JPH0121589Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案は密閉形圧縮機のリード線取付構造に係
り、特に保護装置用リード線の断線及びリード線
間、リード線とハウジング壁面との接触事故を防
止した密閉形圧縮機のリード線取付構造に関す
る。

〔考案の技術的背景とその問題点〕

一般に、密閉形圧縮機は、その外殻を形成する
密閉ハウジング内に圧縮機駆動用電動機やその過
負荷保護装置を内蔵しており、このためにハウジ
ング内外を密閉状態で電気的に連通させるための
端子を備えている。

密閉形圧縮機は第１図に示す如く、ハウジング
１の一部に端子基板２が形成され、この端子基板
２には電動機の電源用端子３と保護装置用端子４
とが並設されている。電源用端子３、保護装置用
端子４には、第２図に示す如くそれぞれ電源用リ
ード線５、保護装置用リード線６が接続されてい
る。電源用リード線５と保護装置用リード線６と
は一束に結束されて電源用端子３、保護装置用端
子４の配列方向から導かれており、保護装置用端
子４から適宜離れたところでクリツプ７を嵌めて
分岐され、それぞれが端子３，４の端子ピン８…
に接続されている。尚、保護装置用リード線６
は、電源用リード線５よりその線径が細く形成さ
れている。また、９はクリツプ７より分岐された
電源用リード線５を構成する多数のリード線５₁，
５₂…を一束に結束するためのクリツプである。

ところで、上述した如き従来のリード線取付構
造においては、圧縮機の起動、停止時及び輸送
中、電源用リード線５及び保護装置用リード線６
の自重は保護装置用リード線６の端子側付根部に
加わる。ところが、保護装置用リード線６は、上
述した如くその線径が細く形成されているので引
張強度が小さい。したがつて、保護装置用リード
線６の端子側付根部に繰返し荷重が加わると、保
護装置用リード線６が断線してしまう虞れがあつ
た。

また、保護装置用リード線６の端子側付根部へ
の応力を緩和すべく保護装置用リード線６を、そ
の長さを長く形成して緩み乃至余裕をもたして保
護装置用端子４に接続するリード線取付構造が採
用されているが、この取付構造においては、圧縮
機の起動、停止時及び輸送中に生じる振動乃至揺
れにより、保護装置用リード線６がリード線相互
及びハウジング１壁面に接触して摩耗し、短縮や
断線等の接触事故を発生させる虞れがあつた。

また、リード線５，６の組付け空間間隙につい
てもバラツキが大きく、接触事故を発生する確率
が高かつた。

〔考案の目的〕

本考案は上述した如き従来の問題点に鑑み、こ
れを有効に解決すべく創案されたものであり、そ
の目的は、保護装置用リード線の断線及びリード
線間、リード線とハウジング壁面との接触事故を
防止することができる密閉形圧縮機のリード線取
付構造を供することである。

〔考案の実施例〕

以下に本考案の好適一実施例を添付図面に従つ
て説明する。

第３図において、１１は密閉形圧縮機のハウジ
ングに形成された端子基板であり、この端子基板
１１には、ハウジング内外を電気的に連通させる
電源用端子１２と保護装置用端子１３とが設けら
れている。電源用端子１２と保護装置用端子１３
とは、端子基板１１の水平線上に互いに所定の間
隔を隔てて配設されている。また、電源用端子１
２、保護装置用端子１３には、それぞれ電源用リ
ード線１４、保護装置用リード線１５が接続され
ている。電源用リード線１４と保護装置用リード
線１５とは、一束に結束されて電源用端子１２、
保護装置用端子１３の配列方向（水平方向）から
導かれ、リード線１４，１５より見て手前の端
子、即ち保護装置用端子１３から適宜離れたとこ
ろで絶縁クリツプ１６を嵌められてリード線１
４，１５の接続端子側が分岐され、それぞれが電
源用端子１２、保護装置用端子１３の端子ピン１
７…に接続されている。１８は絶縁クリツプ１６
より分岐された電源用リード線１４を構成する多
数の電源用リード線１４₁，１４₂…を一束に結束
してその接続端子側部分１９₁，１９₂…を電源用
端子１２に臨んで方向付けができるように電源用
リード線１４に嵌めたクリツプである。

