JPH01202435A - 電子レンジ用包装材料 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明はバリヤー性を有する透明な電子レンジ用包装材
料に関する。

［従来の技術］ 従来より、調理食品、半調理食品などの食品類を保存す
るばあい、これらの品質の劣化を防ぐために、水蒸気、
酸素などに対するバリヤー性を有するフィルムによって
包装が行なわれている。かかる包装材料としては、バリ
ヤー性を有するポリ塩化ビニリデン系樹脂からなるフィ
ルムまたは前記ポリ塩化ビニリデン系樹脂をコーティン
グしたフィルムなどをヒートシール性を有する無延伸ポ
リプロピレンフィルムなどとラミネートしたものや、金
属蒸着フィルムまたはアルミニウム箔を無延伸ポリプロ
ピレンフィルムなどとラミネートしたものなどがある。

また電子レンジの普及に伴ない調理済の包装食品を電子
レンジで加熱して、そのまま食膳に供することなども行
なわれるようになった。

［発明が解決しようとする課題］ 前記ポリ塩化ビニリデンフィルムを用いた包装材料は透
明で内容物を透視しうるが、充分なバリヤー性を有さず
、長期保存用には適用できない。またバリヤー性を向上
させるためにポリ塩化ビニリデンフィルムの厚さを厚く
する必要があり、電子レンジで加熱するばあい、フィル
ムでのマイクロ波の損失が増加し加熱時間が長くかかっ
たり、厚いフィルムを使用するためフィルムコストが高
くなるなどの問題がある。またこの包装フィルムは高温
下（たとえば１１０℃以上）にさらされるとポリ塩化ビ
ニリデン系樹脂の耐熱性が劣るためバリヤー性が著しく
低下し、そのためレトルト食品包装に使用しえないとい
う問題がある。また高温下で白化し不透明になるため、
消費者が店頭で内容物を確認して購入することができな
い。

一方アルミニウム箔または金属蒸着フィルムを用いた包
装フィルムはすぐれたバリヤー性を有し、レトルト食品
包装に使用されているが、透視性を有さず、かつ導電性
を有するため電子レンジによる加熱を行なうことができ
ない。

本発明は前記の点に鑑み、すぐれたバリヤー性を有しレ
トルト食品用包装材料としても使用でき、かつ電子レン
ジ加熱に適した透明な電子レンジ用包装材料を提供する
ことを目的とする。

［課題を解決するための手段］ 本発明の電子レンジ用包装材料はプラスチック基材と、
該プラスチック基材の片面に設けられた、ケイ素原子と
酸素原子の比がｌ：０．３〜２であるケイ素酸化物の透
明薄膜層とからなることを特徴としている。

〔作　用〕

本発明の包装材料はケイ素酸化物の透明薄膜層をベース
フィルム上に設けたものであり、このものは透明かつ優
れたバリヤー性を有する。

そのため包装材料の厚みをむやみに厚くすることなく高
度なバリヤー性を確保できる。したがって電子レンジに
よる加熱の際にマイクロ波の損失が低くおさえられて加
熱時間を短くすることができる。さらにレトルト加工の
際の高温にさらされても前記バリヤー性が低下すること
がなく、内容物を長期間品質の低下なく保存することが
可能となる。

［実施例］ 本発明に用いる透明プラスチック基材としては電子レン
ジ内で発熱する温度に耐える耐熱性のあるものであれば
よく、たとえばナイロン、ポリエステル、エチレン−ビ
ニルアルコール共重合体、ポリカーボネート、ポリアク
リロニトリル、ポリプロピレンなどのフィルムまたはシ
ート状物が用いられる。電子レンジ内の発熱に対する耐
熱性の点から、とくにポリエステル、ナイロンが好まし
い。厚さは包装材料の使用目的によって異なり、６〜１
００ρの広い範囲から適宜選択される。

透明薄膜層におけるケイ素酸化物は、ケイ素原子と酸素
原子の比が１：０．３〜２、より好ましくは１：０．３
〜１．８、なかんず＜　１　：　０．７〜１．３である
のが好ましい。酸素原子の割合が前記範囲より多いと、
バリヤー性が低下し、とくに１：２６より多いと所望の
バリヤー性かえられない。一方酸素原子の割合が前記範
囲より少ないとバリヤー性は良いが透明性がわるくなる
。

