JPH0120078Y2 - - Google Patents

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JPH0120078Y2
JPH0120078Y2 JP1984059859U JP5985984U JPH0120078Y2 JP H0120078 Y2 JPH0120078 Y2 JP H0120078Y2 JP 1984059859 U JP1984059859 U JP 1984059859U JP 5985984 U JP5985984 U JP 5985984U JP H0120078 Y2 JPH0120078 Y2 JP H0120078Y2
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flocked
rolls
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Description

【考案の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この考案は産業廃水、し尿、下水処理により生
ずる汚泥の濃縮、脱水処理を連続的に行ない、特
に低固形分のスラリーを効率よく処理して高固形
分の脱水ケーキとするのに適した装置に関するも
のである。
[従来の技術] 従来、汚泥を脱水する装置の一つとして、吸水
性ベルトを用い、その上に供給された汚泥をロー
ル面と吸水性ベルトで挟圧して面圧力を加えたの
ち、上下一対の加圧ロール間で線圧脱水する装置
(特開昭55−24522公報)が知られているが、汚泥
が充分濃縮されない内に加圧力を加えるために、
汚泥のリークや脱水不良をきたし、次の上下一対
の加圧ロール間での線圧搾時、汚泥が圧延拡大さ
れその結果脱水ケーキ厚みが薄くなり、過大なロ
ール面長と布巾を必要とし装置が大型のものと
なつていた。汚泥の種類によつては吸水性ベルト
の空〓孔を閉塞させることとなり、その結果汚泥
のはみ出し現象が生じたり、あるいは空〓孔を汚
泥がすり抜ける現象等により処理能力の低下や固
形分回収率の低下がもたらされていた。
さらにまた、本考案者らは実公昭53−28298号
公報において、汚泥の凝集分離槽と第一段及び第
二段スクリーンロールからなる汚泥濃縮部とガイ
ドロール間を無端状に走行する植毛布ベルト
と、その上部走行面において、布ベルトに圧接
するシリンダーと、布ベルトをシリンダーに押
圧する加圧ロールからなる脱水部を組み合わせた
ものが、汚泥からスラツジの濃縮とそのスラツジ
の脱水処理を効率よくしかも連続一貫して行なう
ことのできる有用性を見い出し提案したが、近年
の低含水率脱水の要望に応じるために、布ベル
トをシリンダーに押圧する加圧ロールの加圧力を
増すことを試みたが、汚泥の種類によつては、
布ベルト外へ汚泥がリークしてしまつたり加圧ロ
ール手前(進行逆方向)に汚泥が徐々に滞りその
ふくらみによつて遂には布ベルトに皺が生じ脱
水不良を引き起こすことがあり、ここでの加圧力
は5Kg/cm程度が限界で要望に応じることは困難
であつた。
[考案が解決しようとする問題点] 通常、汚泥の最終処理としてフラツシユドライ
ヤ、ロータリーキルン、流動焼却炉などを使用し
てこのような脱水ケーキをさらに乾燥焼却するの
であるが、脱水ケーキの水分が高いと効率が悪
く、これらの処理に要する燃料費も高くつくの
で、脱水装置としてはできるだけ高度に脱水でき
るものが要求される。しかしながら、従来の脱水
装置では装置の大型化、脱水不良、汚泥のリーク
等の問題があり、安定した運転が行なえ、しかも
低含水率の汚泥ケーキを得ることは困難であつ
た。本考案は、このような要求を満足させるため
になされたものであつて、一枚の無端状植毛布
の走行途中に濃縮部、中圧脱水部、高圧脱水部の
各工程を設けた構造であり、一枚の無端状植毛
布の上部走行面側の一部で汚泥フロツクの多量の
遊離水を除去濃縮し、滞留槽の終端部近傍に設け
た展圧ロールで汚泥を軽く押圧しながら、汚泥の
濃縮を高めつつ、厚みムラを均しフロツクの形を
