JP6249299B2 - コンバイン - Google Patents

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Description

本発明は、脱穀装置に穀桿を供給するフィードチェンを備えたコンバインに関するものである。
従来、コンバインのフィードチェンと挟扼杆との間に異物が挟まったり穀稈が詰ったりしたことを検出するセンサを備え、このセンサの検出結果に基づいて、脱穀装置の上部カバーを半開き状態にする構成(特許文献1)が提案されている。
また、コンバインのフィードチェンの駆動を速やかに停止するために、フィードチェンを押圧するテンションローラをフィードチェンから離間させて、張設輪に巻回けられているフィードチェンを外して、フィードチェンへの駆動力の伝達を遮断する構成(特許文献2)が提案されている。
さらに、コンバインのフィードチェンと挟扼杆との間に、異物が挟まった場合に、異物を検知するセンサに連動して速やかにフィードチェンの駆動を停止して、挟扼杆が設けられた上部カバーを半開き状態にする構成(特許文献3)が提案されている。
特開2009−195169号公報 特開2010−235252号公報 特開2009−195169号公報
しかし、特許文献1の構成では、エンジンが不意に再始動された場合の、手扱ぎ作業を行っている作業者の安全性の確保が不十分であるという問題があった。また、センサの誤検知等によって刈取収穫作業中に上部カバーの開放されることがあるという問題があった。また、特許文献2の構成では、異物の除去が終わり、コンバインを再始動する場合に、フィードチェンを張設輪に巻回す必要があり、作業負担が増加するという問題があった。さらに、特許文献3の構成では、センサ、モータ等の電気部品の故障によって上部カバーの開閉操作ができなくなるという問題があった。
そこで、本発明の主たる課題は、かかる問題点を解消することにある。
上記課題を解決した本発明は次記のとおりである。
請求項1に係る発明は、エンジン(E)を搭載する機体フレーム(1)の下側に配置された走行装置(2)と、該機体フレーム(1)の前側に配置された刈取装置(4)と、該刈取装置(4)の後側に配置された脱穀装置(3)と、該脱穀装置(3)の一側に配置されたグレンタンク(5)と、該グレンタンク(5)の前方に操縦席(6)を備えたコンバインであって、前記脱穀装置(3)の上部に、脱穀装置(3)に装備された扱胴(55)の上側を覆う扱胴カバー(40)と、該扱胴カバー(40)の半開き状態を検出する第1検出手段(45S)を設け、前記エンジン(E)から前記脱穀装置(3)に至る伝動経路中に、前記エンジン(E)の回転の脱穀装置(3)への伝達を接続及び接続解除する脱穀クラッチ(90A)と、該脱穀クラッチ(90A)を作動させる切替操作具(13)と、該切替操作具(13)の操作状態を検出する第2検出手段(13S)を設け、前記刈取装置(4)の搬送装置(34)の終端部に、助挾扼杆(38A)の上側を覆うように設けられ、補助作業者が手扱ぎ作業を行うことができない規制状態と、手扱ぎ作業を行うことができる非規制状態に切替え可能な手扱ぎ規制部材(38)と、該手扱ぎ規制部材(38)の規制状態と非規制状態を検出する第3検出手段(38C)を設け、前記第3検出手段(38C)によって手扱ぎ作業を行うことができる非規制状態が検出され、かつ、前記第1検出手段(45S)によって扱胴カバー(40)の半開き状態が検出された場合には、前記エンジン(E)の回転を低下させると共に、前記脱穀クラッチ(90A)の接続を解除し、その後に、前記補助作業者とは異なる操縦席(6)の操縦者が前記第2検出手段(13S)によって切替操作具(13)の脱穀クラッチ(90A)を接続する側への操作が検出された場合には、前記エンジン(E)を停止させる制御装置(85)を備えたことを特徴とするコンバインである。
請求項2に係る発明は、記脱穀装置(3)の扱室(50)の一側に形成された扱ぎ口(26B)に沿って配置されたフィードチェン(12B)を設け、前記フィードチェン(12B)に対向して刈取穀桿を挟持する挟持杆(12A)を備えた扱胴カバー(40)と、該扱胴カバー(40)を開放側に付勢する付勢手段(103)と、前記扱胴カバー(40)を閉鎖状態にロックする第1フック(43)と、該第1フック(43)による扱胴カバー(40)のロック解除後に該扱胴カバー(40)を半開き状態で係止する第2フック(44)と、前記第1フック(43)によるロックを解除するアクチュエータ(45)を備え、前記アクチュエータ(45)を扱室(50)の前壁(50A)に設けた請求項1記載のコンバインである。
請求項3に係る発明は、前記第2フック(44)による扱胴カバー(40)の係止を手動で解除する開閉レバー(41)と設けた請求項2記載のコンバインである。
請求項4に係る発明は、前記脱穀装置(3)の扱室(50)の下方に選別室(51)を備え、前記エンジン(E)の出力回転を無段階に変速してフィードチェン(12B)を駆動する無段変速装置(10)を備え、前記エンジン(E)の回転を脱穀装置(3)及びフィードチェン(12B)に伝達する第1経路(A)と、エンジン(E)の回転を前記刈取装置(4)に伝達する第2経路(B)とを備え、前記第1経路(A)における選別室(51)よりも上流側の部位に配置したカウンタ軸(71)の回転を前記無段変速装置(10)に入力する構成とし、前記カウンタ軸(71)に、該カウンタ軸(71)の回転を前記扱室(50)の扱胴(55)側へ出力する第1プーリ(71C)と、カウンタ軸(71)の回転を前記選別室(51)側へ出力する第2プーリ(71E)と、カウンタ軸(71)の回転を前記無段変速装置(10)側へ出力する第3プーリ(71D)を備え、前記脱穀装置(3)の前壁(50A)にカウンタ軸(71)を支持する支持部材(80)を備え、該カウンタ軸(71)の軸心方向において、前記第1プーリ(71C)を支持部材(80)に対して一側に偏倚した部位に配置し、第2プーリ(71E)及び第3プーリ(71D)を、前記支持部材(80)に対して第1プーリ(71C)を配置した側とは反対側に偏倚した部位に配置した請求項1〜3のいずれか1項に記載のコンバインである。
請求項5に係る発明は、前記カウンタ軸(71)を脱穀装置(3)の前壁(50A)の前方において左右方向に向けて配置し、該カウンタ軸(71)の前方に、フィードチェン(12B)を機体外側方へ回動自在に支持する縦方向の支軸(35B)を設け、側面視において、前記無段変速装置(10)をカウンタ軸(71)と支軸(35B)の間の部位に配置した請求項4記載のコンバインである。
請求項6に係る発明は、前記フィードチェン(12B)駆動用の駆動スプロケット(17A)を備えた駆動軸(68D)を、機体前後方向において前記支軸(35B)とカウンタ軸(71)の間の部位であって、上下方向において前記無段変速装置(10)の入力軸(10A)とカウンタ軸(71)の間となる部位に配置した請求項5記載のコンバインである。
請求項7に係る発明は、前記無段変速装置(10)から駆動力が入力されるギヤボックス(68)の出力軸(68B)の先端部に、前記駆動スプロケット(17A)または駆動スプロケット(17A)を支持する駆動軸(68D)と接続されるカップリング(68C)を設け、前記フィードチェン(12B)を機体外側方に向けて回動させた場合に、前記出力軸(68B)と駆動スプロケット(17A)との接続が解除されるか、または前記出力軸(68B)と駆動軸(68D)との接続が解除され、前記フィードチェン(12B)を機体内側方に向けて回動させた場合には、前記出力軸(68B)と駆動スプロケット(17A)とが接続されるか、または前記出力軸(68B)と駆動軸(68D)とが接続される構成とした請求項記載のコンバインである。