とくにケイ素原子と酸素原子の比が約１：１のものが好
ましい。

透明薄膜層の厚さは４００〜３０００人の範囲が好まし
い。厚さが４００人未満では充分なバリヤー性かえられ
ず、３０００人を超えるとコスト高となる。またクラッ
クが発生しやすく、厚さが厚くなるにしたがって着色の
度合も高くなる。

かかるケイ素酸化物の透明薄膜層の形成には真空蒸着法
、スパッタリング法、イオンブレーティング法などの物
理蒸着（ＰＶＤ）法、あるいは化学蒸着（ＣＶＤ）法な
どが適宜用いられる。真空蒸着法においては、蒸発源材
料としてＳｉＯやＳｔと５ｉ０２の混合物が用いられ、
透明薄膜層におけるケイ素原子と酸素原子の比を前記範
囲内で任意にかえるには蒸発源材料としてＳｌと８１０
２を用い、これらの割合をかえて二元蒸着する方法など
により行なうことができる。

本発明の前記包装材料は用途に応じてそのまま用いても
よいし、さらに透明薄膜層上にヒートシール層または保
護層などを設けてもよい。

ヒートシール層としてはとくに制限はなく、通常無延伸
ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル
系共重合体、エチレン−アクリル酸系共重合体、あるい
はエチレン−酢酸ビニル系共重合体、エチレン−アクリ
ル酸系共重合体などのエチレン系アイオノマーなどがあ
げられる。ヒートシール層は通常ドライラミネート法あ
るいは押出し法によって設られる。厚さとしては２０〜
１００　Ｉの範囲であればよく、好ましくは４０〜ｇｏ
、ｎである。

また保護層は、ポリエステル、エチレン−ビニルアルコ
ール共重合体などのフィルムをラミネートするか、ある
いは耐熱性のあるエポキシ、メラミン、ウレタン、ポリ
エステルなどの樹脂をコーティングするなどして設けら
れる。

本発明の電子レンジ包装材料は透明であると共に高度な
バリヤー性を有する。すなわち、酸素透過率が２．０ｃ
ｃ／ｒｒ？・２４ｈｒｓ以下でかつ水分透過率が３．０
ｇ／ｒｒ？・２４ｈｒｓ以下である。したがって、本発
明の包装材料で包装した食品は長期保存できる。

さらに本発明の電子レンジ用包装材料は、高温加熱処理
によっても前記バリヤー性が低下しないという特徴があ
る。すなわち、１００〜１４０℃、なかんず＜１０５〜
１４０℃で１０〜６０分間のレトルト処理に耐えうる。

したがって、本発明の包装材料で包装した食品をレトル
ト処理したのち、長期保存後そのまま電子レンジで加熱
して食膳に供することが可能になった。

本発明の電子レンジ用包装材料は、ハンバーグ、シュー
マイ、ギョーザなどの固形物の包装袋、あるいはカレー
、スープ、コーヒー、紅茶などの液状物の包装袋として
用いることができ、これらを包装したまま電子レンジに
よる加熱が可能である。また酒パツクなどの内袋に使用
し、電子レンジ加熱することによって、いわゆるがんを
行なうこともできる。用いられる包装の形態としては、
袋、フタ材、カップ、チューブ、スタンディングバッグ
、トレイまたは酒、しょう浦、みりん、油、牛乳、ジュ
ースなどの紙パツクの内貼りなどがある。ヒートシール
層は袋、チューブ、スタンディングバックなどの用途の
ばあいには必要であるがカップ、フタ材、トレイなどの
用途のばあいには必ずしも必要ではない。

なお装飾として印刷をほどこしたり、装飾用印刷フィル
ムまたはナイロンフィルムなどの補強材と貼り合せて複
合化をしてもよい。

つぎに本発明の電子レンジ用包装材料を実施例をあげて
説明する。

実施例１ 厚さ１２遍のポリエステルフィルムの片面にＳｉＯを蒸
発源として厚さ８００Ａの８１０層を真空蒸着法により
形成し、さらにこの蒸着面上に４０遍の無延伸ポリプロ
ピレンフィルムを、ポリエステル系接着剤を３Ｊ！ｍの
厚さに塗布し、８０℃で２０秒間乾燥後、２ｋｇ／ｃ＃
の加圧下で１００℃×１秒間の条件のもとでドライラミ
ネートして袋用フィルムを作製した。

