JPH0122548Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、商品を収納するケースに関する。

背景技術 比較的小ぶりの商品を収納する先行技術の商品
ケースとして、合成樹脂板を成形加工し、商品収
納空間を形成して、その空間に商品を収納した
後、その収納口を台紙に貼着しているものがあ
る。第１３図は、その先行技術の商品ケース５３
の分解斜視図である。合成樹脂板からなる透明カ
バー体５０は、商品５１が収納可能な空間５０ａ
を有する収納部５０ｂと、鍔状部５０ｃを有す
る。吊下げ孔５２ａを有する基体５２に、仮想線
で示されるように透明カバー体５０の鍔状部５０
ｃが貼着され、前記商品収納空間５０ａ内に商品
５１が収納されて商品ケース５３とされる。この
ようにして形成された商品ケース５３は、展示用
の吊下げピンで吊下げたり、展示台に載置したり
して、商品の展示販売に供される。

上述のような先行技術では、透明カバー体５０
が、商品を収納するための空間５０ａを有するた
めに、成形加工を施す必要がある。また透明カバ
ー体５０と基体５２は商品が収納されるまで一体
とすることができず、商品としての取り扱いが煩
雑となるなどの問題がある。しかも部品点数の複
数化によつて生産コストの低減化を図ることがで
きない。

他の先行技術は、実開昭52−113088に示されて
おり、平板状の受けシートに凹部を形成し、商品
の少なくとも一部を凹部に嵌入した状態で、受け
シートをフイルムシートで真空パツクしてなる収
納ケースである。

このような先行技術では、商品を陳列する際に
吊下げたり、自立することができず、そのため設
置場所が大きくなるという問題がある。

本考案の目的は、製造が容易であり、これによ
つて生産コストの低減化を図ることができるよう
にするとともに、商品の陳列の際に吊下げたり自
立させたりすることができるようにした商品ケー
スを提供することである。

問題点を解決するための手段 本考案は、 (a) 可撓性を有する紙や合成樹脂などから成る偏
平状の長手基体２であつて、 （a1） 上端部に吊下げ孔４が穿設され、一
表面に商品説明などが印刷され、上下に延び
る吊下げ部２ａと、 （a2） 吊下げ部２ａに幅方向に延びる直角
の内折線５を介して連なり、手前に延びる折
曲部２ｃと、 （a3） 支持部２ｄであつて、 （a31） 幅方向に延びる直角の第１外折線
９を介して連なり、下方に延びる前面ａ
と、 （a32） 前面ａに幅方向に延びる直角の第
２外折線６を介して連なる底面ｂと、 （a33） 底面ｂに幅方向に延びる直角の第
３外折線７を介して連なり、吊下げ部２ａ
の背後に固着される背面ｃとを有し、折曲
部２ｃと前面ａと底面ｂと背面ｃの一部分
とによつて四角の空間が形成される、その
ような支持部２ｄと、 (b) 基体２の外表面全面に重ねられ、吊下げ部２
ａにおける内折線５の近傍２ｂと、折曲部２ｃ
とには、接着剤が塗布されておらず、吊下げ部
２ａにおける内折線５から離間した残余の表面
と支持部２ｄとには接着剤によつて接着され、
熱収縮性合成樹脂材料から成るシート状フイル
ム３とを有し、 (c) 吊下げ部２ａにおける内折線５の近傍２ｂと
折曲部２ｃとの両側縁１０ａ，１０ｂは、フイ
ルム３の両側縁から幅方向にずれており、 (d) 基体２の内折線５の近傍２ｂと折曲部２ｃと
フイルム３との間の収納空間８には、商品Ｂが
収納され、熱収縮されて把持されることを特徴
とする商品ケースである。

