JPH0122879B2 - - Google Patents
Info
- Publication number
- JPH0122879B2 JPH0122879B2 JP57126767A JP12676782A JPH0122879B2 JP H0122879 B2 JPH0122879 B2 JP H0122879B2 JP 57126767 A JP57126767 A JP 57126767A JP 12676782 A JP12676782 A JP 12676782A JP H0122879 B2 JPH0122879 B2 JP H0122879B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fiber
- sliver
- polyester
- binder
- melting point
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired
Links
- 239000000835 fiber Substances 0.000 claims description 59
- 239000011230 binding agent Substances 0.000 claims description 27
- 229920000728 polyester Polymers 0.000 claims description 26
- LYCAIKOWRPUZTN-UHFFFAOYSA-N Ethylene glycol Chemical compound OCCO LYCAIKOWRPUZTN-UHFFFAOYSA-N 0.000 claims description 13
- WERYXYBDKMZEQL-UHFFFAOYSA-N butane-1,4-diol Chemical compound OCCCCO WERYXYBDKMZEQL-UHFFFAOYSA-N 0.000 claims description 12
- KKEYFWRCBNTPAC-UHFFFAOYSA-N Terephthalic acid Chemical compound OC(=O)C1=CC=C(C(O)=O)C=C1 KKEYFWRCBNTPAC-UHFFFAOYSA-N 0.000 claims description 8
- QQVIHTHCMHWDBS-UHFFFAOYSA-N isophthalic acid Chemical compound OC(=O)C1=CC=CC(C(O)=O)=C1 QQVIHTHCMHWDBS-UHFFFAOYSA-N 0.000 claims description 8
- 239000004721 Polyphenylene oxide Substances 0.000 claims description 4
- WGCNASOHLSPBMP-UHFFFAOYSA-N hydroxyacetaldehyde Natural products OCC=O WGCNASOHLSPBMP-UHFFFAOYSA-N 0.000 claims description 4
- 229920000570 polyether Polymers 0.000 claims description 4
- 238000002844 melting Methods 0.000 description 14
- 230000008018 melting Effects 0.000 description 14
- 230000001070 adhesive effect Effects 0.000 description 7
- 238000010438 heat treatment Methods 0.000 description 7
- -1 acrylic ester Chemical class 0.000 description 6
- 229920000642 polymer Polymers 0.000 description 5
- 239000000853 adhesive Substances 0.000 description 4
- 238000002156 mixing Methods 0.000 description 4
- 229920000139 polyethylene terephthalate Polymers 0.000 description 4
- 239000005020 polyethylene terephthalate Substances 0.000 description 4
- DNIAPMSPPWPWGF-UHFFFAOYSA-N Propylene glycol Chemical compound CC(O)CO DNIAPMSPPWPWGF-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 3
- 238000007796 conventional method Methods 0.000 description 3