請求項1記載の発明によれば、脱穀装置(3)の上部に、脱穀装置(3)に装備された扱胴(55)の上側を覆う扱胴カバー(40)と、扱胴カバー(40)の半開き状態を検出する第1検出手段(45S)を設け、エンジン(E)から脱穀装置(3)に至る伝動経路中に、エンジン(E)の回転の脱穀装置(3)への伝達を接続及び接続解除する脱穀クラッチ(90A)と、脱穀クラッチ(90A)を作動させる切替操作具(13)と、切替操作具(13)の操作状態を検出する第2検出手段(13S)を設け、刈取装置(4)の搬送装置(34)の終端部に、助挾扼杆(38A)の上側を覆うように設けられ、補助作業者が手扱ぎ作業を行うことができない規制状態と、手扱ぎ作業を行うことができる非規制状態に切替え可能な手扱ぎ規制部材(38)と、手扱ぎ規制部材(38)の規制状態と非規制状態を検出する第3検出手段(38C)を設け、第3検出手段(38C)によって手扱ぎ作業を行うことができる非規制状態が検出され、かつ、第1検出手段(45S)によって扱胴カバー(40)の半開き状態が検出された場合には、エンジン(E)の回転を低下させると共に、脱穀クラッチ(90A)の接続を解除し、その後に、補助作業者とは異なる操縦席(6)の操縦者が第2検出手段(13S)によって切替操作具(13)の脱穀クラッチ(90A)を接続する側への操作が検出された場合には、エンジン(E)を停止させる制御装置(85)を備えているので、補助作業者の安全が確保され、脱穀装置(3)で脱穀処理された穀粒の機外への飛散を防止することができる。
また、扱胴(55)の回動を速やかに停止でき補助作業者の安全を高めることができる。
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加えて、脱穀装置(3)の扱室(50)の一側に形成された扱ぎ口(26B)に沿って配置されたフィードチェン(12B)を設け、フィードチェン(12B)に対向して刈取穀桿を挟持する挟持杆(12A)を備えた扱胴カバー(40)と、扱胴カバー(40)を開放側に付勢する付勢手段(103)と、扱胴カバー(40)を閉鎖状態にロックする第1フック(43)と、第1フック(43)による扱胴カバー(40)のロック解除後に扱胴カバー(40)を半開き状態で係止する第2フック(44)と、第1フック(43)によるロックを解除するアクチュエータ(45)を備え、アクチュエータ(45)を扱室(50)の前壁(50A)に設けているので、異物の除去を容易に行うことができる。また、扱胴カバー(40)の軽量化が図られ、扱胴カバー(40)を効率良く半開き状態にすることができる。
請求項3記載の発明によれば、請求項2記載の発明の効果に加えて、第2フック(44)による扱胴カバー(40)の係止を手動で解除する開閉レバー(41)と設けているので、アクチュエータ(45)を含む電気部品等が故障した場合でも、開閉レバー(41)を手動操作することにより、長フック(44)による係止をも解除して扱胴カバー(40)を開くことができる。
請求項4記載の発明によれば、請求項1〜3記載の発明の効果に加えて、第1経路(A)における選別室(51)よりも上流側の部位に配置したカウンタ軸(71)の回転を、フィードチェン(12B)を駆動する無段変速装置(10)に入力することで、フィードチェン(12B)の搬送速度を刈取装置(4)の搬送速度と独立して設定でき、フィードチェン(12B)の伝動効率を高めることができる。また、カウンタ軸(71)から、扱胴(55)と選別室(51)と無段変速装置(10)に伝動する構成としているので、脱穀装置(3)の伝動構造を簡素化でき、コンバインの機体をコンパクト化することができる。さらに、カウンタ軸(71)の軸心方向において、第1プーリ(71C)を支持部材(80)に対して一側に偏倚した部位に配置し、第2プーリ(71E)及び第3プーリ(71D)を、支持部材(80)に対して第1プーリ(71C)を配置した側とは反対側に偏倚した部位に配置しているので、カウンタ軸(71)に対して、選別室(51)及び無段変速装置(10)への伝動部材によって掛かる曲げ荷重と負荷が大きい扱胴(55)への伝動部材によって掛かる曲げ荷重を支持部材(80)の両側に分散させることで、カウンタ軸(71)の変形を防止して耐久性を向上させるとともに、伝動効率を向上させることができる。
請求項5記載の発明によれば、請求項4記載の発明の効果に加えて、側面視において、無段変速装置(10)を、カウンタ軸(71)と支軸(35B)の間に配置しているので、脱穀装置(3)の前方の空間を有効に活用して無段変速装置(10)をコンパクトに配置することができる。
請求項6記載の発明によれば、請求項5記載の発明の効果に加えて、フィードチェン(12B)駆動用の駆動スプロケット(17A)を備えた駆動軸(68D)を、機体前後方向において支軸(35B)とカウンタ軸(71)の間の部位であって、上下方向において無段変速装置(10)の入力軸(10A)とカウンタ軸(71)の間となる部位に配置しているので、フィードチェン(12B)への伝動を容易に行なうことができる。
請求項7記載の発明によれば、請求項記載の発明の効果に加えて、フィードチェン(12B)を機体外側方に向けて回動させた場合に、出力軸(68B)と駆動スプロケット(17A)の接続が解除され、フィードチェン(12B)を機体内側方に向けて回動させた場合には、出力軸(68B)と駆動スプロケット(17A)が接続される構成としているので、フィードチェンケース(20)の保守・点検作業中には、ギヤボックス(68)のからフィードチェン(12B)に伝動されず、保守・点検作業の安全性が高まる。
コンバインの左側面図である。 コンバインの平面図である。 脱穀装置の左側面図である。 脱穀装置の断面左側面図である。 刈取装置の横伝動筒の正面図である。 脱穀装置のカウンタ軸の正面図である。 フィードチェン用油圧式無段変速装置の取付け説明図である。 フィードチェン用油圧式無段変速装置の(a)は部分断面図、(b)は側面図である。 コンバインの伝動機構図である。 制御装置の接続図である。 フィードチェンの第1駆動方法の説明図である。 フィードチェンの第2駆動方法の説明図である。 手扱レバーの説明図である。 扱胴カバーの部分断面平面図である。 扱胴カバーの部分断面左側面図である。 閉鎖状態の扱胴カバーの正面図である。 モータを初期位置から解除位置に回動した閉鎖状態の扱胴カバーの正面図である。 半開き状態の扱胴カバーの正面図である。 モータを解除位置から初期位置に回動した半開き状態の扱胴カバーの正面図である。 開閉レバーを操作して長フックの係合を解除した半開き状態の扱胴カバーの正面図である。 全開状態の扱胴カバーの正面図である。 短フックの(a)は左側面図、(b)は正面図である。 緊急停止方法の説明図である。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照しつつ詳説する。なお、理解を容易にするために、操縦者から見て、前方を前側、後方を後側、右手側を右側、左手側を左側として便宜的に方向を示して説明しているが、これらにより構成が限定されるものではない。
図1,2に示すように、コンバインは、機体フレーム1の下側には、土壌面を走行する左右一対のクローラからなる走行装置2が設けられ、機体フレーム1の上側の左側には、脱穀・選別を行う脱穀装置3が設けられ、脱穀装置3の前側には、圃場の穀桿を収穫する刈取装置4が設けられている。脱穀装置3で脱穀・選別された穀粒は、脱穀装置3の右側に設けられたグレンタンク5に貯留され、貯留された穀粒は、排出筒7によって外部へ排出される。また、グレンタンク5の前側には、操縦者が搭乗する操縦部6が設けられ、操縦部6の下側には、エンジンEを搭載するエンジンルーム8が設けられている。
