JPH0120678B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は走行車体を定位置に正確に停止位置決
めする装置に関する。

コークス炉用装炭車、押出機、コークガイド
車、消火車等はコークス炉に沿つて敷設されたレ
ール上を走行し、装炭またはコークス排出作業を
行うべき所定のコークス炉室に対して停止せしめ
るとき該コークス炉室と正しく整合する位置に正
確に停止せしめることが必要である。

この停止作業を運転者のブレーキ操作のみで行
うには高度の熟練を要し、しかも高度の熟練をも
つてしても一度で定位置に停止せしめることは困
難であり、運転停止の微調整を繰返さなければな
らないために非常な手間と時間を必要としてい
る。

この問題を解決するために電気的停止位置検出
装置と、これに応動する車体駆動・停止装置とを
組合せ定位置停止動作を自動的に行う試みもなさ
れているが、この方法は停止精度を上げるために
は修正動作の繰返しを必要とするものであるから
高精度を要求する程時間がかかり、更にある限界
以上に精度を上げると振動現象が発生し使用不能
となるという欠点がある。

これに対し特公昭48−27882号公報において、
２本のレールの間の床面に車体の停止位置を規制
するブロツクを設け、このブロツクを車体の下部
に対向して取付けた１対のシリンダーで操作され
る締着部材で挾み着け車体を所定位置に自動停止
せしめる装置が提案された。この装置は停止動作
が簡単で時間のかからない利点があるが、走行中
締着部材をブロツクから待避せしめるための機構
が複雑であり、また両締着部材のストローク調整
に複雑な電気回路を必要とする等に問題が残され
ている。

本発明は構造簡単で停止位置決め動作を迅速確
実に行うことのできる車体の定位置停止装置を提
供することを目的とするものである。

上記目的を達成する本発明の構成、作用および
効果は以下の図面を参照する実施例の説明する明
かになるであろう。

第１図および第２図は本発明の一実施例の夫々
概略正面図および側面図である。１はコークス炉
用装炭車押出機、コークガイド車、消火車等の走
行車の車体を示し、車輪２をもつてレール３上を
走行する。２本のレール３の間の床面には車体１
の停止位置を規制するブロツク４から成る停止規
制体が立設固定される。このブロツク４はコーク
ス炉用走行車の場合一連のコークス炉炉室の各１
つに対し１個づつ設ける。

車体１の下から垂下する左右１対のブラケツト
５，５′の下端に軸受箱６，６′が固定され、断面
方形のフレーム７（第３図参照）の両端に固定さ
れた軸８，８′を軸受箱６，６′内のラジアル・ボ
ール軸受９，９′およびスラスト・ボール軸受１
０，１０′で支持する。右側の軸８′はブラケツト
５′を貫通しその先端にアーム１１のボス１２が
固定される。ブラケツト５′の右側において車体
１の下から垂下するブラケツト１３の下端に油圧
または空気圧作動シリンダー１４の後端部がピン
１５で枢着され、そのピストンロツド１６の先端
に取付けたヨーク１７にピン１８でアーム１１の
先端が枢着される。フレーム７の両側面からフレ
ーム７の長手方向に所定の間隔を置いて各１対の
スタツド１９，１９′が突出し、これ等スタツド
１９，１９′によりレバー２０，２０′が揺動可能
に支持される。左右のレバー２０，２０′は下半
部が左右に拡がり、フレーム７を挾んで対向する
レバー２０および２０′の各組は下端部に当板２
１，２１′が溶接され互に連結される。右側のレ
バー２０′の各々の上端は油圧または空気圧作動
シリンダー２２のシリンダー本体の両側から突出
するスタツド２３に枢着され、左側のレバー２０
の各々の上端はシリンダー２２のピストンロツド
２４の先端に取付けたフオークエンド２５にピン
２６で枢着される。フレーム７の下面中央には横
向きに延びる四角形断面のストツパー２７が固定
され、またフレーム７の両側面には各レバー２
０，２０′の開位置を規制する第２のストツパー
２８，２８′が取付けられている。

本発明の定位置停止装置は以上の構成をもつて
次の如く作動する。先づ走行中は第１図に示す如
くシリンダー２２のピストンロツド２４を引込め
左右のレバー２０，２０′が夫々ストツパー２８，
２８′に当接し最大限に拡開した状態においてシ
リンダー１４のピストンロツド１６を第２図に破
線で示す如く後退させフレーム７を90゜時間方向
に回転させてレバー２０，２０′を横向きにし当
板２１，２１′がブロツク４に当らないように待
避させておく。運転者は車体１が停止せしめるべ
き位置の近傍にきたときブレーキをかけ車体を停
止させる。次にシリンダー１４のピストンロツド
１６を前進させフレーム７を反時計方向に回転さ
せてレバー２０，２０′を第２図の実線に示す位
置にもたらす。このとき車体１は第１図に示す如
く少くとも所定のブロツク４が最大限に開いたレ
バー２０，２０′の当板２１，２１′の間にあるよ
うに停止させていなければならない。即ち第１図
の如く一方の当板２１がブロツク４に係合してい
るときのブロツク４が中心線とストツパー２７の
中心線間の距離αが最大停止誤差であり、停止誤
差が最大誤差αの範囲内にあるように車体１を停
止させなければならない。次にシリンダー２２を
操作してピストンロツド２４を伸長させレバー２
０，２０′を閉じ方向に動かすと、先づレバー２
０，２０′のうち一方のレバーに溶接固着されて
いる当板がブロツク４に当接する（第１図参照）。
次に更にシリンダー２２の操作によりピストンロ
ツド２４が伸長されると、レバー２０，２０′の
他方のレバーがストツパー２７に当接する。そし
て最初にブロツク４に当接した当板（第１図の場
合２１）がブロツクを押しその反力で車体１はブ
ロツク４の中心線とストツパー２７の中心線とが
一致する停止位置からの誤差を少くする方向に移
動し、最終的に、第４図に示す如く両当板２１，
２１′がブロツク４を挾着し、両レバー２０，２
０′がストツパー２７に当接したとき車体１が停
止し所定の位置に正確に位置決めされる。前述の
ようにストツパー２７は両レバー２０，２０′の
閉位置を規制しブロツク４に対する車体１の停止
位置を正確に一定ならしめるために必要である。
停止期間中の車体の固定は当板２１，２１′によ
るブロツク４の挾着を続けることによつて行つて
もよいし、レバー２０，２０′を開放し車体のブ
レーキをかけることによつて行つてもよい。本発
明の停止装置は運転者が車体を±αの最大誤差内
に停止させれば機械操作で微調整を行い正確な位
置決めがなされるので特別な熟練を要することな
く迅速に位置決めすることができる。