- MTHSVFCYNBDYFN-UHFFFAOYSA-N diethylene glycol Chemical compound OCCOCCO MTHSVFCYNBDYFN-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 3
- 239000004745 nonwoven fabric Substances 0.000 description 3
- 239000004831 Hot glue Substances 0.000 description 2
- CDQSJQSWAWPGKG-UHFFFAOYSA-N butane-1,1-diol Chemical compound CCCC(O)O CDQSJQSWAWPGKG-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 2
- 229920001577 copolymer Polymers 0.000 description 2
- 230000007423 decrease Effects 0.000 description 2
- 239000000839 emulsion Substances 0.000 description 2
- 238000002074 melt spinning Methods 0.000 description 2
- 238000000034 method Methods 0.000 description 2
- 239000000203 mixture Substances 0.000 description 2
- 229920005604 random copolymer Polymers 0.000 description 2
- 239000002904 solvent Substances 0.000 description 2
- ISPYQTSUDJAMAB-UHFFFAOYSA-N 2-chlorophenol Chemical compound OC1=CC=CC=C1Cl ISPYQTSUDJAMAB-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 229920000742 Cotton Polymers 0.000 description 1
- 229910019142 PO4 Inorganic materials 0.000 description 1
- 101100425597 Solanum lycopersicum Tm-1 gene Proteins 0.000 description 1
- UWHCKJMYHZGTIT-UHFFFAOYSA-N Tetraethylene glycol, Natural products OCCOCCOCCOCCO UWHCKJMYHZGTIT-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 230000000052 comparative effect Effects 0.000 description 1
- 238000007334 copolymerization reaction Methods 0.000 description 1
- GWTCIAGIKURVBJ-UHFFFAOYSA-L dipotassium;dodecyl phosphate Chemical compound [K+].[K+].CCCCCCCCCCCCOP([O-])([O-])=O GWTCIAGIKURVBJ-UHFFFAOYSA-L 0.000 description 1
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 1
- 239000012510 hollow fiber Substances 0.000 description 1
- 229920001519 homopolymer Polymers 0.000 description 1
- 238000005259 measurement Methods 0.000 description 1
- 239000000155 melt Substances 0.000 description 1
- 229910052751 metal Inorganic materials 0.000 description 1
- 239000002184 metal Substances 0.000 description 1
- 239000000178 monomer Substances 0.000 description 1
- SLCVBVWXLSEKPL-UHFFFAOYSA-N neopentyl glycol Chemical compound OCC(C)(C)CO SLCVBVWXLSEKPL-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 239000010452 phosphate Substances 0.000 description 1
