JPH0121021B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は自動車（整備車輛）の床下を能率的に
洗浄することができる自動車床下洗浄機に関し、
特に比較的狭い面積しか有しない整備工場におい
てもリフト装置の近傍に配置し、作業ベイを有効
的に活用することができるように洗浄機をロボツ
ト化した自動車床下洗浄装置に関する。

従来、自動車の床下を洗浄する洗浄機はロボツ
ト化されておらず、たとえば自動車の出入口部の
床面に形成したピツト内に配備されていた。すな
わち、洗浄機は前記ピツト内を油圧等のリフトに
より上下動する収納ボツクスに常時収納され、リ
フト装置を設けた作業ベイで洗浄機を使用する場
合には、前記収納ボツクスを床面上に上昇させ、
作業員が収納ボツクスから洗浄機を引き出して、
リフト装置の中央部を通るように作業ベイに敷設
されたレール上に洗浄機を走行させながら自動車
の床下を洗浄していた。

したがつて、この種の洗浄機を整備工場に配備
する場合は、洗浄機収納用のピツトを床面に形成
しなければならないが、他の整備装置や作業台な
どとの関係で床面にピツトを形成するのが望まし
くない場合、あるいは整備工場の面積が比較的狭
くて洗浄機を配備するためにピツトやレールを設
けることができない場合などは、洗浄機の配置に
しばしば難点を生じていた。また、自動車を洗浄
する場合収納ボツクスを上昇させ該収納ボツクス
から洗浄機を引き出し、それから洗浄機をレール
上走行させなければならないので洗浄作業が非能
率的であつた。

本発明は洗浄機をロボツト化することにより前
述のような難点や欠点を除き、比較的狭い面積し
か有しない整備工場はもちろんのこと新たな整備
工場などにも簡単に配備でき、また洗浄作業を効
率的に行なうことができるなどの自動車床下洗浄
装置を得るにある、 以下、図面に示す施例により本発明を詳細に説
明する。

第１図乃至第６図の実施例において、１は図示
しないリフト装置の支柱２（第３図参照）の近傍
床面Ｆに固定されたベース板である。３はこのベ
ース板上に設けられた複数個のクツシヨとしての
弾性部材である。４はこれらの弾性部材３上に固
定的に載置され収納ボツクス５を回動自在に枢支
する断面型の支持枠である。前記収納ボツクス
５には後述する支持体１２および洗浄機９を回動
させるのに用いられる駆動モータ６と、この駆動
モータ６からの駆動力を減速させる減速機７と、
この減速機７と適宣な連結手段、たとえばタイミ
ングベルト８により連結し、作業ベイＡ（第３図
参照）を移動中の洗浄機９の角度を回動装置の回
動軸１０を基準にして複数回検知し、後述の伸縮
機構に伸縮の合図を送る角度検出装置１１とがそ
れぞれ備えられている。この角度検出装置は第６
図で示すように検出ボツクス１１ａの内壁に縦列
で突設された複数のスイツチ、本実施例ではSW
１乃至SW８とからなる８個の洗浄機９の角度を
所要位置で検出する角度検出スイツチと、これら
のスイツチの各接点に順次接触し伸縮機構の伸縮
を開始させる役割を果たす各スイツチSW１乃
SW８に対応するように設けられた複数個の板カ
ム１１ｃと、これらの板カム１１ｃを縦列に所要
間隔で固定する縦回動軸１１ｂと、この縦回動軸
１１ｂの検出ボツクス１１ａからの突出上端部に
固定されたタイミングベルト８用のプーリー１１
ｄとから構成され、第１図で示すようにタイミン
グベルト８は減速機７から突出する回動軸１０の
中間部に固設したプーリーに巻装されている。な
お、回動装置は駆動モータ６と、減速機７と、こ
の減速機７から突出する回動軸１０とで構成して
いる。１２は前記収納ボツクス５の上部に設けら
れ回動装置によつて収納ボツクス５に対して水平
に回動する板状の支持体である。この支持体１２
には角度検出装置１１からの指示によつて洗浄機
９を前後に移動させる伸縮機構１３が備えられて
いる。すなわち、伸縮機構は第１図および第２図
で示すように支持体１２上の後端部に固定された
変速モータ１４と、この変速モータ１４の突出軸
に設けた減速用スプロケツトおよび支持体１２上
の長手方向に複数個の軸受部材１５，１５ａによ
つて軸架された水平軸１６の後端部に設けられた
スプロケツト間に巻装された動力伝達手段として
のチエーン１７と、前記水平軸１６の前端部に形
成され洗浄機９の上部フレーム１８の側壁に床面
Ｆと平行に突出して固設された雄ねじ棒１９と螺
合する雌ねじ部２０とから構成されている。２
１，２１ａは支持体１２内の左右の部位で該支持
体の長手方向に平行に形成されたガイド孔２２を
出没自在に摺動する複数のガイド杆で、これらの
ガイド杆２１，２１ａの突出端には洗浄機９の上
部フレーム１８を慣通して固着具２３で該上部フ
レーム１８に固着された１対の支持バー２４，２
４ａがそれぞれ固設されている。２５は洗浄によ
る散水がかかるのを防止するために軸受部材１５
ａと上部フレーム１８の側壁間において雄ねじ棒
１９を包囲する蛇腹状の覆被体で、該覆被体２５
は筒状で洗浄機９の移動により伸縮する（第４図
参照）。２６は伸縮機構を包むカバーである。次
に洗浄機９は支持体１２の前方へ配置され、該洗
浄機９は前記１対の支持バー２１，２１ａおよび
雄ねじ棒１９を介して支持体１２と連結してい
る。そして、２７は洗浄機の下部フレーム２８内
に固定された駆動モータである。２９は同じく下
部フレーム２８内に設けられた給水用スイベルジ
ヨイントである。３０は前記駆動モータ２７の回
動軸に設けたプーリおよびスイベルジヨイントと
連結する配管２９ａに設けたプーリ間に巻装され
たタイミングベルトなどの動力伝達手段である。
３１は駆動モータ２７の駆動力により水平に回動
する回動アームで、この回動アーム３１は前記配
管２９ａの上端部に基部が固定された給水ホース
３２用の取付孔３３を有する第１のアーム３１ａ
と、この第１のアーム３１ａから出没し長さ調節
可能な給水ホース３２用の取付孔３４を有しかつ
先端に水と水切り用のエアーとを噴射する吐出ノ
ズル３５が設けられた第２のアーム３１ｂとから
構成されている。３６は洗浄機９の下部フレーム
２８の下方に支柱３７および連杆３８を介して方
向変換自在に設けられた複数個の車輪である。次
に３９は前記支持体１２あるいはカバー２６の後
部で右側壁に備えた給水ホース３２ａを案内する
滑車で、給水ホース３２ａは一端が洗浄機９の前
記スイベルジヨイント２９に連結され、他端は、
たとえば天井に吊り下げられた天吊バランサー４
０を介して図示しない巻リールへと導びかれてい
る。また給水ホース３２ａは中途支持体１２の側
部に設けた複数の案内具４１によつて支持されて
いる。なお、特に図示しないが洗浄機の駆動モー
タ２７用の電源コードも前記給水ホース３２ａと
同様な方法によつて電源へと導びくことができ
る。４２，４２ａは前記収納ボツクス５の前方側
壁に取付けられた収納ボツクス起倒用の複数個の
把手ハンドルである。４３は収納ボツクス５およ
び洗浄機９を回転して第５図で示すように起立さ
せた場合に先端部が支持体１２に形成した図示し
ない係合溝と係合し、収納ボツクス５と支持体を
固定する係合片である。