<刈取装置>
刈取装置4は、主枠となる刈取フレーム30に取付けられている。刈取フレーム30は、前後方向に延在する刈取後フレーム28と、刈取後フレーム28の前部に左右方向に延在する刈取伝動ケース29から形成されている。なお、刈取後フレーム28の後部は、後述する左右方向に延在する横伝動筒36の右側部に取付けられている。
刈取装置4は、植立穀稈を分草する分草杆31と、分草杆31の後側に設けられた倒伏した植立穀稈を引き起こす引起装置32と、引起装置32の後側に設けられた植立穀稈の株元を切断する刈刃装置33と、引起装置32の後側に設けられた搬送装置34から形成されている。
搬送装置34は、刈刃装置33によって株元が切断された刈取穀稈を脱穀装置3の左側に設けられた脱穀部搬送装置12に搬送する装置である。なお、搬送装置34は、刈取穀稈の株元側を搬送する株元搬送装置34Aと、穂先側を搬送する穂先搬送装置34Bから形成されている。
図13に示すように、搬送装置34の終端部には、左右方向に延在する支軸38Bを中心として上下方向に回動する手扱ぎ規制部材38と、手扱ぎ規制部材38の下側に刈取穀桿に当接するバネ板等からなる補助挾扼杆38Aが設けられている。これにより、搬送装置34の終端部から脱穀部搬送装置12のフィードチェン12Bの始端部に引継がれる刈取穀桿の姿勢の乱れを防止することができる。また、支軸38Bの近傍には、手扱ぎ規制部材38の回動状態を検出する手扱ぎスイッチ(請求項における「第3検出手段」)38Cが設けられており、モードスイッチ6Bとして利用することができる。側面視において支軸38Bを中心として手扱ぎ規制部材38が反時計方向に回動した場合は、手扱ぎスイッチ38Cと手扱ぎ規制部材38が当接して手扱ぎスイッチ38CがON状態となり、手扱ぎ規制部材38が時計方向に回動した場合には、手扱ぎスイッチ38Cと手扱ぎ規制部材38が非接触となり手扱ぎスイッチ38CはOFF状態となる。
手扱ぎ規制部材38の左右方向の幅は、挾扼杆12Cの左右方向の幅と略同一幅に形成され、手扱ぎ規制部材38の後部は、振動等によって手扱ぎ規制部材38の跳ね上がりを防止するために、挾扼杆12Cの前部の下側まで延在している。また、補助挾扼杆38Aの左右方向の幅は、フィードチェン12Bの左右方向の幅と略同一幅に形成され、補助挾扼杆38Aの前部は、刈取穀桿の支軸38B等への絡み付きを防止するために手扱ぎ規制部材38手扱ぎ規制部材38の前部の前側に延在し、後部は、挾扼杆12Cの後部の後側まで延在している。
通常の刈取脱穀作業時は、側面視において支軸38Bを中心として手扱ぎ規制部材38を時計方向に回動させて、手扱ぎ規制部材38で補助挾扼杆38Aの上側を覆う規制状態にする。これにより補助挾扼杆38Aの上側に刈取穀桿が搬送されるのを防止することができる。一方、手扱ぎ作業時には、側面視において支軸38Bを中心として手扱ぎ規制部材38を反時計方向に回動させて、補助挾扼杆38Aの上側を開放する非規制状態にする。これにより、手扱ぎ作業によって刈取られた刈取穀桿を補助挾扼杆38A、フィードチェン12Bの上側に容易に上載させることができる。なお、モードスイッチ6Bの入力されていない通常の刈取脱穀作業時に、手扱ぎ規制部材38が非規制状態のまま放置され手扱ぎスイッチ38Cの入力がされている場合は、手扱ぎ規制部材38を規制状態することを操縦者に告知するために、操縦部6内のモニタに表示させたり、ランプを点滅させたり、警告音を鳴らしたりするのが好適である。
図3〜5に示すように、左側の懸架台35は、機体フレーム1に立設した左側のベース35Aの上側に取付けられている。左側の懸架台35の前部には、横伝動筒36の左側部を軸支する横伝動フレーム35Cの基部を回転自在に支持する上下方向に延在する支軸35Bが形成されている。また、横伝動フレーム35Cは、正面視において略くの字形状に形成されている。これにより、支軸35Bを中心として刈取装置4を機外に向けて容易に回動させて保守・点検作業を行なうことができる。
右側の懸架台35は、機体フレーム1に立設した右側のベース35Aの上側に取付けられている。右側の懸架台35の上部には、横伝動筒36の右側部を軸支する支持部材35Dが取付けられている。支持部材35Dは、略半円弧状に分割された前側支持部材と、後側支持部材から形成されている。横伝動筒36の右側部を軸支する場合は、前後側支持部材を係合し、刈取装置4を機外に向けて回動する場合には、前後側支持部材の係合を解除する。また、左側の懸架台35と右側の懸架台35の上下方向の中間部は、連結フレーム35Eによって連結されている。
エンジンEの回転は、プーリ66Bを介して走行用油圧式無段変速装置66に伝動され、走行用油圧式無段変速装置66の回転は、プーリ36Aを介して横伝動筒36に内装された横伝動軸36Aに伝動される。横伝動軸36Aの回転は、刈取フレーム30に内装された伝動軸(図示省略)を介して刈取装置4に伝動され、引起装置32、刈刃装置33、搬送装置34を駆動する。また、走行用油圧式無段変速装置66の回転は、トランスミッション65を介して走行装置2に伝動され左右のクローラを駆動する。なお、走行装置2が旋回中には、旋回姿勢を安定にするためにローリングシリンダとピッチングシリンダによる姿勢制御を行なわないのが好適である。
<脱穀装置>
図4に示すように、脱穀装置3は、刈取穀稈の脱穀を行う扱室50と、扱室50内で脱穀された穀粒の選別を行なう選別室51から形成されている。
扱室50内には、扱室50の前壁50Aと後壁50Cに架設された扱胴軸55Aに支持された複数の扱歯を有する扱胴55が設けられている。また、扱室50の前壁50Aの左側下部には、穀稈供給口26Aが開口され、左壁50Bの下部には、扱胴55に沿って扱ぎ口26Bが開口され、後壁50Cの左側下部には、排藁口26Cが開口されている。さらに、扱室50の左側には、扱ぎ口26Bに沿って穀桿の株元を挟持して後側に向けて搬送する脱穀部搬送装置12が並設されている。なお、脱穀済の排藁穀桿は、脱穀部搬送装置12の後側に設けられた排藁搬送装置58に引き継がれて後側に向かって搬送された後に一対の排藁カッタ59によって裁断されて外部に排出される。
選別室51の上部には、扱室50から落下してくる穀流を選別する揺動選別装置52が設けられている。また、揺動選別装置52の下側には、揺動選別装置52の前部シーブ部に選別風を送風する第一唐箕53Aと、揺動選別装置52から落下してくる穀粒を回収する一番受樋53Bと、揺動選別装置52の後部シーブに選別風を送風する第二唐箕53Cと、揺動選別装置52から落下してくる枝梗等が付着した二番物を回収する二番受樋53Dとが前側から順に配設されている。一番受樋53Bで回収された穀粒はグレンタンク5に揚穀され、二番受樋53Dで回収された二番物は二番処理室に揚穀される。
扱室50の右側の後部は、排塵処理室に連通し、排塵処理室には、外周面にスクリュー羽根体が形成された前後方向に延在する排塵処理胴57が設けられている。また、排塵処理室の前部は、二番物を処理して還元するための二番処理室に連通し、二番処理室には、外周面に間欠螺旋羽根が形成された前後方向に延在する二番処理胴56が設けられている。さらに、揺動選別装置52の後部の上側には、脱穀・選別時に発生する藁屑等を吸引し機外に排出する排塵ファン48が設けられている。
<脱穀部搬送装置>