- 238000006116 polymerization reaction Methods 0.000 description 1
- 230000002265 prevention Effects 0.000 description 1
- 150000003839 salts Chemical class 0.000 description 1
- 229920002545 silicone oil Polymers 0.000 description 1
- 238000009987 spinning Methods 0.000 description 1
- 239000004094 surface-active agent Substances 0.000 description 1
- 229920003051 synthetic elastomer Polymers 0.000 description 1
- 239000005061 synthetic rubber Substances 0.000 description 1
- ZIBGPFATKBEMQZ-UHFFFAOYSA-N triethylene glycol Chemical compound OCCOCCOCCO ZIBGPFATKBEMQZ-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
Landscapes
- Polyesters Or Polycarbonates (AREA)
- Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
- Adhesive Tapes (AREA)
Description
本発明は接着性に優れたポリエステル系のバイ
ンダー繊維に関するものである。 従来、不織布、詰物、敷物等の分野で使用され
てきている接着剤は、合成ゴムやアクリル酸エス
テル等のエマルジヨンタイプや溶剤タイプのもの
が殆どである。ところが、最近、省エネルギー、
公害防止、合理化の観点からコスト/パーフオマ
ンスに優れた非エマルジヨン系、非溶剤系のホツ
トメルトタイプの接着剤が注目されるようになつ
てきた。 特に、繊維状ホツトメルトタイプ接着剤(バイ
ンダー繊維)は、不織布、詰物、敷物等の分野
で、今後ますます多く使用されるようになるもの
と予想される。 このバインダー繊維は、繊維集合体内への分散
性を良好ならしめることを意図して、従来から、
繊維長が38〜51mmの短いものが用いられていた。 本発明者は、ポリエステル繊維用のポリエステ
ルバインダー繊維について、このような従来の常
識に反し、バインダー繊維の繊維長を従来のバイ
ンダー繊維よりも長くしてみたところ、驚くべき
ことに、接着性が著しく大きくなることを見出
し、本発明に到達した。 即ち、本発明は、テレフタル酸成分、イソフタ
ル酸成分、1,4−ブタンジオール成分、および
1,4−ブタンジオール或いはポリエーテル以外
のグリコール成分からなる共重合ポリエステルで
構成され、溶断点が200℃以下、繊維長が53〜100
mmであることを特徴とする繊維集合体用のポリエ
ステルバインダー繊維であり、その目的とすると
ころは、従来のポリエステルバインダー繊維にな
い優れた接着効果を有するポリエステルバインダ
ー繊維を提供しようとするものである。 本発明における溶断点とは、繊維に2mg/デニ
ールの荷重をかけ、シリコンオイル中で1℃/分
の昇温速度で昇温したときに繊維が切断(溶断)
するときの温度である。この溶断点は、バインダ
ー繊維を含む繊維集合体の接着熱処理温度を設定
する際に重要となり、200℃以下、好ましくは180
℃以下である必要がある。溶断点は、エネルギー
コストから考えると低ければ低い程好ましいこと
は言うまでもないが、実用上は100℃以上が好適
である。 更に、本発明者は、ポリエステルバインダー繊
維を含む繊維集合体の熱接着(接着熱処理温度
は、通常、溶断点より10〜50℃高く設定される)
した後の接着性について鋭意検討を行なつた結
果、バインダー繊維の繊維長が接着性に大きな影
響を及ぼすことを見出したのである。バインダー
繊維の繊維長は、短い方がより均一に分散され、
繊維交絡点に集まる確率がより大きくなつて接着
性は高くなるものと、従来から考えられていた
が、結果は全く逆となり、繊維長は長い方が、接
着性は大きくなることを見出したのである。特に
繊維長が53mm付近を境にして接着性は急激に大き
くなる。しかしながら、繊維長があまり長くなり
過ぎるとバインダー繊維を均一にブレンドするこ
とが難しくなつて、逆に接着性が低下しバラツキ
が大きくなつてくるため、その上限は110mmであ
る。繊維長のより好適な範囲は55〜100mmである。 本発明のポリエステルバインダー繊維の溶断点
は200℃以下、好ましくは110〜180℃であるが、
この溶断点はポリマーが結晶性であれば、その融
点(以下Tmと記す)に近い値となる。一般に結
晶性高分子のTmは、高分子鎖の可撓性、対称
性、凝集エネルギー密度、側鎖(側鎖の極性、可
撓性)等によつて決まると言われていて、次式で
定義づけられる。 Tm=△H/△S この式で△Hは融解エンタルピー、△Sは融解