なお、特に図示しないが、前記支持枠４の内側
に収納ボツクス５を起倒させた際に該収納ボツク
スが倒れないように適当なストツパー部材を設け
てもよい。また、前記角度検出装置の中に自動車
（整備車輛）の大きさに応じて洗浄開始と終りの
位置を選定する選定スイツチを設けても良い。

上記の構成にあつては洗浄装置Ｘを第３図で示
すように作業ベイＡの横サイドでしかもリフト装
置の支柱２近傍の床面Ｆに載置する。この洗浄装
置Ｘは作業ベイＡで他の整備作業をしているとき
は作業の邪魔にならないよう第５図の如く起倒し
ている。今洗浄装置Ｘで洗浄作業を開始しようと
するときは、把手ハンドル４２，４２ａを両手で
持ち、矢印Ｂの方向へ収納ボツクス５を回転させ
ながら洗浄機９を床面下まで降下させ、係合片４
３の係合を解除する（第１図の状態となる）。し
かる後に駆動モータ６を駆動させ、減速機７を介
し回動軸１０を回動させる。したがつて、支持体
１２は第３図で示すように作業ベイＡへと回動す
る。支持体１２が回動して自動車Ｃの床下前方ま
たは後方の所望位置に達したならばその回動を一
時止め、次に伸縮機構の変速モータ１４を始動さ
せる。そうすると、変速モータ１４の駆動力によ
つて水平軸１６が回動し、洗浄機９は第４図で示
すように１対のガイド杆２１，２１ａによつて案
内されかつ雄ねじ棒１９を介して矢印Ｄの方向へ
押し出される。洗浄機９が第７図で示す自動車の
長手方向の略中心線Ｏ上に達したならば、より正
確には洗浄機９のスイベルジヨイント２９または
第１の回動アーム３１ａの基部が符号Ｅ点に位置
したならば図示しないスイツチにより伸縮機構の
作動が一時止まり、洗浄が開始される。洗浄は洗
浄機９の駆動モータ２７を起動させるとタイミン
グベルト３０を介して駆動力が伝達され回動アー
ム３１が回動する一方、吐出ノズル３５から温水
などが噴射されることによつて行なわれる。洗浄
機９が支持体１２より前方へ押し出された状態
で、たとえば第３図の状態で作業ベイＡを回動す
ると、その軌道は大きな円弧を描くことになるの
で、それを防止するため、すなわち、洗浄機９が
自動車の略中心軸線Ｏ上を通過するように支持体
１２が回動軸１０を基準にして角度Ｆ、角度Ｈ、
角度Ｉ、角度Ｊ…と回動したならば、それらの角
度Ｆ，Ｇ，Ｈ…に対応して角度検出装置の各スイ
ツチSW１乃至SW８が板カム１１ｃによつて順
次作動し、伸縮機構に洗浄機９を前後に移動させ
るように合図を送る。したがつて、洗浄機９は第
７図の太い実線Ｌで示したような軌道を通ること
になる。このように洗浄機９を自動車Ｃの長手方
向の略中心軸線Ｏ上を通過あるいは往復動させる
ことによつて略正確な洗浄ができる。洗浄が終つ
たならば今まで述べた逆の操作によりまず洗浄機
９を第１図の状態に戻し、それから把手ハンドル
４２，４２ａにより収納ボツクスを回動し、洗浄
機９を第５図のように起倒させる。