図3,6に示すように、脱穀部搬送装置12は、挟持杆12Aとフィードチェン12Bから形成されている。挟持杆12Aは、扱室50の扱胴カバー40の左側部に取付けられており、スプリング等の付勢手段14によってフィードチェン12B側に向けて付勢されている。挟持杆12Aに対向して設けられたフィードチェン12Bは、チェンレール18の前後部に回転自在に支持された前側張設輪17Bと、後側張設輪17Dと、前側張設輪17Bと後側張設輪17Dの間に位置する駆動スプロケット17Aに巻回されている。なお、駆動スプロケット17Aは、ギヤボックス68の出力軸68Bにカップリング68Cを介して接続される駆動軸68Dに支持されている。
チェンレール18は、前側張設輪17Bから後側張設輪17Dに向かって移動する作用側のフィードチェン12Bを上載する上側チェンレール18Aと、後側張設輪17Dから前側張設輪17Bに向かって移動する非作用側のフィードチェン12Bを上載する下側チェンレール18Bと、上側チェンレール18Aと下側チェンレール18Bを連結する連結プレート18Cから形成されている。なお、下側チェンレール18Bの前部には、非作用側のフィードチェン12Bを駆動スプロケット17Aに誘導する円弧状のガイド18Dが設けられている。
図3,5に示すように、チェンレール18は、下側チェンレール18Bの下側に前後方向に延在する支持フレーム19に支持されている。支持フレーム19の前端部は、左側の懸架台35に設けられた上下方向に延在する支軸35Bに回転自在に取付けられているブラケット19Bに固定プレート19Aを介して取付けられている。
支持フレーム19の前部は、フィードチェン用油圧式無段変速装置(請求項における「油圧式無段変速装置」)10の入力軸10Aとギヤボックス68の出力軸68Bの間を後方に向かって延在した後、変速モータ10Cの前側で略90度湾曲して上側に向かって延在する。その後、カウンタ軸71の前側を上側に向かって延在した後、ガイド18Dの下側で略90度湾曲して下側チェンレール18Bの下側に向かって延在している。これにより、支軸35Bを中心として支持フレーム19を回動させてチェンレール18を機体外側に向けて開放する場合に、支持フレーム19とフィードチェン用油圧式無段変速装置10及びギヤボックス68等の干渉を防止することができる。
図3に示すように、前側張設輪17Bは、横軸伝動筒36の前側近傍に設けられ、後側張設輪17Dは、排藁搬送装置58の前端部の後側近傍に設けられている。また、駆動スプロケット17Aは、横軸伝動筒36とカウンタ軸71の前後方向の略中央で、カウンタ軸71と支持フレーム19の上下方向の略中央に設けている。また、前側張設輪17Bと駆動スプロケット17Aの間には、テンションアーム17Cを設けている。
図6に示すように、カウンタ軸71の両側部は、脱穀装置3の前壁50Aの上下方向の中央部に前方に向かって立設した一対の支持部材80に支持されている。エンジンEの回転は、カウンタ軸71の右端部に支持されたプーリ71Aを介してカウンタ軸71に伝動される。
カウンタ軸71の回転は、プーリ71Aの左側に支持されたプーリ(請求項における「第1プーリ」)71C、ベルト92等を介して扱胴55に伝動され、カウンタ軸71の左側部に支持されたプーリ(請求項における「第3プーリ」)71D、ベルト93等を介してフィードチェン用油圧式無段変速装置10の入力軸10Aに伝動され、プーリ71Dの左側に支持されたプーリ(請求項における「第2プーリ」)71E、ベルト94等を介して第一唐箕53Aに伝動される。
図8に示すように、フィードチェン用油圧式無段変速装置10の入力軸10Aの回転は、出力軸10Bを介してギヤボックス68に伝動され、ギヤボックス68によって増減速されて出力軸68Bに伝動される。出力軸68Bの回転は、カップリング68Cを介して駆動軸68Dに伝動され、駆動軸68Dの回転は、駆動スプロケット17Aを介してフィードチェン12Aに伝動されてフィードチェン12Aが回動させる。
駆動軸68Dは、支持フレーム19の右側に取付けられた固定プレート19Cに支持され、支軸35Bを中心として支持フレーム19を機体外側に向かって回動させた場合は、カップリング68Cによる出力軸68Bと駆動軸68Dの連結が解除されてフィードチェン12Bの回動は停止する。これによって、フィードチェン12B、ガイド18D等の交換を安全に行なうことができる。
図7に示すように、キヤボックス68は、脱穀装置3の前壁50Aの上下方向の下側に偏倚した部位に前側に向かって立設した後側プレート11Bの右側面に取付けられている。キヤボックス68の左側には、フィードチェン用油圧式無段変速装置10が取り付けられ、さらに、フィードチェン用油圧式無段変速装置10の後側には、フィードチェン用油圧式無段変速装置10のトラニオン軸10Fに接続された変速モータ10Cが取付けられている。これにより、脱穀装置3の前側に形成された空間を有効に活用することができる。
後側プレート11Bの前部と、左右の懸架台35,35の連結フレーム35Eに取付けられた前側プレート11Aの後部は、走行装置2の走行時に発生する振動を低減するために、緩挿されたピンによって接続されている。なお、後側プレート11Bの後部は、カウンタ軸71側のブラケットにボルト等の締結手段により取付けられている。
フィードチェン用油圧式無段変速装置10の入力軸10A、出力軸10Bとギヤボックス68の出力軸68Bは、上下方向において同一直線状に設けられている。これにより、脱穀装置3の下部の前側に形成された空間を有効活用することができる。また、ギヤボックス68の出力軸68Bをフィードチェン用油圧式無段変速装置10の出力軸10Bよりも上側に設けている。これにより、フィードチェン12Bの全長を短くでき、且つ、前側張設輪17B、後側張設輪17D、駆動スプロケット17Dにフィードチェン12Bを容器に巻回することができる。
<扱胴カバー>
図14,15に示すように、扱胴カバー40は、扱室50の上壁50Dの左側部に設けられた前後方向に延在する支軸101を中心として開閉する蝶番100によって扱室50の上壁50Dに取付けられている。また、扱胴カバー40の前壁40Aと扱室50の前壁50Aは、正面視において支軸101を中心として扱胴カバー40を反時計方向に回動させるガススプリング等の付勢手段103によって接続されている。
扱胴カバー40は、通常の刈取脱穀作業時は、閉鎖状態とされ、停止スイッチ6Dが押された場合には、半開き状態とされ、開閉レバー41が操作された場合には、全開き状態になる。なお、半開き状態とは、挟持杆12Aをフィードチェン12Bの上側に50〜100mm移動してフィードチェン12B上に詰まった異物を除去する状態をいい、全開き状態とは、挟持杆12Aをフィードチェン12Bの上側に300〜450mm上方側に移動させてフィードチェン12Bの保守・点検作業をする状態をいう。
図16に示すように、閉鎖状態時には、扱室50の前壁50Aに前側に向けて延出して設けられた前側ピン42Aに前側短フック43Aが係合し、扱室50の後壁50Aに後側に向けて延出して設けられた後側ピン42Bに後側短フック43Bが係合する。なお、前側ピン42Aと後側ピン42Bを総称してピン42といい、前側短フック43Aと後側短フック43Bを総称してフック(請求項における「第1フック」)43という。また、図18に示すように、半開き状態には、前側ピン42Aと前側短フック43Aの係合及び後側ピン42Bと後側短フック43Bの係合が解除されて、前側ピン42Aに長フック(請求項における「第2フック」)44が係合する。さらに、図21に示すように、全開き状態には、前側ピン42Aと長フック44の係合が解除される。