エントロピーである。またランダム共重合体の
Tmの低下は次式で求めることができる。 1/Tm−1/Tm0=−R/△HlnXA ここで、Tm0は無限大の分子量をもつた純粋
な単独重合体の融点、Rはガス定数、XAは共重
合体中におけるコモノマーA(結晶可能なモノマ
ー単位)のモル分率である。 本発明のポリエステルバインダー繊維に供され
るポリエステルは、接着性、溶融紡糸性、延伸性
等の面から、テレフタル酸成分、イソフタル酸成
分、1,4−ブタンジオール成分、および1,4
−ブタンジオール或いはポリエーテル以外のグリ
コール成分からなる共重合ポリエステル(通常ラ
ンダム共重合体)である。そして、前記1,4−
ブタンジオール或いはポリエーテル以外のグリコ
ール成分としては、エチレングリコール、プロピ
レングリコール、ジエチレングリコール、トリエ
チレングリコール、テトラエチレングリコール、
ネオペンチルグリコール等が挙げられる。これら
の共重合ポリエステルはポリエステルを製造する
際の常法に準じて重合することによつて得られ
る。 本発明の共重合ポリエステルバインダー繊維は
通常のポリエステル繊維であるポリエチレンテレ
フタレート系ポリエステル繊維とは異なつた条件
下で製造される。即ち、溶融紡糸温度はポリエチ
レンテレフタレート系ポリエステル繊維がその溶
断点より10〜30℃高く設定されるのに対して、本
発明のポリエステルバインダー繊維はその溶断点
より50〜150℃高く設定される。また必要に応じ
て行なわれる延伸に際しての温度および倍率は、
ポリエチレンテレフタレート系ポリエステル繊維
のそれが60〜80℃、3〜6倍であるのに対して、
本発明のポリエステルバインダー繊維は20〜60
℃、1.1〜3倍であつて、かなり低い。これは、
ポリマー分子鎖の配向度をできるだけ低く押える
ためである。 該配向度が大きくなると、バインダー繊維を含
む拘束力の小さいウエツブ、ウエツブ積層体、ス
ライバー等の繊維集合体をバインダー繊維の溶断
点以上の温度で弛緩熱処理して熱接着させる際の
収縮が大きくなり、収縮斑、品質斑の原因とな
る。 また、本発明のポリエステルバインダー繊維
は、共重合体の組成、共重合割合によつては、繊
維同志が粘着し易くなる。その場合は紡糸油剤、
延伸油剤、仕上げ油剤として、アルキルホスフエ
ート金属塩またはそれを含有する界面活性剤を繊
維表面に付着させることが効果的である。特に、
ラウリルホスフエートカリウム塩が適している。 本発明のバインダー用共重合ポリエステル繊維
はポリエステル繊維を主体とする繊維集合体に適
用した場合に、特に優れた接着力を発揮し、同時
に収縮が小さいため、不織布および詰綿用として
特に好適である。 本発明のバインダー繊維の混合量は、通常、3
〜30重量%であるが、接着力および収縮をバラン
スさせるためには、特に7〜20重量%が好適であ
る。しかしながら最終的な混合量は用途、要求品
質によつて決められるべきものであつて、特に限
定はできない。 以下、実施例によつて本発明を説明するが、実
施例におけるスライバー収縮率及びスライバー引
張強度の評価方法は次の通りである。 スライバー収縮率 主体繊維とバインダー繊維を可能な限り均一
に混合した後カードに通し、スライバーを作成
する。該スライバーを所定温度下で10分間弛緩
熱処理し、処理前後のスライバーの長さから次
式によつてスライバー収縮率を求める。 スライバー収縮率(%)=l0−l/l0×100(%) ここでl0は熱処理前の長さであり、lは熱処
理後の長さである。 スライバー引張強度 で得られたスライバーを10cm間隔のチヤツ
クにはさみ、引張速度20cm/minで引張り、切
断時の最大荷重(g)を読み取る。 別にスライバーの線密度をg/9000mで算出
し、これをスライバーの見掛けデニール(De)
とし、次式によつてスライバー引張強度を算出
する。 スライバー引張強度(g/De)=切断時の最大荷重
(g)/スライバー見かけデニール(De) この引張強度の測定は10本のスライバーにつ
いて実施し、その平均値()とバラツキの目
安であるR(最大値と最小値の差)を算出する。 実施例1〜9、比較例1〜9 常法に従い、テレフタル酸/イソフタル酸のモ
ル比が59/41、1,4−ブタンジオール/エチレ
ングリコールのモル比が95/5の共重合ポリエス
テルを製造した。該共重合ポリエステルは、35℃
のオルソクロロフエノール中で測定した固有粘度
が0.83dl/g、170℃で測定した溶融粘度が16000
ポイズであつた。次に、このポリマーを紡糸温度
263℃で孔数420個の口金を通して溶融紡糸し、
600m/分の速度で捲取り単糸繊度が7.2デニール
の未延伸糸を得た。該未延伸糸を引き揃えてトウ
となし、延伸温度40℃、延伸倍率1.2倍、延伸速
度60m/分で延伸し、13山/25mmのケン縮を付与
した後、種々の長さに切断した。このバインダー
繊維は単糸繊度が6.1デニール、強度が1.6g/デ
ニール、伸度が350%、常法に従つて測定した複
屈折率が0.05、溶断点が150℃であつた。得られ
たバインダー繊維と、別に準備した12デニール×
51mmのポリエチレンテレフタレート中空繊維とを