以上の説明から明らかなように本発明にあつて
は、方向変換自在の車輪を有する洗浄機と、この
洗浄機を案内し自動車の長手方向の略中心軸線に
沿つて移動させる伸縮機構を備えた支持体と、こ
の支持体を水平に回動させる回動装置および前記
移動中の洗浄機の角度を回転装置の回動軸を基準
にして所定箇所で複数回検知し前記伸縮機構に伸
縮の合図を送る角度検出装置とを備えた収納ボツ
クスと、この収納ボツクスおよび洗浄機の両者を
起倒させる支持枠とから成るので、普通の整備工
場はもちろんのこと比較的面積の少ない整備工場
や新たな整備工場に簡単に据え付けることがで
き、また洗浄装置Ｘをリフト装置の支柱の近傍に
設けた場合でも洗浄装置Ｘ全体を起倒させること
ができるので、洗浄以外の整備作業のときは邪魔
にならず、作業スペースを有効に活用できる。さ
らに、従来の洗浄機とは相違し、ロボツト化され
ているので洗浄作用が容易で、整備作業の能率化
を期待することができる。さらにまた、洗浄機が
自動車の略中心軸線上を通過するので吐出ノズル
から噴射された洗浄水が自動車の外へあまり散水
しないなどの好果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一部切欠した正面からの説明
図、第２図は本発明の一部切欠した平面からの概
略説明図、第３図は本発明の支持体が作業ベイへ
回動する状態の平面からの説明図、第４図は本発
明の洗浄機が伸縮機構によつて押し出され自動車
の床下に位置した状態の説明図、第５図は本発明
の洗浄装置が起倒した状態を示す説明図、第６図
は本発明の角度検出装置の説明図、第７図は本発
明の洗浄機が自動車の略中心軸線上を通過するこ
とを示す説明図である。 Ｘ……洗浄装置、４……支持枠、５……収納ボ
ツクス、６，２７……駆動モータ、Ａ……作業ベ
イ、２……リフト装置の支柱、７……減速機、８
……連結手段、９……洗浄機、１０……回動軸、
１１……角度検出装置、SW１乃至SW２……角
度検出スイツチ、１１ｃ……板カム、１２……支
持体、１３……伸縮機構、１４……変速モータ、
１５，１５ａ……軸受部材、１６……水平軸、１
８，２６，２８……フレーム、１９……雄ねじ
部、２０……雌ねじ部、２２……ガイド長孔、２
１……ガイド杆、２４……支持バー、２５……覆
被体、２９……スイベルジヨイント、２９ａ……
配管、３１……回動アーム、３２，３２ａ……給
水ホース、３５……吐出ノズル、３６……車輪、
３９……滑車、４２……把手ハンドル、４３……
係合片。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 洗浄機９と、この洗浄機９を案内し自動車の
   略中心軸線に沿つて移動させる伸縮機構１３を有
   する支持体１２と、この支持体１２を水平に回動
   させる回動装置６，７，１０および前記移動中の
   洗浄機９の角度を複数回検知し前記伸縮機構に伸
   縮の合図を送る角度検出装置１１とを備えた収納
   ボツクス５とから成る自動車床下洗浄装置。 ２ 収納ボツクス５は支持枠４に回動自在に枢支
   され、かつ収納ボツクス５、支持体１２および洗
   浄機９は収納ボツクス５の回動により起立できる
   ことを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の自
   動車床下洗浄装置。