆性も有することが要求されるため、親水性と防錆性の両方を付与することができる親水化処理剤が要求されている。
しかし、従来の親水化処理剤は、良好な親水性を付与することはできるが、単独では充分な防錆性を付与することはできなかった。このため、下地処理としてジルコニウムやリン酸クロメートなどの防錆皮膜処理や、エポキシ樹脂による耐食樹脂コート処理を施すことが必要とされる(例えば、特許文献1参照。)。
また、特許文献2には、孤立電子対を持つ窒素原子を含有する化合物を含有する金属表面処理剤が記載されているが、このような親水化処理剤では、耐食性が不充分である。更に、特許文献3、4には、ビグアニド化合物を用いた処理剤が記載されているが、これらは、グアニジン化合物を抗菌剤として使用するものであって、防錆性を得るために使用するものではない。
特開平5−302042号公報 特開2000−204485号公報 特開2000−53873号公報 特開2002−285140号公報
本発明は、上記に鑑み、親水化処理剤に用いられる防錆剤を提供することを目的とするものである。
本発明は、親水性樹脂を含む親水化処理剤に用いられる防錆剤であって、下記一般式(1);
Figure 0004176026
[式中、Yは、−C(=NH)−NH−(CH表わす。mは、0又は1〜20の整数を表わす。nは、正の整数を表わす。kは1を表わす。Xは、水素、アミノ基、水酸基、メチル基、フェニル基、クロロフェニル基又はメチルフェニル基(トリル基)を表わす。Zは、水素、アミノ基、水酸基、メチル基、フェニル基、クロロフェニル基、メチルフェニル基(トリル基)、又は、下記一般式(2);
Figure 0004176026
(式中、pは、整数を表わす。)に示した一つの重合基を繰り返し単位とする重合体で表され、質量平均分子量が200〜1000000である重合体を表わす。]
で表わされる化合物及び/又はその塩を含み、上記化合物及び/又はその塩は、質量平均分子量が500〜1000000であり、上記化合物及び/又はその塩は、分子中に下記一般式(3);
Figure 0004176026
で表されるビグアニド構造を有することを特徴とする防錆剤である
上記化合物及び/又はその塩ポリヘキサメチレンビグアニジン、ポリヘキサエチレンビグアニジン、ポリペンタメチレンビグアニジン、ポリペンタエチレンビグアニジン、ポリビニルビグアニジン、ポリアリルビグアニジン及びグルコン酸クロルヘキシジンからなる群より選択される少なくとも一種であることが好ましい
上記親水性樹脂は、ケン化度90%以上のポリビニルアルコール又はケン化度90%以上のポリビニルアルコールとその他の親水性樹脂との混合物であることが好ましい。
上記親水化処理剤は、更に、樹脂固形分換算で0.001〜10質量%のフェノール樹脂を含有することが好ましい
以下、本発明を詳細に説明する。
本実施の形態の親水化処理剤は、親水性樹脂及びグアニジン化合物及び/又はその塩からなる親水化処理剤である。
上記グアニジン化合物は、従来から耐食性を付与するために使用されてきたクロム化合物と同様、金属表面に吸着し易く、金属表面を不動態化させることができ、白錆防止に有効な化合物である。このため、上記グアニジン化合物を含有する本実施の形態の親水化処理剤は、優れた耐食性を有する親水化処理剤である。
上述のように、本実施の形態の親水化処理剤を用いて親水化処理を行うことによって、充分な親水性及び防錆性を同時に付与することができる。従って、本実施の形態の親水化処理剤により、従来の防錆処理を行った後に親水化処理を行うといった2段階の処理を必要とせず、1段階で必要とされる親水性及び防錆性を付与することができる。
グアニジン化合物及び/又はその塩は、グアニジン骨格を分子中に有する化合物である。本実施の形態で使用するグアニジン化合物及び/又はその塩は、上記一般式(1)で表されるものである。上記グアニジン化合物及び/又はその塩としては特に限定されず、例えば、グアニルチオ尿素、1−o−トリルビグアニド、ポリヘキサメチレンビグアニジン、ポリヘキサエチレンビグアニジン、ポリペンタメチレンビグアニジン、ポリペンタエチレンビグアニジン、ポリビニルビグアニジン、ポリアリルビグアニジン、これらの塩等を挙げることができる。上記グアニジン化合物の塩としては特に限定されず、例えば、リン酸塩、塩酸塩、硫酸塩、酢酸塩及びグルコン酸塩等の有機酸塩を挙げることができる。上記塩の合計量は、上記グアニジン化合物に対してモル比で下限0.01、上限100の範囲内であることが好ましい。
