JPH0122433Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、コンバインの扱胴カバーに関する
ものである。

（従来の技術） 従来、扱胴カバーが開閉する形式のものにおい
て、この開閉操作を検知して扱胴動力を切断する
ようにしたものは公知である。

（考案が解決しようとする問題点） ところで、上記のものにおいては、扱胴カバー
の開閉に対応させて検知具を連動するように構成
していることから、この扱胴カバーを開くと同時
にスイツチが作動し、エンジンに停止信号を発す
るようにはなつている。

ところが、コンバインのみならず、通常、この
種の機械類においては、信号を発すると同時に瞬
間的にエンジン、およびこれに連動する関連部分
が停止するものではなく、それぞれの慣性力など
により完全に停止するまでには一定の時間を要す
るものである。

このため、緊急点検などに際し、不用意に扱胴
カバーを開けたとき、これに対応してエンジンは
停止したものの、未だ扱胴、フイードチエンなど
作動部分が、上記慣性力により完全な停止状態に
至つておらず、作動の継続した状態が残存するた
め、点検作業者に危険を生じ、作業上の安全性が
確保できないという問題点が生じている。

そこで、この考案は、このような問題点を解消
するために提案されたものである。

（問題点を解決するための手段。） 上記の目的を達成するために、この考案の構成
を実施例に対応する図面の符号を併記して説明す
ると、背側支点７を中心に上方へ回動して扱胴１
上方を開口するコンバインの扱胴カバー６におい
て、この扱胴カバー６にフレーム９に対するネジ
込式の締付具１０を設け、扱胴カバー６の開口に
際し、この締付具１０の開放操作に要する所定の
時差を付与させるようにするとともに、この締付
具１０に対し、その締緩操作によつて作動するよ
うにスイツチ１１を設け、このスイツチ１１の作
動をエンジン起動、停止に連動させるように構成
したものである。

（作用） 上記のような構成により、緊急時の点検等に際
して扱胴カバー６を開口させようとするとき、こ
の扱胴カバー６は、これを直ちには開口すること
ができない。

これを開口させるためには、まずネジ込式の締
付具１０を緩める。（これと同時にスイツチ１１
が作動しエンジンへの停止信号が発せられる） つぎに、フレーム９から開口可能な離脱状態と
させるためには、さらに所要の時間をかけて緩め
作業を継続し、すべて締付具を緩めてしまう必要
がある。（この時間経過の間に、上記スイツチ１
１によるエンジンへの停止信号によりエンジンが
停止するとともに、慣性力などによる後作動継続
状態も確実に停止した状態となる。） したがつて、扱胴カバー６を開口させる時点に
おいては、エンジンおよび関連部分はすべて完全
に停止した状態となつており、作業者は安心して
必要な作業をなし得ることとなるのである。

（実施例） 以下、この考案の具体的な実施例を図面を参照
して説明する。

第１図は開閉型の扱胴カバーを装設した扱胴の
断面図であり、第２図は第１図のＸ−X′断面図
である。

扱胴１は扱室２内に回転自在に設置され、底面
に受網３、前面に挟やく杆４およびフイードチエ
ン５等が設けられる通常構造のものである。

ところで、扱室２の頂面を形成する扱胴カバー
６は背側の支点７を中心に回動可能な構成が採ら
れるとともに、脱穀経路の始点と終点付近に背側
のサポート８から前方に延出する二本のフレーム
９，９に対して、ネジ込式の締付具１０により締
着される。

そして、この締付具１０は、その締め付け状態
を解除するに際し、これを全部緩めるためには、
一定の時間を必要とするようなネジ込式の締付具
１０となつている。

さらに、この考案は、このネジ込式の締付具１
０の締緩操作によつて作動するスイツチ１１をフ
レーム９に付設するとともに、このスイツチ１１
をエンジンの起動、停止に連動させるようにした
ものである。

すなわち、第２図に示すように、締付具１０の
下端に接触するスイツチ１１を設けておき、締付
具１０を緩めるとスイツチ１１がオン、締付けて
オフになるようにセツトしておく。

ところで、扱室２内が穀稈で詰まつたような場
合、扱胴カバー６を開口するのであるが、このた
めには締付具１０を緩める必要があり、この時点
でスイツチ１１が作動し、エンジンに停止信号が
発せられる。

第３図は、その回路図の一例であり、切り換え
スイツチ１２を自動側１３に倒しておくと、今ス
イツチ１１が作動すると、バツテリー１４の電源
はリレー１５に通電し、リレー１５の開接点１５
ａを操作して燃料ストツプ用のモーター１６を動
作させ、エンジンを停止させるものである。

なお、図中１７はゲートスイツチであり、切り
換えスイツチ１２の他の接点は停止回路１８、非
動作回路１９がある。

上記のような構成により、緊急時の点検等に際
して扱胴カバー６を開口させようとするとき、こ
の扱胴カバー６は、これがネジ込式の締付具１０
により締結されているため、これを直ちには開口
することができない。

これを開口させるためには、まずネジ込式の締
付具１０を緩める。

これと同時にスイツチ１１が作動しエンジンへ
の停止信号が発せられることとなる。

つぎに、フレーム９から開口可能な離脱状態と
させるためには、さらに所要の時間をかけて緩め
作業を継続し、すべて締付具を緩めてしまう必要
がある。

この時間経過の間に、上記スイツチ１１による
エンジンへの停止信号によりエンジンが停止する
とともに、慣性力などによる後作動継続状態も確
実に停止した状態となつている。

（考案の効果） 上記のように、この考案によるときは、扱胴カ
バー６を開口させる時点においては、エンジンお
よび関連部分はすべて完全に停止した状態となつ
ており、したがつて、何等の危険の存在しない状
態のもとに作業者は安心して必要な作業をなし得
ることとなるのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は開閉型の扱胴カバーを設けた扱胴の断
面図、第２図は第１図のＸ−X′断面図、第３図
は電気回路図である。 符号、１……扱胴、１１……スイツチ、６……
扱胴カバー、７……支点、９……フレーム、１０
……締付具。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 背側支点を中心に上方へ回動して扱胴上方を開
   口するコンバインの扱胴カバーにおいて、この扱
   胴カバーにフレームに対するネジ込式の締付具を
   設け、扱胴カバーの開口に際し、この締付具の開
   除操作に要する所定の時差を付与させるようにす
   るとともに、この締付具に対し、その締緩操作に
   よつて作動するようにスイツチを設け、このスイ
   ツチの作動をエンジン起動、停止に連動させてな
   るコンバインの扱胴カバー。