崩さない様に汚泥の厚みを均一にしたのち、複数
の加圧ロールで徐々にシリンダーへの押圧力を高
めつつ汚泥を中圧脱水し、該中圧脱水部で得られ
た汚泥ケーキを掻きとり、細かく分割した不連続
な汚泥ケーキを再度植毛布の上に乗せて走行さ
せ、最後に少なくとも一対の大径ロール間の高ニ
ツプ圧力で汚泥を高圧脱水し布巾当りの高処理
能力と高固形分回収率の実現を可能とするととも
に一方の大径ロールを他方の大径ロールよりも増
速させてケーキだまりをなくし、サイドリークや
脱水不能を解消して脱水良好な安定した脱水装置
を得、かつ脱水ケーキが布から剥離し易く該
布の洗浄効果を高めるようにした汚泥の脱水装置
を一般に提供することを目的とする。
[問題点を解決するための手段] 以下この考案の一実施例を図面により説明す
る。1は凝集反応槽で該槽内に濃縮工程に入る前
の汚泥Sと凝集剤Gをポンプ(図示せず)で連続
的に送り、さらに槽内の撹拌機2で撹拌して凝集
フロツクをつくり濃縮部Aに送る。濃縮部Aは無
端状植毛布4の走行部分、および布上部走行
部の一部に近接する底なしの滞留槽3および該滞
留槽の終端部近傍に汚泥フロツクを上から軽く押
圧する位置に設けた展圧ロール5から構成され
る。すなわち、滞留槽3は汚泥の進行方向を長手
方向とする細長い平面矩形の底なし枠体3aで構
成されており、さらに汚泥フロツク漏洩防止のた
めゴム板等でシールされている。滞留槽3の直下
に近接させた無端状植毛布4はガイドロール1
9、汚泥供給ロール6に掛け渡されている。
本案の濃縮部Aを構成する滞留槽3は水平でも
よいが、無端状走行布4を一定の仰角をもつて
傾斜させ重力による傾斜過方式を採用すると
布の速度が高速であつても、多量の遊離水を除去
濃縮して汚泥の厚みを厚くすることができ、濃縮
工程の距離が短くて済み好ましい。無端状植毛
布4はステンレス、燐青銅等の金網あるいは合成
繊維の比較的太い糸で粗目に製織された織布23
の表面に短繊維24を傾斜して植毛したものが用
いられる。本装置においては、一枚の布の走行
により汚泥の濃縮、中圧脱水、高圧脱水の各処理
工程を行なうので、通水性に富み、しかも織目の
目詰りが起きにくく、流動性がある汚泥でもリー
クさせることなく過脱水できる布であること
が必要で、特に短繊維を傾斜して植毛した布は
通水性に富み、目詰りがなく、また再生が容易で
あり、加圧力が増すにつれて植毛パイルが基布面
に倒れる(圧縮される)結果、布の汚泥面は非
常に細いパイルで覆われることとなり、その汚泥
はパイル内に入らずに液のみがパイル間の細い
毛管を通つて布外に排出されることになるし、
加圧力を受けて非加圧ゾーンへ逃げようとする汚
泥の移動も傾斜した植毛パイルにより遮られた
り、大きな摩擦力により妨げられ、汚泥のリーク
を発生させないので布として最適である。滞留
槽3の終端部近傍に設けた汚泥フロツクを上から
軽く押圧せしめる展圧ロール5は滞留槽3の汚泥
の進行方向終端部近傍に左右の底なし枠体3aに
より回転自在に支持され、ロール面長はほぼ左右
の枠体3a間の長さを有し布上の汚泥フロツク
を均一に軽く押圧するようなゲージで設けてあ
る。ロール形状はプレーンロールやバーロールで
よく、その押圧機構は汚泥を軽く押圧する程度の
自重によつてもスプリング等による加圧手段を設
けて行なつてもよい。
複数のロール群により無端状に張架された植毛
布の進行によつて、濃縮部Aで濃縮された汚泥
フロツクは中圧脱水部Bに進む。中圧脱水部Bは
大径で平滑な外周面を有するシリンダーロール1
2と該シリンダーロール12の外周面に圧着して
いる植毛布4と、植毛布4の外側からシリン
ダーロール12に向かつて徐々に加圧力を増すよ
うに押圧している間隔をおいて配置された複数の
加圧ロール6〜11よりなり、加圧ロール6〜1
1による線圧力によつて中圧脱水されケーキ状汚
泥となり次の高圧脱水部Cに送られる。複数の加
圧ロール6〜11はプレーンロールや断面角型ま
たは丸型バーをロールの巾方向に沿つて等間隔に
同一円周面上に配設してなる中空円筒構造のバー
ロール等により構成され、布の進行に伴い押圧
力を増すように、即ち加圧ロールとシリンダーロ
