JPH01229057A - 絶縁組成物および電力ケーブル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、架橋ポリエチレン絶縁組成物の改良およびこ
の組成物を絶縁体とした電カケープルに係り、特に水ト
リーの発生を抑止したものに関する。

〈従来の技術〉 ポリエチレンは優れた絶縁性と加工のし易さから今日で
は、電カケープルの絶縁体の主流をなしているものであ
り、特に、架橋により熱的特性を向上させた架橋ポリエ
チレンケーブル（Ｘ　Ｌ　Ｐ　Ｅケーブル）が広く汎用
されている。

このＸＬＰＥケーブルの弱点は、同ケーブル特有の現象
として、絶縁体中の水分と局部的異常電界の存在によっ
て水トリーが発生し、ケーブルの絶縁性能が低下するこ
とである。

ＸＬＰＥｗ！Ａ縁体中の水トリーは疎水ポリマーである
ポリエチレン中に局部的に異常電界があると、そこに水
が集中することによって起こると考えられる。

従って、掻性基を有し、ある程度親水性のあるポリマー
をブレンドすることによって、局部的異常電界部に水が
集中するのを防ぎ、耐水トリー性の改善に効果が得られ
るものと考えられる。実際にエチレン酢酸ビニル共重合
体（ＥＶＡ）やエチレン−エチルアクリレート共重合体
（ＥＥＡ）をブレンドすることによって、耐水トリー性
を改善するという提案が既に幾つか見受けられる。

〈発明が解決しようとする課題〉 しかしながら、上述の絶縁組成物であっても、水トリー
抑止効果は未だ不完全であり、特に配電クラス電カケー
プルのように水中に浸漬される状態があるような条件の
厳しい場合には、より一層の耐水トリー性の改善が望ま
れている。

そこで、本発明者等は、用いるポリエチレンや混和する
材料について、鋭意検討した結果、マレイン酸変性ＰＥ
とＥＡＡを混和し、かつこの混和物全体のＡＡ％が特定
の範囲（０，５〜１５％）になるように設定すると、耐
水トリー性の大幅な改善が図られることを見出した。

本発明は、このような観点に立ってなされたもので、よ
り一層の耐水トリー性の改善を図った絶縁組成物とこれ
を用いた電カケープルを提供することを目的とする。

〈課題を解決するための手段及びその作用〉か−る目的
を達成する本発明の絶縁組成物は、マレイン酸変性ＰＥ
とＥＡＡとからなり、かつ全体のＡＡ％が０．５〜１５
％である混和物１ｏ。

重量部に対して、架橋剤と老化防止剤を添加してなる組
成物であり、また、本発明の電カケープルは、この絶縁
組成物を絶縁体としたケーブルである。

ここで、用いるマレイン酸変性ＰＥとしては、特に限定
されないが、マレイン酸変性量が０．　５〜５％のもの
が好ましい。なぜならば、マレイン酸変性量が０．５％
未満では、水トリー抑制効果が少なく、また、マレイン
酸変性量が５％を越えると、電気特性（例えばｔａｎδ
）が悪くなるからである。

また、本発明で用いるＥＡＡ自体は、そのＡＡ％は特に
限定されないが、上記マレイン酸変性ＰＥとブレンドし
たとき、その混和物全体のＡＡ％が０．５〜１５％、好
ましくは、１０％以下でなければならない。なぜならば
、ＡＡ％が０．５未満であると、水トリー抑制効果が殆
ど得られず、また、逆に１５％を越えると、電気特性（
例えばｔａｎδ）が悪化するからである。

また、本発明で添加する架橋剤としては、例えば、ジク
ミルパーオキサイド（ＤＣＰ）　、２．５−ジメチル−
２，５−ジ（ｔ−ブチルパーオキシ）ヘキシン−３等が
使用でき、その添加量は、上述の混和物１００重量部に
対して、１．５〜３゜０重量部程度が好ましい。

また、本発明で添加する老化防止剤としては、フェノー
ル系やアミン系のものが使用可能で、例えば、４．４′
−チオビス（６−ターシャリ−ブチル−３−メチルフェ
ノール）、ビス〔２−メチル−４−（３−ｎ−アルキル
（Ｃ，、またはＣ１４）チオプロピオニルオキシ）−５
−ｔ−ブチルフェニル〕フルフィト、２，４−ビス−（
ｎ−オチルチオ）−６−（４−ヒドロキシ−３，５−ジ
ーし一ブチルアニリン）−１，３，５−トリアジン等が
使用でき、その添加量は、上述の混和物１００重量部に
対して、０．２〜０．３重量部程度が好ましい。