重量比で20:80の割合でよく混合した後、カード
に通してスライバーを作つた。該スライバーは
170℃、180℃、190℃の雰囲気中で10分間弛緩熱
処理した後、スライバー引張強度およびスライバ
ー収縮率を測定し、第1表の結果を得た。
ンダー繊維に関するものである。 従来、不織布、詰物、敷物等の分野で使用され
てきている接着剤は、合成ゴムやアクリル酸エス
テル等のエマルジヨンタイプや溶剤タイプのもの
が殆どである。ところが、最近、省エネルギー、
公害防止、合理化の観点からコスト/パーフオマ
ンスに優れた非エマルジヨン系、非溶剤系のホツ
トメルトタイプの接着剤が注目されるようになつ
てきた。 特に、繊維状ホツトメルトタイプ接着剤(バイ
ンダー繊維)は、不織布、詰物、敷物等の分野
で、今後ますます多く使用されるようになるもの
と予想される。 このバインダー繊維は、繊維集合体内への分散
性を良好ならしめることを意図して、従来から、
繊維長が38〜51mmの短いものが用いられていた。 本発明者は、ポリエステル繊維用のポリエステ
ルバインダー繊維について、このような従来の常
識に反し、バインダー繊維の繊維長を従来のバイ
ンダー繊維よりも長くしてみたところ、驚くべき
ことに、接着性が著しく大きくなることを見出
し、本発明に到達した。 即ち、本発明は、テレフタル酸成分、イソフタ
ル酸成分、1,4−ブタンジオール成分、および
1,4−ブタンジオール或いはポリエーテル以外
のグリコール成分からなる共重合ポリエステルで
構成され、溶断点が200℃以下、繊維長が53〜100
mmであることを特徴とする繊維集合体用のポリエ
ステルバインダー繊維であり、その目的とすると
ころは、従来のポリエステルバインダー繊維にな
い優れた接着効果を有するポリエステルバインダ
ー繊維を提供しようとするものである。 本発明における溶断点とは、繊維に2mg/デニ
ールの荷重をかけ、シリコンオイル中で1℃/分
の昇温速度で昇温したときに繊維が切断(溶断)
するときの温度である。この溶断点は、バインダ
ー繊維を含む繊維集合体の接着熱処理温度を設定
する際に重要となり、200℃以下、好ましくは180
℃以下である必要がある。溶断点は、エネルギー
コストから考えると低ければ低い程好ましいこと
は言うまでもないが、実用上は100℃以上が好適
である。 更に、本発明者は、ポリエステルバインダー繊
維を含む繊維集合体の熱接着(接着熱処理温度
は、通常、溶断点より10〜50℃高く設定される)
した後の接着性について鋭意検討を行なつた結
果、バインダー繊維の繊維長が接着性に大きな影
響を及ぼすことを見出したのである。バインダー
繊維の繊維長は、短い方がより均一に分散され、
繊維交絡点に集まる確率がより大きくなつて接着
性は高くなるものと、従来から考えられていた
が、結果は全く逆となり、繊維長は長い方が、接
着性は大きくなることを見出したのである。特に
繊維長が53mm付近を境にして接着性は急激に大き
くなる。しかしながら、繊維長があまり長くなり
過ぎるとバインダー繊維を均一にブレンドするこ
とが難しくなつて、逆に接着性が低下しバラツキ
が大きくなつてくるため、その上限は110mmであ
る。繊維長のより好適な範囲は55〜100mmである。 本発明のポリエステルバインダー繊維の溶断点
は200℃以下、好ましくは110〜180℃であるが、
この溶断点はポリマーが結晶性であれば、その融
点(以下Tmと記す)に近い値となる。一般に結
晶性高分子のTmは、高分子鎖の可撓性、対称
性、凝集エネルギー密度、側鎖(側鎖の極性、可
撓性)等によつて決まると言われていて、次式で
定義づけられる。 Tm=△H/△S この式で△Hは融解エンタルピー、△Sは融解
エントロピーである。またランダム共重合体の
Tmの低下は次式で求めることができる。 1/Tm−1/Tm0=−R/△HlnXA ここで、Tm0は無限大の分子量をもつた純粋
な単独重合体の融点、Rはガス定数、XAは共重
合体中におけるコモノマーA(結晶可能なモノマ
ー単位)のモル分率である。 本発明のポリエステルバインダー繊維に供され
るポリエステルは、接着性、溶融紡糸性、延伸性
等の面から、テレフタル酸成分、イソフタル酸成
分、1,4−ブタンジオール成分、および1,4
−ブタンジオール或いはポリエーテル以外のグリ
コール成分からなる共重合ポリエステル(通常ラ
ンダム共重合体)である。そして、前記1,4−
ブタンジオール或いはポリエーテル以外のグリコ
ール成分としては、エチレングリコール、プロピ
レングリコール、ジエチレングリコール、トリエ
チレングリコール、テトラエチレングリコール、
ネオペンチルグリコール等が挙げられる。これら
の共重合ポリエステルはポリエステルを製造する
際の常法に準じて重合することによつて得られ
る。 本発明の共重合ポリエステルバインダー繊維は
通常のポリエステル繊維であるポリエチレンテレ
フタレート系ポリエステル繊維とは異なつた条件
下で製造される。即ち、溶融紡糸温度はポリエチ
レンテレフタレート系ポリエステル繊維がその溶
断点より10〜30℃高く設定されるのに対して、本
発明のポリエステルバインダー繊維はその溶断点