上記グアニジン化合物を有機酸塩の形態で親水性樹脂からなる親水化処理剤に配合すると、塗布後の焼き付け工程時に金属基材上に吸着したグアニジン化合物の塩から有機酸が脱離され、グアニジン化合物が不溶化物に変化し、グアニジン化合物及び親水性樹脂からなる防錆皮膜が形成される。よって、上記グアニジン化合物及び/又はその塩は、有機酸塩としての使用が好ましい。
上記グアニジン化合物及び/又はその塩は、質量平均分子量が下限59、上限1000000の範囲内である。100000以上であると、水溶化しないおそれがある。上記下限は、300であることがより好ましく、500であることが更に好ましい。上記上限は、100000であることがより好ましく、20000であることが更に好ましい。
上記グアニジン化合物及び/又はその塩の配合量は、本実施の形態の親水化処理剤中の固形分濃度が下限0.01質量%、上限10質量%の範囲内である。上記下限未満であると、充分な防錆効果が得られず、上記上限を超えると、それ以上効果が上がらず不経済であるため好ましくない。上記上限は、1質量%がより好ましい。
上記グアニジン化合物及び/又はその塩としては、防錆性を付与する効果が大きいことから、分子中に下記一般式(3);
Figure 0004176026
で表されるビグアニド構造を有するもの及び/又はその塩であることが好ましい。上記ビグアニド構造を有するグアニジン化合物及び/又はその塩としては特に限定されず、例えば、ポリヘキサメチレンビグアニジン、o−トリルビグアニド、グルコン酸クロルヘキシジン、及び/又は、その塩等を挙げることができる。上記グアニジン化合物及び/又はその塩は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本実施の形態の親水化処理剤は、親水性樹脂を含むものである。上記親水性樹脂は、水酸基、カルボキシル基、アミド基、アミノ基、スルホン酸基及び/又はエーテル基を有する水溶性又は水分散性の親水性樹脂であることが好ましい。上記親水性樹脂は、水滴との接触角が35度以下となるような皮膜を形成するものであることが好ましい。このような皮膜は良好な親水性を示すため、上記親水性樹脂からなる親水化処理剤を適用すると、充分な親水性を被処理剤に付与することができる。上記親水性樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリアクリルアミド、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレンオキサイド、水溶性ナイロン、これらの重合体を形成するモノマーの共重合体、2−メトキシポリエチレングリコールメタクリレート/アクリル酸2−ヒドロキシルエチル共重合体等のポリオキシエチレン鎖を有するアクリル系重合体等が好ましい。
これらの親水性樹脂は、優れた親水性及び耐水性を有するとともに、自身の臭気がなく、臭気物質が吸着しにくいので、上記親水性樹脂を含有する本実施の形態の親水化処理剤は、親水性及び防臭性に優れ、又、得られる親水化皮膜は水滴や流水に曝されても劣化しにくいので、所望により含有され自身の埃臭や吸着物質の不快臭を発するシリカ等の無機物や他の残存モノマー成分が露出しにくいので、被処理剤自体が飛散して埃臭を発したり、腐食することが妨げられる。
上記親水性樹脂は、数平均分子量が下限1000、上限1000000の範囲内であることが好ましい。1000未満であると、造膜性に劣り、親水性や他の皮膜物性に劣り、1000000を超えると、得られる親水化処理剤の溶液の粘度が高くなり、作業性や皮膜物性に劣る。上記下限は、10000がより好ましく、上記上限は、200000がより好ましい。
上記親水性樹脂は、本実施の形態の親水化処理剤中の固形分濃度が下限0.01質量%、上限30質量%の範囲内であることが好ましい。0.1質量%未満であると、充分な造膜性及び親水性が得られない。30質量%を超えると、得られる親水化処理剤において凝集しやすくなり、作業性や皮膜物性に劣る。上記下限は、0.1質量%がより好ましく、上記上限は、20質量%がより好ましい。