ールとの間隔を段階的に狭めたり、徐々に加圧力
が高まるようにスプリング等の加圧手段を設けた
りして濃縮汚泥を徐々に加圧するように構成され
ている。また、流動性に富み、不可逆的な変形を
起し易い難過性の汚泥は加圧力を受けると非加
圧ゾーンへ逃げようと移動し易く、布の巾方向
からリークしたり、加圧ロールの手前に滞り布
をふくらませてしまうことが特に生じるので、中
圧脱水部の加圧ロールの内、汚泥供給側から複数
のロールを(例えばロール6〜8を)バーロール
にすることが効果的である。例えば加圧ロール6
〜8をバーロールにすると、バーとバーとの間〓
部に汚泥が布とともにはまり込む状態となり
布の裏面が開放されるので液がバーとバーとの
間〓を通つて外部に抜け、液の移動による濃縮
汚泥の広がりを最小限度に押えることができ、加
圧力に対する濃縮汚泥の滞りもバーとバーの間の
間〓により弱められることとなり安定した脱水が
行なえる。また、汚泥の種類によつてはストレツ
チロール18によつて布に高張力を与え、布
張力によりシリンダーロール12の外周面上を押
圧する面圧力を濃縮汚泥に加え、さらに脱水効率
を向上させることもできる。中圧脱水部Bではシ
リンダーロール12に脱水されケーキ状となつた
汚泥ケーキが付着し易いのでこれを取り除くた
め、シリンダーロール12に接するスクレーパー
20aが設けられている。このスクレーパー20
aで掻き落とされ、細かく分割された不連続な汚
泥ケーキは再度無端状植毛布4の上に乗せて走
行させ、少なくとも一対の大径ロール13,14
よりなる高圧脱水部Cに送られる。このように高
圧脱水部に汚泥ケーキを不連続に供給せしめるこ
ととしたのは、高圧脱水部Cの大径ロール13,
14間を通過する時にケーキの広がりがあつても
その後のケーキのない無端状植毛布4面にはケ
ーキの広がりに対する抵抗が大きい上に、この
布部分には汚泥がないので過抵抗が著しく低下
しており、ケーキの広がりは押えられ易くなるた
めである。もし仮に無端状植毛布4上に汚泥ケ
ーキが連続して大径ロールに入つた場合は、少し
ずつのケーキの広がりが時間とともに積もり、ケ
ーキだまりとなり、ついには粒体がチキソトロピ
ーな性格を示すようになりサイドリークや脱水不
能におちいることもある。従つて、高圧脱水部C
の大径ロール13の前にケーキだまりをつくるこ
とが解消される。無端状植毛布4の走行によ
り、該大径ロールによつて形成されるニツプ区間
でケーキ状汚泥は線圧力5〜100Kg/cmの大きな
加圧力で高圧脱水され、低含水率の汚泥ケーキと
なりスクレーパー20b,20Cによつと掻き落
とされ機外へ排出される。大径ロール13はプレ
スロールであり、油圧機構、空圧機構、スプリン
グ機構等(図示せず)で大径ロール14に向けて
押し下げられ、ロール間にニツプ区間を形成する
構造となつている。大径ロール14は駆動ロール
であり、大径ロール14を周回している無端状植
毛布4を摩擦力により走行させている。両大径
ロールのニツプ区間により高圧脱水され排出する
液は、大径ロール14の外周面に沿つて流下す
るので、脱水された汚泥ケーキの再湿を防ぐため
ケーキ排出側ロール周面には液が流れないよう
に構成する。即ち、ニツプ点が大径ロール14の
面上頂点より汚泥供給側に10mm前後ずれて形成さ
れるように、大径ロール13を布進行手前側に
オフセツトしている。また、大径ロール13の回
転速度をギヤ変速等により大径ロール14の回転
速度より速くすると、ニツプ区間への汚泥ケーキ
の食い込みが増し、ニツプ区間手前に汚泥ケーキ
が徐々に滞ることがなく、安定した脱水機の運転
が行なえて好ましい。両大径ロール13,14の
材質及び直径は汚泥性状により適宜選択されると
よい。即ち、汚泥性状により、加圧力よりも加圧
時間の方が脱水に効果的である汚泥の場合には、
ロールの表面が柔らかく直径が大きいものほど長
い時間面圧力が汚泥に加わることとなり脱水効率
が向上するので、ゴムないし合成樹脂等の表面を
有するロールを用いると効果的である。反対に加
圧時間よりも加圧力の大きさの方が脱水に効果的
である場合には、ロールの表面が硬く直径が小さ