なお、本発明の組成物には、通常、必要により添加され
る他の添加剤等を適宜添加することができる。

このように本発明組成物にあっては、マレイン酸変性Ｐ
ＥとＥＡＡとの配合で、かつ全体のＡＡ％を特定の範囲
に限定したことにより、優れた水トリー抑止効果が得ら
れる。その理由としては、局部的異常電界部に水が集中
するのを防ぐ等が考えられる。

この絶縁組成物は、押出等によりケーブルコアに絶縁体
として被覆され、目的とする電カケープルが得られる。

〈実施例〉 次に、第１表に示したように、マレイン酸変性ＰＥ（Ｍ
Ｉ＝３、マレイン酸変性量＝２％）に対して、ＥＡＡ（
ＭＩ＝２、ＡＡ％＝２０％）を種々の割合で混和し、全
体のＡＡ％が本発明条件を満たす値（０，５％、３％、
１０％、１５％）の混和物を得、この混和物１００重量
部に、架橋剤のＤＣＰを２．０重量部と、老化防止剤の
４．４′−チオビス（６−ターシャリ−ブチル−３−メ
チルフェノール）を０．　３重量部を加え混練して本発
明の絶縁組成物を得た（実施例■〜■）。

また、比較のため、上記と同様のマレイン酸変性ＰＥ（
ＭＩ＝３、マレイン酸変性量＝２％）またはマレイン酸
変性を施していないＰＥに対して、ＥＡＡ　（ＭＩ＝２
、ＡＡ％＝２０％）を種々の割合で混和し、全体のＡＡ
％が本発明条件を欠く値（０％、２０％）の混和物を得
、この混合物１００重量部に、上記と同様、架橋剤と老
化防止剤を加え混練して比較品の絶縁組成物を得た（比
較例■〜■）。

上記の各絶縁組成物（実施例■〜■、比較例■〜■）を
１６０°Ｃ１４０分の条件でプレス成形し、以下に示す
水トリー試験、誘電正接（ｔａｎδ）測定試験を行った
。その結果を第１表に併記しである。

このプレス成形後、ゲル分率の測定を１１０”Ｃのキシ
レンに２４時間浸漬して行ったところ、ゲル分率は８５
％以上であり、十分架橋されていことが判った。

（１）水トリー試験 第１図に示した如（、厚さ５ｍｍの試験試料１の底面に
導電性塗料の塗料層２を設けて接地側電極とすると共に
、試験試料１の上面には水槽３を設けて水電極を形成し
、これに１０Ｋｖ、ＩＫＨｚの電圧を印加できるように
構成し、上記電圧を３０日間印加後、試料を煮沸して水
トリーを観察した。５０μ以上の水トリー発生密度を観
察し、比較例■の試料（ＸＬＰＥのみの場合）の発生数
１００に対する相対数として表示した。

（２）誘電正接（ｔａｎδ）測定試験 １ｍｍ厚さのシート試料とし、これにＩＫｖ、５０　Ｋ
Ｈｚの電圧を印加し、シエーリングブリッジにより測定
した。

第１表から本発明実施側孔の場合、水トリーの発生密度
が掻めて少なく、また電気特性の低下がないことが判る
。これに対して、比較側孔の場合は、水トリー発生密度
が極めて大きく、また一部の試料において、電気特性の
低下が認められた。

〈発明の効果〉 以上の説明から明らかなように本発明によれば、水トリ
ーの発生が効果的に抑制され、かつ電気特性も良好な絶
縁組成物が得られ、また、この組成物をケーブルの絶縁
体として用いることにより、優れた電カケープルを得る
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明において行われる水トリー試験方法を示
した概略図である。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）マレイン酸変性を施した低密度ポリエチレン（以
   下、マレイン酸変性ＰＥという）とエチレン−アクリル
   酸共重合体（以下、ＥＡＡという）からなり、かつ全体
   のアクリル酸含有量（以下、ＡＡ％という）が０．５〜
   １５％である混和物１００重量部に対して、架橋剤と老
   化防止剤を添加してなる絶縁組成物。
2. （２）前記請求項１の絶縁組成物を絶縁体に用いた電力
   ケーブル。