上記親水性樹脂は、臭気防止と親水性付与の点で優れていることからポリビニルアルコールであることがより好ましく、なかでもケン化度90%以上のポリビニルアルコールであることが特に好ましい。上記ケン化度が90%未満であると、親水性に劣る場合がある。
上記ケン化度は、95%以上であることがより好ましい。上記ポリビニルアルコールは、一部変性したものであってもよい。
上記親水性樹脂は、単独で用いても2種以上を併用するものであってもよい。この場合、上記ケン化度90%以上のポリビニルアルコール及びその他の親水性樹脂の混合物であることが好ましい。その他の親水性樹脂は、上述したような親水性樹脂であれば特に限定されないが、2−メトキシポリエチレングリコールメタクリレート/アクリル酸2−ヒドロキシルエチル共重合体が好ましい。混合物とする場合、上記ケン化度90%以上のポリビニルアルコールを親水性樹脂の合計量に対して、固形分で下限20質量%以上含有することが好ましい。上記下限は、40質量%がより好ましく、80質量%が更に好ましい。
本実施の形態の親水化処理剤は、更に、フェノール樹脂を含有するものであることが好ましい。
上記フェノール系樹脂は、乾燥工程で自己縮合して高バリアー性のバインダーとして作用し、得られる皮膜は、酸やアルカリ及び有機溶剤に対して極めて浸透しにくい高耐食性の皮膜を形成することができる。
上記フェノール系樹脂としては特に限定されず、フェノール樹脂及び/又はフェノール樹脂を他の化合物と反応させることによって変性した変性フェノール樹脂等を挙げることができる。上記フェノール樹脂としては特に限定されず、例えば、フェノール、レゾルシン、クレゾール、ビスフェノールA、パラキシリレンジメチルエーテル等の芳香族化合物とホルムアルデヒドとを反応触媒の存在下で付加反応させたメチロール化フェノール樹脂を挙げることができる。上記メチロール化樹脂のメチロール基は、ジエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン等のアミン類との反応によってアミノ化されていてもい。
上記変性フェノール樹脂としては特に限定されず、例えば、多官能エポキシ化合物とフェノール樹脂との反応により得られる変性フェノール樹脂等を挙げることができる。上記変性フェノール樹脂の製造に使用する原料のフェノール樹脂としては、上述したフェノール樹脂を使用することができる。上記多官能エポキシ化合物は、2以上のエポキシ基を有する化合物であり、例えば、長瀬ケムテックス、日産化学工業、広栄化学等から販売されているアジピン酸グリシジルエステル、フタル酸グリシジルエステル、テレフタル酸グリシジルエステル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ソルビタンポリグルシジルエーテル、ポリグルセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ジグルセロールポリグリシジルエーテル、グルセロールポリグリシジルエーテル、トリメチルプロパンポリグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレンレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレンレングリコールジグリシジルエーテル、2,2−ビス−(4’−グリシジルオキシフェニル)プロパン、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート、ビスフェノールAグリシジルエーテル、水素添加ビスフェノールAグリシジルエーテル等を挙げることができる。
反応量としては、上記多官能エポキシ化合物を、上記フェノール樹脂の固形分に対して、下限0.1質量%、上限30質量%の範囲内で反応させることが好ましい。上記多官能エポキシ化合物の使用量が0.1質量%未満では、形成された皮膜の耐溶剤性が低下する場合があり、上記多官能エポキシ樹脂の使用量が30質量%を超えると上記変性エポキシ樹脂がゲル化して浴安定性が悪くなることがある。上記下限は、1質量%であることがより好ましく、上記上限は10質量%であることがより好ましい。
上記フェノール系樹脂は、本実施の形態の親水化処理剤に、下限0.001質量%、上限10質量%の範囲内で含有させることが必要である。0.001質量%未満の場合には、アルカリ脱脂後の耐食性が不充分となり、一方10質量%を超えると形成された皮膜と塗膜との密着性が低下する。上記下限は、0.005質量%であることがより好ましく、上記上限は、1質量%であることがより好ましい。
