JPH0123218Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は苗ストツパ操作時に苗ガイドも同時に
苗床土を押圧するようにした田植機の苗ストツプ
装置に関するものである。

枕地や畦畔ぎわ植又は地形の悪い圃場等におい
ては、植えじまいの関係で特定の条の植付を停止
して１条（或は数条）だけ植えたい場合がある
が、このように植付不要条の苗植付のみを停止す
るため田植機には一般に苗載台の苗繰出方向前部
に位置して苗ストツパ（係止材）を上下回動自在
に枢着してなる苗ストツプ装置が装備されてい
る。

しかしこの種従来の苗ストツプ装置は特定条の
苗植付を停止する際、苗ストツパの先端部で苗床
土の前端部を受止めて苗の繰出しを規制するよう
にしているため降雨時又は軟弱苗や苗ストツパを
長時間作用させた場合等においては植付部の振動
等により苗床土が圧縮せしめられたり崩れたりし
易いものである。この苗床土の圧縮等は植付部の
機構上植付杆及び苗を縦送りするための苗繰出ロ
ーラが全条一体的に作動するように構成されてい
る関係上植付停止条の苗床土に対しても無用の繰
出力が作用することと相俟つて更に倍加され、特
に苗床土の前端部においてその傾向が著しいもの
である。

そのため苗ストツパを外して再度田面に植付け
る場合に、単位植付株の苗本数が不安定となるば
かりでなく、バラケにより苗の葉茎部に損傷をき
たしたりもして植付精度を悪くする欠点があつ
た。

本考案は上記の如き実情に基づきなされたもの
であつて、苗載台の苗繰出方向前部に上下回動自
在に設けた苗ストツパで苗床土の前方繰出を阻止
して植付不要条の苗植付を停止し得るようにした
田植機の苗ストツプ装置において、上記苗ストツ
パに苗床土上面に沿つて苗繰出方向後方に延出せ
しめた苗ガイドを連結し、苗ストツパ作用時には
苗ガイドが苗床土上面を押圧し、苗ストツパ非作
用時には苗ガイドが苗床土の上方近接位置に退避
すべく苗ストツパと苗ガイドを連動構成したこと
により、苗ストツパ作用時には苗ストツパと苗ガ
イドの協働作用で非植付条の苗床土を苗載台上に
安定した状態でしつかりと保持し得て苗床土の圧
縮や崩れ等を確実に防止し、植付再開時において
植付本数にバラツキをきたしたり苗葉茎部に損傷
を与えたりするのを極力少なくすることができる
うえ、一つの操作で苗ストツパと苗ガイドを同時
に作用させることができ、しかも苗ストツパ非作
用時においては苗ガイドが苗床土の横ズレや浮上
りを防止することができる田植機の苗ストツプ装
置を提供しようとするものである。

本考案の構成を図面に示された一実施例につい
て説明すれば、１は田植機の苗載台、２は苗載台
１の側壁である。３は苗載台１の苗繰出方向前部
（第４図における右側）に位置して側壁２上に固
定されたステーであつて、該ステー３の上端部に
は軸受板４，４がボルト５及びナツト６を介して
固定されており、この軸受板４，４間にはシヤフ
ト７が回動自在に支持されている。８はフツク状
の苗ストツパであつて、基端部が上記シヤフト７
に一体的に固着されている。９はシヤフト７の一
端に固定されたアーム、１０は操作レバーであつ
て、その一端はアーム９に枢結され、他端握り部
１０′側は苗載台１の後端近傍まで延出されてい
る。１１は操作レバー１０のガイドである。１３
はシヤフト７に対し相対回動自在に嵌装されたパ
イプで、このパイプ１３には苗載台１に載置した
マツト苗ａの苗床土a′上面に沿つて苗繰出方向後
方に延出せしめた略Ｌ字形状の苗ガイド１４が一
体的に固着されている。１５はパイプ１３に穿設
した長孔であつて、該長孔１５にはシヤフト７に
埋設したピン１６が遊嵌せしめられていて、苗ス
トツパ８が最下点近くまで回動した時ピン１６が
長孔１５の一端側を押して苗ガイド１４を強制的
に下方へ回動せしめ苗床土a′上面を押圧するよう
になつている。１７はアーム９とステー３間に張
設されたスプリングであつて支点越えにより苗ス
トツパ８を作用位置又は非作用位置に保持するも
のである。そしてこの位置決めは第４図及び第５
図に示す如くアーム９の側縁９′及び下端縁９″が
ステー３の立上り部に当接することによつて行な
われる。

なお、苗ガイド１４を弾性体で形成することも
でき、この場合は苗ガイド１４の基端部をシヤフ
ト７に固着する（第６図及び第７図参照）。

図中、１８は苗繰出ローラ、１９はエプロン、
イは植付杆（図示せず）の運動軌跡、２０はパイ
プ１３に捲回されたコイルスプリングで一端が苗
ストツパ８の基端部に下方から、また他端が苗ガ
イド１４の基端部に上方から夫々巻込み係止され
ている。