より50〜150℃高く設定される。また必要に応じ
て行なわれる延伸に際しての温度および倍率は、
ポリエチレンテレフタレート系ポリエステル繊維
のそれが60〜80℃、3〜6倍であるのに対して、
本発明のポリエステルバインダー繊維は20〜60
℃、1.1〜3倍であつて、かなり低い。これは、
ポリマー分子鎖の配向度をできるだけ低く押える
ためである。 該配向度が大きくなると、バインダー繊維を含
む拘束力の小さいウエツブ、ウエツブ積層体、ス
ライバー等の繊維集合体をバインダー繊維の溶断
点以上の温度で弛緩熱処理して熱接着させる際の
収縮が大きくなり、収縮斑、品質斑の原因とな
る。 また、本発明のポリエステルバインダー繊維
は、共重合体の組成、共重合割合によつては、繊
維同志が粘着し易くなる。その場合は紡糸油剤、
延伸油剤、仕上げ油剤として、アルキルホスフエ
ート金属塩またはそれを含有する界面活性剤を繊
維表面に付着させることが効果的である。特に、
ラウリルホスフエートカリウム塩が適している。 本発明のバインダー用共重合ポリエステル繊維
はポリエステル繊維を主体とする繊維集合体に適
用した場合に、特に優れた接着力を発揮し、同時
に収縮が小さいため、不織布および詰綿用として
特に好適である。 本発明のバインダー繊維の混合量は、通常、3
〜30重量%であるが、接着力および収縮をバラン
スさせるためには、特に7〜20重量%が好適であ
る。しかしながら最終的な混合量は用途、要求品
質によつて決められるべきものであつて、特に限
定はできない。 以下、実施例によつて本発明を説明するが、実
施例におけるスライバー収縮率及びスライバー引
張強度の評価方法は次の通りである。 スライバー収縮率 主体繊維とバインダー繊維を可能な限り均一
に混合した後カードに通し、スライバーを作成
する。該スライバーを所定温度下で10分間弛緩
熱処理し、処理前後のスライバーの長さから次
式によつてスライバー収縮率を求める。 スライバー収縮率(%)=l0−l/l0×100(%) ここでl0は熱処理前の長さであり、lは熱処
理後の長さである。 スライバー引張強度 で得られたスライバーを10cm間隔のチヤツ
クにはさみ、引張速度20cm/minで引張り、切
断時の最大荷重(g)を読み取る。 別にスライバーの線密度をg/9000mで算出
し、これをスライバーの見掛けデニール(De)
とし、次式によつてスライバー引張強度を算出
する。 スライバー引張強度(g/De)=切断時の最大荷重
(g)/スライバー見かけデニール(De) この引張強度の測定は10本のスライバーにつ
いて実施し、その平均値()とバラツキの目
安であるR(最大値と最小値の差)を算出する。 実施例1〜9、比較例1〜9 常法に従い、テレフタル酸/イソフタル酸のモ
ル比が59/41、1,4−ブタンジオール/エチレ
ングリコールのモル比が95/5の共重合ポリエス
テルを製造した。該共重合ポリエステルは、35℃
のオルソクロロフエノール中で測定した固有粘度
が0.83dl/g、170℃で測定した溶融粘度が16000
ポイズであつた。次に、このポリマーを紡糸温度
263℃で孔数420個の口金を通して溶融紡糸し、
600m/分の速度で捲取り単糸繊度が7.2デニール
の未延伸糸を得た。該未延伸糸を引き揃えてトウ
となし、延伸温度40℃、延伸倍率1.2倍、延伸速
度60m/分で延伸し、13山/25mmのケン縮を付与
した後、種々の長さに切断した。このバインダー
繊維は単糸繊度が6.1デニール、強度が1.6g/デ
ニール、伸度が350%、常法に従つて測定した複
屈折率が0.05、溶断点が150℃であつた。得られ
たバインダー繊維と、別に準備した12デニール×
51mmのポリエチレンテレフタレート中空繊維とを
重量比で20:80の割合でよく混合した後、カード
に通してスライバーを作つた。該スライバーは
170℃、180℃、190℃の雰囲気中で10分間弛緩熱
処理した後、スライバー引張強度およびスライバ
ー収縮率を測定し、第1表の結果を得た。
【表】
【表】
第1表から明らかなように、繊維長が53mm付近
を境にしてバインダー繊維の接着力が著しく向上
しスライバー引張強度が急激に増大するが、スラ
イバー収縮率は殆ど変わらないことが分かる。ま
た、繊維長が110mm付近を境にして、ブレンド斑
のため、スライバー引張強度のバラツキ(R)が
非常に大きくなることが分かる。
を境にしてバインダー繊維の接着力が著しく向上
しスライバー引張強度が急激に増大するが、スラ
イバー収縮率は殆ど変わらないことが分かる。ま
た、繊維長が110mm付近を境にして、ブレンド斑
のため、スライバー引張強度のバラツキ(R)が
非常に大きくなることが分かる。
Claims (1)
- 1 テレフタル酸成分、イソフタル酸成分、1,
4−ブタンジオール成分、および1,4−ブタン
ジオール或いはポリエーテル以外のグリコール成
分からなる共重合ポリエステルで構成され、溶断
点が200℃以下、繊維長が53〜110mmであることを
特徴とする繊維集合体用のポリエステルバインダ