作 用 本考案に従えば、吊下げ部２ａの上端部には吊
下げ孔４が穿設されており、商品をぶら下げて陳
列することが容易である。

また基体２には、折曲部２ｃと支持部２ｄとに
よつて四角の空間が形成され、これによつて吊下
げ部２ａが垂直な自立した状態で商品を陳列する
ことができる。

しかもまた基体２は可撓性を有する紙や合成樹
脂などの材料から成り、したがつてフイルム３の
熱収縮時において商品Ｂは、折曲部２ｃに接触し
て、その折曲部２ｃが折曲部２ｃと支持部２ｄと
によつて形成される四角の空間側に凸に湾曲する
ことが可能であり、これによつて商品Ｂをフイル
ム３によつて強固に収納して固定することができ
る。

基体２の支持部２ｄの背面ｃは、吊下げ部２ａ
の背後に固着され、したがつて吊下げ部２ａと背
面ｃとの重なり合う面積を大きくすることがで
き、これによつて接着などによる取付強度を大き
くすることができる。したがつてフイルム３の熱
収縮時において、吊下げ部２ａと背面ｃとが分離
してしまうおそれがなくなる。

吊下げ部２ａにおける内折線５の近傍２ｂと折
曲線２ｃとの両側縁１０ａ，１０ｂは、フイルム
３の両側縁から幅方向にずれており、後述の実施
例では折曲部２ｃの両側縁１０ａ，１０ｂは切欠
きとなつている。そのため商品ケースの製造時に
おいて内折線５を折曲げたときに、フイルム３と
基体２とを分離して商品Ｂの収納空間を形成する
ことが容易であり、また商品Ｂを折曲部２ｃとフ
イルム３の側縁から収納空間に収納することが容
易である。

また長手基体２には、フイルム３が重ねられる
側の表面にのみ印刷を施せば、その吊下げ部２ａ
の背後でも背面ｃの印刷部分を見ることができ、
商品の宣伝効果を高めることができるとともに、
印刷工程を簡略化することができる。

実施例 第１図は本考案に従う一実施例の商品ケース１
の斜視図であり、第２図はその分解斜視図であ
る。また第３図には商品ケース１の正面図が示さ
れ、第４図にはその左側面図が示され、第５図に
はその右側面図が示され、第６図にはその背面図
が示され、第７図にはその平面図が示され、第８
図にはその底面図が示されている。第２図に示さ
れているように、商品ケース１は、大略的に長方
形の薄板状である基体２と、その基体２の表面の
ハツチングで示される貼着部Ａで貼着されるフイ
ルム３とを含む。基体２は可撓性を有する紙や合
成樹脂性材料のシート材などから成る。フイルム
３は透明な熱収縮性を有する合成樹脂材料のシー
ト材から成り、たとえば15μｍ〜50μｍのポリ塩
化ビニルのシートである。このような商品を収納
する前の商品ケース１は、たとえば複数の基体２
を形成することができるシート状材料の表面に貼
着部Ａとする部分に接着剤を塗布後、前記シート
状材料全面にフイルム３を被着し、必要とされる
形状に打ち抜いて形成することができる。

基体２は、吊下げ孔４が穿設され、商品説明な
どとが印刷される吊下げ部２ａを有する。この吊
下げ部２ａには、その上端部に吊下げ孔４が穿設
されている。吊下げ部２ａの内折線５の近傍は、
参照符２ｂで示されている。内折線５は基体２の
幅方向に延びる。