特に、本考案の特長とするところは、電源用リ
ード線１４を構成する一本の電源用リード線１４
_１の端子側付根部１４ａに、保護装置用リード線
１５を結束具２０で結束して支持させたことであ
る。具体的には、電源用リード線１４を構成する
電源用リード線１４₁，１４₂…の内保護装置用端
子１３側に配線された電源用リード線１４₁の端
子側付根部１４ａ、即ち電源用端子１２の端子ピ
ン１７から適宜離れたところに結束糸、クリツプ
等の結束具２０が取付けられ、この結束具２０で
保護装置用リード線１５を電源用リード線１４₁
の端子側付根部１４ａに結束して保護装置用リー
ド線１５を支持している。

尚、２１は保護装置用リード線１５を構成する
二本の保護装置用リード線１５₁，１５₂を一束に
結束すべくこれらに嵌められたクリツプである。

また、電源用リード線１４は、その線径が保護
装置用リード線１５より太く形成され、比較的剛
性が大きい。

したがつて、保護装置用リード線１５を結束具
２０で電源用リード線１４₁の端子側付根部１４
ａに結束して支持させたので、圧縮機の起動、停
止時及び輸送中に生じる繰り返し荷重は電源用リ
ード線１４₁の端子側付根部１４ａにかかり、こ
れにより保護装置用リード線１５が動かされるこ
とはほとんどなく、その端子側付根部に応力が集
中することがない。したがつて、保護装置用リー
ド線１５が断線するのを防止することができる。

また、結束具２０により保護装置用リード線１
５を保護装置用端子１３に臨んで方向付けられ支
持することができるので、結束具２０より保護装
置用端子１３への保護装置用リード線１５の長さ
を適宜に形成しておけば保護装置用リード線１５
と圧縮機ハウジング（図示せず）との間隙を確実
に保持することができ、圧縮機の起動、停止時及
び輸送中に生じる振動乃至振れに起因する保護装
置用リード線１５とハウジングとの接触事故を未
然に防止することができる。

尚、本考案は第４図乃至第６図に示す如く、保
護装置用端子１３上に並設される端子ピン１７が
端子１３のどの同一水平線上あるいは同一垂直線
上に配設されていても実施例することができ、上
記実施例と同様の効果を奏する。

また、上記実施例においては保護装置用リード
線１５を構成する保護装置用リード線１５₁，１
５₂を二本共電源用リード線１４₁に結束して支持
させたが、第７図に示す如く保護装置用リード線
１５₁あるいは１５₂のどちらか一本のみを電源用
リード線１４₁に結束して支持させてもよく、上
記実施例と同様の効果を奏する。

〔考案の効果〕

以上要するに本考案によれば次の如き優れた効
果を発揮する。

(1) 保護装置用リード線を電源用リード線の端子
側付根部に結束具で結束して支持させたので、
保護装置用リード線の端子側付根部に応力が集
中しない。したがつて、保護装置用リード線の
断線を防止することができる。

(2) 結束具により保護装置用リード線取付位置が
決まるので空間間隙を確保することができ、リ
ード線間及びリード線とハウジングとの接触事
故を防止することができる。

(3) また、保護装置用リード線の取付け作業が容
易になると共にリード線の取付けが確実にな
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は密閉形圧縮機を示す正面図、第２図は
従来のリード線取付構造を示す正面図、第３図は
本考案の好適一実施例を示す正面図、第４図乃至
第６図は変形実施例を示す正面図、第７図は他の
実施例を示す正面図である。 図中、１２は電源用端子、１３は保護装置用端
子、１４，１４₁は電源用リード線、１４ａは電
源用リード線１４₁の端子側付根部、１５は保護
装置用リード線、２０は結束具である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 圧縮機ハウジングに電源用端子と、保護装置用
   端子とを並設し、これら電源用端子、保護装置用
   端子に電源用リード線、保護装置用リード線を接
   続した密閉形圧縮機において、上記電源用リード
   線の端子側付根部に、上記保護装置用リード線を
   結束具で結束して支持させたことを特徴とする密
   閉形圧縮機のリード線取付構造。