叙上の如き構成において、いま操作レバー１０
を苗繰出方向後方へ引けば、苗ストツパ８は下方
に回動してその先端部が苗床土a′に食込み苗スト
ツパ作用を行なうものであるが、苗ストツパ８が
最下点近くまで回動した時シヤフト７と一体のピ
ン１６がパイプ１３に穿設した長孔１５の一端縁
に当接しこれによりパイプ１３及び苗ガイド１４
がシヤフト７を中心として強制的に下方へ回動せ
しめられるので苗ガイド１４は苗床土a′の上面を
略全般にわたつて押圧する。このため苗ストツパ
８による苗床土食込み作用と苗ガイド１４による
苗床土押圧作用の協働作用により苗床土a′は苗載
台１の底面に押付けられて固定状態でしつかりと
保持される結果、たとえ植付部に振動や衝撃が加
わつてもマツト苗にズレや崩れをきたすのを確実
に防止することができる。また苗ストツパ８は従
来のものの如く、苗床土a′の前端面を受止める方
式ではなく上方から床土内に食込ませる方式なの
で苗ガイド１４による押圧作用と相俟つて苗スト
ツパ作用中、苗床土が前端部や左右側端部で圧縮
されたりすることはない。

なお、苗ストツパ作用時未だ植付杆の運動軌跡
イの範囲内にある苗は植付杆で掻取られ、軌跡範
囲内の苗が無くなるとその条の植付は停止され
る。

次に操作レバー１０を前方に押せば、苗ストツ
パ８及び苗ガイド１４は苗床土a′から上方へ回動
退避するためストツパ作用は解除される。そのた
め苗載台１上の残苗は繰出ローラ１８の作動時
に、隣接する他条のマツト苗と共に前方へ押出さ
れて植付が再開されるが、苗ストツパ作用時に前
述の如くマツト苗は極めて安定した状態に保持さ
れ苗のズレや崩れ又は圧縮をきたしていないの
で、植付再開時に単位植付株の本数にバラツキが
生じたりバラケによつて苗葉茎部に損傷がきたし
たりすることはない。また苗ストツパ非作用時に
おいては、苗ガイド１４が苗茎部に当接して苗の
横ズレを防止すると共に苗の浮上りをも極力少な
くするので極めて好都合である。

上記したように本考案は、苗載台の苗繰出方向
前部に上下回動自在に設けた苗ストツパで苗床土
の前方繰出を阻止して植付不要条の苗植付を停止
し得るようにした田植機の苗ストツプ装置におい
て、上記苗ストツパに苗床土上面に沿つて苗繰出
方向後方に延出せしめた苗ガイドを連結し、苗ス
トツパ作用時には苗ガイドが苗床土上面を押圧
し、苗ストツパ非作用時には苗ガイドが苗床土の
上方近接位置に退避すべく苗ストツパと苗ガイド
を連動構成したから苗ストツパ作用時には苗スト
ツパと苗ガイドの協働作用で非植付条の苗床土を
苗載台上に極めて安定した状態でしつかりと保持
し得て苗床土のズレや圧縮又は崩れ等を確実に防
止することができ、もつて苗ストツパ作用解除に
よる植付再開時において単位植付株の本数にバラ
ツキをきたしたりバラケによつて苗葉茎部に損傷
を与えたりする不都合を解消することができるう
え、一つの操作で苗ストツパと苗ガイドによる苗
押えを同時に作用せしめ得て操作の面倒さが無
く、しかも苗ストツパの非作用時においては苗ガ
イドが苗の横ズレや浮上りを防止することができ
る等の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を装備した田植機の苗載台の平
面図、第２図は要部の一部切欠拡大平面図、第３
図は第２図におけるＡ−Ａ線断面図、第４図は苗
ストツパ非作用時における要部の側面図、第５図
は苗ストツパ作用時における要部の側面図、第６
図及び第７図は他の実施例を示す夫々側面図であ
る。 図中、１は苗載台、８は苗ストツパ、１４は苗
ガイド、a′は苗床土。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 苗載台の苗繰出方向前部に上下回動自在に設
   けた苗ストツパで苗床土の前方繰出を阻止して
   植付不要条の苗植付を停止し得るようにした田
   植機の苗ストツプ装置において、上記苗ストツ
   パに苗床土上面に沿つて苗繰出方向後方に延出
   せしめた苗ガイドを連結し、苗ストツパ作用時
   には苗ガイドが苗床土上面を押圧し、苗ストツ
   パ非作用時には苗ガイドが苗床土の上方近接位
   置に退避すべく苗ストツパと苗ガイドを連動構
   成したことを特徴とする田植機の苗ストツプ装
   置。 (2) 苗ガイドを弾性体で構成したことを特徴とす
   る実用新案登録請求の範囲第１項記載の田植機
   の苗ストツプ装置。