基体２は、さらに内折線５を介して、吊下げ部
２ａに連なり手前に延びる折曲部２ｃを有し、こ
の内折線５に沿つて折り曲げた状態を保持するた
めの支持部２ｄとを有する。支持部２ｄは、外折
線６，７によつて区切られる前面ａ、底面ｂ、背
面ｃを有する。曲折部２ｄ，２ｃがＬ字状に内折
線５に沿つて折り曲げられると、第１図示のよう
にフイルム３が起曲され、曲折部２ｃ，２ｄの延
在方向の両端側が開口した商品Ｂの収納空間８が
形成される。収納空間８は、曲折部２ｃと支持部
２ｄの全面ａをＬ字状に外折線９に沿つて折り曲
げ、外折部６，７に沿つて底面ｂと背面ｃとを
「コ」字状に折り曲げ、背面ｃが基体２の裏面と
当接して固着されることによつて保持される。吊
下げ部２ａの内折線５の近傍２ｂと、折曲部２ｃ
の両縁にある切込み１０ａ，１０ｂは、商品Ｂを
収納空間８に挿入しやすくするために設けられて
いる。収納空間８に商品Ｂを挿入した後、50℃程
度の熱風によりフイルム３の商品収納部を収縮
し、商品Ｂの側部と両端部の一部がフイルム３に
密接することによつて、商品Ｂが基体２に固定さ
れる（図面では、フイルムが熱収縮される前の状
態が示されている）。この実施例では、商品Ｂは
円筒形状であるが、その形状は、フイルム３が熱
収縮されて把持されることができる筒状であれば
よい。このように本考案に従えば、製造工程が少
なく、容易に加工することができる。また収納空
間８に収納された商品Ｂを外から透視することが
でき、展示販売に適合した外観を有している。そ
の他、本考案では基体２の表面がフイルム３で被
われており、基体２の表面に印刷される商品説明
などが汚損されるのを防ぐことができる。

効 果 本考案によれば、前述のとおり、製部が容易で
あり、また吊下げて展示したり、自立させて展示
したりすることができるようになり、さらにまた
部品点数の減少によつて作業性の向上および生産
コストの低減を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に従う一実施例の商品ケース１
の斜視図、第２図はその分解斜視図、第３図は商
品ケース１の正面図、第４図は商品ケース１の左
側面図、第５図は商品ケース１の右側面図、第６
図は商品ケース１の背面図、第７図は商品ケース
１の平面図、第８図は商品ケース１の底面図であ
り、第９図は先行技術の分解斜視図である。 １……商品ケース、２……基体、２ａ……吊下
げ部、２ｃ……折曲部、２ｄ……支持部、３……
フイルム、４……吊下げ孔、５……内折線、６，
７，９……外折線、８……収納空間、ａ……前
面、ｂ……底面、ｃ……背面。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (a) 可撓性を有する紙や合成樹脂などから成る偏
   平状の長手基体２であつて、 （a1） 上端部に吊下げ孔４が穿設され、一
   表面に商品説明などが印刷され、上下に延び
   る吊下げ部２ａと、 （a2） 吊下げ部２ａに幅方向に延びる直角
   の内折線５を介して連なり、手前に延びる折
   曲部２ｃと、 （a3） 支持部２ｄであつて、 （a31） 幅方向に延びる直角の第１外折線
   ９を介して連なり、下方に延びる前面ａ
   と、 （a32） 前面ａに幅方向に延びる直角の第
   ２外折線６を介して連なる底面ｂと、 （a33） 底面ｂに幅方向に延びる直角の第
   ３外折線７を介して連なり、吊下げ部２ａ
   の背後に固着される背面ｃとを有し、折曲
   部２ｃと前面ａと底面ｂと背面ｃの一部分
   とによつて四角の空間が形成される、その
   ような支持部２ｄと、 (b) 基体２の外表面全面に重ねられ、吊下げ部２
   ａにおける内折線５の近傍２ｂと、折曲部２ｃ
   とには、接着剤が塗布されておらず、吊下げ部
   ２ａにおける内折線５から離間した残余の表面
   と支持部２ｄとには接着剤によつて接着され、
   熱収縮性合成樹脂材料から成るシート状フイル
   ム３とを有し、 (c) 吊下げ部２ａにおける内折線５の近傍２ｂと
   折曲部２ｃとの両側縁１０ａ，１０ｂは、フイ
   ルム３の両側縁から幅方向にずれており、 (d) 基体２の内折線５の近傍２ｂと折曲部２ｃと
   フイルム３との間の収納空間８には、商品Ｂが
   収納され、熱収縮されて把持されることを特徴
   とする商品ケース。