なお、前側ピン42Aにおける前側短フック43Aと係合する部位には、ベアリング62Aが外嵌され、後側ピン42Bにおける後側短フック43Bと係合する部位には、ベアリング62Bが外嵌されている。これにより、前側ピン42Aと前側短フック43Aの係合時と係合の解除時、及び後側ピン42Bと後側短フック43Bの係合時と係合の解除時の抵抗を軽減して係合と係合の解除を好適に行なうことができる。
図16等に示すように、扱室50の前壁50Aには、停止スイッチ6Dの操作に連動して駆動する開閉モータ(請求項における「アクチュエータ」)45が設けられている。これにより、支軸101を中心として回動する扱胴カバー40を軽量化でき、扱胴カバー40の回動を効率良く行なうことができる。また、開閉モータ45の減速機には、開閉モータ45の回転を検出する開閉センサ(請求項における「第1検出手段」)45Sが内装されている。開閉モータ45が初期位置に有る場合は、回転センサ45Sの出力はOFFとなり、開閉モータ45が解除位置に有る場合には、回転センサ45Sの出力はONとなる。
図17,18に示すように、停止スイッチ6Dが入力された場合、開閉モータ45が初期位置から解除位置まで回動して前側ピン42Aと前側短フック43Aの係合及び後側ピン42Bと後側短フック43Bの係合が解除され、扱胴カバー40が閉鎖状態から半開き状態に回動する。また、前側短フック43Aと後側短フック43Bは、扱室50の前壁50Aと後壁50Cに回転自在に支持された連結軸49の前部と後部にそれぞれ固定されている。なお、後側短フック43Bと連結軸49の後部をキーを介して固定し、後側短フック43Bを連結軸49の後部に着脱自在に取付けることもできる。これにより、前側短フック43A、連結軸49等の交換を容易に行なうことができる。なお、側面視において、後述する刈脱レバー13が後側に回動して刈取クラッチ65Fと脱穀クラッチ97Aの接続を解除する接続の解除位置にあり、且つ、停止スイッチ6Dが入力された場合に扱胴カバー40が閉鎖状態から半開き状態に回動させることができる。これにより、扱胴カバー40が半開き状態にされた場合に、脱穀装置3内で脱穀処理された穀粒の外部への落下を防止することができる。
開閉モータ45と前側短フック43Aの間には、左右方向に延在する操作プレート46が設けられている。操作プレート46は、開閉モータ45の回動に応じて前側短フック43Aの前面に設けられた前後方向に延在するピン43Aに当接する。操作プレート46の右側部は、接続プレート47を介して開閉モータ45の回転軸に取付けられている。また、操作プレート46の左側部には、左右方向に長径を有する長穴46Aが形成され、この長穴46A内には、前側ピン42Aが係合している。これにより、開閉モータ45の回動により操作プレート46を左右方向に好適に移動することができる。
図17に示すように、開閉モータ45が初期位置から解除位置まで回動した場合は、操作プレート46は、前側短フック43A側である左側に移動して、図22に示す前側短フック43Aのピン43Cに当接しながらピン43Cを左側に向かって移動させる。これにより、前側短フック43Aは、正面視において前側短フック43Aの上部が固定された前後方向に延在する連結軸49を中心として反時計方向に回動して、前側ピン42Aと前側短フック43Aの係合が解除される。また、前側短フック43Aの反時計方向の回動に伴って後側短フック43Bも連結軸49を中心として反時計方向に回動して、後側ピン42Bと後側短フック43Bの係合が解除される。
図18に示すように、ピン42と短フック43の係合が解除されると、正面視において支軸101を中心として扱胴カバー40は、付勢手段103によって反時計方向に回動され、長フック44が前側ピン42Aと係合して半開き状態になる。
長フック44の上部は、短フック43の上部が固定されている連結軸49に回転自在に支持されている。また、長フック44における連結軸49よりも上側には、上側に延出する上部延在部44Aが形成されている。上部延在部44Aには、連結軸49を中心として長フック44の下部を時計方向に回動するためにスプリングからなる付勢手段60が取付けられている。なお、付勢手段60の他側は、扱胴カバー40の前壁40Aに接続されている。また、扱胴カバー40の前壁40Aには、前後方向に延在する上部延在部44Aの上端部に当接するストッパピン61が設けられている。これにより、連結軸49を中心として長フック44が過度に回動するのを防止して、正面視において支軸101を中心として扱胴カバー40が付勢手段103によって反時計方向に所定の角度回動時した場合に、長フック44の下部を前側ピン42Aに係合させることができる。
図19に示すように、扱胴カバー40が半開き状態になった状態で、連結軸49を中心として手動で開閉レバー41を上側に向けて移動させると、長フック44と前側ピン42Aの係合が解除され、図21に示すように、正面視において支軸101を中心として扱胴カバー40は、付勢手段103によって反時計方向に回動されて全開き状態になる。
開閉レバー41の下部は、接続プレート63を介して側面視において連続軸49の前部の前側短フック43Aと長フック44の間に回転自在に支持されている。また、接続プレート63の下部には、前後方向に延在するピン64が固定されている。正面視において連続軸49を中心として開閉レバー41を反時計方向に回動させるとピン64の前部が長フック44の左側部に当接して、正面視において連続軸49を中心として長フック44を反時計方向に回動させることができる。これによって、長フック44と前側ピン42Aの係合を解除することができる。
また、ピン64の後部は、正面視において連続軸49を中心として前側短フック42Aを時計方向に付勢するトルクスプリング等からなる付勢手段67に当接して、正面視において連続軸49を中心として前側短フック42Aを反時計方向に回動させることができる。これによって、前側短フック42Aと前側ピン42Aの係合及び後側短フック42Bと後側ピン42Bの係合を解除することができる。これにより、開閉モータ45等が断線等により作動不良に陥った場合でも開閉レバー41によって扱胴カバー40が半開き状態又は全開き状態にすることができる。なお、付勢手段67は、連結軸49に支持されており、付勢手段67の上部は、扱胴カバー40の前壁40Aに接続され、下部は、前側短フック42Aの後側面に接続されている。
図20に示すように、開閉モータ45が解除位置から初期位置まで回動した場合には、操作プレート46は、開閉モータ45側である右側に移動して、前側短フック43Aのピン43Aから所定の間隔を隔てた位置に後退する。これにより、手動で扱胴カバー40を下降させて前側短フック43Aと前側ピン42Aを係合し、後側短フック43Bと後側ピン42Bに係合して扱胴カバー40を閉鎖状態にすることができる。なお、開閉モータ45が初期位置から解除位置に回動した後に、停止スイッチ6Dが再度入力されると、開閉モータ45が解除位置から初期位置するが、開閉モータ45が初期位置から解除位置に回動した後に、所定の時間が経過すると開閉モータ45が解除位置から初期位置に回動させる制御方法とすることもできる。
<扱動カバーの半開き状態の検出方法>
開閉モータ45の減速機に内装された回転センサ45Sによって扱動カバー40の半開き状態を間接的に検出するのが好適である。これにより、扱動カバー40の半開き状態時に、エンジンEの駆動を停止させてエンジンEの再駆動を防止して作業者の安全を維持することができ、また、部品点数を削減することができる。