ー繊維。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12676782A JPS5918778A (ja) | 1982-07-22 | 1982-07-22 | ポリエステルバインダ−繊維 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12676782A JPS5918778A (ja) | 1982-07-22 | 1982-07-22 | ポリエステルバインダ−繊維 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS5918778A JPS5918778A (ja) | 1984-01-31 |
JPH0122879B2 true JPH0122879B2 (ja) | 1989-04-28 |
Family
ID=14943417
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12676782A Granted JPS5918778A (ja) | 1982-07-22 | 1982-07-22 | ポリエステルバインダ−繊維 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS5918778A (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0720757U (ja) * | 1993-09-06 | 1995-04-11 | 大日本スクリーン製造株式会社 | ドラム型走査装置用シート保持装置 |
JP4898127B2 (ja) * | 2005-03-08 | 2012-03-14 | 日本エステル株式会社 | バインダー繊維 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS51132230A (en) * | 1974-12-16 | 1976-11-17 | Toyobo Co Ltd | Polyester adhesive |
-
1982
- 1982-07-22 JP JP12676782A patent/JPS5918778A/ja active Granted
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS51132230A (en) * | 1974-12-16 | 1976-11-17 | Toyobo Co Ltd | Polyester adhesive |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS5918778A (ja) | 1984-01-31 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JPS63135549A (ja) | 不織布の製造方法 | |
US5277974A (en) | Heat-bondable filament and nonwoven fabric made of said filament | |
EP0311860B1 (en) | Nonwoven fabric made of heat bondable fibers | |
JPH09268490A (ja) | ポリエステル系耐熱湿式不織布およびその製造方法 | |
JPH0122879B2 (ja) | ||
JP2001288621A (ja) | ポリエステル系複合繊維 | |
JP2019108651A (ja) | 潜在捲縮性を有する複合繊維 | |
JPS6330408B2 (ja) | ||
JP3150218B2 (ja) | 生分解性短繊維不織布 | |
JP2872543B2 (ja) | 熱接着不織布及びその製造方法 | |
JP7448194B2 (ja) | ポリエステル系芯鞘型複合繊維 | |
JP3525536B2 (ja) | 改質ポリオレフィン系繊維およびそれを用いた不織布 | |
JPS63203818A (ja) | ホツトメルト型バインダ−繊維 | |
JPS6139409B2 (ja) | ||
JP2795487B2 (ja) | 繊維積層物 | |
JPS5921718A (ja) | 共重合ポリエステル繊維の製造方法 | |
JPH09310292A (ja) | 生分解性湿式不織布及びその製造方法 | |
JP2003328234A (ja) | ポリエステル系熱接着性中空複合短繊維及び不織布 | |
JP2820439B2 (ja) | 熱接着性複合繊維 | |
KR100335510B1 (ko) | 신발부직포 제조용 폴리에스테르 단섬유 및 부직포 | |
JP2002061029A (ja) | ポリエステル系複合繊維及びその製造方法 | |
JPH07119011A (ja) | ポリエステル系耐熱不織布および製造方法 | |
JPH03249213A (ja) | 熱接着性中空複合繊維 | |
JP2000328370A (ja) | ポリエステル複合繊維および該繊維を含有する不織布 | |
JPS63175119A (ja) | ホツトメルト型バインダ−繊維 |