本実施の形態の親水化処理剤の溶媒は特に限定されないが、廃液処理等の観点から水を主体とするものが好ましい。又、造膜性を向上させ、より均一で平滑な皮膜を形成するために溶剤を併用してもよい。溶剤としては、塗料に一般的に用いられ、水と均一に混合することができるものであれば特に限定されず、例えばアルコール系、ケトン系、エステル系、エーテル系の有機溶剤等を挙げることができる。上記溶剤の使用量は、本実施の形態の親水化処理剤に対して、下限0.01質量%、上限5質量%の範囲内であることが好ましい。
本実施の形態の親水化処理剤は、更に、他の添加剤を含有するものであってもよい。上記他の添加剤としては特に限定されず、例えば、硬化剤、分散剤、防錆添加剤、顔料、シランカップリング剤、抗菌剤、界面活性剤、潤滑剤、消臭剤等を挙げることができる。
上記硬化剤としては、特に限定されず、例えば、メラミン樹脂、ブロックイソシアネート化合物、エポキシ化合物、オキサゾリン化合物、カルボジイミド化合物等を挙げることができる。
上記分散剤としては特に限定されず、界面活性剤、分散樹脂等を挙げることができる。
上記防錆添加剤としては特に限定されず、例えば、タンニン酸、イミダゾール化合物、トリアジン化合物、トリアゾール化合物、グアニン化合物、ヒドラジン化合物、ジルコニウム化合物等を挙げることができる。なかでも、防錆性を効果的に付与することができることから、ジルコニウム化合物が好ましい。上記ジルコニウム化合物としては特に限定されず、例えば、K2ZrF6等のアルカリ金属フルオロジルコネート;(NHZrF等のフルオロジルコネート;HZrF等のフルオロジルコネート酸等の可溶性フルオロジルコネート等;フッ化ジルコニウム;酸化ジルコニウム等を挙げることができる。
上記顔料としては、例えば酸化チタン(TiO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、炭酸カルシウム(CaCO)、硫酸バリウム(BaSO)、アルミナ(Al)、カオリンクレー、カーボンブラック、酸化鉄(Fe、Fe)等、酸化アルミニウム(Al)の無機顔料や、有機顔料等の各種着色顔料等を挙げることができる。
上記シランカップリング剤を含有させると、上記有機樹脂と上記顔料との親和性が向上し、密着性等を向上させることができる点で好ましい。
上記シランカップリング剤としては特に限定されず、例えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、N−〔2−(ビニルベンジルアミノ)エチル〕−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等を挙げることができる。
上記抗菌剤としては特に限定されず、例えば、2−(4−チアゾニル)−ベンスイミダゾール、ジンクピリチオン等の従来公知の抗菌剤を使用することができる。
上記親水化処理剤を用いて被処理材を処理する親水化処理方法も本実施の形態の一つである。上記被処理材としては、アルミニウム及び/又はアルミニウム合金が好適に使用される。上記アルミニウム及び/又はアルミニウム合金としては特に限定されず、例えば、5000番系アルミニウム合金、6000番系アルミニウム合金等を挙げることができる。
本実施の形態の親水化処理方法において、アルミニウム及び/又はアルミニウム合金を被覆するには、必要に応じて脱脂処理した被塗物に上記親水化処理剤を適用する。上記親水化処理剤を適用する方法としては特に限定されず、例えば、ロールコート、エアスプレー、エアレススプレー、浸漬等を挙げることができる。上記親水化処理剤によって形成された皮膜の硬化性を高めるために、あらかじめ被塗物を加熱しておくか、コーティング後に被塗物を熱乾燥させることが好ましい。被塗物の加熱温度は、下限100℃、上限300℃の範囲内であることが好ましい。上記下限は、120℃であることが好ましく、上記上限は、250℃であることが好ましい。加熱温度が100℃未満では、水分の蒸発速度が遅く充分な成膜性が得られないため、耐溶剤性や耐アルカリ性が低下する。一方、300℃を超えると樹脂の熱分解が生じて耐溶剤性や耐アルカリ性が低下し、また黄変のため外観が悪くなる。コーティング後に熱乾燥させる場合の乾燥時間は1秒〜5分が好ましい。