実施例２ 実施例１において透明薄膜層としてＳｊと８１０２の混
合物を蒸発源として厚さ８００人のＳｔ、、８層を形成
したほかは、実施例１と同様にして袋用フィルムを作製
した。

比較例１ 厚さ１２加のポリエステルフィルムに厚さ４０加の無延
伸ポリプロピレンフィルムを実施例１と同様にしてドラ
イラミネートして袋用フィルムを作製した。

比較例２ 厚さ１２虜のポリエステルフィルムに厚さ５遍のポリ塩
化ビニリデン層を形成したのち、厚さ４０如の無延伸ポ
リプロピレンフィルムを実施例１と同様にしてドライラ
ミネートして袋用フィルムを作製した。

比較例３ 厚さ１２１層ｍのポリエステルフィルムに厚さ１２虜の
アルミニウム箔をドライラミネートし、さらに厚さ４０
ｐの無延伸ポリプロピレン、フィルムを実施例１と同様
にしてドライラミネートして袋用フィルムを作製した。

第１表に、えられた各袋用フィルムについて透視性およ
びトータル厚さと共にバリヤー性、レトルト適性および
電子レンジ適性を調べた結果を示す。

バリヤー性のテストは、酸素ガス透過率はＭＯＣＯＮ法
、水蒸気透過率はＪ　Ｉｓ−Ｚ−Ｑ２０ｇ＋、：したが
って酸素、水蒸気の透過度を測定することによって行な
った。したがって値が小さいほどバリヤー性がよい。

レトルト適性は１３０°ＣＸ　２０分のレトルト処理前
後での酸素、水蒸気の透過度の比（すなわち、レトルト
後の酸素（または水蒸気）の透過度／レトルト前の酸素
（または水蒸気）の透過度）により判断した。その評価
基準はつぎのとおりである。

Ｏ・・・・・・前記比が酸素、水蒸気に対して共に約１
゜ △・・・・・・前記比が酸素、水蒸気に対してどちらか
が約１〜３であるが、他方が約 ３より大きい。

×・・・・・・前記比が酸素、水蒸気に対して共に約３
より大きい。

透明性は前記レトルト処理の前後で調べた。

電子レンジ適性はつぎのようにして調べた。

実施例１．２および比較例１〜３の袋用フィルムを袋に
し、容袋にスパゲティー用ミートソース２００ｇを詰め
家庭用電子レンジで加熱を行なった。電子レンジ加熱の
所要時間は比較例２が９５秒程度かかったのに対して、
実施例１．２および比較例１は７５秒程度であった。な
お比較例３は導電性のアルミニウム箔がスパークをおこ
し電子レンジ加熱ができなかった。

電子レンジ適性は、これらの結果の総合評価であり、つ
ぎの基準によった。

○・・・・・・電子レンジによる加熱が可能であり、か
つ時間が短い。

Δ・・・・・・電子レンジによる加熱が可能であるが、
時間が長くかかる。

×・・・・・・電子レンジによる加熱が不可能。

さらに長期保存性をテストするために実施例１．２およ
び比較例１〜３の袋にスパゲティー用ミートソースを詰
め完全密封しレトルト処理したのち１年間常温で保存後
、開封し変質の有無を調べた。

その結果を第２表に示す。

［以下余白］ 第１表および第２表より本発明の電子レンジ用包装材料
が総合的にみて非常にすぐれていることがわかる。

［発明の効果］ 本発明の電子レンジ用包装材料は透明でバリヤー性がす
ぐれ、かつ電子レンジ加熱に適している。さらにレトル
ト加工に耐えうるので電子レンジ加熱が可能なレトルト
食品包装材料として使用できる。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １　プラスチック基材と、該プラスチック基材の片面に
   設けられた、ケイ素原子と酸素原子の比が１：０．３〜
   ２であるケイ素酸化物の透明薄膜層とからなるバリヤー
   性を有する透明な電子レンジ用包装材料。 ２　透明薄膜層上にさらにヒートシール層が設けられて
   いる請求項１記載の電子レンジ用包装材料。