JPH0121536Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は複写機のドラム等の帯電、および除電
等を行うコロナ発生用高圧電源として利用される
高圧トランスに関するものである。

従来例の構成とその問題点 第１図、第２図に示すように、従来の高圧トラ
ンスはＥ型鉄心１の中脚１ａを銅線と絶縁紙とを
交互に巻回する層巻の二次コイル２に両側からコ
の字形絶縁板３をはさみこんだ状態で挿入してあ
る。

そしてシヤント鉄心４がＥ型鉄心１の両側空隙
部に挿入され、一次コイル５はシヤント鉄心４を
介して二次コイル２に隣接するようにＥ型鉄心１
の中脚１ａに挿入され、Ｉ型鉄心６はＥ型鉄心１
に突合わせられ溶接等の方法で固定し磁気閉回路
を構成している。

ところが上記の構成では、第３図に示すように
樹脂などの高圧電源ケース７に組み込んだ状態
で、制御用回路を構成する電子部品を実装済のプ
リント基板８とリード線とを介し接続する必要が
あつた。さらには高圧電源ケース７に収納後、絶
縁コンパウンド（図示しない）を注入する時、高
圧トランス１０の裏面にまで絶縁コンパウンドが
流れ込むよう高圧トランス１０の周辺と高圧電源
ケース７の内面との間に５mm〜７mmの空隙を設け
なければならず高圧電源ケース７全体が、必要以
上に大きなものとなるという問題があつた。

考案の目的 本考案は上記欠点に鑑み、高圧電源ケース内で
のリード線が不要で製造プロセスの簡略化が図
れ、高圧電源ケースの小型化および、絶縁コンパ
ウンドの注入が削除できる高圧トランスを提供す
るものである。

考案の構成 上記目的を達成するために、本考案は二次コイ
ルの中間タツプ用端子と、この二次コイルに被せ
るケース状の絶縁カバーの開口部周辺に設けたプ
リント基板挿入用突起とが同一方向になるように
設けた構成としたものである。

このように構成することにより、二次コイルに
おいて任意の巻回数位置での中間タツプの引出し
が可能であり、しかも直接プリント基板に接続す
ることができ、かつ絶縁カバーがケース状である
ため、本考案の高圧トランスは、組立てを完成し
た状態でワツクスくみ揚げ含浸が可能であり、絶
縁コンパウンドを省略することができる。

実施例の説明 以下本考案の一実施例における高圧トランスに
ついて図面とともに説明する。

第４図、第５図に示すように、本考案の一実施
例における高圧トランス１１は、Ｅ型鉄心１２の
中脚１２ａに、ポリカーボネイト等の高絶縁材料
からなるケース状の絶縁カバー１３を被せた中間
タツプを有する二次コイル１４を挿入し、シヤン
ト鉄心１５を介して端子を有する一次コイル１６
が挿入され、そしてＩ型鉄心１７がＥ型鉄心１２
の先端に溶接などにより固定され、磁気閉回路を
構成している。なおケース状の絶縁カバー１３の
開口部１３ａの周辺には、プリント基板挿入用突
起１３ｂが設けてあり、両側面にはＥ型鉄心１２
の中脚１２ａとはまり合う切欠き１３ｃが設けて
ある。二次コイル１４は、中間タツプ用などの端
子１８が取付けられた分割板１９によつて分割巻
され、端子１８はケース状の絶縁カバー１３のプ
リント基板挿入用突起１３ｂと同一方向に突出す
るように設けられている。第６図に示すように分
割板１９には、鉄心カバー２０の付近は浅く、中
間タツプ用の端子１８の付近は深いＶ字状の溝２
１，２２が設けてある。この結果、第７図に示す
ように、鉄心カバー２０に巻かれた導線２３は任
意の巻回位置にてＶ字状の溝２１，２２に沿つて
タツプ２３ａが引き出せる。またこのＶ字状の溝
２１，２２は、導線２３を端子１８に直線的に配
線するだけでなく、中間タツプ以降に巻回される
導線２３ｂとタツプ２３ａとの空間距離が確保で
きるためレアシヨートを防止することができる。

なお本実施例の高圧トランス１１の出力電圧
は、4kV〜10kVと高電圧である。しかし、第４
図に示すように、中間タツプ用の端子１８が上を
向いた状態でワツクス等の合浸を行えば、絶縁カ
バー１３がケース状となつていることにより、二
次コイル１４と絶縁カバー１３との空隙にもワツ
クスが溜る。その結果第８図に示すように高圧ト
ランス１１をプリント基板２４に固定したあと
も、絶縁コンパウンドを注入する必要がなく、高
圧トランス１１を覆う高圧電源ケース（図示しな
い）も大きくする必要がない。

また高圧トランス１１から直接端子１８が突出
し、かつケース状の絶縁カバー１３の開口部１３
ａの周辺に、プリント基板挿入用突起１３ｂが端
子１８と同一方向に設けてあることにより、第８
図に示すように高圧トランス１１はリード線を必
要とせずに、プリント基板２４に直接固定するこ
とができ、しかも従来の高圧トランスに比べて層
間絶縁など紙の部品削減が行えるとともに従来に
比べて高圧トランスの取付け作業が容易となる。

考案の効果 以上のように、本考案は中間タツプ用の端子を
有する二次コイルを、開口部周辺にプリント基板
挿入用突起を設けたケース状の絶縁カバーによつ
て覆うことにより、リード線を必要とせずに直接
プリント基板に取付けることができ、絶縁コンパ
ウンドを必要とせず高圧電源ケースの小型化が図
れ、二次コイルにおいては、任意の巻回数位置に
よつて中間タツプを可能にすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の高圧トランスの斜視図、第２図
は同トランスの分解斜視図、第３図は同トランス
を用いた従来の高圧電源の分解斜視図、第４図は
本考案の一実施例における高圧トランスの斜視
図、第５図は同高圧トランスの分解斜視図、第６
図は同高圧トランスの二次コイルの端子の近くを
示す斜視図、第７図は同トランスの二次コイルの
巻線状態を示す正面図、第８図は同高圧トランス
をプリント基板に実装する状態を示す斜視図であ
る。 １１……高圧トランス、１２……Ｅ型鉄心、１
３……絶縁カバー、１３ａ……開口部、１３ｂ…
…プリント基板挿入用突起、１４……二次コイ
ル、１５……シヤント鉄心、１６……一次コイ
ル、１７……Ｉ型鉄心、１８……中間タツプ用の
端子。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. Ｅ型とＩ型の磁心を突合せた閉磁路の磁脚に巻
   線を施した一次コイルおよび中間タツプ用などの
   端子が取付けられた分割板によつて分割巻された
   二次コイルとその二次コイルを覆うケース状の絶
   縁カバーを組込んで構成され、前記二次コイルの
   中間タツプ用などの端子と絶縁カバーの開口部周
   辺のプリント基板挿入用突起とが同一方向となる
   ように構成された高圧トランス。