上記親水化処理方法によって形成された皮膜の膜厚は、乾燥膜厚で、下限0.01g/m、上限5g/mの範囲内であることが好ましい。0.01g/m未満であると耐食性が低下することがある。一方、乾燥膜厚が厚すぎると、塗装下地処理としては不経済であり塗装にも不都合である。上記下限は、0.1g/mであることがより好ましく、上記上限は、3g/mであることがより好ましい。
本実施の形態の親水化処理方法において、被処理材であるアルミニウム及び/又はアルミニウム合金は、その表面を防錆処理したものであってもよい。防錆処理を施し、更に、本実施の形態の親水化処理剤を適用することにより、強い防錆性を発揮することができる。上記防錆処理に用いる防錆処理剤としては特に限定されず、従来防錆剤として使用されている成分を含有するものであればよい。このような防錆剤としては特に限定されず、例えば、フッ化ジルコン酸又はその塩等のジルコニウム化合物、フッ化チタン酸又はその塩等のチタン化合物、クロメート、リン酸クロメート、樹脂プライマー等を挙げることができる。
本発明の防錆剤を、親水性樹脂を含む親水化処理剤に用いることによって、従来2段階の処理を必要とした防錆処理及び親水化処理を同時に行うことができるため、本発明は作業性及びコストの面で有利である。又、従来の防錆処理を施した被処理剤に、当該親水化処理剤を適用することにより、優れた防錆性を付与することができる。
以下本発明について実施例を掲げて更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。また実施例中、「部」は特に断りのない限り「質量部」を意味する。
実施例1
親水化処理剤の調製
グアニジン化合物としてポリヘキサメチレンビグアニジンの酢酸塩を0.1部、親水性樹脂としてポリビニルアルコール(ケン化度99%、数平均分子量20000)を固形分として2部と、2−メトキシポリエチレングリコールメタクリレート/アクリル酸2−ヒドロキシルエチル共重合体(モノマー質量比7:3、数平均分子量10000)を固形分として1部、及び、添加剤としてクレゾール型フェノール樹脂0.1部を配合し、イオン交換水を加えて、実施例1の親水化処理剤を調製した。
試験板の作製)
70mm×150mm×0.8mmのA1100(日本テストパネル製)をアルカリ脱脂剤(サーフクリーナー322N8、日本ペイント製)3%水溶液を用いて、65℃で5秒間スプレー処理して脱脂した。水道水で30秒間スプレー処理を行って水洗した後、上記親水化処理剤の2%水溶液をバーコーターで、乾燥膜厚0.5g/m2になるように塗布し、到達温度が150℃×5分になるように焼き付けて試験板を作製した。
試験板の物性評価
上記試験板について、以下に示した評価方法によって耐食性、親水性、臭気を評価した。この結果を表1に示す。
<耐食性>
JIS Z 2371に基づき、5%の食塩水を35℃で噴霧し、240時間後の白錆発生面積を下記の評価基準で目視で評価した。
10:白錆発生なし
9:白錆発生面積が10%未満
8:同20%未満
7:同30%未満
6:同40%未満
5:同50%未満
4:同60%未満
3:同70%未満
2:同80%未満
1:同90%未満
<親水性>
試験板を流水に72時間接触させた後、水滴との接触角を測定した。接触角が小さい程、親水性が高いと考えられる。接触角の測定は、自動接触角計CA−Z(協和界面化学社製)を用いて行った。
<臭気>
試験板を水道水流水に72時間接触させた後、臭いを嗅いで6段階評価した。
0:無臭
1:やっとかすかに臭いを感じる
2:らくに臭いを感じる
3:明らかに臭いを感じる
4:強く臭いを感じる
5:非常に強く臭いを感じる
実施例2、参考例1、実施例3〜10、12、13、比較例1〜3
グアニジン化合物としてグルコン酸クロルヘキシジン、o−トリルビグアニド、親水性樹脂としてエチレンオキサイド変性ポリビニルアルコール(ケン化度99%、数平均分子量20000、エチレンオキサイド−(C−C−O)−、n=10、変性率:1モル%)、ポリビニルスルホン酸ナトリウムホモポリマー(数平均分子量20000)、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸ホモポリマー(数平均分子量20000)、ポリエチレングリコール(旭電化社製、商品名PEG20000)、添加剤としてタンニン酸、シリカ(無水シリカ、平均粒子径10nm)、ジルコンフッ化アンモニウム、2−(4−チアゾニル)−ベンズイミダゾールを用いて表1に示したような親水化処理剤を調製し、実施例1と同様にして試験板の作製及び評価試験を行った。