以上の実施例はフレーム７およびレバー２０，
２０′およびこれ等の操作シリンダー１４および
２２等から成る挾み機構を車体１に取付け、ブロ
ツク４を床面に取付けたが、本発明は挾み機構を
床面に取付けブロツク４を車体に取付けて実施で
きることも明かである。この場合挾み機構を車体
に取付けていないため車体重量を軽減できる利点
がある。しかし停止位置の数だけ挾み機構を設け
なければならないので停止位置の数が少ない場合
には好適である。また停止位置の数が多い場合で
もその間隔が車体の長さに比べて短かい場合車体
に複数個のブロツクを設けることにより挾み機構
の数を減らすことができるので同様に実施可能で
ある。

更に挾み機構を車体１に横向きに取付けブロツ
ク４を床面に設ける代りにレールの側方の構造物
から横向きに突出させる実施形態も可能である。
この場合各コークス炉の仕切部に設けるバツク・
ステーをブロツクの取付けに利用できる。

第５図は停止規制体をブロツクとする代りにブ
ラケツト３０に支持されたローラ３１とした実施
例を示す。第１〜４図のブロツク４の場合には当
板２１がブロツク４の角に当ると傷付き易いが、
第５図のローラはこのような傷を防ぎ当板の磨耗
を減少できる。

第６図は更にブラケツト３２に１対の２個のロ
ーラ３３を支持した実施例を示す。この実施例は
レバー２０と２０′の間隔が広い場合に使用する
とよい。

本発明は以上のような簡単な構造の装置を組み
込むことにより車体を所定の停止位置に迅速確実
に正確に位置決めできるものでコークス炉用走行
車のみならずクレーンその他同様の操作を必要と
する産業分野での利用価値は高い。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の車体の定位置停止装置の一実
施例の位置決め操作開始直前の概略正面図、第２
図は同側面図、第３図は第１図の一部の−線
に沿う断面図、第４図は第１図の装置の位置決め
操作完了後の状態を示す正面図、第５図は停止規
制体をローラとした実施例を示す概要図、第６図
は更に停止規制体を１対の２個のローラとした実
施例を示す概略図である。 １……車体、２……車輪、３……レール、４…
…停止規制体（ブロツク）、７……フレーム、１
４……駆動装置（流体圧作動シリンダー）、２０，
２０′……レバー、２１，２１′……当板、２２…
…流体圧作動シリンダー、２７……閉位置規制ス
トツパー、３１……ローラ、３３……ローラ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 車体または車体の移動経路に沿つた静止構造
   物に支持された挾み機構と、前記静止構造物また
   は車体の所定位置に固定された前記挾み機構によ
   つて挾着される停止規制体とを有する車体の定位
   置停止装置において、前記挾み機構は車体の走行
   方向に延びる軸線の周りに回転可能に支持された
   フレームと、前記フレームを所定角度範囲内で回
   動させる駆動装置と、前記フレームの回転軸線の
   方向に間隔を置き該回転軸線と直角をなす方向に
   延びる２つの軸線の周りに旋回し得るよう中心部
   を前記フレームに枢着させた１対のレバーと、前
   記レバーの各々の後端部に夫々ピストンロツドと
   シリンダー本体を枢着させ、該両レバーの先端部
   を開閉せしめる１個の流体圧作動シリンダーと、
   前記フレームに固定され前記各レバーの閉位置を
   規制するストツパーとから成ることを特徴とする
   車体の定位置停止装置。 ２ 前記挾み機構は車体の下面に支持され、前記
   停止規制体は車体下方の床面上に立設されること
   を特徴とする特許請求の範囲第１項記載の車体の
   定位置停止装置。 ３ 前記挾み機構は車体の下面に支持され、前記
   停止規制体は車体の移動経路の側方の静止構造物
   から車体に向つて横向きに突出することを特徴と
   する特許請求の範囲第１項記載の車体の定位置停
   止装置。 ４ 前記挾み機構は車体下方の床面上に支持さ
   れ、前記停止規制体は車体の下面に固定されるこ
   とを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の車体
   の定位置停止装置。 ５ 前記停止規制体はブロツクから成ることを特
   徴とする特許請求の範囲第１項から第４項のいづ
   れか１項に記載の車体の定位置停止装置。 ６ 前記停止規制体は１個のローラを有すること
   を特徴とする特許請求の範囲第１項から第４項の
   いずれか１項に記載の車体の定位置停止装置。 ７ 前記停止規制体は１対のローラを有すること
   を特徴とする特許請求の範囲第１項から第４項の
   いづれか１項に記載の車体の定位置停止装置。