JPS632977Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は、Ｖ・Ｔ・Ｒあるいはテープレコー
ダなど磁気記録再生装置の磁気消去ヘツドに関す
るものである。

［従来の技術］ 従来、磁気消去ヘツドは、第１図ないし第２図
に示す如く、ヘツド部１をケース本体２の嵌合部
２ａに組み込んで接着固定した後、バツクモール
ドを施し、かつテープ摺接面２ｂを所定の円弧状
あるいは一方向に偏奇した曲面に研磨加工してな
るものである。即ち、上記磁気消去ヘツドのヘツ
ド部１はコイル１ａにフロントコア１ｂ及びバツ
クコア１ｃを接着固定すると共に、テープ摺接面
２ｂに位置するフロントコア１ｂの上、下部にガ
ラス１ｄを介して非磁性体のセラミツクのダミー
ブロツク１ｅを接着固定して一体的に構成し、こ
のヘツド部１をケース本体２の嵌合部２ａにテー
プ摺接面２ｂ方向より挿入して接着剤などを用い
て固着した後、バツクモールドを施し、テープ摺
接面２ｂを所定の曲面に研磨加工して磁気消去ヘ
ツドを形成していた。

［考案が解決しようとする問題点］ 従つて、磁気消去ヘツドのヘツド部１の接着工
程及び部品点数が多く、量産化ができ難いだけで
なく、接着作業などの工程が多いので製品のバラ
ツキも多くなり歩留りが悪かつた。また、テープ
摺接面を曲面に研磨加工するとき接着層の隙間か
ら侵入した研削液が内部に残留して絶縁不良を起
こしやすいなどの欠点があつた。

この考案は上述した事情に鑑みてなされたもの
であり、構成部品点数の削減及び製造工程の削減
を計り、量産可能でかつ安価な磁気消去ヘツドを
提供するものである。

［問題点を解決するための手段］ そのため、本考案の磁気消去ヘツドは、Ｖ・
Ｔ・Ｒあるいはテープレコーダなどの磁気記録再
生装置の消去ヘツドにおいて、コイル及びバツク
コア付きフロントコアで構成するヘツド部と、該
ヘツド部をガラス繊維を含有する有機高分子材で
一体成形したケース本体とを具備し、前記フロン
トコア先端を出現せしめた状態で所定の曲面に研
磨加工されたテープ摺動面を有することを特徴と
する。

［作用］ 磁気消去ヘツドの場合、ヘツド部をガラス繊維
入り有機高分子材によりケース本体と一体成形し
ても、樹脂モールドにによる悪影響は無視でき
る。また、一体成形によりヘツド部の絶縁が向上
する。

［実施例］ 以下、この考案による実施例を第３図ないし第
５図に基づいて具体的に説明する。図中従来例と
対応する箇所及び部品は同一符号を付して説明す
る。この考案によるヘツド部１は、コイル１ａ、
フロントコア１ｂ及びバツクコア１ｃが第３図に
示す如く、ガラスやダミーブロツクを廃止して構
成される。上記ヘツド部１は一般にダブルギヤツ
プであるのでフロントコア１ｂは、コイル１ａを
包み込むように形成されており、コイル１ａの軸
心を通るコアもフロントコア１ｂでありバツクコ
ア１ｃ以外をフロントコアと称する。このヘツド
部１をガラス繊維入り成形材料で一体成形する。
すなわち、従来はケース本体２にヘツド部１を挿
入して固着していたが、この考案ではケース本体
を別体として成形するのをやめて、ガラス繊維を
含有する有機高分子材たとえばエポキシ、ジアリ
ルテレフタレート、ポリエステル、フエノール等
の樹脂によりヘツド部１を所定の位置に設定して
該ヘツド部１とケース本体３とを金型内にて一体
成形するものである。このとき、成形時にヘツド
部１のフロントコア１ｂをテープ摺接面に正確に
位置させるためフロントコア１ｂの先端部を余分
に延設しておき、一体成形の際に金型で挾持しや
すいように構成しておく。上記ケース本体３は、
あらかじめテープ摺接面３ａが所定の円弧状ある
いは一方向に偏奇した曲面に成形され、従来例の
第１図におけるダミーブロツク１ｅの機能も有す
ると共に、取付け孔３ｂが形成される。上記のよ
うにヘツド部１をガラス繊維入り成形材料により
一体成形したケース本体３はフロントコア１ｂの
先端部がテープ摺流接面３ａに沿つて第３図の符
号ａの鎖線で示す如く研磨加工されてダブルギヤ
ツプｂ，ｂを有する磁気消去ヘツドを形成するも
のである。磁気消去ヘツドでは一般にダブルギヤ
ツプが採用される。

以上詳細に説明したように、この考案による磁
気消去ヘツドは、ヘツド部１をコイル１ａおよび
バツクコア１ｃ付フロントコア１ｂにより構成
し、このヘツド部１をガラス繊維入り成形材料に
よりケース本体３と金型内で一体成形し、成形後
のケース本体３はテープ摺接面３ａを研磨加工し
て磁気消去ヘツドを形成するものである。

［考案の効果］ 磁気消去ヘツドは、ギヤツプも広く大電流によ
り大きな磁界をギヤツプより発生させてテープ上
の記録を消去させるのみであるから、樹脂モール
ドによる磁性体への悪影響は無視できるので、ガ
ラス繊維入り成形材料による一体成形が可能であ
る。

従つて、上述したように、この考案によれば接
着した箇所がなく、絶縁不良が防止できると共
に、部品点数も少ないので安価で量産可能であ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の磁気消去ヘツドの分解縦断面
図、第２図は従来の磁気消去ヘツドを示す斜視
図、第３図はこの考案によるヘツド部の斜視図、
第４図はこの考案による直消去ヘツドの成形時を
示す斜視図、第５図はこの考案による磁気消去ヘ
ツドの斜視図である。 １……ヘツド部、１ａ……コイル、１ｂ……フ
ロントコア、１ｃ……バツクコア、３……ケース
本体、３ａ……テープ摺接面、３ｂ……取付孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. Ｖ・Ｔ・Ｒあるいはテープレコーダ等の磁気記
   録再生装置の消去ヘツドにおいて、コイル及びバ
   ツクコア付きフロントコアで構成するヘツド部
   と、該ヘツド部をガラス繊維を含有する有機高分
   子材で一体成形したケース本体とを具備し、前記
   フロントコア先端を出現せしめた状態で所定の曲
   面に研磨加工されたテープ摺動面を有することを
   特徴とする磁気消去ヘツド。