いものほど加わる線圧力が増し脱水効率が向上す
るので、金属性のロール等が適している。しか
し、ロール直径が小さすぎると、汚泥のリークが
生じたり、ロールが撓み易く偏圧を生じたりして
好ましくなく、機械的制約もあり一般的なロール
直径としては200〜1000mmの範囲のものが適して
いる。更に、大径なロール13,14の表面形状
としては一般に平滑なものが用いられるが、脱水
された液を速やかに排出できるように、また
布のスリツプを防止するため、ロール表面に軸方
向、あるいは回転方向に溝を設けたり、布が周
回しているロール側(ロール14)を多孔ロール
などにすることが効果的である。
図中16は布の蛇行を修正するロール、21
は液受け、22は布を表裏両面から洗浄する
シヤワーをそれぞれ示す。
「作用」 この考案は上記構成としたのでその実用にあた
つては、まず凝集反応槽1に汚泥Sと凝集剤Gを
送り、該槽内の撹拌機2で撹拌して凝集フロツク
をつくる。このとき凝集フロツクの固形分は1〜
10%である。次いで凝集反応槽1で得られた凝集
フロツクは濃縮部Aの滞留槽3に導かれ、ここで
連続的に凝集フロツク間、あるいは凝集フロツク
内部の遊離水を植毛布の植毛パイル間および粗
目基布の空〓部を通して過し液受け21を通
して外部に排出させる。植毛布4の走行により
滞留槽3の終端部に到達した厚みのある凝集フロ
ツクは固形分が3〜20%になつているが、滞留槽
終端部近傍に設けた汚泥フロツクを上から軽く押
圧せしめる展圧ロール5により軽く押さえつけら
れ、さらに脱水されて濃縮されかつ厚みが均一に
なるように均される。
次に中圧脱水部Bにおいて、汚泥供給ロール6
を通過した布4上の濃縮汚泥は、大径で平滑な
外周面を有するシリンダーロール12と該シリン
ダーロール12の外周面に圧着している植毛布
4との間に挟まれることとなり、布4の外側か
らシリンダーロール12に向かつて押圧している
複数の加圧ロール6〜11により徐々に加圧力を
増すように構成された線圧力、場合によつて付加
されるストレツチロール18によつて高張力を加
えられた布4がシリンダーロール12の圧着部
分に生じせしめる面圧力とによつて中圧脱水され
流動性の殆どないケーキ状汚泥となり次の高圧脱
水部Cに送られる。ここで得られた脱水ケーキの
固形分は15〜30%になつている。
中空脱水部Bにおいて、ある程度脱水されケー
キ状となつた汚泥はスクレーパー20aにより掻
き落とされ細かく分割して不連続な汚泥ケーキと
なし、該不連続なケーキを再度無端状植毛布4
の上に乗せて走行させ、高圧脱水部Cへ送られ、
少なくとも一対の強固で大径なロール13,14
間によつて形成されるニツプ区間で線圧力5〜
100Kg/cmの大きな加圧力を受ける。既に流動性
が殆どなくケーキ状となつた汚泥は植毛布の植
毛パイルにより遮られたり、布表面の大きな摩
擦力により移動を妨げられ圧延拡大されることな
く内部に包含している水分が高圧力を受けケーキ
の厚み方向へ更に脱水され、布4の空隙を通し
て排出される。大径ロール13,14のニツプ区
間は、ロール13を汚泥供給側にオフしているた
め、ロール13はロール14の面上頂点より汚泥
供給側にずれており、ロール14の周面を通つて
流下する水分は汚泥排出面側のロール面には流下
しないので、脱水されたケーキが再び湿潤してし
まうことはない。また、ロール13をロール14
よりも早く回転させることが可能で、ニツプ区間
手前に滞りがちな汚泥を速やかにニツプ区間に食
い込ませることができ、高圧脱水が円滑にすす
む。この高圧脱水部で得られる脱水ケーキの固形
分は20〜50%になつている。こうして得られた脱
水ケーキは高圧脱水部Cを通過すると基布面に倒
れていた植毛パイルが起き上ることにより、布
面から剥離し易く自重により落下したりスクレー
パー20b,20cにより掻き落とされる。無端
状植毛布4はガイドロール15通過後シヤワー
22により洗浄再生されて蛇行修正ロール16、
ガイドロール17、ストレツチロール18へと進
み、再び同様な繰り返しが行なわれるが植毛布
では基布の目開きが大きいことと、植毛パイルが
非加圧時は起き上がつていることより非常に洗浄