回転センサ45Sの出力がOFFの場合は、開閉モータ45が初期位置にありピン42と短フック43は係合して扱動カバー40は閉鎖状態になっている。一方、回転センサ45Sの出力がONの場合には、開閉モータ45が解除位置にありピン42と短フック43の係合が解除され扱動カバー40は半開き状態になっている。
また、開閉センサ45Sに替えて、停止スイッチ6Dに操作状態を維持するオルタネートを使用して停止スイッチ6Dによって扱動カバー40の半開き状態を間接的に検出することもできる。さらに、扱室50の前壁50Aにセンサ(図示省略)を設けて、扱動カバー40の半開き状態を直接的に検出することもできる。
<伝動機構>
次に、本実施形態の伝動機構について説明する。図9に示すように、エンジンEの回転は、フィードチェン用油圧式無段変速装置10に伝動される第1経路Aと、走行用油圧式無段変速装置66に伝動される第2経路Bと、グレンタンク5の前側のギヤボックス39に伝動される第3経路Cに分岐して伝動される。
フィードチェン用油圧式無段変速装置10に伝動される第1経路Aでは、エンジンEの回転は、クランク軸70に支持されたプーリ70Aと、ベルト90と、プーリ71Aを介してカウンタ軸71に伝動される。なお、第1経路Aには、ベルト90よりも伝動下流側への伝動を接続及び接続を解除する脱穀クラッチ90Aが設けられている。
カウンタ軸71の回転は、プーリ71Bと、ベルト91等を介して二番処理胴56と排塵処理胴57に伝動され、プーリ71Cと、ベルト92と、プーリ72Aを介してカウンタ軸72に伝動され、カウンタ軸72の回転は、ギヤボックス73、扱胴軸55Aを介して扱胴55と排藁搬送装置58に伝動される。
また、カウンタ軸71の回転は、プーリ71Dと、ベルト93と、プーリ10Dを介してフィードチェン用油圧式無段変速装置10の入力軸10Aに伝動され、プーリ71Dの左側に支持されたプーリ71E、ベルト94を介して、第一唐箕53A、一番受樋53、第二唐箕53C、二番受樋53D、排塵ファン48、揺動選別装置52、排藁カッタ59に伝動される。
入力軸10Aの回転は、出力軸10Bを介してギヤボックス68に伝動され、ギヤボックス68内の複数のギヤ68Aによって増減速された後に、ギヤボックス68に軸支された出力軸68Bに伝動される。なお、ギヤボックス68には、フィードチェン用油圧式無段変速装置10の出力軸10Bの回転速度を測定するフィードチェン速度センサ10Sが取付けられている。
出力軸68Bの回転は、カップリング68Cを介して駆動軸68Dに伝動され、駆動軸68Dに支持された駆動スプロケット17Aを介してフィードチェン12Bに伝動される。
操縦部6の左側には、走行用油圧式無段変速装置66を遠隔操作する主変速レバー16が設けられ、主変速レバー16の左側には、植立穀桿の倒伏状態に応じてトランスミッション65内のギヤを切換操作する副変速レバー15が設けられている。また、主変速レバー16の後側には、刈取クラッチ65F及び脱穀クラッチ97Aの接続と接続の解除を操作する刈脱レバー(請求項における「切替操作具」)13が設けられている。さらに、刈脱レバー13の下部の近傍には、刈脱レバー13の位置を検出する位置センサ(請求項における「第2検出手段」)13Sが設けられている。なお、側面視において刈脱レバー13が前側に回動し接続位置にある場合は、位置センサ13Sの出力はONとなり、刈取クラッチ65Fと脱穀クラッチ97Aは接続される。一方、刈脱レバー13が後側に回動し接続の解除位置にある場合には、位置センサ13Sの出力はOFFとなり、刈取クラッチ65Fと脱穀クラッチ97Aの接続は解除される。
刈取クラッチ65Fが接続された場合は、エンジンEの回転が刈取装置4に伝動し、刈取クラッチ65Fの接続が解除された場合には、エンジンEの回転が刈取装置4に伝動されない。同様に、脱穀クラッチ97Aが接続された場合は、エンジンEの回転が脱穀装置3に伝動し、脱穀クラッチ97Aの接続が解除された場合には、エンジンEの回転が脱穀装置3に伝動されない。
走行用油圧式無段変速装置66に伝動される第2経路Bでは、エンジンEの回転は、クランク軸70に支持されたプーリ70Bと、ベルト96と、プーリ66Bを介して走行用油圧式無段変速装置66の入力軸に伝動される。
走行用油圧式無段変速装置66の入力軸の回転は、走行用油圧式無段変速装置66の出力軸を介してトランスミッション65に伝動され、トランスミッション65内の複数のギヤによって増減速された後に、トランスミッション65から左右方向に延在された車軸65A、駆動輪65Bを介して走行装置2に伝動される。
また、走行用油圧式無段変速装置66の入力軸の回転は、トランスミッション65の車軸65Aよりも伝動上流側に設けられた出力軸65Cに伝動され、出力軸65Cの回転は、プーリ65D、ベルト65E、プーリ36Bを介して横伝動軸36Aに伝動される。なお、第2経路Bには、ベルト65Eよりも伝動下流側への伝動を接続及び接続を解除する刈取クラッチ65Fが設けられている。
走行用油圧式無段変速装置66の入力軸の回転を走行用油圧式無段変速装置66で増減速した後に分岐して、一方をトランスミッション65の車軸65Aを介して走行装置2に伝動し、他方を横伝動軸36Aを介して刈取装置4に伝動しているので、走行装置2の走行速度Vと、刈取装置4の搬送装置34の搬送速度VHを比例関係(シンクロ)に設定することができる。すなわち、走行装置2の走行速度Vを高速にした場合は、刈取装置4の搬送装置34の搬送速度VHも高速となり、走行装置2の走行速度Vを低速にした場合には、刈取装置4の搬送装置34の搬送速度VHも低速となる。なお、車軸65Aの近傍には、車軸65Aの回転速度を測定する走行速度センサ66Sが取付けられ、横伝動軸36Aの近傍には、横伝動軸36Aの回転速度を測定する搬送速度センサ34Sが取付けられている。
グレンタンク5の排出螺旋39Aに伝動される第3経路Cでは、エンジンEの回転は、クランク軸70に支持されたプーリ70Cと、ベルト97、ギヤボックス39等を介して、グレンタンク5の下部に設けられた排出螺旋39Aに伝動される。また、排出螺旋39Aの回転は、グレンタンク5の後方に設けられた排出筒7に内装されたオーガー螺旋39Bに伝動される。なお、第3経路Cには、ベルト97よりも伝動下流側への伝動を接続及び接続を解除する排出クラッチ97Aが設けられている。
<制御装置>
操縦部6に設けられた制御装置85の入力側には、図10に示すように、通常の刈取脱穀作業から手扱ぎ作業に切換えるモードスイッチ6Bと、挟持杆12Aとフィードチェン12Bの間に異物が挟まりフィードチェン12bの回動を停止する停止スイッチ6Dと、エンジンEを始動する始動スイッチ6Eと、フィードチェン12Bの速度VFを検出するするフィードチェン速度センサ10Sと、刈取クラッチ65Fと脱穀クラッチ97Aの接続と接続の解除を操作する刈脱レバー13の位置を検出する位置センサ13Sと、刈取装置4の搬送装置34の速度VHを検出するする搬送速度センサ34Sと、扱胴カバー40を半開き状態にする開閉モータ45の状態を検出する開閉センサ45Sと、走行装置2の速度Vを検出するする走行速度センサ66Sが所定の入力インターフェース回路を介して接続されている。なお、モードスイッチ6Bと停止スイッチ6Dは、扱胴カバー40の左壁40Bの前部に設けられ、始動スイッチ6Eは、操縦部6に設けられている。
