JPH0123851B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、VTR（ビデオテープレコーダ）用磁
気ヘツドの製造方法に関するものである。

（従来の技術） 第１図及び第２図は、VTR用全幅消去ヘツド
の構成を示したものであるが、その作製は、フエ
ライト材からなるコア１に平板状のコア２を低融
点ガラス３等で固着して断面が略Ｅ字形をなすフ
ロントコア４に、ボビン５に巻線６を施したコイ
ル７を嵌め込み、その上から平板状のバツクコア
を被せて組み立てる。次に、その組立体全体を金
型内で樹脂成形し、フロントコア４の前部を破線
Ｃで示したように研削して、第２図のごとき全幅
消去ヘツド９を完成する。ヘツド９の前面にはダ
ブルギヤツプ１０ａ，１０ｂが形成される。

（発明が解決しようとする課題） ところで、従来は、成形時の樹脂注入圧等によ
り、フロントコア４とバツクコア８の位置関係が
ずれることを防止するため、第３図に示したよう
に、フロントコア４とバツクコア８との間隙に接
着剤１１を塗布したり、あるいは両面接着テープ
を使用して両者を固着していた。例えば、接着剤
を使用する場合は、フロントコアとバツクコアと
を密着させる必要から粘度の低い、流れの良好な
瞬間接着剤等を使用し、コアの押えは、接着箇所
が周囲であるためバツクコアの上を押えることに
なるが、バツクコアが薄いので治具を使用して押
圧すると破損するおそれがあり、そのため、手で
加圧するといつた手作業で行なわれていた。従つ
て、これらの方法によるコアどうしの固着作業は
大変手間のかかるもので、コスト上昇の要因とも
なつていた。

本発明は、上記従来方法の欠点を改善するもの
で、フロントコアとバツクコアの手作業による固
着を廃止し、組立の自動化も可能にするVTR用
磁気ヘツドの製造方法を提供することを目的とす
る。

（課題を解決するための手段） 上記目的を達成するために、コイルを挿入した
フロントコアの背面部に、一方の主面に所定の厚
さの緩衝材を貼着した平板状のバツクコアの他方
の主面を当接させて重ね合わせたものを、上、下
金型からなる成形用金型内に、上金型の内側に突
設したピンで緩衝材の上からバツクコアを押える
ようにしてセツトし、樹脂を注入して成形体を作
製するものである。

（作 用） この方法によれば、緩衝材を介して突出ピンで
バツクコアを押えるので、バツクコアが破損する
ことなくフロントコアに圧接された状態で金型内
に保持され、樹脂の注入で成形体が容易に作製さ
れる。そして、バツクコアへの緩衝材の貼着は、
片面接着テープ等を使用し、しかも高精度を必要
としないので自動化が可能になり、従来のような
手作業を排除することができる。

（実施例） 以下、図面を参照して実施例を詳細に説明す
る。第４図および第５図は、本発明の一実施例の
方法を示したもので、まず、バツクコア８の上面
に例えば片面接着テープ等の緩衝材１２を貼着す
る。この緩衝材１２は、紙またはポリエステルベ
ースのもので厚さが0.1〜0.15mm程度のものを使
用してもよい。その面積は、バツクコア８より若
干小さめがよい。このように一方の面にテープ等
の緩衝材１２を貼着したバツクコア８の他方の面
を、コイル７を挿入したフロントコア４の背面部
に当接させて重ね合わせ、これを成形金型の下型
１３の所定の位置にセツトして上から上型１４を
被せる。このとき、上型１４の内側に設けた一つ
または複数の突出ピン１４ａが緩衝材１２の上か
らバツクコア８を押える。突出ピン１４ａの先端
とバツクコア８との間隔を0.05mmになるようにし
ておくと、突出ピン１４ａは、第５図に示したよ
うに、緩衝材１２内にくい込み、バツクコア８を
強固に押えて固定することになる。ここで、緩衝
材１２は、突出ピン１４ａが直接バツクコア８を
押圧し、硬いものどうしの当接でバツクコアにク
ラツク等が入るのを防止するための緩衝材として
の役目を果たすものである。このように、コアを
金型内で確実に保持した状態で樹脂を注入し、成
形体を作製する。

上記工程中、バツクコア８に緩衝材１２を貼着
するのは極めて簡単で、精度も全く必要としない
から、例えば、バツクコアをベルトコンベアで流
し、市販の片面接着テープを順次切断しながら、
送られてきたバツクコアの上面に貼付けていく。
これは容易に自動化することができる。また、金
型を、フロントコアおよびバツクコアを位置決め
するガイドピンを下型に設けた構造にすれば、コ
アを順次下型内に落し込むのみでそのまま位置決
めされ、そして上型を被せれば、コアが所定の状
態で固定的にセツトされることになる。

（発明の効果） 以上説明したように、本発明によれば、従来方
法のようなフロントコアとバツクコアの手作業に
よる固着工程が不要になり、大幅な工数削減とな
つてコストを低減することができる利点がある。
さらに、成形したものには金型のピン穴ができる
ので、このピン穴を基準にして前面の研削を行な
うこともでき、製品の品質を向上することができ
る利点もある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、VTR用全幅消去ヘツドの組立工程
の説明図、第２図は、その完成品の外観斜視図、
第３図は、従来のフロントコアとバツクコアの固
着方法の説明図、第４図および第５図は、本発明
の一実施例の製造工程を示す図である。 ４……フロントコア、７……コイル、８……バ
ツクコア、１２……緩衝材、１３……成形金型の
下型、１４……上型、１４ａ……突出ピン。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ コイルを挿入したフロントコアの背面部に、
   一方の主面に所定の厚さの緩衝材を貼着した平板
   状のバツクコアの他方の主面を当接させて重ね合
   わせたものを、上、下金型からなる成形用金型内
   に、上金型の内側に突設したピンで前記緩衝材の
   上から前記バツクコアを押えるようにしてセツト
   し、樹脂を注入して成形体を作製することを特徴
   とするVTR用磁気ヘツドの製造方法。