〔実施例11〕
試験板を脱脂、水洗処理後、アルサーフ90(ジルコニウム含有防錆処理剤、日本ペイント社製)10%水溶液を用いて60℃で10秒間スプレー処理した後、実施例1で調製した親水化処理剤を用いて処理を行った。
比較例4
グアニジン化合物を配合しなかったこと以外は、実施例11と同様に試験板を作製し、評価を行った。
比較例5
グアニジン及び親水性樹脂としてポリアクリル酸を用いたこと以外は実施例1と同様にして親水化処理剤を調製し、試験板の作製及び評価試験を行った。
Figure 0004176026
本発明の防錆剤を適用することによって、従来の防錆処理及び親水化処理を2段階で行った比較例4と同程度以上の耐食性及び親水性を有する試験板を得ることができた。又、防錆処理を行った後、本発明の防錆剤を適用した実施例11で得られた試験板の防錆性は、比較例4で得られた試験板の防錆性より強いことから、従来にない防錆性が得られたことが明らかである。
本発明の防錆剤は、親水性樹脂を含む親水化処理剤に用いられることにより、1段階の処理で充分な親水性及び防錆性を有する皮膜を形成することができる。従って、当該親水化処理剤を用いる親水化処理方法は、作業性及びコストの面で優れた親水化処理方法である。

Claims (7)

  1. 親水性樹脂を含む親水化処理剤に用いられる防錆剤であって、
    下記一般式(1);
    Figure 0004176026
    [式中、Yは、−C(=NH)−NH−(CH表わす。mは、0又は1〜20の整数を表わす。nは、正の整数を表わす。kは1を表わす。Xは、水素、アミノ基、水酸基、メチル基、フェニル基、クロロフェニル基又はメチルフェニル基(トリル基)を表わす。Zは、水素、アミノ基、水酸基、メチル基、フェニル基、クロロフェニル基、メチルフェニル基(トリル基)、又は、下記一般式(2);
    Figure 0004176026
    (式中、pは、整数を表わす。)に示した一つの重合基を繰り返し単位とする重合体で表され、質量平均分子量が200〜1000000である重合体を表わす。]
    で表わされる化合物及び/又はその塩を含み、
    上記化合物及び/又はその塩は、質量平均分子量が500〜1000000であり、
    上記化合物及び/又はその塩は、分子中に下記一般式(3);
    Figure 0004176026
    で表されるビグアニド構造を有することを特徴とする防錆剤。
  2. 上記化合物及び/又はその塩ポリヘキサメチレンビグアニジン、ポリヘキサエチレンビグアニジン、ポリペンタメチレンビグアニジン、ポリペンタエチレンビグアニジン、ポリビニルビグアニジン、ポリアリルビグアニジン及びグルコン酸クロルヘキシジンからなる群より選択される少なくとも一種である請求項1記載の防錆剤
  3. 親水性樹脂は、ケン化度90%以上のポリビニルアルコール又はケン化度90%以上のポリビニルアルコールとその他の親水性樹脂との混合物である請求項1又は2記載の防錆剤
  4. 上記親水化処理剤は、樹脂固形分換算で0.001〜10質量%のフェノール樹脂を含有している請求項1、2又は3記載の防錆剤
  5. 請求項1、2、3、又は4に記載の防錆剤と、親水性樹脂とを含み、
    上記化合物及び/又はその塩の配合量は、その固形分濃度が0.01質量%以上10質量%以下の範囲内であることを特徴とする親水化処理剤。
  6. 親水化処理剤によって金属表面を処理する工程からなるアルミニウム及び/又はアルミニウム合金の親水化処理方法であって、
    請求項1、2、3、又は4に記載された防錆剤を用いてアルミニウム及び/又はアルミニウム合金を防錆する工程を含むことを特徴とする親水化処理方法。
  7. 上記金属表面は、防錆処理を施したアルミニウム及び/又はアルミニウム合金表面である請求項6記載の親水化処理方法。
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