一方、出力側には、通常の刈取りモード時にフィードチェン用油圧式無段変速装置10のトラニオン軸10Fを駆動する変速モータ10Cと、前側ピン42Aと前側短フック43Aの係合を解除して扱胴カバー40を半開き状態にする開閉モータ45と、エンジンEと伝動下流側の刈取装置4の間に設けられた刈取クラッチ65Fと、エンジンEと伝動下流側の脱穀装置3の間に設けられた脱穀クラッチ97Aと、エンジンEが所定の出力インターフェース回路を介して接続されている。
<フィードチェンの駆動・停止方法>
次に、本実施形態のフィードチェン12Bの駆動・停止方法について説明する。
(フィードチェンの第1駆動方法)
図11には、フィードチェン12Bの速度VFの第1駆動方法が図示されている。横軸は走行速度センサ66Sで検出された走行装置2の走行速度Vを示し、V1,V2は走行速度Vの第1,2設定値である。左側の縦軸はフィードチェン速度センサ10Sで検出されたフィードチェン12Bの速度VFを示し、VF1,VF2はフィードチェン12Bの速度VFの第1,2設定値であり、右側の縦軸は搬送速度センサ34Sで検出された搬送装置34の速度VHを示し、VH1,VH2は搬送速度VHの第1,2設定値であり、VH1,VH2は走行装置2の走行速度Vが第1,2設定値V1,2時の速度に対応する。
また、実線はフィードチェン12Bの速度VFを示し、破線は搬送装置34の速度VHを示している。
先ず、制御装置85は、モードスイッチ6Bの入力があったか否か判断し、モードスイッチ6Bの入力が無いと判断された場合には、制御装置85は、搬送装置34の速度VH(搬送速度センサ34Sからの入力値)が第1設定値VH1よりも低速か否か判断する。
搬送装置34の速度VHが第1設定値VH1よりも低速と判断された場合には、第1状態に示すように、フィードチェン12Bの速度VFを式1で演算される速度に制御する。なお、副変速レバー15により設定される変速段位により、走行装置2の走行速度Vに対する搬送装置34の搬送速度VHは変化する。
式1 VF=K×V
但し K=VH1/V1
一方、搬送装置34の速度VHが第1設定値VF1よりも等速以上と判断された場合には、第2状態に示すように、フィードチェン12Bの速度VFを式2で演算される速度に制御する。
式2 VF=VF1+1.5〜2.5×K×(V―V1)
但し K=(VH2―VH1)/(V2―V1)
次に、制御装置85は、フィードチェン12Bの速度VF(フィードチェン速度センサ10Sの入力値)が搬送装置34の第2設定値VH2よりも低速か否か判断する。
フィードチェン12Bの速度VFが搬送装置34の第2設定値VH2よりも低速と判断された場合には、第2状態に示すように、フィードチェン12Bの速度VFを式2で演算される速度に制御する。
一方、フィードチェン12Bの速度VFが搬送装置34の第2設定値VH2と等速以上と判断された場合には、第3状態に示すように、フィードチェン12Bの速度VFを第2設定値VF2に維持する。
(フィードチェンの第2駆動方法)
図12には、フィードチェン12Bの速度VFの第2駆動方法が図示されている。実線はフィードチェン12Bの速度VFを示し、破線は搬送装置34の速度VHを示し、第1駆動方法と同一部材には同一符号を付して重複した記載を省略する。
先ず、制御装置85は、モードスイッチ6Bの入力があったか否か判断し、モードスイッチ6Bの入力が無いと判断された場合には、前述した第1〜3状態のフィードチェン12Bの速度VFを維持する。
一方、モードスイッチ6Bの入力があったと判断された場合、フィードチェン12Bの速度VFを式3で演算される速度に制御する。
式3 VF=0.25〜0.5×VH1
<緊急停止方法>
次に、停止スイッチ6Dが押されて扱胴カバー40が半開き状態になった場合の緊急停止方法について、図23に基づいて説明する。
手扱ぎ作業においては、フィードチェン12Cに上載した刈取穀稈が、挟持杆12A及び挟扼杆12Cとフィードチェン12Bの間に詰まることがあり、詰まった刈取穀稈を除去するには、手扱ぎ作業を中断し、エンジンEを停止してフィードチェン12Bの回動を中止して詰まった刈取穀稈を前側に引抜く引抜作業を行う必要がある。
扱胴カバー40の全開き状態において、引抜作業を行なうと、挟持杆12Aとフィードチェン12Bの間に挟持されている刈取穀稈が外部に落下する虞がある。そのため、扱胴カバー40を半開き状態として、詰った刈取穀稈のみを前側に引抜くのが一般的である。
ステップS1において、制御装置85は、手扱ぎ規制部材38が非規制状態にあるか規制状態にあるか判断する。すなわち、モードスイッチ6Bまたは手扱ぎスイッチ38Cの入力が有り非規制状態であると判断した場合は、ステップ2に進む。一方、モードスイッチ6Bまたは手扱ぎスイッチ38Cの入力が無く規制状態であると判断した場合には、スタートに戻る。
ステップS2において、制御装置85は、扱胴カバー40が半開き状態にあるか閉鎖状態にあるか判断する。すなわち、回転センサ45Sの出力がONとなり開閉モータ45が解除状態にありピン42と短フック43の係合が解除されて扱胴カバー40が半開き状態であると判断した場合は、ステップ3に進む。一方、回転センサ45Sの出力がOFF状態となり開閉モータ45が初期状態にありピン42と短フック43が係合されて扱胴カバー40が閉鎖状態であると判断した場合には、スタートに戻る。
ステップS3において、制御装置85は、エンジンEに燃料を供給する供給弁(図示省略)の開度を狭くしてエンジンEの回転を低速回転にする。これにより、走行装置2の駆動を行なうことはできるが、脱穀装置3、刈取装置4の駆動を行なうことはできなくなる。つまり、コンバインを走行装置2によって走行させることは可能であるが、負荷が大きい脱穀装置3の駆動は停止して扱胴55やフィードチェン12Bの回動は停止し、同様に、負荷が大きい刈取装置4の駆動は停止して引起装置32や搬送装置34の回動は停止する。
続いて、ステップS4において、制御装置85は、エンジンEと伝動下流側の脱穀装置3の間に設けられた脱穀クラッチ90Aの接続を解除する。これにより、エンジンEの回転を低速回転にした後に慣性力で回動している脱穀装置3の扱胴55やフィードチェン12Bの回転を速やかに停止することができる。なお、脱穀クラッチ90Aの接続及び接続の解除は、操縦部6にもうけられた刈脱レバー13により遠隔操作することができる。
続いて、ステップ5において、制御装置85は、エンジンEと伝動下流側の刈取装置4の間にもうけられた刈取クラッチ65Fの接続を解除する。これにより、エンジンEの回転を低速回転にした後に慣性力で回動している刈取装置4の引起装置32や搬送装置34の回転を速やかに停止することができる。なお、刈取クラッチ65Fの接続及び接続の解除は、操縦部6にもうけられた刈脱レバー13により遠隔操作することができる。
本実施形態にあっては、時系列的にステップ3、ステップ4、ステップ5を順次行なうことによって補助作業者の作業環境の安全性を高めている。しかし、これに制限されず、時系列的にステップ3、ステップ5、ステップ4に行なうこともでき、また、ステップ3、ステップ4のみを行なうこともできる。さらに、ステップ3、ステップ4、ステップ5に併せて、補助作業者が引抜作業を行なっていることを操縦者に告知するために、操縦部6内のモニタに表示させたり、ランプを点滅させたり、警告音を鳴らしたりするのが好適である。
ステップ6において、制御装置85は、刈脱レバー13の状態が脱穀クラッチ90Aまたは刈取クラッチ65Fを接続位置にあるか、脱穀クラッチ90Aと刈取クラッチ65Fの接続を解除する接続解除位置にあるか判断する。すなわち、刈脱レバー13が前側に傾斜して位置センサ13Sの出力がONとなり脱穀クラッチ90Aまたは刈取クラッチ65Fを接続している接続状態であると判断した場合は、ステップ7に進む。一方、刈脱レバー13が後側に傾斜して位置センサ13Sの出力がOFFとなり脱穀クラッチ90Aと刈取クラッチ65Fの接続が解除されていると判断した場合には、スタートに戻る。