が容易であり、他の布に比べて使用可能時間が
極めて長い。
「考案の効果」 この考案は上記の説明から分るように、一枚の
無端状植毛布の走行により、凝集フロツクを濃
縮し、中圧脱水、高圧脱水と一連の濃縮脱水処理
を行ない低含水率の汚泥ケーキを得ることに特徴
があり、特に1枚の無端状植毛布に沿つて濃縮
脱水及び中圧脱水まで行ない、その後ケーキ状に
なつた汚泥が中圧脱水部のシリンダーロールに付
着し、該付着した汚泥をスクレーパーで掻き落と
し、細かく分割された不連続なケーキとして再度
無端状植毛布の上に乗せて走行させて高圧脱水
部に向かわしめるようにした点と、高圧脱水部の
一方の大径ロールを他方の大径ロールよりも増速
させ得るようにした点とによつてケーキだまりを
解消せしめたことである。濃縮部では、重力過
方式の採用と植毛布の組み合わせにより立毛し
た状態のままの植毛パイル間および粗目基布の空
隙を通して多量の遊離水を除去濃縮して汚泥の厚
みを効率よく厚くでき、かつ展圧ロールにより厚
みを均一にしながら濃縮を高めているので、次の
脱水工程での水量負荷を軽減し、汚泥の厚みむら
による不均一な脱水や布の皺の発生などを防止
し極めてスムーズな脱水を達成させる効果があ
る。特に濃縮部では植毛布に大きな加圧力が加
わらないため、植毛パイルが基布面に倒れないの
で通水性が非常に高く、汚泥フロツクの濃縮が極
めて迅速に行なわれる。さらに、滞留槽を傾斜し
た場合は、過距離もそれだけ長くなりスクリー
ン効果の向上と相俟つて設置面積もさほど場所を
とらないで済むという効果がある。
中圧脱水部においては、布の外側からシリン
ダーロールに向かつて押圧している複数の加圧ロ
ールにより徐々に加圧力を増すように構成された
線圧力と、加圧力が増すにつれて植毛パイルが基
布面に倒れて形成する微細な繊維間空隙とにより
徐々に脱水が進むので、汚泥中の水量負荷が順次
軽減されて流動性の少ない汚泥となり、植毛パイ
ルが抵抗となつて移動しようとする汚泥を遮るの
で濃縮された汚泥をリークさせずに脱水すること
ができる。また、複数の加圧ロールの内、汚泥供
給側の数本のロールをバーロールに構成すること
で加圧力を受け非加圧ゾーンへ逃げようと移動し
易い難過性の汚泥でも、液をバーとバーとの
間隙を通して外部に抜けさせ、液の移動による
濃縮汚泥の広がりを最小限度に押えることがで
き、加圧力に対する濃縮汚泥の滞りもバーとバー
の間の間隙により弱められることとなり汚泥のリ
ークを防止できる。また、汚泥の種類によつては
ストレツチロールによつて布に高張力を与え、
布張力によりシリンダーロール外周面を押圧す
る面圧力を濃縮汚泥に加え、さらに脱水効率を向
上させることもできる。
高圧脱水部においては、中圧脱水部のシリンダ
ーロールに付着した汚泥をスクレーパーで掻き落
とし、細かく分割された不連続なケーキとして再
度無端状植毛布の上に乗せて走行させて高圧脱
水部に向かわしめるようにした点と、高圧脱水部
の一方の大径ロールを他方の大径ロールよりも増
速させ得るようにした点とによつて次のような特
有の効果を奏する。即ち、 大径ロール13,14間を通過する時にケー
キの広がりがあつてもその後のケーキのない無
端状植毛布4面にはケーキの広がりに対する
抵抗が大きい上に、この布部分には汚泥がな
いので過抵抗が著しく低下しており、ケーキ
の広がりは押えられ易くなり、ケーキ状が連続
して高圧脱水部を通過する時に比べ、大径ロー
ル13の前にケーキだまりをつくることが少な
くなる。従つて、サイドリークや脱水不能に陥
ることがなくなり、脱水良好な安定した脱水機
を得ることができる。
ケーキだまりが大径ロールの前に出来た場合
には、一方の大径ロール13の速度を他方の大
径ロール14の速度より増速することによりニ
ツプ区間への汚泥ケーキの食い込みが増し、ニ
ツプ区間手前に汚泥ケーキが徐々に滞ることが
なくケーキだまりが解消され、安定した脱水機
の運転が行なわれる。
一方の大径ロール13の前でケーキだまりが
出来たとしても、またサイドリークした場合で
も、布に著しい応力が加わるためでもないた
めに、ケーキ逃げの自由のない場所での高力プ
レスとは異なつて布に与えるダメージが小さ
く安定している。
また高圧脱水部においては、中圧脱水された汚
泥ケーキ状は少なくとも一対の大径ロール間を通
過する無端状植毛布の走行により、該大径ロー
ルによつて形成されるニツプ区間で線圧力5〜
100Kg/cmの大きな加圧力で高圧脱水され、低含
水率の汚泥ケーキが得られるが、前段の中圧脱水
部で流動性の殆どないケーキ状汚泥となつている
ことと、植毛布のパイルが基布面に倒れ大きな
摩擦力を生じることより、汚泥は布巾方向へ移
動しにくく汚泥が圧延拡大されることなく厚い脱
水ケーキが得られ、従来のロールプレス型脱水機
に比べ極めて小巾なロール面長と布巾で足りる
コンパクトな脱水機となつた。また、少なくとも
一対の大径ロールのニツプ区間により高圧脱水さ
れ排出する液は、脱水された汚泥ケーキの再湿
を防ぐためケーキ排出側ロール周面には液が流
れないように構成されている。更に大径ロールの
材質及び直径が汚泥性状により適宜選択でき、前
段の中圧脱水部との組み合せにより流動性に富
み、不可逆的な変形を起し易い難過性の汚泥で
あつても容易にかつ効果的に圧搾脱水することが
できる。さらにこの考案の有効なことは、布と
して網目状基布の表面に短繊維を斜めに傾斜して
植毛したものを用いるために、植毛パイル自体に
一定の圧縮性および回復性を具備しており、濃縮
工程では植毛パイルが立毛しているため通水性が
非常に高く汚泥フロツクの濃縮が迅速に行なわ
れ、脱水工程では加圧力により植毛パイルが基布
面に倒れることにより、微細な空隙部を形成し
過効率に優れかつ、植毛パイルの抵抗により汚泥
の移動が妨げられ汚泥のリークが発生しないので
安定した脱水が行なわれ、圧搾脱水機に得られた
脱水ケーキが植毛布から容易に剥離できる上に
自己洗浄効果によつて布が汚れたり、目詰りし
たりすることがなく、従来の布に比べて比べて
寿命が極めて長いものとなる。以上本考案装置
は、一枚の無端状植毛布の走行により汚泥の濃
縮、中圧脱水、高圧脱水の諸工程を効率よく連続
しておこなうことができコンパクトで高処理能力
を有し低含水率脱水の要望に応じられる脱水装置
である。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの考案の一実施列を示す概略説明
図、第2図は無端状植毛布の概略的断面図であ
る。 1……凝集反応槽、3……滞留槽、4……無端
状植毛布、5……展圧ロール、6〜11……加
圧ロール、12……シリンダーロール、13,1
4……大径ロール、23……織布、24……短繊
維、A……濃縮部、B……中圧脱水部、C……高
圧脱水部。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 目の粗い網状の織物の基布に単繊維を傾斜して
    植毛した一枚の布がその進行方向に向つて植毛
    の基部をその植毛上端よりも前方に位置するよう
    に複数のロール群により無端状に張架されて走行
    しうるようにした汚泥の脱水装置において、無端
    状植毛布の上部走行面側の一部に近接する底な
    しの滞留槽および該滞留槽の終端部近傍に設けた
    展圧ロールからなる濃縮部と、該濃縮部で得られ
    た濃縮汚泥を無端状植毛布により移動走行させ
    つつ植毛布の外側から複数の加圧ロールにて該
    濃縮汚泥を大径なシリンダーロール外周面に徐々
    に押圧力を高めつつ押圧して脱水する中圧脱水部
    と、該中圧脱水部で掻き落とされた不連続な汚泥
    ケーキを再度無端状植毛布の上に乗せた状態で
    走行させ、該無端状植毛布を挟み込む少なくと
    も一対の大径なロールを配し、該大径ロール間に
    高ニツプ圧力を付与する加圧手段を設けるととも
    に一方の大径ロールを他方の大径ロールよりも増
    速し得る増速手段を設けることにより汚泥ケーキ
    を高圧脱水する高圧脱水部とを備えたことを特徴
    とする汚泥の脱水装置。
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