ステップ6において、制御装置85は、エンジンEに燃料を供給する供給弁(図示省略)の開度を閉鎖してエンジンEの回転を停止する。これにより、操縦部6の操作者が誤ってエンジンEの起動スイッチ6Eを入力してもエンジンEは再起動することなく、引抜作業を行なっている補助作業者が危険にさらされることを防止することができる。
本発明は、農業用作業車輌に適用できるものである。
1 機体フレーム
2 走行装置
3 脱穀装置
4 刈取装置
5 グレンタンク
6 操縦部
6D 停止スイッチ
10 フィードチェン用油圧式無段変速装置(油圧式無段変速装置)
10A 入力軸
12A 挟持杆
12B フィードチェン
13 刈脱レバー(切替操作具)
13S 位置センサ(第2検出手段)
17A 駆動スプロケット
26B 扱ぎ口
34 搬送装置
35B 支軸
38A 補助補助挾扼杆
38C 手扱ぎスイッチ(第3検出手段)
40 扱胴カバー
41 開閉レバー
43 短フック
44 長フック
45 開閉モータ(アクチュエータ)
45S 開閉センサ(第1検出手段)
50 扱室
50A 前壁
51 選別室
55 扱胴
68 ギヤボックス
68B 出力軸
68C カップリング
68D 駆動軸
71 カウンタ軸
71C プーリ(第1プーリ)
71D プーリ(第3プーリ)
71E プーリ(第2プーリ)
80 支持部材
85 制御装置
90A 脱穀クラッチ
103 付勢手段
A 第1経路
B 第2経路
E エンジン

Claims (7)

  1. エンジン(E)を搭載する機体フレーム(1)の下側に配置された走行装置(2)と、該機体フレーム(1)の前側に配置された刈取装置(4)と、該刈取装置(4)の後側に配置された脱穀装置(3)と、該脱穀装置(3)の一側に配置されたグレンタンク(5)と、該グレンタンク(5)の前方に操縦席(6)を備えたコンバインであって、
    前記脱穀装置(3)の上部に、脱穀装置(3)に装備された扱胴(55)の上側を覆う扱胴カバー(40)と、該扱胴カバー(40)の半開き状態を検出する第1検出手段(45S)を設け、
    前記エンジン(E)から前記脱穀装置(3)に至る伝動経路中に、前記エンジン(E)の回転の脱穀装置(3)への伝達を接続及び接続解除する脱穀クラッチ(90A)と、該脱穀クラッチ(90A)を作動させる切替操作具(13)と、該切替操作具(13)の操作状態を検出する第2検出手段(13S)を設け、
    前記刈取装置(4)の搬送装置(34)の終端部に、助挾扼杆(38A)の上側を覆うように設けられ、補助作業者が手扱ぎ作業を行うことができない規制状態と、手扱ぎ作業を行うことができる非規制状態に切替え可能な手扱ぎ規制部材(38)と、該手扱ぎ規制部材(38)の規制状態と非規制状態を検出する第3検出手段(38C)を設け、
    前記第3検出手段(38C)によって手扱ぎ作業を行うことができる非規制状態が検出され、かつ、前記第1検出手段(45S)によって扱胴カバー(40)の半開き状態が検出された場合には、前記エンジン(E)の回転を低下させると共に、前記脱穀クラッチ(90A)の接続を解除し、
    その後に、前記補助作業者とは異なる操縦席(6)の操縦者が前記第2検出手段(13S)によって切替操作具(13)の脱穀クラッチ(90A)を接続する側への操作が検出された場合には、前記エンジン(E)を停止させる制御装置(85)を備えたことを特徴とするコンバイン。
  2. 前記脱穀装置(3)の扱室(50)の一側に形成された扱ぎ口(26B)に沿って配置されたフィードチェン(12B)を設け、
    前記フィードチェン(12B)に対向して刈取穀桿を挟持する挟持杆(12A)を備えた扱胴カバー(40)と、該扱胴カバー(40)を開放側に付勢する付勢手段(103)と、前記扱胴カバー(40)を閉鎖状態にロックする第1フック(43)と、該第1フック(43)による扱胴カバー(40)のロック解除後に該扱胴カバー(40)を半開き状態で係止する第2フック(44)と、前記第1フック(43)によるロックを解除するアクチュエータ(45)を備え、
    前記アクチュエータ(45)を扱室(50)の前壁(50A)に設けた請求項1記載のコンバイン。
  3. 前記第2フック(44)による扱胴カバー(40)の係止を手動で解除する開閉レバー(41)と設けた請求項2記載のコンバイン。
  4. 前記脱穀装置(3)の扱室(50)の下方に選別室(51)を備え、
    前記エンジン(E)の出力回転を無段階に変速してフィードチェン(12B)を駆動する無段変速装置(10)を備え、
    前記エンジン(E)の回転を脱穀装置(3)及びフィードチェン(12B)に伝達する第1経路(A)と、エンジン(E)の回転を前記刈取装置(4)に伝達する第2経路(B)とを備え、
    前記第1経路(A)における選別室(51)よりも上流側の部位に配置したカウンタ軸(71)の回転を前記無段変速装置(10)に入力する構成とし、
    前記カウンタ軸(71)に、該カウンタ軸(71)の回転を前記扱室(50)の扱胴(55)側へ出力する第1プーリ(71C)と、カウンタ軸(71)の回転を前記選別室(51)側へ出力する第2プーリ(71E)と、カウンタ軸(71)の回転を前記無段変速装置(10)側へ出力する第3プーリ(71D)を備え、
    前記脱穀装置(3)の前壁(50A)にカウンタ軸(71)を支持する支持部材(80)を備え、該カウンタ軸(71)の軸心方向において、前記第1プーリ(71C)を支持部材(80)に対して一側に偏倚した部位に配置し、第2プーリ(71E)及び第3プーリ(71D)を、前記支持部材(80)に対して第1プーリ(71C)を配置した側とは反対側に偏倚した部位に配置した請求項1〜3のいずれか1項に記載のコンバイン。
  5. 前記カウンタ軸(71)を脱穀装置(3)の前壁(50A)の前方において左右方向に向けて配置し、該カウンタ軸(71)の前方に、フィードチェン(12B)を機体外側方へ回動自在に支持する縦方向の支軸(35B)を設け、
    側面視において、前記無段変速装置(10)をカウンタ軸(71)と支軸(35B)の間の部位に配置した請求項4記載のコンバイン。
  6. 前記フィードチェン(12B)駆動用の駆動スプロケット(17A)を備えた駆動軸(68D)を、機体前後方向において前記支軸(35B)とカウンタ軸(71)の間の部位であって、上下方向において前記無段変速装置(10)の入力軸(10A)とカウンタ軸(71)の間となる部位に配置した請求項5記載のコンバイン。
  7. 前記無段変速装置(10)から駆動力が入力されるギヤボックス(68)の出力軸(68B)の先端部に、前記駆動スプロケット(17A)または駆動スプロケット(17A)を支持する駆動軸(68D)と接続されるカップリング(68C)を設け、
    前記フィードチェン(12B)を機体外側方に向けて回動させた場合に、前記出力軸(68B)と駆動スプロケット(17A)との接続が解除されるか、または前記出力軸(68B)と駆動軸(68D)との接続が解除され、
    前記フィードチェン(12B)を機体内側方に向けて回動させた場合には、前記出力軸(68B)と駆動スプロケット(17A)とが接続されるか、または前記出力軸(68B)と駆動軸(68D)とが接続される構成とした請求項記載のコンバイン。
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